みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

読書記録2006-12

2006-05-30 | book
29「愛人(ラ・マン)」M.デュラス 充実度★☆☆☆☆
映画化されたときに買った文庫がずっと本棚にあったので読んでみた。
そういえばあの映画ってR指定だったっけ……ということを19ページあたりでやっと気が付いた。
でも、翻訳モノのエロチズムって、どうしても美しくならざるを得ない気がする。
同じようなシーンでも、日本人の書くエロを、日本人が日本語で読むのとは違うのだ。
ただし、デュラスがこれを「官能小説」として書いたかどうかはわからない。
映画で話題になったほどの性描写はそんなになかったし。
自伝ともいわれ、もともとは写真集につける文章だったという説もあるから、
妄想のまじった日記というか、モノローグのようなものだったのかもしれない。
そう捉えて読むと納得がいく。
逆に、ふつうの物語としてストーリーを追っていくと、
一人称と三人称が混在しているし、時代も前後しているのでこんがらがるかも。
フランス領だったころのベトナムに暮らす、白人としては貧しい家庭。
勉強のできない兄、母親との確執を抱える美しい娘。
テーマは愛人でも性でもなく、「家族」のような気がした。
そして、おそらくデュラス本人であろう主人公の一番の欲望は、
実はお金でも性でも美貌でもなく、「書くこと」だったのだと思う。
おもしろいかおもしろくないかといえば、はっきり言って私はおもしろくなかったけど、
世界的ベストセラーとなった理由はなんとなくわかる気がした。

30「広き迷路」三浦綾子 充実度★★★☆☆
三浦綾子の作品の中では特異な一冊。仕事で読みました。
三浦綾子といえばキリスト教だが、この本にはイエスも牧師も出てこない。
登場するのは、どうしようもない人間ばかりである。
特に、物語の要となる町沢加奈彦。こいつがホントにろくでもないヤツで、
恋人である冬美が出世のジャマだからといって殺そうとしたり、
友達の義姉とねんごろになっていつまでもツバメになってたりするのだ。
そして、加奈彦に執着する冬美。
なんで冬美があそこまで加奈彦に夢中になるのか最初はわからなかったが、
ふと、でも若い時って、こういうしょうがない男を好きになっちゃう
おバカな時期ってあるのよねえ……といろいろ思い出したり。
「もしかしてこうなるのかな?」という展開がほぼよめてしまって
ミステリーとしてはちょっと物足りない感はあるものの、
最後まで人間の心理の深さ、複雑さをよく突いていたと思う。
ラストは「えー?」って思ったけど、冬美がどういう人間かということを考えると
納得のいく結末かも。
まともな人が一人も出てこない小説だったけど、
なまめかしく「私は悪いことが好き」と言ってホントに悪いことをする
瑛子のキャラは個人的に好きでした。

同窓会

2006-05-29 | kid
日曜日、前の保育園仲間との集まりがあり、センター南へ。
こうたろうはずいぶん前から「にちようび、○○ちゃんと会うの」と
メンバーの名前を言ってはにこにこしていた。
でも、もっと楽しみだったのは私のほうかも。

保育園を変わったのはうちだけではなくて何人かいたので、
新しい環境で四苦八苦している親子の話を聞いてすごく参考になった。
保育園や幼稚園って本当に、それぞれいろんな特色があるし、
いちがいに「保育園か幼稚園か」とか、「公立保育園か認可保育室か」とかって
比較もできないんだなあと実感。
うちも含め、転園した子供たちはもれなく最初は泣いていて、
親もいろいろとてこずったり悩んだりしている部分がある。
転園を決めたのは子供自身ではなくて親の私たちだから責任は感じるし、
「親の都合や考えで勝手に」といわれてしまえばそれまでだけど、
そのあたりは子供に自分で成長してもらうしかない。
どこでどう過ごしても、いいことも悪いことも起きるんだから。

こうたろうは、お友達にというよりは、お友達のママたちといっぱい会えたのが
うれしかったようで、いろんなママのところに笑顔で寄っていっては抱きついていた。
ホントに年上美人好み……。わかりやすいヤツだなあ、こうたろう!

なんにしても、こんなふうに、環境が変わってもまた集まれる仲間がいるって
すごく恵まれてるなあと思う。私もこうたろうも。
これからもよろしくお願いします!

パパ友達

2006-05-26 | people
高校時代からの友人S君が出張で上京したので、8年ぶりに再会した。
15歳から知っている彼とは、もう21年のつきあいである。
お互い結婚してからはメールや手紙のやりとりだけで、会っていなかった。
今では彼も、一児(男の子)の父親。ふたりめが奥さんのおなかにいる。

久しぶりに会うS君は、ちょっとだけ肉づきがよくなっていたけど、
ぜんぜん変わっていなかった。
話していても、いいところがそのまんま残っていて、
成長するべきところがちゃんといい感じに熟していた。
それがうれしかった。

独身時代はよくお互いの恋話をしていたけど、
今は子供の話が中心というのもなんだか不思議だった。
そして、子供に対する父親の思いのようなものを聞けたのも、よかった。
ママ友達の話は聞けても、パパ友達(?)の本音って意外と聞く機会がないのだ。

「子供には、いやな思いとかして欲しくないって思うよね。
 でも、したほうがいいんだ。
 たとえば友達におもちゃをとられて悲しかったり、
 逆に貸してあげないことで嫌われることも必要だし、
 プールで自分だけ泳げなくて練習がつらいとか、誰かと別れることがさびしいとか、
 そういう気持ちもちゃんと味わって、覚えたほうがいいんだ。」

という話が、とても印象深かった。
母親はつい、「子供がつらい思いをしないように」ということに
重点を置いてしまいがちだ。
「母親は」というのが乱暴だったら、少なくとも私は今まで、こうたろうにとって
なるべく楽しくて気持ちいい環境をそろえようということばかり考えてしまっていた気がする。
それは、いい服を着せるとか、おもちゃやお菓子をいっぱいあげるとか、
習い事をさせるということではない。そういう意味では私はまったく何もしていない。
そうではなくて、もっとメンタルな面で、苦難から回避させようとしていたと思う。
友達にひどいこと(といっても知れてるけど)をされてこうたろうが傷つくのを
思うとすごく胸が痛んだし、いつも笑顔でいてほしかった。
「転校はかわいそうだから引越しは就学前に」なんて画策したのもそのひとつ。
でも、親がどれだけ守ろうとしたところで、「よかったね、楽しかったね」で
一生過ごせるわけじゃない。転校だって、もしかしたらハッピーなことかもしれないし。
S君の「いやな思いをしたほうがいい」という言葉は、すごくポジティブに受け取れて、
ちょっとラクになった。

あと、目からウロコだったのが、

「休みの日に子供と遊んでると、奥さんから
 『やっぱりパパと遊ぶのが楽しいのねえ。パパが好きなのね』とか言われると
 うわー、やめてくれ!って思う」

というやつ。普段かまってやれないことに対するイヤミだと思うんだそうです。
でもこれ、私も言ってる……かなり言ってる。
「それって、イヤミとかじゃなくて、S君をたててるんじゃないの? 
奥さんには全然悪意はなくて、褒めてるんだよー」と言ったら
S君のほうも「え、そうなの?」とびっくりしていた。
相方もイヤミだと思ってるのかなあ? 今度聞いてみよう。

おうちに帰ろう

2006-05-20 | kid
相方の仕事のシフトはまったく「お父さん」向きではない。
帰りが夜中の1時、2時なのに加え、しょっちゅう泊まりになるし、
土日・祝日は絶対出勤。むしろ平日より忙しい。
お休みは平日に週一日あればいいところ。
そのお休みでさえ、「夕方からちょっと出ないといけない」とか、
「夜は飲み会だから」とか言って、結局こうたろうと一緒に寝たりできない。

こんなお父さん(の仕事スタイル)だと、子供に人見知りされるという話をよく聞くけど、
こうたろうはお父さんが大好き。たまにちらっと会えると、
「あっ、お父さんだ!」と飛びついていく。
お風呂の時間にいたりすると、「お父さんと入るの~!」と言って服を脱ぐ。

この間の休みのとき、家族3人で夕食を一緒に食べ、そのあと送別会があると言って
相方が8時ごろ支度をし始めた。
こうたろう、泣くかなあと思って横目で見ていたら、すんなりと受け入れて
「お父さんにバイバイする」と言っている。
あれっ、物分りいいな~と思っていたら、次のセリフがすごかった。

「お父さん、おうちに帰っちゃうの?」

ええええ~~~~~
お父さんのおうちが別にあるなんて、そんなふうに思ってたのか。
それとも、引っ越す前の家のことを言ってるんだろうか?

