友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

それで美味しかった

2013年01月05日 18時57分53秒 | Weblog

 友だち夫婦と県美術館で行なわれている「今日の書展」を観て来た。「書」を評するほどの力量は私にはないけれど、大和塾の機関誌『風』の表題を書いてくださった玄々書作院の久保田関山さんの作品に出会うためだ。久保田さんの作品は最初の部屋の一番目立つところにあった。しかも会場に久保田さんがいて、作品の解説をしてくれていた。俳句と書を嗜む友だちは「これはいいわね」と作品を褒め、句を写していた。

 今年がヘビ年であるから、道成寺の安珍・清姫にちなんだ句を、男らしい堂々とした書に仕上げていた。句も面白かった。「書」の良さは分からないけれど、面白いというか、記憶に残る書はいくつかあった。題は「にんげん33」とあり、中心に「学」が薄文字で書かれ、その周りに「するも しないも あなたしだい」とある。どういう意味なのかと考えてしまった。友だちが好きだという正岡子規の歌があったが、書はともかくその歌は、たくさんの砂、たくさんの星、その中に自分に向かって光るものがあるというものだった。そんな風に歌える子規を凄い人だと思った。

 書展はかなりの作品だったが、続いて観に行った三越百貨店でのジミー大西さんの作品展は想像以上の人の行列だった。入場する前から長い列に並び、会場に入っても少しずつしか進めないほど混雑していた。ジミー大西さんが描いた絵本の原画を見て、「確かに、僕のものよりうまい」と言ったら、カミさんは「当たり前でしょう」と何のホローもなく言う。彼は独学で絵を描くようになったというが、凄い発想だなと感心した。「子どもの頃にサイケデリックが流行っていたのかしら」とカミさんは言うが、日本人の色彩感覚を超えた色使いが見事だ。

 カミさんは思わず3歳の孫娘のために絵本を買い、友だちも作品集を買った。主催した新聞社が招待券をかなりバラ撒いたのかも知れない。物凄い数の人が来ていたけれど、帰りには多くの人が売り場に留まっていたから成果は充分あったであろう。デパートも地下街も人が多かった。帰りに寄った喫茶店も満席だったし、お昼を食べた店も賑わっていた。世の中は不景気だと言う。設備の仕事をしている次女のダンナは「仕事はありません」と言っていたし、コンピュータの仕事をしている姪っ子の息子も「ヒマですよ」と言っていた。

 バブル期の景気の良さを体験した私たち世代は、「不景気」と嘆くけれど、これが普通なのかも知れないと思う。デパートもイベント会場も人は多いけれど、以前のように気前よくお金を使うわけではない。どうしても欲しいものがあるわけではないから、大きくお金が動かないのだろう。私たちもお昼の食事は、880円ですませた。お刺身があり、てんぷらがあった。とんかつとお刺身でも、魚の塩焼きとお刺身でも、同じ値段だ。それで美味しかった。

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