みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

山形土産

2009-09-29 | kid
週末、こうたろうは保育園の行事で山形へ稲刈りに行って来ました。

5月の田植えに参加したときは、赤い羽のナントカっていう(名前忘れた)虫を
ビニールに入れて持ち帰り、長旅の末、自宅前で力尽きてしまったお土産さん。
今回もまた虫のお土産があるんだろうなぁ、と覚悟はしていたのですが。


元気に帰ってきたこうたろうの手に、白いビニール袋。
ううむ、やはり。今度はなんの虫だ。
もう多少のことじゃ驚かないぞ。

……と、余裕を持って袋の中をのぞくと……


ギャーーーーー!!


中にはなんと、
15センチくらいの蛇の抜け殻が!!

しかも、かなりきれいに抜けてる。
さすがに頭はなく胴体だけでしたが、まだ脱ぎたてのようで、
banaちゃんがくんくんにおいを嗅いで「なまぐさい、魚みたい」と言ってました。


金運アップするとか言うけど、どうなんでしょ?
お迎えに来ていた同じクラスのママが「私、お財布に入れてるよ~」と
言っていたんだけど、ちぎるのがもったいないくらいきれいな形だし、
我が家で丁重に飾ることにいたしました。

写真アップしようかと思ったけど、けっこうグロいので自粛。
ご覧になりたい方は、写メールしますのでぜひご一報を。



誕生日

2009-09-25 | kid
この連休中、こうたろうは6歳になりました。
もうこうなると、チビじゃないよなぁ。

この話は6年間、何度も何度もしているので、
「もういいよ、わかったよ」と言われてしまいそうですが、
私はいまだに、自分が子供を産んだというのが信じられません。
あんなに大騒ぎして出産したのに。
その詳細はよく覚えてるのに。
こうたろうを眺めては、「おまえ、いったい、どこからやってきたんだい?」と
問いかけたくなる日々です。
それが、6年ですって。まあ!


ところで、私は、爪や髪を切ったときにいつも
「あの爪(髪)はさっきまで私だったのに、このよそよそしさは……。」と不思議に思います。
だけど、あれは私の爪や髪であって私ではない。
自分を差すときに顔(鼻)に指をやるけど、これは「私の顔」であって「私」ではない。
はて、私はいったい、どこから私? というか、どこが私?
などと考えることがよくあります。

先日、こうたろうが突然、自分の腕を指差して
「ねえ、こうくんって、ここもこうくん? どこからどこまでがこうくん?」
と訊いてきたのでものすごく驚きました。
この年でもそんなこと思うのか~!
いや、それはかあちゃんも不思議なんだよ。でも答えがまだ出てないんだよ。
きっと99歳のおばあちゃんになっても、わからないんじゃないかな。

大人になっても……というより、
大人になるとますます、わからないことが増えていくのかも。
こうやって、年をひとつ、またひとつ、重ねていくごとにね。

お誕生日おめでとう。
人生はクエスチョンの連続だけれど、答えを探し当てることよりも、
なんでだろうって不思議に思うこと、考えることに、
きっと意義があるような気がするよ。


100万回生きたねこ ふたたび

2009-09-18 | book
2年前、ここで「100万回生きたねこ」について書いたことがあった。コレです。
私の一番好きな絵本。
作者の佐野洋子さんが「子ども向けに書いたつもりはない」と明言しているし、
私もこれだけはこうたろうに読み聞かせる気になれなくて、
自分の本棚にずっと置いてあった。
あまりにも奥深いので、こうたろうの質問攻めに答えられる自信がなかったし。

が、先日、私の本棚でこの本を見つけてしまったこうたろう。
「この、ねこの本、なあに? 読みたい。読んで」
とリクエストされ、私もなんとなく、まあいいかなという気になって
夜寝る前に布団で読み聞かせることに。

声に出して読むと、ことさらに、しみじみといい本だ。
私はゆっくりゆっくり、なるべく抑揚をつけずに読んだ。
こうたろうは、何も言わずに絵を眺め、聞き入っていた。

そして読み終わったとき。

ぽろり、と静かに涙を流しているんですよ。


相方が!!


