保健福祉の現場から

感じるままに

日本政府が提供したアビガンの治療成績は

2020年04月30日 | Weblog
4.30NHK「レムデシビル 米機関は“回復早める” 英医学雑誌“効果なし”」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200430/k10012411381000.html?utm_int=news_contents_news-main_006)。<以下引用>
<新型コロナウイルスに効果があるか研究が進められている薬「レムデシビル」について、アメリカの国立の研究機関は、患者の回復を早めることが確認されたと発表しました。一方で、イギリスの医学雑誌には、「有意な効果はみられなかった」とする論文が掲載され、来月中旬以降、発表される見通しの臨床試験の結果に注目が集まっています。「レムデシビル」は、新型コロナウイルスの患者の治療に効果があるかまだ分かっておらず、世界各地で安全性や有効性を確かめる臨床試験が進められています。こうした中、アメリカのNIH=国立衛生研究所は29日、アメリカなど各国の医療機関が共同で行っている臨床試験の一部を分析した結果、この薬を投与された患者は回復までの日数が平均で11日だったのに対し、投与されなかった患者は平均で15日だったとして、患者の回復を早めることが確認されたと発表しました。トランプ大統領の会見にもたびたび同席するNIHのファウチ医師は「この薬がウイルスの働きを止めることが証明された」と述べ、今後、標準的な治療として使われるようになるという見方を示しました。また、この薬を開発している製薬会社「ギリアド・サイエンシズ」も、この日、別の臨床試験で「前向きな結果が得られた」と発表しました。一方で、同じ日、イギリスの医学雑誌「ランセット」には、これらの臨床試験とは別に、中国でおよそ230人の患者を対象に行った臨床試験の結果、「統計上、有意な効果はみられなかった」とする論文が掲載されました。この臨床試験は、予定していた数の患者が集まらなかったため中止になったということです。各国で行われている臨床試験の結果は来月中旬以降、発表される見通しで、その結果に注目が集まっています。>

4.30産経新聞「「アビガン」80カ国近くから要請 茂木外相「ものすごく関心高い」」(https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200430/mca2004301515019-n1.htm)。<以下引用>
<茂木敏充外相は30日の参院予算委員会で、新型コロナウイルス感染症の治療薬として効果が期待される国産の新型インフルエンザ薬「アビガン」について、80カ国近くから提供要請を受けていることを明らかにした。政府は希望する国々に無償提供を行っており、30日時点で39カ国への供与を調整済みとした。茂木氏は「各国の外相と電話会談やテレビ会談を行っているが、率直に言ってアビガンへの関心はものすごく高い」と述べた。また、治療薬の開発に関し、「官民の取り組み強化、国際協力を進めており、わが国の姿勢や成果についてもしっかり対外発信していきたい」と強調した。自民党の宇都隆史氏の質問に答えた。>

4.30デイリー新潮「「コロナにアビガンが劇的に効いた」 患者の声にも厚労省が使わせない」(https://www.dailyshincho.jp/article/2020/04300802/?all=1)。

5.1NHK「厚生労働省 「アビガン」投与の注意事項まとめる 新型コロナ」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200501/k10012413241000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_009)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの治療効果が期待されているインフルエンザの薬「アビガン」について、厚生労働省は、研究としての投与が2000人あまりに行われたことを明らかにし、今後、投与を希望する医療機関に向けた注意事項をまとめました。インフルエンザの薬「アビガン」は、新型コロナウイルスの治療薬としては承認されていませんが、効果が期待されていて、愛知県の藤田医科大学病院などの研究班を中心に、全国の医療機関で研究としての投与が行われています。厚生労働省によりますと、4月26日の時点で、国内1100の医療機関で、2194人の患者に投与されたということです。一方で、動物実験などで胎児への副作用の可能性が指摘されているため、十分な安全管理対策が必要だとしています。このため厚生労働省は医療機関に向けた注意事項をまとめました。それによりますと、アビガンを投与するには、▽医療機関の倫理委員会などで承認を得たうえで、研究班に参加することが条件で、▽患者本人の同意を必ず得ることとしています。また▽妊婦には投与せず、子どもを持つ可能性がある男女への投与も慎重な検討が必要だとしています。厚生労働省は、こうした研究のほか、製薬会社による治験の結果などで有効性が確認できれば、承認に向けた審査を進めたいとしていて「1日でも早く、国民の不安を解消できるよう、有効な治療薬の開発を加速していきたい」としています。>

