怪獣(かいじゅう)たちの壮絶(そうぜつ)なバトルの最中(さなか)に、月島(つきしま)しずくは川相姉妹(かわいしまい)にささやいた。
「あなたたちはあまりのところへ行って。私が送(おく)り届(とど)けるわ」
初音(はつね)は首(くび)を振(ふ)って、「ダメよ。あいつ、あの洞窟(どうくつ)にいたヤツよ。あなた一人じゃ…」
しずくはなぜか微笑(ほほえ)むと、「知ってるわよ。あの娘(こ)と、ちょっと話しがしたくてね。私のことは心配(しんぱい)ないわ。今、ちょっと大変(たいへん)なことになってて、手を貸(か)して欲(ほ)しいの」
初音はしぶしぶ肯(うなず)いた。いつの間(ま)にか、怪獣たちは消(き)えている。岩(いわ)の上にいたメイサが立ち上がってしずくたちを見つめていた。しずくもメイサを見つめる。二人の間(あいだ)に何かのやり取りがあったのか、メイサは微笑んで見せて岩の上にまた座(すわ)り込んだ。
しずくは二人を促(うなが)して、「さぁ、行って…」二人の前にピンクウサギが現れた。初音はそれを手に取ると、琴音(ことね)と一緒(いっしょ)に幻影世界(げんえいせかい)を抜(ぬ)けて行った。
二人が消えるのと同時(どうじ)に、メイサがしずくの前に姿(すがた)を現した。二人はしばらく見つめ合うと、メイサが楽(たの)しそうに話しかけた。
「あたし、あなたのこと知ってるかも…。どこかで会わなかった?」
しずくは恐(おそ)れる様子(ようす)もなく静(しず)かな口調(くちょう)で答(こた)えた。「そうねぇ。どこかで会ってるかもね」
「あなたから強い能力(ちから)を感(かん)じるわ。嬉(うれ)しい。こんなの始めてよ。あなたとなら思いっきり楽しめそうだわ。さぁ、始めましょうよ。あたしは、いつでもいいわよ」
<つぶやき>二人の対決(たいけつ)が始まっちゃうのか? みんなの戦(たたか)いはどう展開(てんかい)していくのか。
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