友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

テレビドラマ『最高の離婚』

2013年01月11日 19時40分14秒 | Weblog

 大阪市の橋下市長が、市立桜宮高校のバスケット部の顧問が行なった体罰を「暴力だ」と弾劾していた。「徹底して調査する」とも言っていた。聞いた人は、「橋下市長は、子どもを持つ親の味方」と思ってしまうだろう。橋下さんの凄いところは大衆の気持ちを捕まえることが上手ということだ。彼の考え方と顧問の考え方は全く同じだ。顧問は「なぜ出来ない」と言ってぶん殴る。橋下さんは「公務員は日の丸に姿勢をただし、君が代を斉唱せよ」と言い、「守れないなら辞めていけ」と恫喝する。相手の気持ちなど考えることなく、強制するやり方は全く同じだ。

 おそらく、橋下市長は自分が顧問と同じ考え方をしているとは思っていないだろう。彼はひょっとしたら自分の考え方は間違っていないだろうか、少なくとも何か足りない点はないだろうか、そんな風に謙虚に自分を捉え直すタイプではない。あくまでも自分は正しい、間違っているのは相手である、そう思い込む人だ。石原慎太郎さんはそれに輪をかけたほど、高飛車で傲慢さに溢れている。「子どもが産めなくなったら女じゃーない」と以前言ったことがあったが、「じゃあ、役に立たなくなったら男じゃーない」と切り替えされたら何と言うのだろう。相手のことを考えずに発言する神経は日本人的ではないと思う。

 昨夜、テレビドラマ『最高の離婚』を観た。「笑っていいとも」にドラマの主人公の瑛太がゲストで出ていたが、声も小さくてあまりしゃべらなかった。それでも彼の言葉に何か引っかかるものがあって、よし観てみようと思った。以前、中井貴一と小泉今日子が出演していた『最後から2番目の恋』に似たところがあって、まるで喜劇のようだった。いつも格好いい役が多い瑛太は、中井貴一のごとくしゃべりまくる。相手役も『カーネーション』で注目された尾野真千子で、ぐうたらが適役だった。

 「結婚は拷問と同じですよ」と嘆く瑛太。「富士山を見て育った人はおおらかなの」と言う真千子。几帳面な夫と、大雑把な妻、ふたりは好みも違うし価値観も違う。とても夫婦としてはやっていけそうにない。ドラマの始まりから離婚届を書くところだった。ところが大雑把な真千子は何度も書き間違えてしまう。そうか、それでこの夫婦はこのまま続いていくのか、まだまだ問題を抱えながら、そう思った。ところが最後の場面で、「離婚届出してきたわよ」と真千子が言う。なぜか瑛太は慌てる。そこで「つづく」となった。

 相手のことを思いやって発言するのが日本人と言われてきた。そういう思いやりというか、遠慮が次第になくなってきたのかも知れない。言うべきことをはっきり言うことは大切なことだとは思うけれど、何か足りない気もする。朝のテレビの『純と愛』も気になるし、木曜日の夜10時の『最高の離婚』も気になる。やっと面白いテレビに出会えたということなのか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする