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風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

青梅への道(3)

2020-02-02 21:26:44 | スポーツ・芸能好き
 青梅マラソンまであと二週間となった。私の身体もそれなりに戦闘モードに入って来た・・・などと、この程度で自画自賛していては笑われてしまうが、50半ばを過ぎた身で、我が家のオムロンのヘルスメーター(予め登録した身長のもとで体重・体脂肪・内臓脂肪を計測し、基礎代謝と推定年齢を算出する)で41歳を記録して、自分なりに手応えを感じているのは事実だ。秋口から比べると体重を3キロ弱絞っただけ、年齢も3歳若返っただけだが、脂肪を落とすとともに筋肉がつくので、その間、多少の葛藤がある。何と言ってもお腹回りがスッキリして来たし(この頃になるとスーツのパンツがだぶだぶになる)、身体の動きにキレが戻る(背中や腹筋も鍛えられるので、歩く姿すら、ピ~ンと一本、筋が通ったような凛々しさがある・・・気がする 笑)。一年の半分のこととは言え、ストイックに走る(深酒も避ける)ことに、やや自己陶酔を覚える(笑)。一口にスポーツマンと言っても程度の差はあるが、多かれ少なかれナルシストでないと務まらないものだ(笑)。
 もっとも私の場合には、健康維持という切実な要請もある。9月という、一年で最も身体が緩み切ったときに(というのも春~夏は走らないので)会社の定期健康診断を受けることにしているが、今回は久しぶりにコレステロール値が閾値ピッタリにかかってしまった。父親もコレステロールのせいで心臓のどちらかを人工弁に代える手術をしたので、血は争えない。会社の産業医にラーメン(玉子麺)を食うよりウドンを食えと言われてから、普段はなるべくそのように心掛けているが、たまには日本の旨いラーメンが食いたくなる。回数制限はしていないが、身体が求めるものを抑えるつもりはなく、そんな身体との対話を続けたいがための運動なのである。若い頃には考えられなかったことだ。
 しかし、体力の衰えには抗いようがない。いつものジョギング・コースは、ほんの数年前まで一周7キロ42分が当たり前だったのに、最近は45分を切れない。加齢だけではなく、走り方を変えたことも一因だと思うようにしている。靴底の減り方からも分かる通り、かかとではなく足裏全面着地、できれば爪先着地を心掛け始めて、なんとなく歩幅が狭まったような気がする。それが長時間にわたってどのような影響があるのか、果たして予期したように、かかと着地でブレーキをかけるような走り方の無駄を省くことになっているのか、よく分からない。結果で判断するしかない。
 昨年は、不覚にも一月にインフルエンザに罹って、二週間ほど練習の穴を開けて、ただでさえ練習量が少ない私にとって直前の走り込み不足で不本意な結果に終わった。今年はインフルエンザに加えて、目に見えない新型肺炎の脅威もある。手洗い・うがいと、やることは変わらないが、穏やかにその日を迎えたいものである。
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お相撲さん

2020-01-29 22:53:41 | スポーツ・芸能好き
 記憶にないほど幼い頃に先代・豊山を応援していたらしいから、相撲歴はゆうに50年を超え、実年齢に近いほどだが、もはやただの伊達に・・・徒に年数を重ねるだけになってしまった。最近は知らない力士が多くて、豪栄道が引退することにそれほど感慨が湧かないし、あれよあれよという間に優勝してしまった徳勝龍にも唖然とするばかり。引退した豪栄道(大関)や稀勢の里(横綱)と同い年の「花のロクイチ組」(昭和61年生まれ・・・最高位関脇の経験者に至っては実に6人もいる)の一人で、33歳というから遅咲きの初優勝だ。
 ニュースでダイジェストを見て思わずほっこりした。結びの一番で大関・貴景勝を破ると、人目をはばからず号泣し、優勝決定直後のインタビューでは、いきなり「自分なんかが優勝していいんでしょうか」と言い放ち、(場所中、優勝争いへの意識について「ないです」「自分は一番下なので」と繰りかえすだけだったのに)いざ優勝を決めたら「(優勝は)意識することなく・・・嘘です、めっちゃ意識していました」「バリバリインタビューの練習しました」と本音をぽろぽろ。なんと控えめで素直で初々しいことだろう。福福しい顔立ちに、くしゃくしゃの笑顔がまたいい。あんこ型の、絵に描いたようなお相撲さんである。