「新型コロナウイルス感染症」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html)(https://corona.go.jp/)(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html)(https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019)の治療について、4.30AFPBB「レムデシビル、コロナ治療に「明確」な効果 米発表」(https://www.afpbb.com/articles/-/3280993)が出ているが、4.24REUTERS「ギリアドの新型コロナ薬、治験失敗と報道 WHOが誤って情報開示」(https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-gilead-sciences-idJPKCN2253E9)も報道されている。4.27日本経済新聞「レムデシビルまもなく薬事承認へ コロナ薬、首相表明」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58543150X20C20A4PP8000/)、4.28REUTERS「レムデシビルはまもなく承認=官房長官」(https://jp.reuters.com/article/suga-remdesivir-idJPKCN22A0DM)、4.28NHK「「レムデシビル」 新型コロナの治療薬として特例承認活用へ」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200428/k10012408591000.html?utm_int=news_contents_news-main_003)、5.1毎日新聞「新型コロナ治療薬「レムデシビル」 重症者へ無償提供へ 厚労省、承認後」(https://mainichi.jp/articles/20200430/k00/00m/040/247000c)と、我が国は「レムデシビル」を特例承認するようである。但し、医療現場では、4.1日本医事新報「アビガンより有効な抗ウイルス薬は「幻想」―開発者・白木氏が緊急寄稿第3弾」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14363)とあるように、ファビピラビル(アビガン®)に対する期待が大きいであろう。4.19FRIDAY「「アビガン」は新型コロナに本当に効くのか?開発者に聞いた ドイツをはじめ世界30ヵ国から引っ張りだこ。白木公康氏が語る」(https://friday.kodansha.co.jp/article/107639)では「COVID-19は高齢者の重症化が問題視されているのですから、妊娠によるリスクを考慮しなくてもいい高齢者の服用が推奨されてもいいはずです。それなのに、なぜ多くの医療機関で使われないのか、不思議です」は全く理解に苦しむが、ようやく、4.27「新型コロナウイルス感染症に対するファビピラビルに係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供に関する周知依頼について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000625756.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/000625757.pdf)が発出された。ABPP「新型コロナ、ウイルス感染で免疫系が過剰反応 命の危険も」(https://www.afpbb.com/articles/-/3279953)では「患者は最初の症状が現れてから7~10日前後に突然病状が悪化するケースが多い」とされる。白木公康「COVID-19治療候補薬アビガンの特徴」(日本医事新報No.5005 2020.3.28 p25-31)の「COVID-19に殺されないためには、ハイリスクの年齢であったり基礎疾患を有しているのであれば、労作性呼吸困難(息切れや呼吸回数の増加)により肺合併症を早期に発見して、胸部CTで肺病変があれば、発症6日にはアビガン治療を開始していただきたい。呼吸機能に予備能のない方を除けば、患者のADLを保ち、人工呼吸器装着者は減り、医療崩壊に至る可能性がなくなることが期待できると考えている」とあり、ファビピラビル(アビガン®)の早期投与がポイントかもしれない。日本感染症学会の症例報告(http://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=31#case_reports)で、3.31「ファビピラビルを早期投与し軽快した80 代後半のCOVID-19 肺炎の1 例」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200402_1.pdf)、3.31「早期のファビピラビル、シクレソニド投与にて重症化せず軽快に至ったCOVID-19 肺炎の1 例」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200331_2.pdf)、4.6「ファビピラビル(アビガン®)投与により速やかな症状改善とPCR 陰転化を認めたCOVID-19 肺炎」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200409_1.pdf)など、アビガン早期投与の症例報告が出ている。日本感染症学会(http://www.kansensho.or.jp/)の4.24「感染蔓延期における医療体制の在り方とお願い -新型コロナウイルス感染症患者を診療される先生方へー」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_arikata_200424.pdf)p1「中等症から重症へ急速に進行する症例も散見されます。50歳以上、基礎疾患ありなどの症例に対しては重症化に十分注意して下さい。」「エビデンスが限られている状況ですが、軽症例から治療を開始するという選択肢に関しても議論されています。」とある。しかし、全く不思議なのは、日本環境感染学会(http://www.kankyokansen.org/)の4.24「感染蔓延期における医療体制の在り方とお願い -新型コロナウイルス感染症患者を診療される先生方へー」(http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/covid19_arikata.pdf)p1「重症化を抑えるための治療の考え方 ・依然としてCOVID-19に対する特異的な治療法は確立していません。」にもかかわらず、4.23日本感染症学会「新型コロナ肺炎(COVID-19)の緊急症例報告募集終了のお知らせ」(http://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=37)が出ていることである。