友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

アメリカの存在価値

2013年01月25日 18時24分24秒 | Weblog

 オバマ大統領の就任演説の趣旨が新聞に載っていた。1期目の時は、かなりの紙面を割いて演説文が掲載されていたし、英文のものも印刷されていたように思う。それだけ関心があったということなのだろう。就任式が行なわれたワシントン議事堂前には、4年前は180万人に及ばないが100万人が詰め掛けたという。随分少なくなったと思うけれど、2期目の就任式では過去最高という。アメリカ人は凄いなと思った。

 演説は、私たちが高校で学習したアメリカ独立宣言の引用で始まっている。フランスの人権宣言に大きな影響を与えたもので、私はこの二つを人類が到達した理想社会の宣言と感銘した。オバマ大統領は「我々を比類なきもの、アメリカ人たらしめているのは、2世紀以上前に独立宣言に明記された理念への忠誠である」と言い、独立宣言を引用する。「我々は以下の事実を自明のことと信じる。すなわち、すべての人間は生まれながらにして平等であり、生命、自由、および幸福の追及を含む不可侵の権利を与えられている」。

 さらに演説は「偉大な国家は弱き者を世話し、人命を脅かす最悪の障害や不幸から人々を守らなければならないと決意した」と述べ、「我々は中央権力への懐疑を決して失ってはいないし、あらゆる社会の病弊は政府のみによって治癒できるという絵空事に屈してはいない。だが我々は、時代が変わる時には我々も変わらねばならないこと、建国の理念に忠実であれば、新たな挑戦には新たな対応が必要だということ、そして個人の自由を守るには一体となった行動が求められていることを理解していた」と、共和党へ協力を呼びかけている。

 そして、「我々はアメリカの成功が、復興しつつある中産階級の双肩で支えられるべきだと信じている」と、政治の建て直し軸を中産階級の広がりに置くと明言している。「古びた計画は我々の時代の求めにはかなっていない。だから政府を作り替え、税法を改良し、学校を改革しなければならない」と言い、医療や福祉、社会保障、気候変動対策や持続可能なエネルギー、新しい雇用や新しい産業の改革・促進を誓う。そして、「我々は軍事力と法の支配を通して国民を守り、我々の価値観を守り抜く」というアメリカの理念を強調している。

 私は「人は生まれながらにして平等であり、生命、自由、幸福を求める権利を有する」というならば、なぜそれをアメリカ人に限るのか、理解に苦しむ。どこの国の誰でも同じとなぜ考えられないのだろう。アルジェリアにおけるテロは絶対に許されることではないけれど、どうしてテロが起きるのか、利益の分配が充分になされていないからではないのか。世界各地で起きる紛争や暴動、その原因となるものを根絶するリーダーになってこそアメリカは存在価値があると思う。

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