ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

深夜1時まで営業、祇園にある「菜処 やすかわ」。1個200円で味わえる本場の京風おでん

2013-08-31 | グルメ

京都の食事処は、遅くまで営業しているところが少ない・・・なんて、声を観光客から聞いたことが…。
お昼に大きな懐石料理などを頂いて、9時過ぎに遅めの夕ご飯を食べようとすると、「あれ、どこももうおしまい?」なんてことも…。「京都で、予約なしで、美味しい料理を9時以降にも食べられるとこ、ない?」と聞かれたミモロ。

「そうだ、一度行ってみたかったとこがある…」と、祇園へと向かいました。

「あ、ここだー」。訪れたのは、四条通と花見小路の交差点を北側(八坂神社に向かって左側)へと進み、2筋目を西(進行方向左)へと入ったところにある「菜処 やすかわ」です。

外から、中の様子が見えない京都の飲食店は、知らないと、なかなか入りにくいもの。ミモロもいつも初めて行くお店は、ドキドキものです。

カウンターと、小上り(店内で畳が敷かれているスペース)とお座敷があるお店。
ミモロは、カウンターに。

「いらっしゃいませー」と、笑顔で迎えてくださったのは、女将の安川裕貴子さん。「あれ?もしかして写真展やった子?」とミモロを見て…。「お客さんが、写真展のかわいいチラシを見せてくれたんで見覚えが…」と。「えー、うれしいなぁー。はい、ミモロでーす」と、思いもよらぬところで、ミモロを御存じの方に…。
「ミモロを知っていてくれる人って、やさしい人なんだよー」と、初めての場所ながら、一機にリラックス。
確かに、ミモロと遊んでくれる人に、コワイ人はいない…と、経験上、よく知っているミモロでした。


安川さんが、お店を始めて27年。祇園という町で、多くの地元の人たちに愛され続けています。
訪れるお客さんのお目当ては、おでん。カウンターには、おでんがいっぱい入った鍋が。

「美味しそう…どれ食べようかな?」とおでんを前に悩むミモロです。

大根、厚揚げ、がんも、おじゃが、玉子、こんにゃくなど常時14種類のおでんダネが。牛のすじ肉400円を除き、ほかは全部1個200円。本格的なおでんとしては、かなりリーズナブルな値段です。

お出汁が、お鍋の縁ギリギリまで満ちています。常に…減ったらつぎ足してゆくそう。おでんのタネは、昔からおつきあいがある祇園のお店で作られたもの。大根やじゃがいもなどは、ここで下ごしらえがなされます。

「えーと、お大根に玉子に、ゴボ天と、それから…」次々に注文するミモロ。
「クンクン、美味しそう…」と今にもヨダレが…。

この店で人気ナンバー1の大根は、下煮をしてから、またさらに透き通る感じになるまで、出汁で煮てから、おでん鍋へ。人気ナンバー2の牛すじ肉も、十分に下ごしらえされた、いずれも手間をかけた品です。

「わーとろけるよう…」と大根を一口食べて、目を細めるミモロ。

「お好みでからしをつけてどうぞ…。すごくきくから、気を付けてくださいねー」と女将に注意されていたにもかかわらず、いつものように付けたミモロ、「ウウー」と口を押えると、目に涙がにじんでいます…。かなり辛かったようです。気を付けて…。

「東京のおでんより、お出汁がやさしいお味…」とお皿に残った出汁を飲みほします。そう、お出汁がとても美味しいのです。東京のおでんは、お汁が飲みきれないことも…。

「美味しいねー。もっと頼んじゃおうー、えーと次は…」次々に注文するミモロ。
本格的なおでん屋さんで、1個200円というのは、うれしい価格。おでんって、専門店で食べると、ひとり5000円くらいすぐいってしまう、高級料理。もちろん京都でも、ひとり8000円は必要というおでん屋さんもあります。
かたや、今、おでんは、コンビニの定番。すでにおでんのコーナーも、8月下旬には、各コンビニに登場。それだけ一般的になっている人気の品。コンビニは、1個100円くらい。それと比べては、失礼かもしれませんが、倍の値段をしても、絶対に食べたいおでんです。

