世の中には難なく壁を越えられる人がいる。とてつもなく大きな壁で、一流と言われる人でも、もがき苦しむところを、あっさりとこなしてしまう。そんなことをしみじみ感じさせてくれたのが、大谷翔平選手だった。キャンプでは打率.125、防御率27.0で「高校生レベル」と酷評されるなど散々だったのに、レギュラー・シーズンが始まって早々の4月5日のFOXスポーツに出演したA・ロッドから「大谷が入るとメジャー選手が高校生レベルに見えてしまう」と逆に絶賛された。
フル出場ではなかった。打者として104試合に出場し、打率.285、22本塁打、61打点、OPS.925、10盗塁、投手として10試合に登板し、4勝2敗、防御率3.31という成績を残し、投票権を持つ全米野球記者協会の記者30人の内、25人から1位指名を受けるという文句なしの評価を得て、今シーズンのアメリカン・リーグ新人王に輝いた。
日本人選手では、1995年の野茂、2000年の佐々木、2001年のイチロー以来、17年ぶり4人目の快挙という。また同一シーズンで2桁本塁打をマークし4勝以上を挙げたのは、1919年のベーブ・ルース以来だという。あるいは同一シーズンで「10試合登板、20本塁打、10盗塁」はメジャー史上初だとか、15本塁打以上を放ち50三振以上を奪ったのはメジャー史上初だともいう。野暮ったい言い方になってしまうが、長年、日本のプロ野球を愛してきたファンとして、日本人としての誇らしさを感じる。
今シーズン最高の思い出を問われて、大谷は初本塁打を挙げ、「嬉しかったですし、ベンチに帰ってからも(無視されて)楽しかった」とコメントした。本拠地初出場となった4月3日のインディアンス戦に8番・DHで先発し、3ラン・ホームランを放ったもので、ベンチのチームメイトから、背中を向けたまま無視されるという歓迎の儀式である「サイレント・トリートメント」の仕打ちを受けて、祝福の“おねだり”をするあどけない大谷の姿が拡散されたことでも話題になった。なんとも愛らしくて、まさに名場面として永遠に語り継がれることだろう。彼の人気は、こうした何の衒いもない素直なキャラクターに負うところも大きいように思う。
「二刀流」の大谷のことをUSA TodayやNY Timesは「Two-Way Star」と呼んだ。2年目のジンクスは打者として、そして3年目にはいよいよTwo-Wayの真価が問われる。大挙して太平洋を渡った一時期の日本人メジャーリーガー・ブームが去って、たった一人で再びシーズンを楽しみにさせるとは、とてつもない選手が現れたものだ。暖かく見守って行きたい。
フル出場ではなかった。打者として104試合に出場し、打率.285、22本塁打、61打点、OPS.925、10盗塁、投手として10試合に登板し、4勝2敗、防御率3.31という成績を残し、投票権を持つ全米野球記者協会の記者30人の内、25人から1位指名を受けるという文句なしの評価を得て、今シーズンのアメリカン・リーグ新人王に輝いた。
日本人選手では、1995年の野茂、2000年の佐々木、2001年のイチロー以来、17年ぶり4人目の快挙という。また同一シーズンで2桁本塁打をマークし4勝以上を挙げたのは、1919年のベーブ・ルース以来だという。あるいは同一シーズンで「10試合登板、20本塁打、10盗塁」はメジャー史上初だとか、15本塁打以上を放ち50三振以上を奪ったのはメジャー史上初だともいう。野暮ったい言い方になってしまうが、長年、日本のプロ野球を愛してきたファンとして、日本人としての誇らしさを感じる。
今シーズン最高の思い出を問われて、大谷は初本塁打を挙げ、「嬉しかったですし、ベンチに帰ってからも(無視されて)楽しかった」とコメントした。本拠地初出場となった4月3日のインディアンス戦に8番・DHで先発し、3ラン・ホームランを放ったもので、ベンチのチームメイトから、背中を向けたまま無視されるという歓迎の儀式である「サイレント・トリートメント」の仕打ちを受けて、祝福の“おねだり”をするあどけない大谷の姿が拡散されたことでも話題になった。なんとも愛らしくて、まさに名場面として永遠に語り継がれることだろう。彼の人気は、こうした何の衒いもない素直なキャラクターに負うところも大きいように思う。
「二刀流」の大谷のことをUSA TodayやNY Timesは「Two-Way Star」と呼んだ。2年目のジンクスは打者として、そして3年目にはいよいよTwo-Wayの真価が問われる。大挙して太平洋を渡った一時期の日本人メジャーリーガー・ブームが去って、たった一人で再びシーズンを楽しみにさせるとは、とてつもない選手が現れたものだ。暖かく見守って行きたい。