みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

あいのり

2006-08-29 | television
先日、髪を切りに行ったら美容師さんに
「欠かさず見ているテレビ番組ってなんですかあ~?」
と聞かれた。
彼女が25歳であることをふまえ、ちょっと合わせるつもりで
「うーん、あいのりかな」
と答えたのだが、美容師さんに
「あいのりかー。私、『不信のとき』ですよ。あれ、すごいですよ」
と言われてちょっと驚いた。
(ちなみに彼女は、あいのりはヒデが帰国してから見ていないそうです)
「不信のとき」は、石黒賢をめぐって米倉涼子(本妻)と松下由紀(不倫相手)が
バトルを繰り広げるドロドロ劇。しかも両方にコドモつき。
インターネット上で見ても、若い独身の女の子がけっこうハマっているらしい。
テレビで疑似体験するなら、未知の世界とか、もう失ってしまった世界のほうが
おもしろいってことか。

それにしても、今さらだけどあいのりってすごいコンセプトだなあ。
だって、目的が恋なんだよ、恋。
結果として、友情を育んだり、自分自身が強く成長したり、いろんな国の事情を
学んだり、恋なんか(あえて「なんか」と言ってみる)よりももっと
すばらしい経験を得て帰ってくるわけだけど、ベースは「真実の愛を見つける」でしょ。
ふられちゃったら帰らなくちゃいけないっていうのもすごいな。
(そうしないと終わんないけど)
でもあれ見てると、25歳とかでもけっこう年増扱いされて、
和泉とひさよんも「足して50歳」なんてババアよばわりされてたけど、
25歳なんて恋愛未熟者でもぜんぜんアリなんじゃないだろうか。
たとえば私と同じ36歳、2人足したら……わー、すごい。
50歳なんてまだまだ若いわ。

セン南へ

2006-08-27 | kid
土曜日に、前の保育園で納涼会があり、およばれしたので参加。
しばらく会っていないお友達や、お世話になった先生とも会えて
最初はもじもじしていたこうたろうも次第に笑顔に。

ガールフレンド、ひなちゃんのお宅に泊めてもらって、
私もゆっくりできた。
帰り際に名残惜しくて駅前の広場で座っていたら、
なんと昨日会ったばかりの保育園仲間2組とばったり。
子供同士はわいわいと楽しんでいて、親同士は
まったり子育て話なんかして、うれしかったけど、
内心ちょっぴりさびしくなってしまった私です……。
私はセンター南というエリアを愛しているけど、それは場所だけじゃなくて
こういう仲間がいたからなんだよなー、とあらためて実感。

でも新しい土地で築きはじめた人間関係も、私にいろんなことを与えてくれているし、
そういう意味では仲間や楽しいことが「増えた」んだってことを見落としてはいけないな、と
思い直したりもした。今ここでやれること、受けている恩恵をちゃんと見ないと、
本当に欲しいものは手に入らないような気がする。
なんて、こういうことはブログなんて公共の場(?)で言うことでもないんですが。(^-^;

ところで、ひなちゃんのママは、「子供が赤ちゃんじゃなくなっていくと、さびしい~って思う」
と言っていた。
そんな話を聞くと、「なんという母性にあふれた人なのだ!」と感動さえしてしまう。
そして、自分の母性がいかに微量なのかを知ってしまう。
私なんて、こうたろうが早く大きくならないかなあとそればっかりだ。
ああ、こうたろうに「おふくろ、もう俺にかまわないでくれよ」とか言われたい。
その日まで15年くらいかかるだろうなあ……。

読書記録2006-22

2006-08-25 | book
49「ジョナさん」片川優子 充実度★★★☆☆
現役女子高校生が書いた、等身大小説。
どの書評にもそんなふうに書いてあって、それはそうなのだが、
自分が高校生だったころのノリや考えとあまりにも近すぎて、
「ホントに女子高校生?? 私と同世代の人が振り返って書いているのでは?」なんて
思ってしまったくらい親近感がありました。
今の女子高校生も、あのころとあんまり変わってないんだなあ、と不思議な気持ちに。
ジンジャーエールが子供の飲み物でコーヒーは大人の味、とか、
お父さんの存在が不快とか、母親がホステスをやっている母子家庭の子がいじめられるとか、
「○○さんとつきあってると人生に失敗しますよ」なんて言う担任の先生とか、
(今ホントにこんな先生がいたら大問題だ)
オーソドックスの極みというか、ちょっと古い感じがしたから。