 平成21年の初土俵から丸11年間一度も休場がないのは素晴らしいが、相撲にムラがあって、幕下で足踏みしていた頃、一時期師匠だった北の湖に、「突き押し」から「左四つ」に転向するよう助言されてようやく関取に定着する力士へと躍進し、優勝を決めたのも「左四つ」からの寄り切りだった。それにしても今場所・千秋楽では、「幕尻」力士として大相撲史上初となる「これより三役」に登場し、更に「幕尻」力士として大相撲史上初となる千秋楽結びの一番に登場して大関・貴景勝と対戦するという、異例の事態となった。「幕尻」での優勝は平成12年春場所の貴闘力以来20年ぶり史上2人目の快挙であり、33歳5カ月での初優勝は年6場所制となった昭和33年以降3番目の年長で、日本出身力士としては最年長であり、奈良県出身力士としての優勝は98年ぶり2度目であり・・・と珍しい記録が並ぶ、不思議な星の下に生まれた。
 他方、横綱審議委員会は、序盤戦で途中休場した白鵬と鶴竜の両横綱に奮起を促すとともに、白鵬のプロレス技のような「かち上げ」について、「ルール違反ではない」としつつも「大関以下がそういう技を使うのと違う。より高い基準で自分を律して臨んでほしい」と改めて苦言を呈したらしい。横審は相変わらず奥歯にものの挟まったような遠回しな言い方をするが、親方ははっきりと、とても相撲技には見えない、相撲は格闘技ではない、中でも横綱は勝ちっぷり(負けっぷり)に真価が問われる存在であって、ただ強ければいいとか勝てばいいという心掛けは間違っている、何故なら相撲は様式美を尊ぶ伝統芸能だから、と厳しくたしなめるべきだ。
 この人もお相撲さん、あの人もお相撲さん・・・勝ち負けが全てじゃないという世界は、理解されにくいだろうことは分からないではないのだが。
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白鵬の休場

2020-01-17 01:06:01 | スポーツ・芸能好き
 実のところ、白鵬が休場しようがどうしようがお構いなしのところだが、今回は二日目に遠藤に、外掛けからの切り返しで背中から土俵に叩きつけられ、金星を献上した後のことだったので(さらに三日目には妙義龍にも敗れて、二日連続で金星配給)、些か感慨深い。その遠藤との取組みについては、YouTubeでためつすがめつ繰り返し眺めて、爽快感に浸った。なんとさもしい根性だろう(笑)
 もちろん、先場所の対戦のことが伏線としてある。あのとき白鵬は、すっかり悪名高くなった「かちあげ」と言うよりプロレス技の「エルボー・スマッシュ」のように右肘で遠藤の顔面を打ち抜き、更に左右から荒々しく張って、土俵に沈めた遠藤から鼻血が滴り落ちたほどだった。大の横綱が、いくら勝負へのこだわりがあるとは言え、格下相手にむごい仕打ちをするものだと、すっかり興醒めてしまった。むろん、それは白鵬にとって初めてのことではなく、何度指摘されても言うことを聞かない、またか、という話である。それだけに、今場所の遠藤の奮闘には拍手喝さいを送ったのだった。
 白鵬の「かちあげ」は議論があるところだ。特にスポーツ評論家と名の付く方は、反則技ではない以上、横綱が正当な技を繰り出してどこが悪い、使わせたくないなら禁止にしろ、それを横綱の品格などと前近代的なことを言って否定する大相撲に将来はない、モンゴル力士は大相撲の救世主であり恩人なのに、などと言いたい放題である。しかし、このブログで何度も言ってきたように、大相撲はスポーツでも格闘技でもなく、神前で行われるがごとく、様式美を尊ぶ伝統芸能だ。白鵬の「かちあげ」と称される技は、相手の身を起こす相撲技ではなく、打撃目的のプロレス技であって、似て非なるもの。最高位の横綱が格下相手においそれと使うものでは毛頭ない。それはモンゴル人であろうが日本人であろうが関係ない。横綱は横綱らしく、相手に技をかけさせるくらいの余裕をもって、どーんと受け止め、それでも美しく勝つ勝ちっぷり、あるいは潔い負けっぷりの、品格ある相撲が求められる。前近代的で結構、それで廃れるなら仕方ないとも思う。
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菊池桃子の再婚

2019-11-06 00:15:09 | スポーツ・芸能好き
 (下書きのままだったことに気が付かず、遅れてしまった)菊池桃子さん(51)が一般人と再婚したというニュースは聞き流したが、今朝の「おはよん」でお相手が経産省の局長だと聞いて、これは聞き捨てならないと、会社で早速、日経電子版を見ると、経済産業政策局長の名前のみならず顔写真まで出ていて、確かに経済の消息ニュースには違いないが、それにしても日経もさぞかし驚いたことだろう(笑)。
 桃子ちゃんは我らが学生時代のアイドルで、会社の独身寮にいた知人が大ファンだったのをふと思い出したが、私自身は今も昔も、そもそもアイドルにさほど関心がない。しかし同じように齢を重ねている割りに桃子ちゃんは上手く齢をとっていて、とてもチャーミングなので、昔より今の方が余程関心がある(!?)ほどだが、お相手の局長さんは、こう言っては失礼ながら普通のおじさんっぽいものだから、二倍、驚いた。まさか桃子ちゃんに限って掠奪愛はないだろうと思ったが、聞くところによると局長さんは60歳にして初婚だということで、三倍、驚いてしまった。前・経産大臣の世耕さんは昨日の記者会見で「心からお祝いを申し上げたい。彼(新原氏)が結婚すると聞くこと自体大変な驚きだが、お相手を聞いてその千倍ぐらい驚いた」と述べ、元・経産大臣の甘利さんは「『えーーっ』我等のアイドルが野蛮人(笑)の手に」とツイッターでいじったのも、むべなるかな(笑)。そうは言っても、日刊ゲンダイによると、「福岡出身(と言っても、別の情報筋によると、4歳のときに父親の転勤で福岡を離れ、東京の私立海城高校卒)で東大経済学部を卒業後、1984年に旧通産省に入省、産業組織課長などを歴任し、2010年には民主党政権で首相秘書官、14年からは内閣府大臣官房審議官を務め、次期事務次官候補と目される」堂々たるエリート官僚、ということだ。同じく日刊ゲンダイによると「今年夏の人事では、今井秘書官の“操り人形”として次官に昇進ともっぱらでした。官邸の威光もあって部下には威張り散らし、正直、人望は薄い」という経産省事情通(って誰!?)の発言を引用していて、「付いたあだ名は『将軍』」とは、なんとも棘のある言いよう・・・やっかみ半分ということにしておこう。経産省で二期下だったという岸博幸氏(慶應大教授)からは、「仕事ぶりで言えば、結構強引な面がある。そうでないとまとめられないですから」「それに加えてフットワークも軽い」「強引さとフットワークの軽さで菊池さんを射止めたのかなと」と、一応、お褒めのお言葉。
 いやはや、これは小泉進次郎氏と滝川クリステルさんの結婚どころではない。あの山ちゃんを越える令和元年のヒットと言えるのではないだろうか(・・・どういう価値判断や!?)。末永くお幸せに・・・
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にわかラグビー・ファン

2019-10-22 10:40:26 | スポーツ・芸能好き
 日曜日にNHK総合で放映されたラグビーW杯・準々決勝「日本-南アフリカ」戦で、アナウンサーと解説の五郎丸さんが、本来はネガティヴなイメージをもつ「にわかファン」という言葉をポジティヴに使ってこの大会を盛り上げたことを称えて話題になった。私が「にわかファン」を自称するには恥ずかしいほど、テレビ観戦すらしていないのだが、それはラグビーが、というよりテレビを見なくなっただけで、熱狂は常に肌で感じていた。
 予選リーグで日本は、ロシア、アイルランド、サモア、スコットランドに全勝し、目標だった決勝トーナメントに進出し、世界ランク6位にまで浮上した(しかしすぐに8位に落ちた)。アジア勢初の8強は本当に素晴らしい。高校時代、狭い校庭をラグビー部と野球部と(私のいた)陸上部とで分け合っていたので、スポーツとしてのラグビーにはとても親近感がある(笑)。しかしシドニーに住んでいた頃、テレビ放映されるスポーツはラグビーかクリケット・・・は、まさに大英帝国の名残りで、対戦相手はNZやインドやスリランカに、フィジー、サモア、トンガと来れば、どこか遠い世界のスポーツのようにも思ったものだった。まさか日本でW杯が開催され、しかもティア1のアイルランドとスコットランドを破り、史上初めて決勝トーナメントに進むとは、夢にも思わなかった。予選リーグを終えた主将のリーチ・マイケルさんが「怖いくらい強くなっている。国民の応援があってここまで頑張れている」と語ったのはまさに実感だろうし、国民の多くも賛同した快進撃だった。