なんにしても、すごいショーゲキだった。
なんか、2号さんになった気分。

お父さん、早く本当のおうちに帰ってきてください。

ヨガ体験

2006-05-18 | monologue
私のまわりの美しい人びとが、みんなして「ヨガいいよ~!」と言うので、
義姉のK子と一緒に体験教室に参加してきた。
母も昔やっていたし、前の保育園仲間、abeさんが自宅サロンでヨガを開催しているのもあって
(出勤日と重なって一度も行けずじまいなのだが)ヨガはぜひやってみたかった課目。
80分のスタンダードコースへ、いざ!

ひとつ、はっきりと認識させられたことがある。
私って……私って……

体かたすぎ。


いやもう、笑っちゃうね┐('~`;)┌
がっしがしなの。自分でもびっくりした。ヒトとしてやばいよ、マジで。
これでよくもまあ、「小さいころにバレエを習っていて」なんて言えたもんだよ、
どの口が!って感じ。
みなさん、優雅に体を曲げてらっしゃるのに、私だけなんだか頭の位置が高い。
私の体、もしかして腕とか足の長さが間違ってるんじゃないだろうか。
それとも、ものすごいハイレベルなクラスに来てしまったのか?
(K子も他の人に違わずしなやかに体を曲げていた)

しかも、少し前から気がついていたのだが、私はどうも呼吸がおかしいみたい。
息を大きくゆっくり「吸う」というのができないのだ。
「吐く」のはいくらでもできる。
「長い時間息を吐く大会」とかあったら、ぜひ挑戦したいくらい。
私はクロールの息継ぎがぜんぜんできないのに潜水だけは得意なんだけど、
これと通ずるものがあるのだろうか。

なので、「吸いながら○○して、吐きながら△△して」というガイドにも
うまくのれなかった。
ヨガはゆったりとリラックスして体をほぐすもののはずなのに、
ギシギシと壊れたブリキ玩具のように動きながら、呼吸困難で顔は真っ赤、という状態。
おまけに、たまに腰が「コキっ」と鳴るのだ。な、なんの音!?

しかし、ヨガが私にむいていなかったかというとそうとも言い切れない。
先生が「右手が重くなります」言えば右手が鉛のようにドンと重くなるし、
「手がぽかぽかしてきます」と言えば本当に熱をもってくる。
イメージの中で実現していくという精神世界については、ばっちりハマった。
(でもこれってヨガというより自己暗示にかかりやすいだけなのか)

それにしても、ヨガって、「ムード」でやるものなんですね!
生活から離れた場所とか、お香のにおいとか、音楽とか、先生の誘導する声とか。
途中、照明まで変わってびっくりした。音楽も、動きにあわせて波の音になったり。
行く前は「覚えてきて、家でもやろう」と思っていたのだが、
友人が「自分の家でひとりでやると違うんだよねぇ」と言っていたのがよくわかった。

というわけで、あまり「楽しいー♪」という体験にはならなかったのだが、
「ヨガいいよ~!」という意見には賛同。いいよ、ヨガ。
血液の循環が良くなったのか、夜いつもよりぐっすり眠れたし。
今日明日くらいは、予定どおり訪れた筋肉痛と戦います……

めぐりあい

2006-05-16 | guitar
浮気をしそうになりました。
通勤帰りの明大通りで、一目惚れして。
あまりにも私好みの甘いフェイスがどうしても忘れられず、
今度会ったらアタックしようかどうしようか思い悩み、
次の出勤日までどきどきして過ごしておりました。
その相手は……

ウクレレ。

だってすっごいすっごいかわいいんだもん!
店頭に吊る下がってるのを見たとたん、きゅーんとなっちゃったんだもん!
しかも、弦は4本。ギターより2本も少ない。
調べてみたら、基本のCコードも1本押さえればいいだけなのだ。(ギターは3本)
弦は丈夫だし、ネックが小さいから指も届きやすいし、軽いし、
トートバッグに入っちゃうくらい小さいし……。
値段を見たら、3980円。しかもソフトケースつき!
ぎゃ~~、これで立ち止まるなっていうほうが無理!
あんまりいいたとえじゃないけど、遊郭をふらふらしてたら
タイプの女郎さんに手招きされてしまったような気分。