あー、びっくりした。
しかもこの人、途中参加だったからね。
話聞いてたのなんて、ねこがしろねこと出会ったあたりからだったんだけど。
べつに、とくに涙もろいとか感激屋さんとかでもないのになぁ。
34歳の男を泣かすなんて、やはり名作ですわ。

そして、質問攻めにしてくるだろうと思ったこうたろうが
私に訊ねたのはたった2つだった。
それも、私が予測していたような、
「ねこはなんでみんなが嫌いだったの?」とか
「ねこはなんでもう生き返らなかったの?」とかではない。

まず最初に言ったのは、
「しろねこは、なんで『そう』と『ええ』しか言わないの?」
というもの。

おぉ~、そうきたか!
それは私、疑問に思わなかった点だけど、言われてみればなるほど。


私は「ほんとうに大事なことだけを言いたかったんだよ」と答えた。
「多くを語らない」というのが、しろねこの聡明さを表しているし、
いくつか出てくる「そう」の違いが、それぞれ興味深い。
ねこに「君はまだ1回も生き終わってないんだろう?」と言われたときの
「そう」は、「イエス」の意味だ。
でも、ねこが「俺は100万回生き返ったんだぜ!」と自慢するのに対し
「そう」と答えるのは「それはすごいわね」とも「だからなに?」とも取れる。
うううううむ、日本語ってすごいぞ。


そしてこうたろうのもうひとつの質問は、野原に子猫がいっぱいいる場面で、
そのうち一匹の子猫を指差し、
「この子猫がさわってる虫はなに?」
でした。それはわからん……(笑)
こうたろうは本に目をくっつけるようにしてガン見し、
「コメツキバッタかなぁ」とつぶやいていた。
注目点はそこなのか…… 佐野洋子さんもビックリだ。


「悲しいおはなしだね」と、相方が枕につっぷして言う。
そうかしら。
私、これは究極のハッピーエンドだと思うんだけれど。

「ねこは、もう、けっしていきかえりませんでした」。

ああ、何度読んでもいいなあ、いい。
私も、もうけっして生き返らない人生を送りたいって、
ほんとうにそう思う。



葉と手と光

2009-09-08 | monologue
気持ちよく晴れた日曜日、家族3人で近所の公園に出かけた。

道端で、こうたろうが「バナナ虫だ!」と立ち止まる。
いはく、保育園でお散歩中によく見かけるそうだ。
学名なのか、子供たちの間で勝手にそう名づけられたのか知らないけど、
これがその「バナナ虫」らしい。



ちょっとボケちゃったけど。

体長1.5センチくらい。
ほんとうに、バナナみたいだ。

15分ほど歩いて公園に着いて、
虫探しに夢中になっているこうたろう、
それにつきあわされる相方。
私は青く澄み渡ったを秋空の下、
芝生の上で持参したお茶を飲んでいた。
費用ゼロの、贅沢な休日。

ふと、自分の周囲に生えているクローバーの群集が目に止まった。
四葉のクローバーあるかな、なんてちょっと見ていたら、
こないだ友人が教えてくれた「六葉のクローバー」を思い出し、
腰を上げて本格的に探すことにした。

そこに相方がやってきた。
「六葉のクローバーって知ってる?」
私が顔を上げて訊ねると、知らない、と隣に座る。
「四葉は幸せを運ぶっていうでしょ。六葉は『地位と名誉』なんだって」

相方は、ふうん、と軽く返事をして、
「地位と名誉なんて手に入れたら、欲しくないものまでくっついてくるよ」
と、のんびり言った。

私は一瞬、ぽかんとしてしまい、
ひなたぼっこしているバクみたいな相方の横顔をじっと見たあと、
「それもそうだね」と、四葉も六葉も探すのをやめた。
そして地面のかわりに、高い空を見上げた。

ヒシバッタがいるよぉ、と、あちらでこうたろうがうれしそうに叫んでいる。
陽の光が平等に私たちを照らす。
帰り道、またバナナ虫に会えるだろうか。
私は、からっぽに見える自分の手の平をまじまじと眺め、
なんだかとても、満足していた。


message

2009-09-03 | monologue
In these troubled times,
pray a little harder,
laugh a little louder, and
love a little stronger.
(GEOS)

こんな時代だからいつもよりちょっとだけ深く祈り、
ちょっとだけ大声で笑い、ちょっとだけ強く愛そう。