 英BBC放送(電子版)は「日本のラグビーが日本国民と世界のファンの心をわしづかみにした。開催国としてグラウンド内外でW杯に活力を与えた日本は胸を張っていい」と記し、ロイター通信は「その勇敢さにわずかな不足もなかったが、南アの筋力を突き破ることはできなかった」と言い、英インディペンデント紙は「高速で汚れのないパスゲームで、(1次リーグの)対戦相手全てを破った」と伝えたらしい。アイルランドのスポーツ番組のコメンテーターは「フィジカルが強いだけではなく、プレーはテクニカルで正確。運動量も豊富だ」と、また仏紙の記者は「結果だけでなく、内容が素晴らしい。プレーにリズムがある」「松島と福岡の両WTBは観ていて楽しい」と称えてくれた。
 この準々決勝は、平尾誠二さんの命日だったことも話題になった。以前、辛坊さんの番組「ウェークアップ・プラス」で、かつてイラクで殉職された外交官の奥克彦さんが、早大ラグビー部の縁で時の首相・森喜朗さんに招致を働きかけたことを知った。当初は誰も真に受けなかったらしい。平尾さんも、W杯日本開催の招致委員会でゼネラルマネジャーを務め、開催が決まった時には「日本のラグビーにとって画期的なこと。決勝トーナメント進出という高い目標を持たなければ」と話していたらしい。奥克彦さんの遺志がラグビー・ボールに込められ、様々な人がパスを繋ぎ、実現したW杯であり、決勝トーナメント進出だったことを思うと、感慨深い。
 4年前のイングランド大会で南アフリカを破った「ブライトンの奇跡」の再現はならず、逆に返り討ちに遭ってしまったが、子供たちは、激しくぶつかり合いながらも終わってしまえば「ノーサイド」でお互いの健闘を称え合うW杯の感動を、そして場外でも、台風19号で中止になって無念だったろうに、カナダ代表選手たちは土砂除去を手伝ってくれ、ナミビア代表選手たちは台風被害を受けた市民を元気づけたいとファン交流会を開催してくれたように、飽くまでも紳士として振舞うスポーツであることを、しっかり目に焼き付けたことだろう。W杯が日本で開催されたことをきっかけに、日本のラグビーがもっと強くなることを確信している。
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今ごろ、オフコース

2019-10-19 16:11:53 | スポーツ・芸能好き
 JALの機内で睡眠をとろうと、久しぶりにオフコースの曲も聴いてみた。高音に伸びがあり、透明感があって・・・という意味で聖子ちゃんと並び称される同じ1980年代の男性ボーカリストとしては、小田和正を措いて他にないと言ってもよいかも知れない。しかし、どうにも歌詞が女々しい(というのは今どき差別用語だろうか・・・)と思われたせいか、当時、男が大っぴらにファンを公言するのは憚られるという不思議なバンドだった。
 しかし存外、音に厚みがあって聴き甲斐がある。大学生の頃、軟派な軽音楽サークルでアリスのコピーバンドを結成し、なお軟派なことに某女子大の学園祭のステージに上がったこともある、思い出すだに恥ずかしい時代だが、すぐ隣にオフコースのコピーバンドがいて、かすみちゃんという女の子がドラマーをやっていたのが滅法カッコ良かった。アリスのコピーバンドがアコースティック中心の素朴な音楽を追求していたのに対し、オフコースのコピーバンドは健気なかすみちゃんのドラムを含めてなかなかヘビーだったのがとても新鮮だった。オフコースの良さをコピーバンドで知るとは皮肉なものだ(いや、知っていたのだが、再認識したというところか)。
 オフコース通算19枚目のシングル「Yes No」の、「きみを抱いていいの~? 好きになってもいいの~?」とはまた実に女々しい(!)セリフだが、実はこれが二番目に好きな曲で、当事者の思いを切々と歌い上げるところにはつい共感してしまう。そして一番好きな曲は、その次のシングル「時に愛は」で、思いのたけを吐露する抒情詩の「Yes No」とは対照的に、愛の叙事詩を他人事のように淡々と突き放して描写する、その抑制的なところがまた良いのだ。
