保健福祉の現場から

感じるままに

全国共通の分析ツール

2015年12月17日 | Weblog
国保情報12月14日号「KDBの活用など学ぶ/保健事業担当者研修」。<以下引用>
<国保中央会は8、9日、国保連合会の保健事業担当者と保健師のための研修会を開いた。8日には国立保健医療科学院の福田敬医療・福祉サービス研究部長が「KDBシステムを活用した医療費データに基づく地域診断のあり方」と題して講演。KDBで市町村の医療費全体を把握し疾病別の医療費の特徴や経年変化を分析。そのうえで生活習慣病の医療費を分析するなどして対象者を絞り込み対策を立てるという保健事業策定の手順を説明した。このほか、国保中央会の石原公一郎調査役が同時期に出生した集団の経年変化を比較するコーホート分析の手法を解説した。9日には帝京大大学院の福田吉冶教授が「保健活動の計画策定とその評価について」と題して講演した。問題の大きさに基づいて優先順位を決定し、保健事業を進めることを提案。目標値の設定にあたっては5つの条件(具体的、測定可能、達成可能、結果重視、期限)を満たすことが重要であると解説した。>

キャリアブレイン「データヘルス・予防サービス見本市が盛況- 高齢者向けデータヘルスの視点も」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47620.html)。<以下引用>
<厚生労働省は15日、「データヘルス・予防サービス見本市2015」を東京都内で開催した。この見本市は、医療保険者と健康・予防サービスを提供する事業者などを結び付ける場として企画された。今回が初となるが、当初の予想を上回る2930人が参加し、午前中には入場規制が行われるほどで、新たなビジネスチャンスとして、データヘルスに注目が集まっていることがうかがえた。今年は健康増進に向けた同省の施策が目立った。4月には「データヘルス計画」がスタートした。健康保険組合はデータを分析し、それに基づいて、加入者の健康維持や増進のための事業計画を立案、実施しながら健康寿命の延伸や医療費の適正化を目指す。12月には、「ストレスチェック制度」も始まった。従業員50人以上の事業場に対し、職員の心理的負担の程度を把握するストレスチェックや面接指導が義務付けられた。>

12月15日、「データヘルス・予防サービス見本市2015」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/dpstf2015/)が開催されているが、各保険者におけるデータヘルス(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/hokenjigyou/index.html)はまだまだ弱い感じがする。改正保健事業指針(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000044053.pdf)によるデータヘルス計画の策定状況はどうであろうか。さて、国保連合会ホームページ(https://www.kokuho.or.jp/hoken/public/hokenannouncement.html)2025.01.09にKDB活用マニュアルver.1.2が出ている。KDBは国保特定健診の受診者データだけではなく、医療レセプト(国保、後期高齢)、介護保険レセプトのデータベースもあり、分析結果は健康づくり推進協議会等においても広く活用したいものである。国保部門と健康増進部門が縦割りではいけない。また、介護保険関係のデータベースには、地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)があるが、あまり普及していないようである。そして、国立保健医療科学院の「地域医療構想策定研修(都道府県職員研修)」(https://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo02.html)・「地域医療構想策定研修(専門家連携編)」(https://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo03.html)で各都道府県職員等に対して実践研修が行われた医療計画作成支援データブックはNDB分析がメインであり、平成27年7月28日医政局地域医療計画課事務連絡「地域医療構想策定支援ツール等から得られる情報の関係者間での共有等について」では「地域医療構想の策定及び医療計画の作成に必要な情報については、ナショナルデータベース(NDB)等の情報を含む地域医療構想策定支援ツール及び医療計画作成支援データブック(以下「支援ツール等」という。)として都道府県へ配布しています。この支援ツール等から得られる情報については、地域医療構想の策定及び医療計画の作成に関わる多くの関係者で共有し、地域医療構想の策定や医療計画の作成のための議論に活用していただくことが求められています。そのため、医師会等の医療関係者や医療保険者等の地域医療構想調整会議及び都道府県医療審議会の委員から、支援ツール等から得られる情報を地域医療構想の策定又は医療計画の作成に参画するために提供してほしい旨依頼があった場合には、これに応じ、情報を提供していただくようお願いいたします。また、今般の医療法改正により、医療計画の作成又は変更を行う場合には、都道府県は保険者協議会の意見を聴くこととされており、地域医療構想調整会議には医療保険者が参画することとなっております。都道府県においては、地域医療構想調整会議や医療審議会の運営に当たり、保険者協議会にも、適宜情報を共有するなど、必要な連携を図っていただきますようお願いいたします。」とあった。しかし、医療計画作成支援データブックは非常に分析項目が多く、現場では今一活用しきれていないように感じる。全国共通の分析ツールが次々開発されているが、地域レベルで普及・普遍化に力を入れるべきであろう。そのためには、地元大学がカギを握っているといえるかもしれない。地域医療構想策定研修(専門家連携編)」(https://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo03.html)の対象者について、公衆衛生等の専門家・保健医療の専門家(大学、医師会、保健所等)」とあったが、大学はどれほど参加しているであろうか。あくまで全国共通の分析ツールは分析手段の一つではあるが、もはや全国共通の分析ツールが活用されない「地区診断」はあり得ない時代であろう。
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