しかし、このあたりは私もオトナになっている。
楽器は「安い」というのがいいこととは限らないのだ。
即買いはとどまり、ネットでいろいろと調べる。
ウクレレをやってる人たちって、ホントに楽しそう。
コードなんかてきとうでいいもんね、チューニングが合ってなくてもいいもんね、
楽しけりゃいいんだよ、ポロポロ~♪って感じなのだ。
「世界で一番簡単な弦楽器」とも言われているとか。
「ギターに挫折したお父さんに最適!」というような言葉も……。
私はお父さんではないが、かなりこれに近い。

で、意を決して、次の出勤日の昼休みに楽器屋へ行ってみた。
私が呼び込まれてしまったウクレレをちょっと弾いてみる。
ぽろろん、という軽やかな音は出ない。
近くにあった16800円のものを試す。
さっきよりはマシな感じだが、あまり楽しい音ではない。

あれ……やっぱり、ちょっと違ったかな……。

で、何軒かめぐる。
これまで行っていなかった店ものぞき、
6980円の「初心者におすすめ!」という札がついているものをじっと見ていたら、
若い店員Aが近寄ってきてあーだこーだと勧めてくる。
が、私が「ちょっと弾いてみてください」とお願いしたら、
「えっ、ぼ、僕、弾けないんです」と言って、中堅どころの店員Bを呼んできた。

店員Bは見るからにミュージシャン風。親指の爪だけ伸ばしている。
私の質問にもてきぱきと答えてくれたので、正直に
「アコギに行き詰まっているので、ウクレレならどうかと……」と話してみた。
すると、
「いや、同じっすよ。
ウクレレがうまく弾ける人っていうのは、イコール、ギターもちゃんと弾けます」
という返事。
いろいろ話しているうち、2人の間で(?)「アコギをがんばってマスターすべき」という結論に。
しかも、その初心者におすすめな6980円の品をちょっと弾いて、
「まあ、7000円の音ですね。ちょっと遊びたいとか、アコギに疲れちゃったから
ウクレレでホネ休めしてまたギターに戻るっていうのならいいと思うけど」とな。
彼は決して、売る気のないダメ店員ではない。
こういう店員こそがプロなんだろうし、本気で音楽や楽器を愛してるんだと思う。

もちろん、彼の言うことが絶対100パーセント正しいというわけではない。
ウクレレのほうが断然簡単で楽しいという意見もたくさんあるし、
7000円クラスのウクレレならまあまあという見方もある。
でも、私の場合、店員Bと話したことで、ウクレレへの熱が冷めた。
そういう「めぐりあわせ」だったのだ。

ということで、浮気は未遂に終わりました。
今そばにある本命ギターとの愛を育んでいくことにします。

読書記録2006-11

2006-05-15 | book
27「箱男」安部公房 充実度★★★☆☆
6年ほど前、なんとなく買ったのだがあまりの難解さにリタイアしていた本。
読み返してみたものの、やっぱり難解。でもなんとか読み通してみました。
難解といっても、文章が難しいというのではない。むしろ文体は面白い。
ただ、どこまでが妄想でどこまでが現実なのか、誰が誰なのか、
つじつまを合わせようとするとわからなくなってしまう。
きっと、ストレートに読んではいけない本なんだな。もっとこう、感覚的にというか、
各自好きなようにイメージして読みたまえ、というのが安部スタイルなのかも。
ストーリーは、文字どおり、ダンボール箱の中で生活する男の話。
といっても、ホームレスとは異なる。箱を家にしているのではなく、
箱が自分自身の一部になってしまうのだ。
エロ描写はグロいし、出てくるのもいろんな意味で変人ばかりなのだが、
ところどころ「うーん、なるほど!」と思わせられる箇所も。
私が一番膝を打ったのは、
「どんなに上等な上着と靴を身につけていても、ズボンを履いていなければ
外には出られない。上半身はたとえ裸でも、足がはだしでもOKだが、下半身はだめ。
世の中はズボン社会だ」というところ。
ズボンってそんなに大切なものなのね。
全体を通して、「箱の中での狭い世界」ではなくて、
「のぞく」ということに焦点があてられている気がした。
小説とはこういうものなのかもしれない、なんて思った一冊。