国内では、4.18NHK「学会で治療薬の状況報告 「アビガン」などで改善例も」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200418/k10012394661000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_014)の「アビガンを投与された300人のうち、軽症と中等症の患者ではおよそ9割、人工呼吸器が必要な重症患者では6割で2週間後に症状の改善が見られた」と報じられていたはずである。そういえば、4月3日 毎日新聞「治療薬候補「アビガン」30カ国に無償提供へ 早期の効果確認へ投薬データ共有も」(https://mainichi.jp/articles/20200403/k00/00m/010/166000c)、4月3日 日経「ドイツ、「アビガン」大量調達へ 新型コロナ治療に」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57606530T00C20A4EAF000/)が出ていたが、日本政府が各国に提供したファビピラビル(アビガン®)の治療成績はどうだったのであろうか。5.2「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令 の一部を改正する政令の施行について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000627465.pdf)では「特例承認の要件において認められる同等水準国(令第 28 条第2項関係) アメリカ合衆国、英国、カナダ、ドイツ又はフランス」とあり、特にドイツでの成績が気になるかもしれない。ところで、日本感染症学会の症例報告(http://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=31#case_reports)で、4.20「重症COVID19患者に対するトシリズマブ治療の効果」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200421_2.pdf)、4.30「重症COVID-19 肺炎に対してトシリズマブ(アクテムラ®)を使用した9 症例の報告」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200430_2.pdf)と、トシリズマブ(アクテムラ®)の症例報告も掲載されるようになった。全く不思議なのは、日本感染症学会(http://www.kansensho.or.jp/)の「COVID-19 に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第1版(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_antiviral_drug_200227.pdf)にトシリズマブ(アクテムラ®)の記載はなく、4.2厚労省「新型コロナウイルス感染症に対する厚生労働科学研究班等への協力依頼について(その2)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000618587.pdf)にもトシリズマブ(アクテムラ®)はないことである。.4.27「新型コロナウイルス感染症に対するファビピラビルに係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供に関する周知依頼について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000625756.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/000625757.pdf)の「(問6)アビガン以外で、どのような薬剤で観察研究が行われていますか?(答)現在、アビガン以外には、主に、オルベスコ(一般名:シクレソニド)、フサン(一般名:ナファモスタット)の観察研究が行われています。」とあり、トシリズマブ(アクテムラ®)の記載はない。4.8中外製薬「アクテムラ、新型コロナウイルス肺炎を対象とした国内第III相臨床試験の実施について」(https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20200408170000_969.html)とあり、かなり以前から関節リウマチで使用されている「トシリズマブ(アクテムラ®)」(http://www.twmu.ac.jp/IOR/diagnosis/ra/medication/biologics/actemra.html)の治験促進は図れないものであろうか。ファビピラビル(アビガン®)・トシリズマブ(アクテムラ®)は以前からある国内開発の薬ではないか。本庶佑先生(http://www2.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/)の4.6新型コロナに対する緊急提言(http://www2.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/20200406_COVID-19.pdf)p1「治療法として外国で有効性が示されているものを実地導入する 野戦病院での戦いであることを自覚 a) 急性期抗ウィルス剤(アビガン等) b) 重症肺炎時の炎症反応の暴走時にはトシリズマブ等」、同緊急提言2(http://www2.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/20200416_COVID-19V2.pdf)p2「大切なのは免疫不全による重症化を防ぎ死者を出さない治療法の早期確立 アクテムラ(トリシズマブ)の効果検定等 急性期にはPD-1抗体治療の可能性もある」とあり、「①軽症者にもPCR検査 ⇒②陽性者の胸部CT検査、パルスオキシメーター ⇒③ファビピラビル(アビガン®)の早期投与 ⇒④重症にトシリズマブ(アクテムラ®)の投与」は標準ステップにならないとも限らないかもしれない。日本集中治療医学会(https://www.jsicm.org/covid-19.html)の「COVID-19 重症患者状況」(https://covid.jsicm.org/)をみると、ここ数日、人工呼吸器装着数が減っている。「新型コロナウイルス感染症に対するファビピラビルに係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供に関する周知依頼について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000625756.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/000625757.pdf)を徹底し、重症化を防ぎたいものである。
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