保健福祉の現場から

感じるままに

介護保険の実力ベース

2012年02月06日 | Weblog
今年4月からの各地の一号(65歳以上)介護保険料が出揃ったようである。以前、厚労省から基準額が5000円を超える見込み(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/hokenjigyou/05/dl/hokenryousettei.pdf)とされていたが、それ以上のところが少なくない。今年度までの4160円から大幅なアップで、毎日新聞「介護保険料:65歳以上、4月から4割値上げへ--大牟田市 /福岡」(http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20120120ddlk40010376000c.html)という報道もある。管内の2つの保険者も大幅アップとなるが、要介護高齢者の増加だけではなく、①介護職員処遇改善交付金(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/10/tp1023-1.html)について、介護報酬の加算で「税対応から保険対応への振り替え」が行われたこと、②1号(65歳以上)被保険者の負担割合が20%から21%に引き上げられたこと、③介護給付費準備基金の取り崩しが第4期計画のようにはいかないこと(第4期計画で基金残額が少なくなった)等が大きいらしい。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dl/tp101027-01b_0002.pdf)では、準備基金の取り崩しや介護従事者処遇改善臨時特例交付金による軽減効果を抜いた第4期の「実力ベース」4500円が示されているように、おそらく、各地でも、第4期の実力ベースからのアップで説明されるであろう。しかし、ここで認識したいのは、介護保険料を無理に抑制し、赤字が出て財政安定化基金から借り入れ(http://www.tmnf.net/kourei9.html)すれば、次回以降計画で65歳以上の保険料に上乗せされる仕組みになっていることである。目先の保険料ばかりが注目されてはいけない。とにかく、介護保険料はサービスと一体である(サービスが少なければ保険料が下がり、サービスが多ければ保険料が上がる)。介護保険料を抑えるためには、施設から在宅への移行、そして、介護予防が進められなければならない。今年度までに各市町村で実施された「日常生活圏域ニーズ調査」(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/hokenjigyou/05/dl/niizucyousa.pdf)の結果をみれば、介護保険予備群が非常に多い。平成22年の国民生活基礎調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/index.html)では、介護が必要となった主な原因の構成割合(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/4-2.html)をみると、脳卒中が21.5%を占め、第一位である。特に要介護4、5では脳卒中が3割以上を占めている。平成21年度介護予防事業の実施状況に関する調査結果(http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/10/tp1029-1.html )では、高齢者人口に占める参加率は0.5%に留まり、制度開始当初目標としていた5%(20年度)に遠く及ばない。平成22年度の65歳以上高齢者のうちの二次予防事業施策参加者は0.6%と報じられている(保健衛生ニュース12月5日号)。介護予防・日常生活支援総合事業(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/hokenjigyou/05/dl/kaigokentou.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/hokenjigyou/05/dl/yoboukouka.pdf)にもっと関心を持ってもらい、次期国民健康づくり運動(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001zz5s-att/2r9852000001zzjy.pdf)で高齢者の健康に関する指標(認知症、うつ、閉じこもり、ロコモティブシンドローム等)が大々的に打ち出されても良いのではないか、と感じる。介護予防マニュアル(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0501-1.html)も活用したい。

「介護予防・日常生活支援総合事業の円滑な実施を図るための指針案等に関する意見募集について;3月4日締切」(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495110367&Mode=0)。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 非正規雇用 | トップ | 保健所の認識度 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事