みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

ガンダム今昔

2014-01-03 | calture
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

この冬休みは、特に大きなイベントもなく自宅で過ごしておりますが、
お台場のガンダムフロント東京に行ってきました。
(親子してガンダム好き。)



私も初代の「機動戦士ガンダム」3部作はすごく好きで、
なりゆきでDVDボックスまで購入したほど。
リアルタイムにやってたときは、映画館に観に行きました。
(まさに、今のこうたろうと同じくらいの年だった!)
今観ても、やっぱりいいなァと思います。

私のガンダムはそこで止まっているのですが、あれから月日は流れ、
ガンダムはいくつものシリーズになり、
最新は「ガンダムビルドファイターズ」というもの。
こうたろうは今コレにはまっています。

テレビでやってるのをこうたろうが見てるのは知ってたけど、
私は一度もちゃんと見たことがなく、今回初めて内容をちゃんと知りました。

で、このアニメ、
ガンダムじゃなくてガンプラの話
っていうところに軽く衝撃を受けたわけですよ!(゜д゜;)

あのでっかいガンダム出てこないの。
「ガンプラ」を作って戦わせるっていう話なの。
えっ、それってダンボール戦機のパク……ごにょごにょ。


主人公はイオリ・セイという中学1年生の男の子。



模型屋のひとり息子で、内気な少年。
ガンプラを作るのがめちゃくちゃ得意。
製造技術は秀でているものの戦いは苦手で、選手権に出ても惨敗。

そこに現れたのが、謎の少年レイジ。



強引でケンカっ早い。
ガンプラの卓越した操縦技術を持つ。


このふたりが街で出会い、
コンビを組んでガンプラ世界大会に挑むというもの。

最初は「なんか子供っぽいアニメじゃない?」という印象を受けたんだけど、
この相関図だけ見ても、ああー、こりゃワクワクするわ、と納得。

私たちが小学生のころにハマったガンダムって、
大人っぽかったのが良かったんだと思う。
現実離れしていて、異次元で異空間で、おとぎの世界で、
ニュータイプとしての力に目覚めていくアムロや、
愛とは何かを訴えかけてくるララァや、
そのほか、今思えば若い子たちばっかりのあのメンバーの中で
繰り広げられる恋愛模様や、どこかひねくれた人間関係に、
まだ自分の知らない「大人」を見て憧れたんだよね。

でも、今やってるこの「ビルドファイターズ」って、
現代の少年たちにとって等身大なのがいいんだろうなと思ったのです。
きっと多くの少年がイオリ・セイに感情移入して、
レイジみたいなカッコいい友達が欲しいと願いながら見ているのだろう、と。

「僕が作って、俺が戦う」

っていうのがキャッチコピーで、
これってB'zみたいなことよね?
「松本が(曲を)作って稲葉が歌う」みたいな。

きっと今って、屈折した性格のアムロみたいな男の子が
実はひとりだけ選ばれた存在だったとかっていうのよりも、
「シャイでひとりでは力が発揮できないけど、あるひとつのことが実は得意な子が、
強力な仲間と一緒に何かを成し遂げていく」
っていうほうが、夢を託せるんだなあと。

ガンダム今昔というか、少年今昔ですな。

それと、もうひとつびっくりしたのが、
イオリ・リン子というキャラクター。
セイと同じ名字だし、模型屋の店長らしいし、
てっきりお姉さんだと思っていたら



お母さん!!

イマドキの男の子の求める「母親像」ってこんな感じなのかなぁ。
若々しくてキレイで、仕事も家事もきちんとこなして(料理が得意)、
友達みたいにフランクで。

ちなみに、アムロのお母さんはこちら。



「お母さん」って感じのお母さんで、なんだか安心する…
登場場面も少ないので、そんなに濃いキャラにする必要もなかったのかも
しれませんが。

リン子画像を探してみると、同人誌関連だと思うんだけど
彼女に「おんな」を見出している視聴者の多いこと。
入場券のイラストが、リン子ひとりだけだったということからも、
イオリ・リン子の根強いファン層の存在がうかがえました。

うーん、これもまた、「母親今昔」なんだろうか?


