ある日、ミモロは、お友達にから、
「ねぇ、普通は見れない、錺金具の工房を特別見学できるんだけど、興味ある?」と尋ねられたミモロ。もちろん「行く行く!絶対行く!」とお返事を。
秋のある日、訪れたのは、文化庁の仕事をはじめ、有名な寺社仏閣のお仕事をする錺金具の技術者の森本安之助さんの工房です。

好奇心旺盛なミモロは、興味津々。
でも、全く知識のないミモロは、恐る恐る皆が集まるお部屋へと入ります。

今回は、特別に錺金具のお話も伺えることに。

ミモロも、みんなと一緒に、森本さんのお話に耳を傾けます。

森本安之助さんは,京都迎賓館の錺金具も製作なさいました。
さて、錺金具とは、ひと言でいえば、建造物に使われる金具のこと。建物の補強材の役割と装飾的な役割を担います。

その歴史は、古く、すでにすぐれた技術により作られた金具は、古墳からも出土しているそう。仏教伝来で、仏像、仏具などを作るため、優れた精巧な技術がさらに高められ、平安時代以降、いっそう緻密で華やかなものへと発展してゆきます。
ミモロが大好きな豊臣家の作った金ぴかの華やかな建造物には、錺金具がふんだんに使われています。まさにその時代は、錺金具が最も輝いた時代です。
また、その技術は、建造物だけでなく、江戸時代は、かんざしなどの装飾品にも多用されています。
「お神輿の飾りもキンピカだよー。あれもそうでしょ?」と、京都の大きくて、豪華な神輿を思い浮かべます。そう、その通り!京都の神輿が、あんなに豪華なのは、京都にすぐれた錺職人さんたちが大勢いたから。そして今も、その技術が、受け継がれているから、修復や復興ができるんです。
「これ、どうなってるんだろ?」

とミモロが触っているのは、よくお寺などに見られる飾り。
この構造は、

ちなみに、金属の技法は、大きく分けて4つ。鍛金(たんきん)、鋳金(ちゅうきん)、彫金、鍍金(めっき)です。
鍛金は、その字が意味するように金属を叩き、鍛えるもので、打物や鎚起とも呼ばれるもの。大きな花瓶や宝珠などに使われる、板状のものから立体を形作るもの。
「銅製のお鍋なんかも、この技法でしょ?」ハイ、その通り。
鋳金は、いわゆる鋳物で、型の中に、溶かした金属を入れて作るもの。「仏像なんかは、これだよねー」
彫金は、細かい細工を施すのに使う技術で、さまざまな技法があります。
鍍金は、金具の表面を金色や銀色にするもの。
このような技法を巧みに組わせ、さまざまな作品が生まれます。

お話を伺いながら、目の前の和菓子が気になってしかたないミモロです。「あのー食べてもいいのかなぁ…」

お許しを頂き和菓子を食べたミモロは、やっと落ち着いたようで、展示している作品を見て回ることに。
作品は、小さなものから大きなものまで、多岐にわたります。


「あ、これもしかして、橋のところにあるもの?」

そう、橋の欄干に使う擬宝珠(ぎぼし)です。
「わーキレイ…」とミモロが見惚れているのは、神社の巫女さんたちが、神楽などで使う鈴。

「ステキな音色…心が清められるよう…」一緒にお話を伺った方に、鳴らしてもらいました。

「えーこれも錺金具なのー」と、部屋に飾られていた鳳凰を見つけたミモロ。

「こんなこと、普通はできないよねー。鳳凰に乗るのって夢だったんだー」と

神輿上にある鳳凰に乗るなんて、そんな大それたことは、普通できません。
ミモロ、大切な作品で遊んじゃダメよー。
さぁ、実際に作っている工房を見学させていただきましょう。

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