JABEE(日本技術者教育認定機構、Japan Accreditation Board for Engineering Education)は、技術系学協会と密接に連携しながら、大学などの高等教育機関で実施されている技術者教育プログラムが社会の要求水準を満たしているかどうかの認定を行っている非政府団体です。
画像の、
バイオテクノロジー総覧でもご紹介したのですが、
JABEEと技術士制度の関係は、次のように表現できると、私は考えています。
すなわち、このJABEE認定プログラムの修了者が目指すべきメインストリートとして掲げられているのが「技術士」である、と。JABEE認定プログラム修了者は、「技術士第一次試験」が免除になり、実務の修習を行うことにより、技術士第二次試験を受験することがで また文部科学省に登録を行えば、「技術士補」として技術士業務の補助を行いながら、技術士になるための修習を積むことができます。つまり我が国の工学教育の先に目指すべき道のひとつとして存在しているのが「技術士」ということもできると思うのです。
JABEE認定制度はISO認証取得の学生版、とよく表現されますが、教育プログラムの質を保証し、アウトプットとしての修了生の品質保証を行うこと、特に世界に通用する質の保証をできるということが一番の目的です(技術士第一次試験の免除が主目的ではない、のです、もちろん)。
でも、認定コース修了のメリットとして、技術士第一次試験免除は重要な側面でありましょう。
JABEE認定においては、「自己点検書」、「プログラム点検書」などの一定の書式に基づき、審査マニュアルにのっとって厳しい審査が行われると聞いています。
高専でもJABEEの認定に向けた作業が平成15年度から始まり、平成16年度より本格的に試行がスタートしていて(高専では「専攻科」がJABEEの認定コースになりますが)、そこに至るまでのプロセスも認定カリキュラムとなるための審査対象になるとのことで、とにかく膨大な記録の作成、保管など、教授陣にはたいへんな負担がかかっていると思われます。学生さんたちも、それについていくのは、もちろん大変です。先生方は、なんとか学生達のメリットになるよう尽力されていると思います。また、大学院コースの認定も準備が始まっているようです。
JABEEは、PDCAサイクルにのっとった技術者教育プログラムの質の向上、教育に携わる側の継続的改善をも求める、厳しい制度です。
JABBE認定コースの実状を知る、技術士で大学教員のある先生-JABEE認定コースの設置に向けてがんばっておられるところですが-“これを真面目に修了すれば、技術士第一次試験なんて難なくこなせるよ、すごい学生が育ってくると思う”そんな風に語っておられました。
制度改変においては、もちろん端境期の方がおられるようです。
これまで話しには聞いたことがないのですが、おられるようですね。
念のため、日本技術士会かJABEEに、本当に免除にならないのか、確認していただくとよいと思うのですが、『JABEE認定に向けた準備時期に、その厳しい洗礼を受け、合格してもまだJABEE認定コース修了にあずかれず、技術士第一次試験免除にならない先輩たち』が、確かにおられるようです。
とても残念でくやしいことかもしれませんが、身についた力はご本人のこれからにとって、血となり肉となるものであると、思います。
厳しいJABEE認定コースと同様の試練を乗り越えて卒業したのですから、技術士第一次試験合格の力は十分に身についておられるはずです。
これから受験される方は、どうぞ自信をもって、今年の第一次試験を申し込んでいただきたいと、思うのです。
なお、JABEE認定コース修了者は、日本技術士会のホームページの中にある、
認定された教育課程の修了者に該当します。
技術士補となる資格の特例として「認定された教育課程の修了者」とあり、これは「大学その他の教育機関における課程であって科学技術に関するもののうち、その修了が第一次試験の合格と同等であるものとして文部科学大臣が指定したものを修了した者」のことです。
どなた様も、みな、がんばってくださいね!!