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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

月の名

2023年09月02日 | 日記
5時に起きて空を見上げると、朝焼けの雲の上に有明の月が出ていた。31日が満月、翌1日は十六夜の月、そして今日は立待の月ということになる。なぜこうも月の名は色々あるのか。地球の周りをまわる月は、地球の自転のために、日によって軌道を変え、月の出の時間もめまぐるしく変わるからだ。満月の日は午後の6時40分ころすっとのぼり、この月はスーパームーンと言って、地球に近い軌道のため大きい。翌日の7月1日十六夜(いざよい)で、月はためらうように7時近くに登ってくる。月の入りも遅く、朝日が昇るのを待つように沈んでいく。今夜の月の出はさらに遅く、午後の7時30分だ。

月の名をいざよひと呼びなほ白し 竹下しづの女

月に一度新月という現象が起きる。太陽と月が同じ方角で地球の間に入るため、月に当たる太陽光が見えない。光が尽きるという意味で月と呼ばれた説がある。昔、詩吟の愛好家が集う掲示板に、新月、十六夜というハンドルネームで参加していた人たちがいた。お二人は、パソコンに練達していて、私が書いた「漢詩おりおり」というページに拙文をアップして下さった。その後、お二人はどんな人生を歩んでおられるか、知るよしもない。

その昔、電灯など夜を照らす光の無い時間、月は人びとの夜の生活の同伴者でもあった。毎日満ち欠けをくり返しながら、日の経つのを教え、秋の名月には自然から得られる食べ物を供え、月明かりに感謝をささげた。月の名を列記してみる。
「新月(しんげつ)」、「繊月(せんげつ)」、「三日月(みかづき)」、「上弦の月(じょうげんのつき)」、「十日夜の月(とおかんやのつき)」、「十三夜月(じゅうさんやづき)」、「小望月(こもちづき)」、「満月(まんげつ)」
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安達太良山

2023年09月01日 | 登山
夏山シーズンは最盛期である。異常ともいえるこの夏の暑さを避けて、高い山を目指す登山家が多い。わが山友会も、今夏のメインイベントで燕岳~東鎌尾根~槍ヶ岳の4泊5日の山行中である。この晴天で、眺望良しの報告が毎日届く。会ではこのレベルの山行に参加できない人のために、低山、登りやすい山を計画している。低山グループが目指したのは、福島の安達太良山(1700m)。奥岳温泉からロープウェイを利用するコースである。ロープウエイを降りるとすぐに目につくのは、皇太子ご夫妻登頂記念の杭が打たれている。道はしっかりした木道で歩きやすい道が続いている。
山形市内の気温が38.2℃、空は雲ひとつない快晴である。安達太良山の山頂から見える空を「本当の空」と言ったのは、高村光太郎の妻智恵子である。

あどけない話

智恵子は東京に空がないといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりとけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だと言ふ。
あどけない空の話である。

東京に生まれ育った光太郎には、智恵子の「ほんとの空」の意味が深く分からなかったようだ。昭和4年には故郷、二本松の実家の酒蔵は破産する。このころから智恵子は、体調を崩すことが多くなるが、その病を癒すの故郷の空であった。年に何度も何度も空を見に、そこの空気を吸いに帰郷した。
山頂に立つと、磐梯山が見えた。頂上から見える空の色はどこまでも青く、智恵子が見たままの空に思えた


登山道は、頂上が近づくにつれて。ごろ石の傾斜道になる。案内書には初心者向きとあるが、脚の筋肉を使って2時間ほどで頂上に立った。見おろすと、爆裂火口の荒々しい姿も剥きだしになっている。参加者4名、84歳を筆頭に高齢者の山の楽しみは十分過ぎた。帰路、奥岳の湯の露天風呂で、降りてきた山を仰ぎながら汗を流してさっぱりと。やはり、山歩きと温泉は対の楽しみである。

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