でも、主人公チャコが進路希望の用紙に「外交官」と書いたことで
前述の担任教師に無理だといわれ、
「じゃあ、お嫁さんに書き換えといてくださいよ、それなら私でもなれそうですから」
と言い返すシーンがあり、そこを読んだときは「ああ、やっぱり女子高校生!」
という手ごたえがあった。
お嫁さんなら努力も芸もなく誰でもなれると思ってるあたり、ふふふ、ひよこちゃんねぇ。

好きな人に仲間内だけのコードネームをつけるというのはリアリティがあるけど、
なんでそれが「ジョナさん」だったのかちょっと唐突なのが残念。
でも、全体を通して、会話がイキイキしているのがよかった。
女子高生がファミレスとかにたむろって話しているのを聞いてるような。
私がすごく好きだった会話は、

「でね、あの人バイク乗るんだって。超かっこいいよね。絶対似合うよ。
 似合わないわけがないもん。だって小道具なしであんなにかっこいいんだよ?
 やばいよバイクとかさー」
「バイクはもはや大道具じゃない?」

っていうところ。
「やばいよバイクとかさー」が秀逸。

速水もこみちとかギバちゃんとか「下妻物語」とかボス(缶コーヒー)とか、
今メディアを通して女子高生が感知しているディティールがわかったのも
おもしろかった。10年後にはなつかしいキーワードになっちゃうのかもね。
この小説で知ったけど、今の若いコは「~っていうか」じゃなくて「てか」って
言うんだね! これが一番のオドロキというか、発見でした。
私達の年代で「てか」って言ったら、ツルちゃんだよね。
あ、このあたり、わかる人にだけわかればいいです……。

映画鑑賞「ハチミツとクローバー」

2006-08-24 | monologue
妹と「ハチミツとクローバー」映画版を観てきました~。
※ネタバレ全開です!

映画化されると聞いたときには、誰がはぐちゃんを演るのか?ってことが
一番のキーポイントで、「蒼井優~? 好きだけどはぐちゃんじゃないよ」と思っていた。
が! すごい! 蒼井優は彼女なりのはぐちゃんになっていた! スバラシイ。
っていうか、はぐちゃんが一番ぴったりきてたかも。

他の面々も、原作のイメージを壊さない努力がかなり感じられたけど、
なんで……なんで……森田君があんな姿に。

いや、演じてる伊勢谷君はカッコいいよ。でも森田君じゃない(←ファン)。
なんつーか、男クサすぎ。口の下のピアスはやめろ。
(妹が「あれホクロじゃないの?」と言っていたけど違うよね??)

でも、はぐちゃんとふたりで絵を描くシーンがすごくかわいかったので、
「そうか、原作から離れて観たほうがいいんだな」と割り切って鑑賞続行。

うーん、でも、原作を知らない人からしたら、わからない部分とか
気がつかない点がたくさんあるんじゃないかと思う。
山田が商店街の酒屋の娘だってこととか。(店の前に座ってただけだったので)

あれだけ長い話を2時間でまとめるのは難しかったのかもしれない。
登場人物も多いし、それぞれに生い立ちが濃いし。
ハチクロならではの名言やエピソードをいっぱい取り入れようとしているのが
すごくわかったが、アレンジしすぎというか、よさが消えちゃったものも。
たとえば、真山が山田に「おまえさ、なんで俺なの?」と言うセリフがあるんだけど、
原作では絶妙なタイミングでさらっと言うところを、わざわざ追いかけてまでなぜ……。
森田君ほどじゃないけど、真山もストーカー性を誇張しすぎでキャラの魅力が失われてた。
山田がなんで真山を好きなのかぜんぜんわからなかったわ。
真山ファンの妹も、「かっこいいところがひとつもなかった……」と嘆いていた。
ルックスはかなり真山に近づけようとがんばってたけどね。
前髪とか。シャツとか。

それから、竹本君の自分探しの旅……
み、みじかっ!!
あれでは、はぐちゃんは竹本君が旅に出たことすら気がつかないじゃないか。
まあ北海道まで行ってると2時間じゃ終わらないから仕方ないかなぁ。

蛇足だけど、ちょこちょこと登場するCGの黒猫の意味がいまいちわからなかった。
全体的に、懲りすぎ、いじりすぎのような気がする。
森田君以外はこのキャスティングでいいから、もうちょっとストレートに
連ドラで観たい感じ。