 ついでに三番目に好きな曲は、時代が少し下って、オフコースではないのだが、小田和正のシングル「ラブ・ストーリーは突然に」。トレンディ―ドラマの草分けである、フジの月9ドラマ「東京ラブストーリー」の主題歌に使われて、自由奔放なリカと優柔不断なカンチの切ない恋物語と、私の中では一体化してイメージ・ソング化してしまっている。鎌倉出身の知人によると、鎌倉高校(通称カマコー)生の頃の彼女は「私、キレイ?」と(聞きようによっては口裂け女みたいだが 笑)真顔で尋ねる不思議ちゃんだったらしいが、ちょっと違う意味での突き抜けた不思議ちゃん振りが、リカのキャラにはよく似合った。
 いずれにしてもオフコースは隠れた名品・・・
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今ごろ、聖子ちゃん

2019-10-17 00:18:57 | スポーツ・芸能好き
 JALの機内で睡眠をとろうと、久しぶりに松田聖子の曲を聴きながら目を閉じた。高音に伸びがあり、透明感があって、そのくせ甘ったるくもあって、心憎い。懐かしくて、眠るのを忘れてつい聴き惚れてしまった。
 大学時代、久留米大附設高校出身の知人がいて、松田聖子と言えば地元では悪の限りを尽くしたことで有名なのだとこれみよがしに語ったものだが、そんなことは私にはどうでもいいことだった。確かに当時、ヤンキーのお兄さんたちに絶大なる人気を誇ったし、「ぶりっ子」と呼ばれて見透かされてもいたのだが、アイドルは目の前に映る姿が全てだ。同じ時期にデビューした河合奈保子がビジュアル系(!)だったのに対し、松田聖子はビジュアル系としては甚だ弱かったが、中身で勝負・・・声質が飛び抜けていて、良い曲に恵まれたと言うよりも、良い曲を惹きつける磁力が圧倒的で、いつの間にかスターダムにのし上がった。
 とにかくデビュー曲「裸足の季節」の伸びのある歌声は衝撃的だった。さらに8枚目のシングル「赤いスイートピー」は別の意味でも衝撃的だった。「半年過ぎても あなたって手も握らない~」のがいいという知人がいたので、これほど甚だしい虚像もないだろうと表では悪態をつきつつ(笑)、裏ではなかなかいい情感の曲だなと感心していたら、呉田軽穂を名乗る松任谷由実が初めて手掛けた曲だと知って、納得した。その後も著名アーティストを動員して、ヒットを飛ばし続けたが、サントリーのペンギンCMにも使われた「SWEET MEMORIES」をしっとりと歌われた日には、思わず参ってしまった・・・(笑)。
 同時代を生きて来た同世代として、ディナーショーにでも行って今の聖子ちゃんを聴いてみたいものだと、ふと思ったのだった。
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青梅への道

2019-10-07 22:47:33 | スポーツ・芸能好き
 今年も東京マラソンへの道はあっけなく絶たれてしまった。今から7年前に最初の応募で当選を果たして以来、7年連続の落選と相成った。この人生でまたもう一度走るチャンスがあるのかどうか、なんだか諦めムードである(笑)。一般エントリー(エリートランナーやチャリティランナーなどを除く)定員26,370人のところに、293,275人もの応募が殺到し、11倍を超える狭き門だったようだ。他方、マラソン仲間の元・同僚は、7年連続外した挙句、今回、目出度く初当選した。実に悲喜こもごも。
 仕方なく今年も青梅を目指すことにした。
 こうして目標が定まらないと、私のマラソン・シーズンは始まらない。昨日、半年振りにいつもの10キロ・コースを走った。シーズン初日とは言え、普段歩いているので、ゆっくりなら騙しだまし走ることが出来る(そして半日の時差を以て、今日の午前中から筋肉痛が始まった・・・)のだが、肩や背中といった、普段、余り使わないところは、走っている最中にも凝ってしまう・・・ところが、なんと今年は違った。この夏に、腕立て・腹筋50回運動を週一から週二のペースで続けてきたので、殆どダメージがなかったのだ。人間の身体というものは、年老いても使っていればそれなりになんとかなるものだと感心する。
 それよりも、夕方に走ったものだから、腹が減って元気が出なくて、余計、ペースが落ちてしまった。だいたい私のようにズボラで練習嫌いの市民ランナーは、仮にそれなりに走り込んだとしても、自分の足に合う靴を余程、慎重に選ばないと、足をマメだらけにして悲惨な目に遭うし、エネルギーをしっかり補給しないと、ガス欠になって、よれよれになる。
