風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

暑い夏

2013-07-15 15:34:58 | 日々の生活
 今年の梅雨明けは平年より15日も早かったようですが、だからと言ってそんなに急いで暑くならなくてもいいものを、梅雨明け早々、翌7日には日中の最高気温が35度を上回る「猛暑日」を記録し、その後、9日には、東京で“7月上旬としては”1876年の統計開始以来初めてとなる3日連続の猛暑日と言われたのも束の間、翌10日にはあっさり4日連続の統計開始以来1位タイを記録しました(4度目)。その後も猛暑日にはならないものの、ほぼ猛暑日並み34度前後の日が続いています。そして、夜は夜で、最低気温が25度を下回らない「熱帯夜」が続き、暑さに慣れる前に暑さに晒されて、体力消耗気味です。今日はちょっと凌ぎやすくなりましたが、普段、会社でエアコン漬けの身には辛い。
 日中これほど過ごしにくかったか、年齢のせいで耐えられなくなっているのかと思ったりもしますが、どうもそればかりとは言えないようです。気象庁が12日に公表した昨年の「気候変動監視レポート」によると、猛暑日の年間日数は、昭和36~平成24年の観測値から、国内の観測点のうち都市化の影響が小さい15地点を選んで平均すると、10年に0・5日の割合で増加しているそうです。都市化の影響が大きい都市部は更に増加の割合が高く、名古屋市は2・3日、京都市は2・1日、東京都心は0・7日、福岡市は1・3日増えたということです。別の見方によると、東京では観測開始の昭和24年から20年間の年平均猛暑日数が1・4日だったのに対し、平成7年と22年に最多13日を記録するなど、昨年までの20年間の年平均は4・4日に増加しているそうです。
 夜こんなに寝苦しかったか。同じように熱帯夜についても、気象庁が観測を始めた昭和6年から昨年までの観測値を分析すると、15地点平均で10年に1・4日増加しているそうです。別の見方によると、昭和6年からの20年間では、東京都心の熱帯夜の年間平均日数は7・55日だったのに対し、昨年までの直近20年の年平均は31・9日と、実に4・4倍に増加しているのだそうです。気のせい、歳のせいばかりではなかったのですね。
 気象庁によると、東京都心の平均気温は過去100年間に3・1度上昇したそうです。他の観測点では1度前後と、東京が2度余分に上昇しているのは、地球温暖化の影響に加え、排ガスや空調の排気熱によるヒートアイランド現象によるものと、気象庁は説明しています。そう言われれば、小学生の頃、当時クーラーと呼ばれていたエアコンがある家は珍しいほどでしたが、それでも凌いでいたのは、風の通り道をつくるなどといった日本の家屋についての知恵が、まだ辛うじて生きていたからでしょうか。今では、家がこう密集していては風の通り道など考える余裕はなく、代わってエアコンが一家に二台も三台もあるご時世です。窓を開けないので、打ち水や風鈴といった季節の風物詩も見られなくなりました。朝のニュースで、海水浴を楽しむ人口が減っていると報じられ、塩水や砂でべとべと、ざらざらするのが厭だという我が儘な感覚が理由に挙げられていましたが、炎天下が過酷であり、最近は紫外線が肌に良くないことがすっかり定説になってしまったことも影響していそうです。太陽の下ではしゃぎ、真っ黒に日焼けしていたのは遠い過去ではなかったはずなのに、いつの間にか、ネット空間だけでなく物理空間までもが密室化し、自然と接するのを拒んでいるかのようです。
 夏はこれからが本番です。今年はどんな夏を過ごすことになるのでしょうか。
コメント
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