ところで、夏休みということもあってか、池袋というエリアのせいか、
映画館は若いカップルがいっぱい……。
しかも、なんかほのぼのした健康カップルばっかりで、映画を観る前から
あまずっぱい(妹談)空気が充満。なんか若返りましたわ。

涙なんかじゃない

2006-08-22 | kid
3歳を目前にして、こうたろうの性格が定着してきたのがわかる。
「おっとりマイペース」というのが1歳になったあたりからの
彼のキャッチフレーズ(?)だったのだが、加えて几帳面であり、
ひょうきんであり、そして意外と負けず嫌いなことがはっきりしてきた。
こういうのって、どれだけ先天的でどれだけ後天的なのかなあ。

几帳面という点は、去年保育園の先生によく言われていたのだが、
最近のトイレトレーニングの中でもよく感じる。
うちは、トイレの壁に補助便器をひっかけるようにしてあるのだが、
こうたろうは用を足し終わると、水を流し、自分でその補助便器を壁に戻して、
便座のフタを必ず閉めて出てくるのだ。
便座のフタなんて、うちでは誰も閉めないんですけど!?
保育園の子供用トイレにもフタなんかないんですけど!? 
っていうか保育園のは和式だし。

負けず嫌いなのは、最近顕著に表れてきた傾向。
ただ、誰かと競走して負けるのがイヤというのとはちょっと違うみたいで、
自分にできそうなことができないというのがくやしくて仕方ないらしいのだ。
おもちゃのパーツがうまくはまらないとか、洋服が上手に着られないとか。
「できない~~っ!」と自分に腹を立てながら、あきらめずにできるまでやる。
あと、このあいだヒットだったのは、私に叱られて泣いているとき、
「ほら、涙ふいて」と私が言ったら、
「これは涙じゃない! 汗!」
と主張していたこと。
我が子ながらあっぱれだなあ、と感心してしまった。(←親ばか)
名言じゃありませんか。「これは涙じゃない、汗だ!」なんて。

なんというか、もう精神的には親の手を離れたというか、
自己確立のベースができたというか、
私にまんがいちのことがあっても大丈夫だな、なんて思ってしまった。
もちろん、まだまだあまったれで、抱っこ抱っこ星人だし、
どんな場合もひとりにはできないけど、
もうコイツはなんとか自分を持って生きていけるな、と思う。
頭を使って、体を使って、言葉を使って、そのキャラを使って。

私がこうたろうに望むのは、健康であることと、自分で選ぶ力を持つこと。
人様に迷惑をかけることさえしなければ、あとは好きに歩いていって欲しいと思う。

情報交換

2006-08-18 | people
スーパーで食材を買って、ビニール袋に入れていたら
隣にいたおばあさんに声をかけられた。
「すみません、これ、どうやって食べます?」
顔をあげると、私が袋に入れたばかりの水菜を指さしている。
「生のまま、食べやすいように切ってサラダにしたり、冷しゃぶとあわせたりします。
おひたしやパスタの具にもいいし、冬はお鍋に入れてもおいしいですよ」
と答えると、感心したように
「へえ、そうなんですか。生でも食べられるの。いつも気になっていたんだけど」
と言っていた。
こんなご年輩の方に野菜の調理法を教えるなんて、すごくおこがましい気がしたのだが、
おばあさんが一生懸命私の話に耳を傾けてくれたのでうれしかった。

スーパーを出たら、今度はおばあさんよりちょっと若いくらいのおばさんが
そのおばあさんに声をかけていた。
「すみません、失礼ですけど、これ、どこで売ってます?」
おばあさんは、荷物を入れて乳母車のように前に押して運ぶタイプの
「おばあちゃん版キャリーバッグ」を持っていたのだ。
おばあさんは「○○の▲▲で………これ、便利ですよ」とか答えていた。
おばさんは「ああ、▲▲で。欲しかったんだけど、どこに行っても見つからなくて」
と有力情報をゲットして喜んでいる様子だった。

