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ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」などを務めたライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。

粟田神社の大祭に登場する剣鉾。さし上げには、熟練した技が必要、ミモロはできるかな?

2012-10-06 | 祭事・神事・風習

三条蹴上のウエスティン都ホテルにほど近い高台にある「粟田神社」。
10月6~8日は、恒例の大祭が行われます。神輿や大燈呂などが巡行する祭りの中で、特に剣鉾の巡行は、見るものを魅了するもの。

祭りを前に、神社の境内では、連日、氏子の男たちが集まって、剣鉾のさし上げの練習に励みます。「練習しなくちゃできなの?」とミモロ。

そう、剣鉾は、重さ約30キロ、長さ6メートルほど。それを真っ直ぐに立て、鈴が鳴るように動かしながら、進むのは、なかなか簡単にはできないこと。技術が必要なんです。

実は、京都には、この剣鉾をもつ神社が複数あり、春や秋の祭り時期には、方々で剣鉾のさし上げが行われ、さし上げの専門家もいるそう。


以前は、ここ「粟田神社」でも、そん専門家をお願いしていたそう。
しかし、自分たちの祭りは自分たちで…という氏子たちの熱い思いから、仲間が集まり、練習を重ね、ついに平成7年以降は、神社の氏子たちにより、剣鉾のさし上げが行われるようになりました。
現在、参加している氏子は、20代から70代と、年齢層も職業もさまざまです。
ベテランから、若い人へ、さし上げの技を伝えて行きます。それと共に、剣鉾自体の歴史や保存、修復の方法なども伝えられてゆくのです。

今や、他の地区の剣鉾のさし上げにも、協力するそう。


「わーまさに「粟田剣鉾さし上げ隊」の誕生だねぇースゴーイ!」とミモロ。

さて、剣鉾をさし上げるには、なかなか技術が必要で、まずは、真っ直ぐ剣鉾を立たせることから。重量のある剣鉾ですが、真っ直ぐに立つと、それほど重く感じないとか?

ジャストバランスを、さし手が身に付けることが肝心です。「自転車と同じで、一度コツを掴むと、すぐできるようになりますよ」と剣鉾保存会の廉屋会長。

では、ミモロもトライ!
まずは、歩く練習を・・・・イチニ、イチニ…ひとり真剣に励むミモロです。

剣鉾は、腰に装着する硬い革と太い紐でつくられた「さし革」という帯にさします。


「こんな感じでいいですか?」とミモロ。
うーちょっとミモロには、大きすぎるみたい。さし革を着けただけで動けなくなりました。

そこで、ミモロに変わり、影の声の私が挑戦します。
さし革をウエスト部分に縛り付けると、ズシリとした感じ。まずは、姿勢を習います。「膝を曲げないで、背筋を伸ばして…。剣鉾を受けとったら、剣鉾の先だけを見るように。他を見ては姿勢が崩れます…」と会長さんのアドバイス。
いよいよ剣鉾が、渡されます。重量30キロ、果たして持てるのか不安に…。
硬くなった革の部分に剣鉾の棹を入れます。前に立つさし手から、腰の高さを近づけて、棹を受け取ります。
「そう上を見てー膝を曲げない!もっと下の方を持ってー」と周囲から声が飛びます。
私の周りには、サポートしてくださる方々が、一緒に棹を支えてくださいました。
剣鉾が一瞬真っ直ぐに・・・本当に、30キロという重さではなく、地面に重力で立とうとする棹の間にはまっている感じ。
一瞬ですが、棹は、夜空に向かって立ったよう。わー感激!

これで歩き、鈴を鳴らすのは、そうとう練習が必要だと実感しました。

みなさん、貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。
私が、男なら、絶対お仲間入れて頂きたい!と、残念です。

さて、真っ直ぐに立てられるようになったら、次のステップは、剣鉾脇にある鈴を、カーンカーンと響かせること。
「これがなかなかできなくて、途中でいやになったことも…でも、ある期間やっていると、ある日突然鳴りはじめた。もう感激ですよ。練習をしていた仲間たちが、次々にできるようになったんです」と、その感激が蘇るように話す廉屋さん。

剣鉾は、1本に3人が組をつくり、交代でさして行きます。常にさし手以外の人が、そばに付き添い、サポートします。棹の上げ下ろしは、3人が力を合わせないとできません。
また、複数ある剣鉾は、毎年同じものが登場するのではなく、毎年違うものが見られるのも、楽しみです。3人のチームも、毎年違うメンバーで構成して、剣鉾を担当する氏子全員で、トータルに祭りが行われるようなシステムができています。

練習は、9時半で終了。剣鉾は、棹から外され、分解されて、倉庫へと収納されます。

その後は、みんなでちょっとひと休み。ミモロも仲間に入れて頂き、ジュースやお茶を頂きます。

「祭りは、みんなで作るもの、こういう連帯感が、祭りを成功させ、無事に終えることができるんです。本当にいい仲間なんですよ」と、祭りを通じ、地域の人たちが深く結びついてゆく、祭りって素晴らしいと、しみじみ思うミモロです。

「さぁ、今夜からお祭りが始まるねー。わーワクワクしちゃう!」
ミモロは、すっかり粟田神社の氏子になった気分。


*「粟田神社」地下鉄東西線「東山駅」から三条通を山科方向へ。なだらかな坂道を上る感じ。スケジュールは、昨日のブログで確認を。





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