冬休みが目前となり、自由な時間が多くなった中学2年の孫娘に付き合って、一緒にテレビを見ることが多くなった。というよりも彼女が見たくて貯めておいたドラマの録画を無理やり見せられているのだ。その中の一つが『14歳の母』で、歳が同じなので特に興味を持って見ている。高校生から見るともう「子どもっぽいドラマ」ということなのだろうか。
14歳で妊娠すること自体が私たちの世代なら考えられなかった。もちろん、小学校の修学旅行へ行く前になぜか女子だけが集められて、男子の興味を引いていた。中にはよく知っている者がいて、「女子便所へ行ってみろ。血のついた紙が落ちとるぞ。女になった証拠だ」と話していた。それからだと思ったけれど、保健の授業で男と女の違いを教わった。
中学も高校も、男女が仲良くすることが不良のような目で見られていた時代だ。中学2年の時に、転校する女子生徒から呼び出され、駅へ友だちと一緒に出かけた。そこで彼女から縦笛だったかちょっと覚えがないが、何かをもらった。その現場を帰宅途中の先生に見られ、翌日は職員室に呼び出されて絞られた。
高校生になると、さすがにそんな野暮な先生はいなかったのではないかと思う。たくさんはいなかったけれど、中には一緒に下校するカップルもいた。私は早稲だったので、女の子には興味はあったけれど、どんな風にあこがれていたかと言えば、小説の世界だった。『野菊の墓』や『車輪の下』や『初恋』の世界が、自分にも現れるものと期待していた。
テレビドラマ『14歳の母』は、現実では考えられない。主人公の父親が「どうやって育てるのだ。中学生ではお金も稼げない。何もできないんだぞ」と叫んでいたが、そのとおりだろう。ドラマでは命を大切に描こうとしていたから、結局は14歳で出産することになり、主人公の両親が面倒をみて育てていく設定だった。しかし、未熟児で生まれてきたその子どもが本当に幸せになれたのかどうかはわからない。
14歳の母と15歳の父が、果たしてそれから子育てができたのかもわからない。父となった少年は進学をやめて働くが、そんなことで3人分の生活費を稼ぐことは出来ないから、結局は少女の両親に甘えなくては生きてはいけない。現実に生活することは悲惨な毎日がやってくることなのに、ドラマだからだろうが、これでなんとなく幸せな日々となるように描いていたのは物足りない。
孫娘は「あり得ん」と言い切っていたが、「堕したことがあるという子はいるよ。たぶん、自慢したいために言ってるだけだと思うけど」と話す。「でも、先輩には男とやったことがある子はいるよ」と続ける。そうか、子どもだとばかり思っていたけれど、孫娘の周りはもうそんな大人の世界ができつつあるのだ。結婚が許される16歳まで、あと2年なのだから、当然なのかもしれない。そう思うと、今の高校生が身体を寄せ合って抱擁していてもおかしくないのか。
私は結婚するまでキスはおろか手も握ったことがなかった。したい気持ちはあったのに、行動できなかった。肉体と精神が別々になっていた。孫娘はどんな恋をするのだろう。
14歳で妊娠すること自体が私たちの世代なら考えられなかった。もちろん、小学校の修学旅行へ行く前になぜか女子だけが集められて、男子の興味を引いていた。中にはよく知っている者がいて、「女子便所へ行ってみろ。血のついた紙が落ちとるぞ。女になった証拠だ」と話していた。それからだと思ったけれど、保健の授業で男と女の違いを教わった。
中学も高校も、男女が仲良くすることが不良のような目で見られていた時代だ。中学2年の時に、転校する女子生徒から呼び出され、駅へ友だちと一緒に出かけた。そこで彼女から縦笛だったかちょっと覚えがないが、何かをもらった。その現場を帰宅途中の先生に見られ、翌日は職員室に呼び出されて絞られた。
高校生になると、さすがにそんな野暮な先生はいなかったのではないかと思う。たくさんはいなかったけれど、中には一緒に下校するカップルもいた。私は早稲だったので、女の子には興味はあったけれど、どんな風にあこがれていたかと言えば、小説の世界だった。『野菊の墓』や『車輪の下』や『初恋』の世界が、自分にも現れるものと期待していた。
テレビドラマ『14歳の母』は、現実では考えられない。主人公の父親が「どうやって育てるのだ。中学生ではお金も稼げない。何もできないんだぞ」と叫んでいたが、そのとおりだろう。ドラマでは命を大切に描こうとしていたから、結局は14歳で出産することになり、主人公の両親が面倒をみて育てていく設定だった。しかし、未熟児で生まれてきたその子どもが本当に幸せになれたのかどうかはわからない。
14歳の母と15歳の父が、果たしてそれから子育てができたのかもわからない。父となった少年は進学をやめて働くが、そんなことで3人分の生活費を稼ぐことは出来ないから、結局は少女の両親に甘えなくては生きてはいけない。現実に生活することは悲惨な毎日がやってくることなのに、ドラマだからだろうが、これでなんとなく幸せな日々となるように描いていたのは物足りない。
孫娘は「あり得ん」と言い切っていたが、「堕したことがあるという子はいるよ。たぶん、自慢したいために言ってるだけだと思うけど」と話す。「でも、先輩には男とやったことがある子はいるよ」と続ける。そうか、子どもだとばかり思っていたけれど、孫娘の周りはもうそんな大人の世界ができつつあるのだ。結婚が許される16歳まで、あと2年なのだから、当然なのかもしれない。そう思うと、今の高校生が身体を寄せ合って抱擁していてもおかしくないのか。
私は結婚するまでキスはおろか手も握ったことがなかった。したい気持ちはあったのに、行動できなかった。肉体と精神が別々になっていた。孫娘はどんな恋をするのだろう。