風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

震災から半年

2011-09-10 12:04:42 | 日々の生活
 7月1日以来の電力使用制限令が、予定より早く、昨晩8時をもって解除されました。東電管内でこうした電力使用制限令なるものが発令されたのは、石油ショック以来、実に37年ぶりのことだったそうです。電気への依存が益々増大する現代社会にあって、突然の節電への取り組みは、殆ど全ての人にとって初めての経験だったことでしょう。実際の電力使用量が、前年比で努力目標の-15%を大きく上回る-21.9%に達し、90%を超えたのは8月18日の一日だけだったのは、昨年ほど暑い夏ではなかったにせよ、自宅やオフィスのエアコンの設定温度を少しでも上げ、こまめに電源を消し、蛍光灯やエレベーター運転の間引きをし、LED電球に切り替えるといった、地道な努力の積み重ねと、自動車業界をはじめとする大口需要家が週末操業を採用するなどして、電力使用のピークを外す健気な努力を続けて来た結果です。日本人の全体を思う気持ちとここぞという時の従順なまでの結束力は見事と言うほかありません。
 私の会社でもロケーション毎に輪番休暇制をとり、私は8月第二週に続き今週も秋休みとなりました(その分、9月の祝日は二日とも出勤です)。どうやら過剰な明るさや必要以上の電気への依存を続けて来たことに誰もが気づき、紙の書類を見ることが減ってパソコンで殆どの用を済ませる現代であればなおのこと、昼間のオフィスの灯りを以前より暗くするといった節電の意識は、この冬の電力危機が明確に回避できる見通しが立っていないというばかりではなく、日常のたしなみとして、当面、後戻りすることはないでしょう。
 昨日はまた、自衛隊の東日本大震災に対する支援が(福島第1原発事故対応を除いて)終了したようで(最後は、福島市内で実施する入浴支援一ヶ所)、そういう意味では災害対策で言われるところの救助・救済・復旧・復興・振興の五段階の内、救助・救済が終わったということでしょう。この災害からの救助・救済における自衛隊はじめ警察・消防・海上保安庁などの国や地方自治体の方々のご尽力には頭が下がります。既に天皇陛下が早い段階で労をねぎらっておられますので、私ごときが出る幕ではありませんが、感謝し過ぎることはありません。「暴力装置」と呼ぶ人と同じような思考回路の人がうようよいそうな薄情な政権にあって、志高く献身される姿には胸を打たれます。
 半年を経て、一つの節目を迎えたことになりますが、次の段階である復旧は道半ば。今朝の「ウェークアップ」を見ていると、週末のたびに医療支援を行う品川区の開業医や、住民がいなくなって場所を変えて診療を続けるかつて避難区域にいた開業医や、避難区域にある校区の子供たちを受け入れて5つもの学校が一つの校舎で職員室や体育館まで教室に衣替えして教育を続ける現場が映し出され、長年住み慣れた土地を離れて不自由を強いられる人々がまだ大勢いる状況には、あらためて胸が痛みます。何も出来ないもどかしさを感じるからこそなおのこと、大震災・津波被害と原発事故で打ちひしがれた日本を立ち直らせるために、更には円高、高い法人税、厳しい労働規制、CO2削減などの環境規制、自由貿易協定(FTA)への対応の遅れの「5重苦」(電力不足を加えて6重苦と言われたものでしたが)にあって、世界で地盤沈下を続ける日本を救うために、各人が元気を出して持ち場をしっかり守らなければならないものだと、ふと思います。
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