 つまり、こういうことだ。齢をとると、運動量が減るから、筋肉が衰えて、基礎代謝が減って、食べる量も減る。そこで、たまに走ったりすると、普段のバランスが崩れて、エネルギーが不足し、それをキャッチした脳が、これ以上余計な運動をすると危険だからと司令を出し、走る意欲が減退する。だから、走る前には、しっかり栄養補給をしなければならないのだが、半年振りのことで、うっかり忘れてしまった。
 走り終わって、恒例の体重測定で、シーズンを終えた3月頃と余り変わっていないことに、やっぱり驚かされる。人間の身体は、冬場に脂肪を貯め込もうとするので、走ってもなかなか体重が減らないのだが、逆に夏場は運動しなくても体重はさほど変わらない。不思議なものだ。
 5ヶ月間のシーズンの始まりである。5ヶ月かけて、青梅30キロを走る身体を徐々に造り上げていく。サボると本番で苦労することになるという恐れと、五体満足、走ることが出来る幸せを噛み締めながら・・・とでも思わないことには、なかなか続かないのだ(苦笑)
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サヨナラ慎ちゃん

2019-09-28 15:13:17 | スポーツ・芸能好き
 巨人の阿部慎之助が現役引退する。
 昨日、DeNAとの本拠地での最終戦、東京ドーム最寄り駅のJR水道橋駅構内の電光掲示板にも「阿部慎之助選手 19年間おつかれさまでした。今後も巨人軍を永久に導いてください!! ♯ありがとう慎之助」という文字が流れた。この「ありがとう 慎之助」と銘打った試合で、懐かしい「4番捕手」のコールで先発出場した。先発投手は、阿部に今、受けたい投手に指名されたマシソン。4年前、相手打者のファウルがマスク越しに顔を直撃して首を痛めたことが、阿部が捕手を離れるキッカケとなったのだが、その時にマウンドに立っていたのがマシソンだった。続いて、2回には中央大の後輩でもある澤村がマウンドに。2012年の日本シリーズでサインを見落として頭をポカリと叩いた場面が、つい昨日のことのように蘇るが、昨日もサインが合わずに(と見せかけて)マウンドに駆け寄って叩くふりをするパフォーマンスを見せ、笑顔で握手を交わして、その後、阿部は一塁に引いた。4回の第2打席では、プロ通算406号となる今季7号ソロを鮮やかに右翼席中段に突き刺した。本人曰く「打たせてもらって、もう感無量。全球、真っすぐを投げてきてくれた。彼は若い投手。『申し訳ない』と思いながら『ありがとう』と」。この日は、阿部が入団したときの監督だった長嶋さんも観戦に訪れていた。思えば45年前、長嶋さんも引退試合でホームランを放ち、「まだいける、まだいける」という関西弁のおっちゃんファンの声援がテレビ放映で拾われて思わず苦笑したものだったが、まさにそう言いたくなるような、全盛期を彷彿とさせる阿部らしい弾丸ライナーだった。
 阿部慎之助と言えば、お父ちゃんはあの掛布と同級生で、3番掛布、4番阿部のクリーンナップを組み、お母ちゃんはピーター(池端慎之介)の大ファンで(私もそうだったが)、命名はピーターに因む(介と助が違うが)。Wikipediaからの抜書きになるが・・・2001年、巨人としては山倉以来23年ぶりに新人捕手・開幕スタメン(8番・捕手)し、初打席・初安打・初打点を含む4打点を挙げる鮮烈デビューを飾った。翌2002年には、8月の3度を含む4度のサヨナラ打を記録し、今日のブログ・タイトルの通り「サヨナラ慎ちゃん」と呼ばれるようになった。2004年4月はメモリアルな月で、6試合連続を含む月間16本塁打は、王さんの球団記録を更新した(門田などと並ぶ日本タイ記録)。2007年にはチームの主将に任命され(2014年まで8年間)、6月9日の楽天戦で巨人軍第72代目4番打者になった。その後も、捕手という過酷な、しかしチームの要となるポジションで、ケガに苦しみながらも活躍し、2010年には捕手として野村・田淵に次ぐ史上3人目のシーズン40本塁打を達成し(最終的に44本で、本人として生涯シーズン最多)、2011年には連続守備機会無失策のセ・リーグ新記録1709を達成した。