「コンビニのおでんもいいけど、やっぱり全然味が違う…味に奥行があって、やさしい円やかなお味だよねー」と。

ここでは、ぐじ、サバ、鯛など京都らしい食材を使った料理も、種類豊富に揃っています。
ミモロは、その中から「生湯葉のうすくず煮」800円を注文。
生湯葉をトロリとした葛が包んで、たっぷりと掛った生姜を混ぜて頂きます。
「体が温まる…暑いときでも、こういうもの食べなくちゃ・・・湯葉がツルリとお口に入ってくるー」お出汁の美味しさが、湯葉を包み込んで、それはそれは美味しい品。

さらに「お揚げと菜っ葉煮」600円も。「京都のお揚げは美味しいよねー。水菜ともよく合って、これも美味しい…」とペロリ。

「えーっとまだ食べれるー」と、カウンターの前のおでんをじっと見つめるミモロ。

お店の壁には、祇園の舞妓さんや芸姑さんの名前を書いた団扇がいっぱい。
「みんな来てるんだー」そう、舞妓さんたちも贔屓にするお店です。

おでんは、持ち帰りも可能。ホテルの部屋で、寛ぎながら頂くのもいいかも…。
深夜1時まで営業。おでんなどを含む全8品のおかませコース4000円もおすすめです。



観光客にもおすすめの祇園の美味しいお店。ぜひ、お気軽に…

*「菜処 やすかわ」東山区末吉町93 電話075-561-1812 18:00~01:00 日曜・祝日休み カード不可 予約可能


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京都大原「寂光院」。建礼門院とその侍女たちのお墓へ。茶店のきつねうどんでひと休み

2013-08-30 | 歴史・史跡

鄙びた風情が漂う大原の里。悲劇のヒロイン建礼門院徳子が過ごした「寂光院」を訪れているミモロ。
「なんか切ないねー」
再建された本堂で、鮮やかな色彩に包まれた本尊の地蔵菩薩に参拝した後、庭を歩くことに・・・。

東側の池には大きな鯉。そして本堂の脇には、紅白のサルスベリが鄙びた風情に彩りを添えています。

『祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を顕す・・・・』平家物語に詠われるように、まさに波乱の人生を歩まれた建礼門院徳子。

平家一門に生まれ、天皇に嫁ぎ、夫亡き後、帝となった息子の母として、言うなれば日本のトップレディーに上り詰めます。でも、世の中の激しい流れの中、ついには入水自殺に追い込まれ、息子は死に、自分だけが生き残り、この鄙びた大原の山里で、わびしい庵に暮らし、その生涯を終えます。
「自分の人生ってなんだったんだろ?って、思っていたよねー」。出家し「寂光院」で暮らす数年は、亡き人たちの弔いの日々。でも、それに向き合う強さを徳子は持っていたのでしょう。その生き続ける強さとは、なんなのか、想像することができません。

「思ひきや み山のおくに住居して 雲井の月を よそに見むとは」と読まれた建礼門院徳子。まるで今までの時間が、信じられないよう…そして、人々の思惑から離れた生活を静かに見つめているようです。

さて、平成12年に放火により焼失した「寂光院」ですが、徳子が暮らした当時を偲ばせるのが、本堂の西側の庭園です。
「汀の池」と「姫小松」。
文治2年(1186)に建礼門院徳子が、後白河法皇と対面する『平家物語 大原御幸』の場所の舞台と言われます。いかなる思いで、徳子は対面したのでしょう。法皇をはじめ、従者たちは、変わり果てた徳子の姿に涙したとか…。

「寂光院」は、平安時代以降、豊臣秀頼や淀君、徳川家康などが、維持・再建に手を差し伸べます。

「ゴーン」境内には、「諸行無常の鐘」と書かれた鐘が。ミモロは、つくマネを・・・

「寂光院」には、天皇家を表す菊のご紋章が。
建礼門院徳子のお墓は、お寺の隣りの山に御陵に。高倉天皇の母親としてのお墓です。

さすが宮内庁管轄、美しく整えられた御陵です。京都にも多くの御陵がありますが、どこも整備は完璧。いったい誰が管理しているのか、今度聞いてみますね。

また、阿波内侍など、女院徳子に仕えた侍女5人のお墓も、すぐそばの山にあります。
「お参りしよう…」とミモロは、奥の山道へと進みます。

「ここだーわーすごい階段…」と目の前には、苔むした石段が…滑らないように気を付けながら、少しずつ…

「なんてひっそりとしたお墓なんだろ…」大きな杉の木の下に、小さな墓石が寄り添うように並んでいます。

ちなみに、侍女の阿波内侍は、壇ノ浦には伴をせず、徳子が大原にやってきて、再びおそばに仕えるようになります。地元出身の彼女は、働き者で、その姿を映したのが、現在もこの地域でみられる『大原女』だとか。
また、彼女が漬けたシソを使った漬物を、その色から「シバ(紫葉)漬け」と名付けたのは、建礼門院だと言われます。

