日野(ひの)あまりは、突然(とつぜん)、手をつかまれて、思わず声をあげそうになった。あまりの手をつかんだのは、月島(つきしま)しずくだ。次の瞬間(しゅんかん)、あまりは目まいを感じた。しずくが彼女の心の中を覗(のぞ)いたのだ。しずくは微笑(ほほえ)んであまりにささやいた。
「もう大丈夫(だいじょうぶ)よ。あなたは一人じゃない。もう心配(しんぱい)することないから…」
あまりは、それを聞いて、思わず涙(なみだ)がこみ上げてきた。水木涼(みずきりょう)が慌(あわ)てて言った。
「ど、どうしたんだよ。どこか痛(いた)いところでも…。ごめん、稽古(けいこ)…きつかったか?」
あまりは目頭(めがしら)を押(お)さえて、「いえ、違(ちが)うんです。そういうことじゃ…」
あまりは呼吸(こきゅう)を整(ととの)えると、静(しず)かに話し出した。
「実(じつ)は…、あたし、夢(ゆめ)を見たんです。その夢に出てきた女の人に、烏杜高校(からすもりこうこう)へ行きなさいって言われて…。そこへ行けば助(たす)けてくれる人がいるからって」
川相初音(かわいはつね)は呆(あき)れたように、「えっ…。あなた、夢で学校(がっこう)を決(き)めちゃったの?」
「はい。ちょうど進路(しんろ)に悩(なや)んでいたときで…。夢でその人、はっきり言ったんです。しずくを探(さが)せって…。最初(さいしょ)は何のことか分からなかったんですが…。部活(ぶかつ)の先輩(せんぱい)が転校生(てんこうせい)の話をしてて…。その転校生が、月島しずくだって言ってたので…。それで…」
水木涼はホッとしたように、「何だよ。それで、朝、教室に来てたのか?」
<つぶやき>この後輩(こうはい)はどんな娘(こ)なの。登場人物(とうじょうじんぶつ)が多すぎて、作者(さくしゃ)は何も考えてないかも。
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