2012年は本人にとって恐らく最高の年で、初の個人タイトルとなる首位打者、打点王、最高出塁率のタイトルを獲得した(後にも先にもこの年のみ)。本塁打はバレンティンに4本差の2位で、惜しくも三冠王を逃した。このときの打率.3404は古田の記録を上回る捕手の最高記録、打点は両リーグで唯一100を超える104、三振数は規定打席到達者の中でセ・リーグ最少、出塁率・長打率は12球団トップで、セ・リーグMVPを獲得した。2013年のシーズン終了後、年俸6億円(推定)は松井秀喜と並ぶ球団最高年俸タイ、両リーグ併せて史上2位タイとなる。2017年に史上49人目の通算2000本安打を達成したことはブログにも書いたが、巨人の生え抜き選手では柴田勲以来37年ぶり5人目、また21世紀に入ってからのドラフト指名選手で初の栄誉である。昨2018年は岡本の活躍もあって出場機会が減ったが、入団1年目から18年連続となるの二桁本塁打は、清原・張本に次ぐ歴代3位の長さである。そして今年6月1日のシーズン初本塁打で、史上19人目となる通算400本塁打を達成し、巨人在籍中の達成は王・長嶋に次ぐ3人目、捕手としての達成は野村、田淵以来、史上3人目、捕手で2000本安打と400本塁打をともに達成したのは野村に次いで2人目となる。
 長々と書き連ねたが、記憶に残る、球界を代表する強打の名捕手だ。かつてドラフト前に、あるスカウトは「阿部くんを獲得できれば、15年はキャッチャーの心配はいらないと本気で思っていた」と語ったそうだが、大袈裟でもなんでもなかった(ケガには苦しんだが)。権藤博さんは「打撃は天才的。高めの速球を逆方向に飛ばす選手は珍しくなくとも、低めの変化球を左中間スタンドに放り込む技術とパワーを持った選手は、阿部の他にはそういない。打者としては、天才の上に「超」をつけなくてはいけない選手だった」と称える。ベストナイン9回、ゴールデングラブ賞4回、オールスターゲーム出場13回。捕手としてのキャプテンシーにも定評があるが、自主トレに坂本勇人や小林誠司をはじめ多くの若手選手を自費で帯同させる面倒見の良い先輩でもあった。25日の引退記者会見では、記者たちが皆、背番号10のユニフォーム上着を着るサプライズで、周囲からも愛された選手であることが忍ばれる。その会見の模様を伝えるAbema記事から引用する。

(引用)
 「野球とは?」と問われると「野球とは…」と自問自答するようにつぶやき、さらに「ん~…」「野球とは?」ともう一度続け、およそ10秒の沈黙を経て静かに心の中にある思いを語り始めた。
 「一寸たりとも心の中から消えないものですよね。何かしている時も、たぶん心の中には野球しかなかったんじゃないかなと思います」
 さらに阿部は「死ぬ寸前まで野球が好きなんじゃないですかね」と続けると、自らの気持ちを確かめるように数回頷いた。
(引用おわり)

 華のある選手で、私にとっては清原の次の世代のアイドルだった(因みにイチローはその真ん中に位置し、三人とも野球小僧!)。私の気のせいに過ぎないが、彼の打球が描く弧の鋭さと美しさは随一と思わせた。ヒーローインタビューの「最高で~す!」はワンパターンで物足りないが、彼ならしゃーないなーと思わせた。
 昨晩のセレモニーで、最後まで涙を流さなった理由を聞かれて、「日本一になって泣こうかなと思っている。感極まるところはいっぱいあったが、自分にはまだこれから大事な試合があるのに、涙を流してしまうと気持ちが切れてしまうのではと思ったので我慢してます」と明かした。23日にチームメイトに呼び掛けたように、日本一となって花道を飾り、目いっぱい泣かせてあげたい。
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シブコ効果

2019-09-23 00:41:23 | スポーツ・芸能好き
 どうも日韓関係にはうんざりし、米中および米朝関係が膠着する中で、スポーツに逃げているつもりはないのだが、今週末は嬉しいスポーツ・ニュースが重なった(さしずめハットトリック)。