早乙女太一「美しき華」

2010-01-19 | calture



ル・テアトル銀座にて、早乙女太一君の新春舞台「美しき華」を見てきました。

第一部が男、第二部が女、だそうで、
一部ではタップダンスやコンテンポラリー・ダンスで
オトコマエな太一君を堪能。
そして二部で、楽しみにしていた女形の舞踊ショー!
どっちもステキでしたが、女形の太一君のほうがやっぱり好きだな~。
それにしても、二部もビジュアルは完全に「和」なのに、
音楽はほぼ洋楽。でもこれがうまくハマってるから不思議。
邦楽といえば、お父様の一人舞台のときに演歌が流れたのと、
なんと電気グルーヴの「シャングリラ」のみ。
和装でシャングリラですよ、いったいこれはなんというジャンルのショーなのか。
ノリノリでおもしろかったけど。

「一部はタップダンスとかあってさ……」と話したら、
「えっ、女形で!?」と言ったbanaちゃん、衝撃ならぬ笑撃を有難う……
いくら太一君が「100年に一度の女形」と言われてるからって、そいつは無理だ!

この舞台には弟も妹もご両親も出演していらして、
中でも弟の早乙女友貴君(13歳)がまあ、かわいいのなんの。
お母様も18の息子を筆頭に3人の子持ちとは思えない若々しさ(37歳)。
あんな息子を産み育てるとは、いったいどんな心持ちなのだろう……


一部の途中でちょっとしたトークコーナーがあり、
太一君による半券の抽選で、3名様に「太一君とツーショット写真が撮れる権利」が!
すごいなあ~、と思っていたら、最後の最後でもっとすごいことが!
なんと、舞台終了後、観客全員に対し、太一君のお見送りがーっ!!

ロビーにふつうに女形姿の太一君が立っていて、
ふつうに「ありがとうございました」とか言ってるわけですよ。
そこを、観客たちがふつうに通っていくわけですよ。
熱狂ファンもいっぱいいらっしゃるのに、みなさん、マナーよく立ち止まらず、
写メったりする失礼な人もおらず、さわりに行ったりする不届き者もおらず。
もちろんガードマンが2人ついてましたが、それにしてもみんなオトナだなと思いました。

SS席はお土産付きでした。
太一君の舞台は、グッズコーナーに和菓子があると聞いていたので
お饅頭か何かかな~と思っていたら、



コレでした。
リウォームカイロというもので、中に入ってる金属を押すと、あったかくなるそうです。
(再利用が可能らしい)
「18」のデザインは、太一君が18歳だからってことみたいだけど
なんかエッチっぽ……ゲホッゴホッ。


休憩時間、お隣に座ってらした神戸のご婦人と少しお話させていただいたのですが、
彼女は筋金入りの「おっかけ」で、全国を飛び回っているそう。
「私があんまり太一太一っていうから主人がいい顔しなくて、
今日は大阪公演って嘘ついてきたのよ~」だそうです。それもすごい話だ。
大阪に行っているはずの妻が東京に。ええっ。
でも、「朝6時の新幹線で来た」とおっしゃっていたので、
なんぼなんでも大阪行くのにそんな早くに出発なんて、バレてると思う。
ご無事にお帰りになられたかしら。

この不景気の世の中だからこそ、
きらびやかなショータイムに身をゆだね、
女形の色香にふれるのもいいものです。


見知らぬ乗客

2009-08-23 | calture
少し前の話になりますが、「見知らぬ乗客」の舞台を観てきました。
カメラが入っていたということなのでDVD化を期待していたものの、どうやらそれはかなわない様子。なので、備忘録も兼ねて、書いておくことにします。

本編に入る前に叫びたい。まず、このチケット取るのがどんだけ大変だったか!って話よ。ヤフオクやチケ流をのぞけば当たり前のように10万円ランク。(正規値段は8500円です)FC枠、一般発売であっさり落選し、当日券申し込みの電話もまっったくつながらず、耳も指も心も痛い状況でした。それでも「行きたい。行きたいんだよお!」とほうぼうでわめいていたら、多大なる協力をしてくれた友人のおかげで、なんとかゲット。さらに感動したのが「自分も観てすごく良かったので、みっちゃんにどうしても観てもらいたくて、毎日当日券申し込みの電話をかけ続けていた」というもうひとりの友人。ありがとうありがとう。涙が出ます。チケットを手にしたときには、「椿姫」の舞台を観るために大晦日の海に飛び込んだ北島マヤのように、「これで……これで行けるわ……!」と半分震えながら不気味な笑いをたたえておりました。
そんなこんなでチケット争奪にも震えた私ですが、やはり、二宮君の演技にはさらに震え上がりました。以下、感想を交えながらストーリー展開を少し。

