粟田神社の大祭が行われる前夜。境内では、氏子が集い前夜祭が開催されます。カレーや焼きそばなどのコーナーや、アヒルすくいやヨウヨウ釣りなどが、お祭りムードを盛り上げます。
さて、夜になると、いよいよ恒例の石見神楽の奉納が、境内の一角にある能舞台で。
ミモロは、舞台近くの席で、「どんなものなんだろ?」とワクワクしながら、始まるのを待っていました。
佐々貴宮司の進行で、待ちに待った神楽が始まります。

石見神楽の歴史は、定かではないそうですが、近世以前と言われます。謡曲を元にした神能が、島根の石見地方に伝わり、民衆の娯楽として演劇化されたものとか。出雲などの神話を題材にした演目が多数見られます。お囃子は、大太鼓、小太鼓、手拍子、笛というシンプルなもので、独特のリズムが、民衆の心を躍らせます。
今回、演じるのは、京都造形芸術大学で、神楽を学ぶ学生さん。
初めの演目は、「恵比寿・大黒」というめでたいもの。コミカルな動きが、見る人を和ませます。

恵比寿と大黒が、子供たちに向かい手招きしました。前に集まった子供たちに、持っていた籠から飴をばらまきます。子供たちは、もう夢中。「もっともっと」とせがみ、まき終ってもなかなか舞台から離れようとしません。

やがて、恵比寿と大黒は、退場。やっと子供たちも、あきらめて舞台から離れました。
次ぎの演目は、「ヤマタノオロチ」。スサノウノミコトが、大蛇を退治するお話です。
舞台には、大蛇に食べられそうになる娘と、その家族。そこへスサノウノミコトがやってきて、大蛇にお酒を飲ませます。舞台には、4頭の大蛇が次々に登場し、とぐろを巻きます。

「わーすごい迫力…」とミモロは、茫然。

4頭大蛇は、舞台からはみ出しそうになるくらいの大きさ。その動きに、観客は、惹きこまれて行きます。


大蛇の首が、勇ましいスサノウノミコトにより、次々にはねられ、退治され、めでたしめでたし…。観客から大きな拍手がおこりました。
「すごかったねー大蛇の動きが見事で、本物みたい…驚いちゃったー」と、見終わったミモロは、興奮さめやらぬ様子。
でも、これからもっと興奮するビンゴゲームが待っています。
最後のプログラム、ビンゴゲームのために、もちろん誰も席を立つ人はいません。
「いよいよだねー」と、ミモロも渡されたカードを握りしめて、じっと始まるのを待ちかまえます。そして数字を聞きもらさないように、耳をピクピク…。
ビンゴゲームの賞品は、ホテルの宿泊券や食事券をはじめ、布製のバッグやお酒などなど、氏子から協賛された種類豊富な品々です。
「お食事券が当たるといいなぁー」と、食いしん坊のミモロ。
次々に数字が発表されて行きます。
「わーん、ちっとも開かない…」と、カードを見ながら、心配そう。

「ビンゴ!」と、境内のアチコチから声が上がり始めました。でも、ミモロのカードは、一向にリーチになる気配がありません。
「わー、お食事券、もうなくなっちゃたー」とがっかり。
ビンゴになった人は、前に出て、そこでクジを引いて、賞品を当てる仕組み。
クジの前には、すでにビンゴになった人が、かなりいて、列を作っています。
「もう賞品なくなっちゃったかも…」ミモロの不安は、いっそう募ります。
もはやおしまいかと思われた時、ミモロのカードが、ついにビンゴに。
「やったー!ビンゴ!」と、叫ぶと、転がるように、クジ引きのところに駆け寄ります。
「すてきな賞品が当たりますように…」と念じながら、クジを引くと…。

「はい、8番ですね、これをどうぞ…」
ミモロに渡されたのは、小さな紙袋…。
開けてみると、中には、花柄のかわらしいお財布が…。

「わーカワイイ!食べられないけど…嬉しい!」と大喜び。
楽しかった前夜祭も終わり、明日は、剣鉾のお清めの神事と夜渡り神事が行われ、粟田神社の大祭が始まります。
「明日も、いろいろ見に行かなくちゃ…」と、心躍る週末です。

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