 先ずはタイトルにもあるように、シブコがデサント東海クラシックで、首位との8打差をひっくり返し、国内3勝目を挙げるとともに、今季の獲得賞金(生涯獲得賞金)1億円を突破した。ルーキー・イヤーだから、昨年は当然のことながら賞金「ゼロ」である。サラリーマンには夢のまた夢(笑)。目まぐるしく変わる天候をも味方につけた。シブコがスタートした時には風は穏やかで、快調にスコアを伸ばし、首位との差を着々と詰めていったのに対し、ホールアウト後は風雨が強まり、最終組のスコアは伸び悩んだ。前日の9番ホールでは、シブコ曰く「殺人ボール」が、男性ギャラリーの背中を直撃し、謝罪した上でサインボールをプレゼントして、その誠意ある対応に周囲から温かい拍手が湧き起こったというが、ことさらに強調するまでもない。
 続いて、「3回目の挑戦で大坂(なおみ)が大阪で勝った」(本人の弁)。東レ・パンパシフィック・オープンでの日本勢の優勝は、1995年の伊達公子以来、実に24年ぶり2人目の快挙だそうだ。降雨のため、前日は準々決勝と準決勝のダブルヘッダーをこなすという、テニスにしては珍しい一日となった。その準々決勝では、マッチポイントを握ったところで、対戦相手のユリア・プティンツェワが左足首をひねって負傷すると、大坂はすぐさまタオルと氷を持って駆け寄り、コート上にタオルを敷いて心配そうに寄り添うという、実に麗しい場面があったが、これもことさらに強調するまでもない。
 臨床心理士で明星大心理学部准教授の藤井靖氏によると、(シブコの)笑顔は、課題を克服し安定した情緒を維持するための対処行動なのだそうだ。笑顔にそのような効果があるのは、感情をコントロールする作用があるからで、通常は嬉しい・楽しいなどの感情が基になって笑顔が作られるが、逆に笑顔を作ることによって、ポジティブな気分に誘導されやすくなるということだ。また、(シブコの)笑顔はギャラリーや周囲の人の笑顔や激励をも引き出す。彼女は、ギャラリーの応援が力になったことをたびたび述べており、多くの聴衆に注目される環境が、自分のパフォーマンスを向上させることを経験的に知っているのだろうと言う。つまり、作られた舞台の影響が「良いスコアとして表れる」→「ギャラリーが盛り上がる」→「モチベーションやスコアが更に向上する」といった、本人と環境との好循環が生まれているということだ。
 もう一つ、藤井氏は、他のトップゴルファーと一味違うシブコの類い稀なる点として、「ゴルフに取り込まれ過ぎていない」ことを挙げる。お菓子を食べながら、緊迫した場面でもキャディーと談笑しながら、まるでプレー終了後であるかのようにギャラリー対応をしながら、どこか他人事のようにゴルフに向き合っているのではないかと言うのだ。これも一種の新人類かと私は思っていたが、自分のことであっても、物事を遠い空を飛ぶ鳥の目で俯瞰するようにしてみたり、他人事のように一歩引いて考えられたりするのは、強いメンタルを作り上げるうえで必須の要件だと言われると、なるほどと思う。こうしてシブコなりによい距離感でプレーと向き合い、良い結果につながっているのだろう。プロ・ゴルファーでありながら、今もなおゴルフよりソフトボールが好きだと言い切れるところにも、その微妙な距離感が表れているように思う。
 こうして(特に全英でのシブコの振る舞いは)、以前ブログに書いたことだが、最近ちょっと吹っ切れたように見える大坂なおみにも多少なりとも影響を与えているのではないかと邪推している。全米オープンの3回戦や今大会の準々決勝で見せた相手選手への思いやりは、もとより作りごとではなく、彼女本来の優しさが迸ったものだろう。しかし、いざラケットを握ってコートに立つと情け容赦しない(笑)、切り替えの見事さも、シブコに繋がるものがあるように思う。
 さて、この週末のハットトリックの三つ目は、(シブコ効果とは関係がないが)原・巨人が5年ぶりのリーグ優勝を決めたことだ。今さらとは思うが、巨人ファンは辞められない(苦笑)。今季は、原さんの采配に尽きるように思うが、前任監督の高橋由伸から引き継いだ若手が活躍したし、丸や炭谷やデラロサをはじめ、期待外れの岩隈や中島やビヤヌエバやクックなど、総額40億円になんなんとする大型補強のお陰でもある。優勝が決まって、選手が待つマウンドへ向かう原さんが溢れ出る涙を何度もぬぐい、「年を取ると涙腺が弱くなるのかもしれません」などと語ったようなバタ臭さが、案外、今年の巨人の結束を強めた最大の要因だったのではなかったかと思ったりもする(笑)。
 この三者に共通して言えることは、自然体を曝け出せるのは強いことの証ではないか・・・と思う。
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