知らないことを、知っている人に教わり、
知っていることを、知らない人に教えるという循環。
「通りすがりの人」というのが、いいなあ。

わからないことはたいていインターネットが教えてくれる世の中だけど、
対面して教えを請う姿勢も大事にしていきたいと思った。

読書記録2006-21

2006-08-16 | book
47「踊るナマズ」高瀬ちひろ 充実度★★★★☆
デビュー作ということだが、すごくしっかりした文体で、貫禄がある。
書き出しもすばらしい。
おなかにいる胎児に向かって語りかけるという形で、
自分が14歳のころに聞いたナマズ伝説について描かれている。
水口さんという男性が語るナマズ伝説が途切れ途切れに入っていて、
それを読みたくてどんどんページをめくった。
高瀬さんは本当に文章が整っている。
気になっている男の子に、剣道の胴衣を後ろから着せてもらうところ、
緊張感とドキドキがよく伝わってきた。
ただ、ちょっと残念だったのが、最後までいくと
「なんで胎児にこの話をしたんだ?」という疑問が残ること。
理由はなんとなく書いてあるんだけど説得力がないというか、こじつけっぽい。
あれーっ、これって結局性教育の話だったの??と、肩すかしな気にも。
もう一作「上海テレイド」という作品が入っていたのだが、
(デビュー作だけでは原稿のボリュームが足りなくて、本にするために2週間で書いたらしい)
これも性のモチーフが色濃い。そして、「純情な男の子の恋心をからかって楽しむ」
という場面が「踊るナマズ」にも「上海テレイド」にも出てきて、
せっかくならもうちょっと違うタイプの女の人について読みたかった。
もっといろんなことが書ける人だと思うので、以降に期待したい。

48「太宰治の女房」芦田晋作 充実度★★★★☆
おもしろかった!
自費出版っぽい感じの本なのだが(違ったらごめんなさい)読みやすくてすいすい進んだ。
太宰治の妻、石原美知子よりに書かれた本。
ちょっと前に、太宰治と彼を取り巻く女性たちのドラマがやっていて、
そのときの主演が豊川悦司、妻美知子が寺島しのぶだった。
私のいけないクセなのかもしれないが、読んでいてどうしても太宰がトヨエツに……。
そして美知子が寺島しのぶに……。
ついでに浮気相手の静子は菅野美穂に……。
でもそう思い浮かべながら読むと、ますますおもしろかった。
美知子はいわゆる「糟糠の妻」。
苦労に苦労を重ねて、太宰治を作家として成功させたひとだけど、
太宰は外に女を作り、子供まで作り、またぜんぜん別の女と心中してしまう。
この手の男がすごいなあと思うのは、複数の女の影をあかるみにしながも、
関係している女全員に「でも私が一番なんでしょ」と思わせてしまうところだ。
客観的に見れば蹴飛ばしたくなるくらい頭にくる男だが、
こういうダメ男に尽くしてしまう女の気持ちもわからなくもない……。
美知子は平成9年に心不全で亡くなっているが、平成9年っていうと
けっこう最近だよね。夫としても作家としても愛しぬいた太宰治の作品が、
あちこちの高校で課題図書になったり、試験問題になったりしているこの時代を、
どんな気持ちで見ていたのかな、と思った。

きらきらぼし

2006-08-16 | guitar
気まぐれに初めてテンプレートを変えてみました。
夏らしいのにしようとあれこれやってみたんだけど、
結局大好きなオレンジからどうしても離れられず。
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最近、ギターに興味を持ち始めたこうたろう。
テレビでギターを弾きながら歌っている人を見ると、
「あれ、おかあさんのといっしょだねえ~」と言うではないか。
で、ためしに、私もこうたろうの前でギターをかまえてみたら、
「さいた(チューリップ)!」「ちょうちょ!」などと、リクエストしてくるではないか。
で、「いいよー」と安請け合いをして、ボロボロ弾きくだしながら(コードは超てきとう)
格好だけで「ちょう~ちょ~♪」とかやってみせたら、
いっしょになって首をふったり体をゆすったりしてリズムをとるではないか!

お、おおお~!!
か、かわいいっ。 こうたろう、マジかわいいい~~!!!

もしかしていけちゃう? こうたろうといっしょに、歌えちゃう?
何曲かやったあと、「じゃあ、最後はこうたろうもいっしょに歌おう!」と
誘ったら、「うん、きらきらぼし!」との選曲。

やりましたよ、きらきらぼし。
こうたろうは両手できらきらのお星様を表しながら、
私はまったく合ってないコードを押さえながら。
ギターとともに親子でハモった、初めての瞬間。

しあわせ……

こうたろうも大きくなったなあ。
私が去年ギターを買ったばかりのころは、私が弾こうとすると
どれだけダメって言ってもさわりに来てしまって、ぜんぜん進まなかったのだ。
だから、こうたろうの前ではギターは弾けないと思い込んでしまっていた。
でも、これならもう大丈夫そう。

こうなるとモチベーションが一気にアップ。
コードがついてる童謡のTAB譜をさっそく購入した。
こうたろうがよく歌っている「かたつむり」なんて、CとGだけで弾けちゃうのだ!
これなら半日練習すればイケそうじゃん!

