みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1336「詮索好き」

2022-12-10 17:29:48 | ブログ短編

 どう見ても彼女などいるはずのない男。それなのに、何だかいつもと雰囲気(ふんいき)が違(ちが)うような…。ちょっとお洒落(しゃれ)になってないか? 友だち数人が集まって、そんな話題(わだい)になった。男のことなどお構(かま)いなしに話は進んでいった。
「なあ、やっぱり変だよ。あいつを好きになる女なんて、いるはずがない」
 女友達が口を挟(はさ)んだ。「それは言い過(す)ぎよ。そういう娘(こ)、いるかもしれないでしょ」
「じゃあ、お前はあいつのこと好きになれるのか?」
「そ、それは…、あれよ。あたしの好みじゃないけど…、友だちとしては最高(さいこう)じゃない」
「どこがだよ。あいつ、何にもしゃべらないし。面白(おもしろ)いとこひとつもないじゃないか」
「口数は少ないけど、物静(ものしず)かでいいと思うわよ」
「そうよ。あんたたちよりは優(やさ)しい人よ。下品(げひん)でもないしね」
「もうやめろよ。そんなことより、こうなったら直接(ちょくせつ)確(たし)かめようぜ。女がいるかどうか」
「そんなこと誰(だれ)が訊(き)くんだよ。それに、正直(しょうじき)に答(こた)えるとは思えない」
「ここは、やっぱり男が訊くより、女の方がいいんじゃないのか?」
「あたしは、イヤよ。そんなこと訊けないわ」
「わたしもよ。そんな、プライベートなこと――」
「あいつを見張(みは)るのはどうだろう。行動(こうどう)を監視(かんし)するんだよ。女と会(あ)うかもしれない」
 何となくそれで話はまとまったようだ。さて、どうなることやら――。
<つぶやき>みなさん、お暇(ひま)なようで…。そんな詮索(せんさく)してないで、他(ほか)にやることあるでしょ。
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