お墓参りを済ませたミモロ、ふと傍らの大きな木のそばを通った時…「あれ?もしかして…」と突然立ち止まります。大きく枝を垂らした木は、枝垂れ桜ではありません。近寄ると、ホワーと甘い香りがします。そう「葵祭」の時、葵の葉と一緒にもらったカツラです。「この香り好きなんだー」清々しくも温かい香りを放つカツラが大好きなミモロです。ぜひ、その香りを楽しみに、「寂光院」のそばへ。尚この木は、お寺の木だそうです。

「なんかお腹空いたー」とミモロ。そこで門前にある茶店「美ゆき茶屋」へ。

「私がここに来てから、もう50年以上になりますねえー」とお店の方。昔は、もっと小さな茶店だったそう。
「いただきまーす」
大きな甘いお揚げが入ったキツネうどんは、ミモロが茶店で食べる定番です。それは「京都のキツネうどんって、関東と違って甘いお揚げが入ってるし、初めてのお店でも満足できるレベルだから…」と、なかなか慎重なミモロです。「はい、ごちそうさまー美味しかった、お揚げも、お出汁も…」と見事、完食。
600円のうどん。駐車場がこのお店のものだったので、駐車料金300円がバックされ、追加で300円払っただけで食べれました。

ミモロをのせた車は、再び黄金色の里を通り、町へと向かいました。


*「寂光院」の情報はこちらから…

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稲穂が稔る大原の里。悲劇のヒロイン、建礼門院徳子が、晩年を過ごした尼寺「寂光院」へ

2013-08-29 | 寺社仏閣

少し暑さも和らいだ日、ミモロは、久しぶりに京都の北に位置する大原を訪ねます。
鄙びた趣がある大原の里は、今、一面黄金色。

頭を垂れた稲穂は、里に、まるで黄金色の絨毯を敷いたよう。
「町中から、車で30分くらいで、こんな山里の景色が見られるなんて…。もう秋も近づいているんだよね」と。
そういえば、夜になると、どこからか虫の声も聞こえるようになりました。まだ暑いと言っても、確実に秋は忍び寄っているようです。

大原といえば、三千院と寂光院が、この地域を代表する観光スポットですが、実は、この2つの距離は結構離れていて、ハイキング気分で歩くことをおすすめします。大型観光バスが多い三千院に比べ、寂光院は、道が狭いため、バスが止まれる駐車場からも15分ほど歩くことに。
「この道は、普通の車でも、それ違えないねー」


この日は、観光客が少なかったようで、ミモロは、寂光院に一番近い駐車場へ。そこは、門のすぐ近くのお蕎麦屋さんの敷地。300円の駐車料金で利用できます。

寂光院は、平清盛の娘、徳子が、出家した後、壇ノ浦で滅亡した平家一門と息子の安徳帝、そして夫の高倉帝の菩提を弔う日々を過ごした場所。

お寺の入口から門まで長い石段が続きます。「でも、この石段、知恩院の石段に比べたら、全然なだらかで、歩きやすい」と。それは、ここが尼寺だからなのでしょう。

石段の周囲は、楓の木が緑の葉を伸ばしています。「きっと秋の紅葉は、キレイだろうねー」と、楓を見上げて、秋を想像するミモロです。


山門に到着。中には、まだ新しい感じの本堂の姿が…。

さて、ここで、寂光院のお話を少し…。
天台宗の総本山、延暦寺のある比叡山の麓に位置する大原のお寺は、三千院、勝林院、そして寂光院も皆、天台宗のお寺です。その中で、寂光院は、尼寺で、その起源は古く、推古2年(594)に、聖徳太子が、父である用明天皇の菩提を弔うために建立され、その頃の御本尊は、聖徳太子作の六万体地蔵尊であったと伝えられます。
「えー聖徳太子が、奈良から、ここまではるばる来たのー?」うーむずかしい質問。聖徳太子自体が、その存在が不確かになっている今、なんとも言えません。・・・・と伝えられているんです。
また、初代のご住職は、聖徳太子の御乳人で、以来、代々高貴な姫君が住職を務められていると、これも伝えられています。でも、ともかく、ずっと尼寺なのです。