28「思い出トランプ」向田邦子 充実度★★★☆☆
この本を読んだのはもう3回目くらいになる。仕事でまた読みました。
昔から向田邦子の本は好きだったのだ。
向田邦子脚本のドラマはあまり見たことないけど(寺内貫太郎一家とか)、
小説が原作になっているものはチェックして必ず見る。
ずいぶん前だけど、この「思い出トランプ」を元にした単発ドラマで
田中裕子さんが主演したやつも印象深いし、
去年岡田君が主演した「夜の運動会」もとてもよかった。
人間の持っている、ずるさ、弱さ、みじめさの、痛いところをするっとひっぱってきて
小道具を小気味よく使って構成する技法は巨匠と謳われるにふさわしい。
短編集なのだが、主人公はどれも、どこかかっこ悪くて暗い過去を持っていて、
要領よく世の中を渡っていく美貌の持ち主(脇役)は「悪役」っぽく描かれている。
以前、この本を読んだときは、それが面白いと思ったし魅力的だったのだが、
今回初めて、ちょっとさびしい気持ちになってしまった。
こんなせつない物語ばかりが集まった本を「面白い」なんて思っていた過去の私、
のんきでシアワセだったんだなあ。
もちろん今だって私は幸せだけど、のんきではない。
ということを考えさせられた。

保護者懇談会

2006-05-12 | kid
保育園の保護者懇談会に出席。

前の保育園は男の子が多くてほとんど男子校状態だったのだが、
今の保育園は11人中7人が女の子。
一口に「女の子はこう」とは言えないものの、
お母さんたちの話をきいていて、全体的にやっぱり男の子より発育が早くて
安定してるなあという感想を持った。

まず、半分以上の子のおむつが取れている。
こういうのは親がスタートさせているかどうかってこともあるんだろうけど、
私はこの夏にとれれば普通だと思っていたので驚いた。
まあ、先生は急いで取りなさいというふうではないし、
私自身、もう少しこうたろうが自分でいろいろできるようになったり
話がちゃんと通じるようになってからのほうがお互いラクでいいやと思っているので、
引き続き夏にはずす予定。ただ、そろそろ補助便器は買ってもいいかも。

「うちの子は洗濯物をたたむ」というのもへえースゴイと思ったけど、
「ニンジンの皮を庖丁で剥く」というのは本当に目が飛び出るくらいびっくりした。
な、なんという高度な……。
そもそも、庖丁を持たせて何もトラブルが起きないってことが、うちでは考えられない。

それにしても、お母さんと子供の組み合わせって、納得のいくところがある。
かるたのように、ばらばらにしてもちゃんとセットがわかる感じ。
遺伝子だけの問題ではない気がする。
パーツが似ていなくても、おんなじムードというか、それぞれ独特な世界観があるのだ。
今が一番そういう時期なんだろう。親が選んだ洋服を着て、親が決めた髪型にして……って、
それがなおさらそうさせているんだと思う。
かるたが合わなくなってきた時が、子供の自立なのかもしれないなあと思う。

よそんちの子を叱る

2006-05-10 | kid
初めてよそんちの子を叱ってしまった。

ここでも何度か書いているけど、今行っている保育園は、朝夕と
親も中で作業する時間があるので、中のことがよくわかる。
どの子がどんなキャラで、先生がどういう対応をしているのか。

A君は、いつも他の子に乱暴をはたらく。
おもちゃの取り合いとかでつい、というのならわかるけど、
本当に何もしていない、ただ普通に遊んでいる子のところに
近づいていって、殴ったりするのである。
(園児だけでなく、送迎している私たち親もA君に叩かれたりする)

先日、朝送りに行って、タオルをかけたりコップを置いたりしていたら、
A君が、絵本を読んでいたBちゃんの頭をいきなりバシっとたたいた。
Bちゃんが泣き出すと、次にCちゃんのところへ行って、また頭をたたく。
Cちゃんも泣いたのを見て、私はさすがに我慢ができなくなってしまった。

