風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

熊本地震

2016-04-19 01:16:47 | 日々の生活
 熊本地震の報道には胸が痛む。直下型と聞いて油断していたら、人が揺れを感じる地震(震度1以上)は、今日の午前中には既に500回を越えたらしい。被災地の方々の不安はいかばかりかと思う。16日(土)午前1時25分頃に発生したM7.3、震度6強の地震が本震とされ、28時間前の14日(木)午後9時26分頃に発生したM6.5、震度7の地震は本震ではなく前震と訂正されたのにも驚いた。気象庁によると、M6クラスの直下型地震の後、規模が上回る本震が起きたのは1885年の観測開始以来初めてらしい。テレビなどで専門家の解説を聞いていると、そこまで分かってきたのかと感心することがしばしばである反面、震源地が移動するなど、分かっていないことも多いものだとつくづく思う。
 この地域でまさか大地震が起こるとは思っていなかったと呟く住民の気持ちは分からないではないが、どうやら耐震補強工事はそれほど進んでおらず、多くの一般家屋が倒壊したようだ。なかでも熊本城の石垣が崩れ、瓦が落ち、無残な姿を曝け出したのはショックだった。戦目的の建造物だから堅牢であるとの思い込みがあり、一種の象徴のように思うからだが、実際には400年前にも、同じように熊本から大分にかけて大きな地震があり、熊本城も被害を受けたらしい。また陸路が寸断されて輸送が滞っていることとか、東日本大震災で教訓を学んでいたはずの、強靭なサプライチェーンを誇るはずのトヨタが、18~23日に全国の完成車工場の生産を段階的に停止すると発表したことにも、あらためて驚かされた。いよいよ首都圏で大地震が起これば、日本の経済や財政にどれほど甚大な影響が及ぼすかと、不安になる。明日は我が身である。
 他方、東日本大震災のときと同様、地元コミュニティの連帯・助け合いや、全国で支援の輪が広がるのは心強いものだし、募金の呼び掛けや救助隊派遣の準備など支援の動きが広がる台湾をはじめ、「日本政府から要請があれば、いかなる支援もする用意がある」「私たちの思いと祈りは、地震で影響を受けたすべての方々のためにある」と被災者を励ましたアメリカや、「われわれの思いは、地震の影響に直面する日本の人々と共にある」「友人である日本が必要とするどのような支援も提供する用意がある」と表明したオーストラリアなど、苦しいときの近隣の友邦の気持ちは嬉しい(因みに、プーチン大統領からも早々にお悔みのメッセージが届いたが、韓国では、九州在住の韓国人の安否確認や支援に当たる応援チームを派遣することを決めたことが先に報じられ、その後、韓国・聯合ニュースが朴槿恵大統領が安倍首相にお見舞いの電報を送ったことを伝えたのは18日のことであり、中国でも原発は問題ないことが先に報じられ、その後、中国国営新華社通信が習近平国家主席が天皇陛下にお見舞いのメッセージを送ったことを伝えたのは18日のこと・・・というのは産経Webニュースを素直に拾ったもので、他意はない)。
 先日、地震学者から最先端の状況を聞く機会があった。どこで地震が起こるかはどうやら予測出来るようになったが、いつ起こるかを正確に予測するのはまだ難しいらしい。地震列島の日本にあって、もはやいつ自らの身に降りかかっても仕方がないものと諦め、被害を(事前・事後に)どう抑えられるかを考えるべきなのだろう。
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