それから、時代を経て、文治元年(1185)に、京都の長楽寺で出家した29歳の建礼門院徳子が、36歳の生涯を閉じるまで、静かな時を過ごされたのが、このお寺です。

建礼門院徳子と言えば、日本史の中でも、悲劇のヒロインのおひとり。平清盛の娘として生まれ、高倉天皇の中宮となられ、安徳天皇を生まれます。夫、高倉天皇と父、清盛の死により、急激に力を失う平家一門。ついに源氏に壇ノ浦で敗れ、まだ8歳の安徳天皇と共に海に身を投げた徳子。しかし、源氏方に海から救われ、命を繋ぐことに…。再び京の都に連れ戻され、出家し、この大原へと移り住みます。
「旦那さんも亡くなって、都を追われるように、西に移り、その間に、息子まで亡くして、自分だけ生き残るって、辛いようねー。あの時代って、大河ドラマ「平清盛」で見たけど、人間関係がドロドロと複雑でよくわかんなかったー」とミモロ。

「平家物語」の中でも、寂光院に暮らす建礼門院徳子の暮らしぶりは、かつての宮中の華やかな暮らしと違い、淋しく、哀れなもので、訪れた人たちは、みな涙を流したという語りも。


ミモロは、本堂に上がります。「そういうお話聞くと、建礼門院徳子さんがあまりに可哀想・・・」と、しんみり。


「堂内のご案内をしますから、中に入って下さい」と。お寺の方。

新しさが漂う本堂へと入ります。(本堂内は、撮影禁止です)

「ご存じとは思いますが、この本堂は、今から8年前に再建されたもの。かつてここには、桃山時代に建立された本堂と、鎌倉時代に作られた御本尊の地蔵菩薩立像、建礼門院像と彼女に仕えた侍女 阿波内侍像がありました。ところが平成12年に放火により、ことごとく焼失。地蔵菩薩も黒焦げに。でも、胎内に納められていた経文や多数の小さな地蔵尊などは無事で、現在、宝物館に一部が展示されています。お帰りにぜひご覧ください…」との説明を。

地蔵菩薩立像も再建され、その手には五色の紐が結ばれ、それに触ると、地蔵尊のご利益があるとか。
「縁結びだってー」とミモロも真剣にギューっと紐を握りしめながら参拝を。

さぁ、お庭や建礼門院徳子さまの御墓にお詣りに行きましょう。
「はーい、待ってー」ミモロは、急いで歩きはじめました。 

*「寂光院」の詳しい情報はホームページからどうぞ・・・
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「楽宴小路」。祇園北にある安らぎの空間。毎月開催される茶席。立派なお道具で味わう茶の世界

2013-08-28 | 体験

鴨川から八坂神社との四条通から北側は、飲食店やバーなどが多いエリアです。花見小路を四条通から北へ20メートルほど上がった細い路地に、ミモロは、ある日、迷い込みました。「ここどこだろ?」
細い路地が続く通りを、ミモロは、奥へと進みます。「わーなにここ?」と思わず声を…。

そこには、火の見櫓と石の橋や燈籠がある日本庭園のようなスペースが広がっています。
「えーこんな町中に、こんな場所があるなんて、知らなかったー」とミモロは、キョロキョロ。

清水坂の洋館などと同様に、何度も通った道なのに、すぐそばに全く知らない場所が存在する…それが京都の不思議さ。

この場所は、昭和30年代にできたそう。敷地内の中心には、水が湧く場所があり、その周囲にグルリと町家が囲んでいます。今は、カフェやスイーツのお店、バーや料理屋さんが営業中。

そのセンターに聳える火の見櫓の麓に、なにやら薄い布が下がる東屋が。「何してるんだろ?」とミモロは、興味津々。
「ごめんくださーい」と声を…。中にはゴザが敷かれ、正座した方がお茶のお点前をなさっています。
実は、ここ「楽宴小路」では、毎月23日に、美術品と茶道具を扱う「中路昌清堂」のご店主、中路清嗣さんが、午後17:00から夜中まで、だれでも自由に参加できる茶会を開いているのです。
「茶道は、敷居が高いものと思われがちですが、そんなことはありません。気軽に茶道の世界に触れていただけたらと、昨年10月からご縁があって、ここでお茶をださせていただいているんですよ」と。