「A君! BちゃんもCちゃんも、なにもしてないでしょう?
どうしてたたくの、たたいたら痛いんだよ! だめだよ!」

A君はちょっとうつむいていたが、何も答えずぴゅーっと走っていってしまった。
まったくもう、A君も困るけど、先生もちゃんと見ててよねっと思いつつ、部屋を出た。

すると、のぞき窓からA君がこちらに向かって大声で叫んでいる。

「こうちゃんのママ~~! ばいばーい!」

ちょっとびっくり。
「ばいばい、A君」と手をふって、保育園を出た。

それから保育園でA君に会うと、A君がなにかしら話しかけてくるようになった。
私は彼にとって「うるさく怒ってきたイヤなおばさん」であるはずなのに。

かまってほしかったんだ、A君は。
ひとりで遊んでいる子をたたいてしまうのも、
どうやって「一緒に遊ぼう」と誘えばいいのかわからないのだ。


頭ではわかる。
でも、たたかれたほうは痛いよね。
同じクラスのママも、
「A君に影響されて、自分の子も、何もしない子を殴るようになったら困る」と言って悩んでいた。
こうたろうにはどう教えればいいのかな。
「A君はみんなと仲良くしたいんだよ」と言ってわかるだろうか?
「叩かれる前に逃げろ!」というのも違う気がするし。
こうなってくると、子育てって自分の子だけのことを考えればいいわけじゃ
なくなってきて、むずかしいなあと思う今日このごろです。

読書記録2006-10

2006-05-08 | book
25「幸運を引きよせるスピリチュアルブック」江原啓之 充実度★★★★☆
とうとう江原さんの本に手を出してしまった! 
今までちょっと逃げ越しだったんだけど、初心者向けの入門編としてこの本を選んでみた。
最初から読むんじゃなくて、気になるページから開いて、ゆっくり勉強させていただきました。
はじめのほうで「私はダイエットしています」という箇所を読んでしまったがために、
他の項目を読みつつも頭のどこかに「そうか、江原さん、ダイエットを……」などと
邪念が浮かんでしまった。まだまだ魂レベル低いな~、私。
(でも、江原さんが太ってしまうのもスピリチュアル的な要因があるらしい。)

内容は、要所要所で「うーん……」と疑問に思うところもあって、
私は完全なる「エハラー」にはまだなれない。
ただ、江原さんによって、いろんなことが少しラクになったのはたしか。
びっくりするような新発見が書いてあるわけではなくて、
大切なことを再確認させてくれる。それが江原さんの「役目」なのだと思う。

江原さんが支持されているのは、彼が徹底して「伝導」をきわめているからだろう。
これまで、まるで自分が神であるかのように断定した物言いをする占い師や
自称カリスマが多かったように思う。
江原さんは、「私は普通の人間です」と言い切り、ただひたすらに、
天から受け取った言葉を私たちに伝える。

自分の前世がどんな人生で、守護霊に誰がついていてくれるのか、
そういう話もロマンチックだし楽しいけれど、それはさておき、
今の自分を楽しく生きてくことに力を貸してくれる人。
私にとっては、江原さんはそんなふうに映った。

26「氷葬」諸田玲子 充実度★★★☆☆
自分では絶対手にしない本。仕事で読みました。
舞台は江戸の世。前も書いたけど、ただでさえ時代小説は陵辱と惨殺が
やたら繰り返されるというのに、この小説はその2つが大きなキーポイントになっている。
子供を産んだばかりの若妻が、夫の知己と名乗る男からひどい目に合わされ、
思いあまって殺してしまう。その後、さまざまな事件に遭遇しながら、女としての自我を
目覚めさせていく……というような内容なのだが、
正直、主人公「芙佐」が性的暴力を受けるシーンは読んでいてとてもツラかった。
仕事でなければ途中で放り投げているが、そうもいかず読みすすめていると、
展開がとてもおもしろくて目が離せなくなった。
「次どうなっちゃうの?」とハラハラしながらページをめくりたくなるような、
読み手を引き込ませる手法はすごい。
設定を変えて現代版にして、「火曜サスペンス」とかにできそうな感じ。
佳境に入ると、いきなり怪しい化け物みたいな老人が出てきて、
「里見八犬伝」の映画を彷彿させた。
いったいジャンルは何なの~?と思わないでもなかったが、
広く「エンターテイメント小説」として優れていると思う。

それにしても……女ってせつない生き物ね、というのが読後感でした。