記念すべき「きらきらぼし」はどうだろうと思って見たら、
「きらきら ひかる~」の「ひ」で、さっそくFコードが……
童謡も甘くないのねえ。

でも、これでやっと私のギターも実用的(?)になってきそうな予感。
ありがとう、こうたろう!
こうたろうが「かあちゃん、そこコード違ってるよ」とか言うようになる前に
がんばってマスターしていっぱいデュエットしなくっちゃ~~。
ホントに今のうちだ、今のうち。

その夜、おふろで「こうくんもギターやるの~、ちいさいギター持つの~」なんて
またカワユイことを言っていた。
「そうか、そうか、よしよし。買ってやる買ってやる」と、
孫を見るじいさんのような気分になっている私なのでした。
トイザらスにあるかな~~。

読書記録2006-20

2006-08-15 | book
46「西の魔女が死んだ」梨木香歩 充実度★★★★★
久々に出た~~! 五ツ星!
ずいぶん前から気になっていた本で、友人に貸してもらった。
その友人が「なんだかほっとする本だよ」と言っていたのだが、
私はほっとするどころか、がんがん元気の出る話だった。
私も魔女になるぞ! オー!

主人公「まい」は、13歳の女の子。
デリケートさゆえに傷つきやすくて、学校は彼女にとって
「苦痛を与える場所でしかない」。
親元を離れ、おばあちゃんとの共同生活でいろんなことを知り、学び、
強くなっていくまいの成長が描かれている。

ラストは泣けたなぁ……。しばらく目を閉じて陶酔してしまった。
なんといっても、「西の魔女」であるおばあちゃんがすてき。
最初は、孫のまいに対してずっと敬語なのがなんだか違和感があったけど、
イギリス人を思い浮かべながら読んだらすぐにしっくりきた。
魔女のおばあちゃんというと「~なのさ」とか言いそうなのに、
あえて「~ですよ」というのが品があっていい。
大事なことがいっぱい書いてある本だった。

たとえば、野菜を自分で収穫したり、ジャムを作ったり、
自然のめぐみをいっぱい受けながらの質素な生活というのもすごく
感動的なのだが、この小説は、それだけにとどまらない。
その反対側にある、「コンピューターやコピーの情報の山、
流れるファクスの川」を決して否定していないのだ。
まいが、そんな現実社会の中で、しっかり自分を持ち、そして保ち、
行くべき道を見失わないで生きていくために、
山での魔女修行が必要だったのだと思う。

おばあちゃんがまいに教えてくれたさまざまなことは、
母から娘へ伝授するのはたぶん近すぎて難しくて、
「おばあちゃんと孫娘」だからいいんだなあ。
石飛びの同性だからこそわかりあえるというか。

それにしても、おばあちゃんがたまに、「江原さん?」っていうか
「美輪さん!?」というようなことを言っていた。
あの手の人たちは、みんなおんなじこと言うんだなあと思った。

蛇足になるけど、「アルケミスト」という小説があって、
ノリ的にはすごく近いものがあるような気がした。
羊飼いの少年が宝を探して旅に出る話なのだが、
あれを読んだときも、「私も旅に出るぞ! オー!」と思ったんだよな。
少年のための「アルケミスト」、少女のための「西魔女」という感じです。
もちろん、少年じゃなくても少女じゃなくても、どっちもおすすめです。

男心

2006-08-12 | kid
保育園から帰ってきたこうたろうの足に、虫刺されのあとがあった。
「ムヒぬろうね」と私が薬を持ってこようとしたら、
こうたろうにすごい理由で拒否されてしまった。

「いいの、ムヒは、ほいくえんでかわいい先生がぬってくれたの! うれしかったの!」

あー、そーですか……。

今、先生たちが交代で夏休みをとっているようで、
あまり接触のなかった「かわいい」先生が世話してくれたらしい。
あの先生のことかな、と思い当たるふしが……。

男だねえ、こうたろう。