「あのーミモロでも参加できますか?」「はい、もちろん。1000円頂戴しますが、いいですか?」「はい、よろしくお願いします」ということで、さっそくミモロは、中に上がることに…。

教えて頂いた通りに、履物を揃えて、脇に立てかけます。

次にいらっしゃる方への心遣いです。

先客の脇にちょこんと座ります。正座のできないミモロは、特別に足を前に出すことを許していただきました。

「ミモロちゃんとおっしゃるんですか?お茶ははじめて?」「いいえ、何度かお茶会に伺いました。でも、あんまりよくわかりません」と。「わからなくても、そういうお席にでる経験をするのはいいことですよ」と。

「では、お菓子をどうぞ…」ミモロは、菓子鉢からひとつつまんで、懐紙の上に。
「これは、亀屋末広の粟羊羹です。どうぞ召し上がれ…」「うー美味しそう…ほんのり甘くて、粟のお味もするー」

流れるようなお点前を眺めながら、静かな時に浸ります。

やがてミモロの前にお茶が…。「頂戴致しまーす」
「このお茶は、一保堂のものです」「こんな町中で、お茶事に参加できるなんて…不思議な気がします」とミモロ。「ホントに、お茶には興味をお持ちの方でも、なかなか機会がないでしょ。よく外国の方もご参加されますよ。特別、予約もいりません。ふらりといらして気軽にご参加ください…」

いろいろお話を伺ううちに、周囲の灯りがともる時刻に…。
お茶席にもロウソクが灯されて、いっそう素敵な風情が漂います。「こういう雰囲気のお茶席って初めてー」と、うれしそうなミモロです。

結構なおふく加減のお茶を頂いた後は、お道具を拝見することに。
「こちらは、表に桐と梅の模様があるでしょ。天正15年に秀吉が大茶会を催したのにちなみ、昭和11年に北野天満宮で、昭和の大茶会というのが行われ、その時の器です。だから、秀吉の桐と北野天満宮の梅の模様なんですよ」
さすが、茶道具店のご店主のお茶会、使われる器が違います。

「これは『水鳥』という銘の高麗青磁写しで、人間国宝の石黒宗麿の作です」とさりげなく説明。「えー人間国宝の器なのー」と、持たせてもらったミモロの手が震えます。

「そういえば、さっきの菓子鉢もりっぱだったー」「あれは南鐐(なんりょう)の器です」「南鐐?」とミモロ。南鐐とは、特に上質で美しい銀を示す言葉です。

そしてお茶尺を拝見します。
「どなたの作ですか?」とお客様。箱書には、「宗竹という銘がありますでしょ?それは、新島八重の名なんですよ。これは、八重さんが77歳の喜寿の祝いの折につくったものの1本です。最近京都博物館で展示されたものと、同じ時期のものなんです」と中路さん。「えーあの大河ドラマの八重さんが作ったのー」ミモロもちょっと触らせていただきました。

毎回、すばらしいお道具をお持ちになるそう。

「本物に触れるのは、とても大切なことです。自分の手で持って、その感触や重さを感じる…そこから本物を見る目が養われるんですよー」と。

「来月は、何が見られるのかな?また来ちゃおう・・・」と密かに思うミモロでした。


「では、そろそろ失礼します。ありがとございました」とミモロが退席したころは、周囲は、すっかり暮れて、「楽宴小路」は、いっそう趣を増したよう。



*「楽宴小路」東山区祇園町北側347-118 祇園新橋から、花見小路を一筋南へ。車が通れないほど狭い道を東側に入るとすぐ入口があります。東側は、東大路通からは、「よしもと花月」の北側の道の突き当りです。
中路さんのお茶会は、毎月23日 午後17・00から夜中まで開催されます。参加料1000円。ぜひご参加を…。


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昭和が薫るコーヒー店。「コーヒーハウス マキ」。ボリュームたっぷりのタマゴトーストの朝食

2013-08-27 | グルメ

朝のお散歩に鴨川沿いを歩き、出町柳方向へ。河原町通にある評判のコーヒーのお店で朝食を食べることにしたミモロ。

「あ、ここだー」出町柳のそばの商店街の向か側にある、ちょっとクラシックな感じのお店が、地元の人に人気の「コーヒーハウス マキ」です。

店内は、落ち着いたインテリア…今流行りのカジュアルなコーヒーショップとは違う雰囲気です。

「椅子も大きくて、座り心地がよさそう…」。そうどこか懐かしい昭和の香りが漂います。このお店は、開店して40年ほど。まさに昭和のまっただ中にできたのです。
「いらっしゃいませー。お好きなお席にどうぞ…」ミモロに声をかけてくれたのは、牧野久美さん。この店は、お父様の代から始めたそう。

店内には、すでに大勢の人が、新聞を読んだり、コーヒーを飲んだり、思い思いの朝を過ごしています。
「きっと常連さんが多いんだねー」。ミモロは、店の一番奥の窓側のテーブルへ。
このお店のモーニングセットは、評判で、仕事の前に立ち寄る人、散歩の途中で寛ぐ人など、週に何度も足を運ぶ常連客が多数。ミモロもさっそく人気の朝食を注文します。
「わー大きなタマゴ焼きが挟まってるー」ミモロが注文したのは、「和風タマゴトーストセット」(750円)。トーストしたパンに、厚い卵焼きがたっぷりはいったボリュームのあるトーストです。
セットには、自家焙煎のコーヒーと和風サラダが付いています。
「あれ、サラダに鰹節や海苔が掛ってる…ドレッシングもお醤油ベースの和風味…」
ホント、なかなかのボリュームです。「食べきれるかな?こんなにいっぱい…」と言いながら、パクパク。家から30分ほど歩いているので、お腹は十分空いています。「美味しいねー。なんか懐かしい味…こういう感じの朝食って、ファーストフード店では味わえないね…」。洒落た感じのモーニングではなく、ちょっと古めかしい感じ…でも、それがなんともいいんです。ミモロは、すっかり食べきりました。

東京では、昭和の喫茶店が次々に姿をけしているとか…。京都でも、やはりカジュアルなコーヒー店の進出は盛んです。でも、昔から、喫茶店の文化が根付く京都では、年配者を中心に、クラシックな喫茶店は、健在です。
また「タバコが吸える喫茶店が少ない…」という昨今、こちらは、平日と土曜日は分煙、日曜・祝日は全面禁煙になっています。「のんびりタバコを吸いながら、コーヒーを味わいたい…」というお客様のニーズに応えたもの。

今や肩身の狭い愛煙家…。でもここでは、ゆったりとしたスペースで煙をくぐらすことできます。もちろん換気もいっかりと…。

昭和は、どこでもタバコが吸えた…とある人が。そういえば飛行機の中でも、後ろの方の席では、タバコを吸っている人がいました。あれは、どうして吸えたんだろ?今は、警報ベルがなって、飛行機の運行に差支えが出るのに…不思議?



さて、話をもとに戻して…この店の自家焙煎のコーヒーは、昔からのファンも多く、お気に入りの豆を購入してゆきます。インターネットでの販売も可能です。

「これなあに?」とミモロが不思議そうに眺めるのは、水出しコーヒーの器具。この店のコーヒーは、ネルドリップスタイルですが、水出しのダッチコーヒーもあります。


また、コーヒーによく合うパウンドケーキもいろいろ。1個150円~。

ブレンドコーヒーは、350円。「この美味しさで、この値段っていいかも…」

お店の出入口は、鴨川方向にもあり、帰りはそこから外へ。


道を渡ると、鴨川へと出られます。「ワーいい気持ち…」お腹もいっぱいになったミモロは、再び、鴨川沿いを歩きだしました。しばらくすると…「でも、ちょっと疲れちゃったから・・・バスに乗っちゃおう…」。実は、お腹がいっぱいになったミモロは、眠くなってしまったのです。「だって、朝早かったんだもの…。それにすごく歩いたし…ムニャムニャ…」ミモロ、河原で寝ちゃダメー。今出川から乗ったバスの中で、ミモロは、朝の2度寝を…。

まぁ2度寝って気持ちいいんですけどね…

*「コーヒーハウス マキ」詳しくは、ホームページで。モーニングは、8:30~12:00です。
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