はじまりはニューヨーク行きの電車の中。資産家の一人息子チャールズ・ブルーノ(二宮和也)と、新進気鋭の建築家ガイ・ヘインズ(内田滋)は、隣に座り合わせたことから知り合いになる。(余談になりますが、私、二宮君が「チャールズ」ってすっごく似合ってる名前だと思ったんだけど、舞台ではほとんど「ブルーノ」と呼ばれていて残念でした。母親役の秋吉久美子さんがたまに「チャーリー」とか言ったりはするんだけれど。)ガイにやたら好感を持ったブルーノは、自分がとっていた個室車両にガイを招く。このあたり、「ボンボン」感たっぷり。若造が個室をとってるっていうだけで相当だと思うけど、食事や酒をたくさん注文し、ボーイにはチップを50ドルも渡したりする。この時点でブルーノはかなりアル中。お酒飲んでばっかりだし、なんかどっか、ふらふらしてる。
でも、でもね! これがスゴイのよ! そんなキャラっていうのを前提に、聞いて欲しい。この舞台、主要人物が少なくて、ブルーノとガイの出番とセリフがとっても多い。ブルーノなんかは、橋田寿賀子の脚本なみに長い。しかも、日本人はそんなこと言わないだろうっていう外国人特有の言い回しも多いし、ブルーノの役柄を表そうとしてか、早口。なのに! なのに! 天才二宮、2時間半以上の舞台で一度も噛まなかったのだ!(他の役者さんたちは何度か噛んでた)いや、おそれいりました。役者二宮和也、プロ中のプロです。

「お互いもう、見知らぬ乗客じゃないんだよ。僕らはそれ以上だ」と、お互いの身の上を話そうともちかけるブルーノ。(このセリフ、チラシとか宣伝とかでよく引用されてたんだけど、こんなに早くにあっさり出てくるとはちょっと驚き。もっとコワいとこで決めゼリフとして言うのかと思ったけど、純粋に、仲良くなろうって気持ちから出た言葉だったのか……そう思うと、ちょっとせつない)
ブルーノは、成人してもなお自分を認めてくれない父親を憎んでおり、ガイは、浮気相手との子供を身ごもりながらも名誉目当てで離婚に応じない妻に腹を立てていた。そこでブルーノはガイに持ちかける。「僕の父を殺してくれるなら、君の奥さんを殺してあげる」と。
ガイはそんな恐ろしい話にはのれないと相手にせず、ブルーノから去っていく。が、そこでブルーノがこっそり隠したガイの本(プラトン)に書かれていた住所と電話番号からガイの妻をつきとめ、絞殺してしまう。
このときの、殺人鬼と化す二宮君がすごい。首を締めて、一度死んだかと思った妻が息を吹き返したのに気づき、あわててもう一度首に手をかけるんだけど、目をひんむいて、うすらわらいを浮べて、「はぁ……はぁ……」っていう興奮ぶりが鳥肌モノ。自分のしてることが、恐怖だけど快楽、みたいな。こえぇ……。
自分の知らないところで妻が殺されたころ、ガイは、恋人アンと一緒にいた。ガイ演じる内田滋さんがあまりにも正統派のハンサムなので観てるほうもうっかりしちゃうんだが、つまりガイだって、妻がありながら可愛い恋人とよろしくやってたわけですよ。だから早く奥さんとも離婚したかったというのはわかりますが。

さて、妻が死んだことにより、ガイは晴れてアンと結婚し、仕事でも成功をおさめ、輝かしい第2の人生をはじめようとする……ところに、ジャジャ~ン! ブルーノがやってくるのです。「君の奥さんを殺してやったんだから、僕の父親を殺してくれ。僕達はもう共犯なんだ」と。
自分は妻を殺してくれなんて言っていない、もう僕とはかかわらないでくれ、とつっぱねるガイ。しかし、あの手この手で執拗にガイをつけまわし、彼を精神的に追い込んでいくブルーノ。
でもブルーノには「ガイを困らせてやろう」というより、「ガイにかまってほしい」という愛情の飢餓感が受け取れる。ブルーノには友達も恋人もいない。唯一、べたべたに愛し愛されている母親が彼のよりどころ。アル中でマザコンでイッちゃってるブルーノもかなり「お子ちゃん」なのだが、母親にもずいぶんな未熟さを感じる。世間知らずで、美しく着飾って、あまったるい声で「ベルトを買いたいんだけど、どう思う~?」などと息子にしなだれかかる母親。秋吉久美子さんが好演してました。この母ちゃんならしょうがないか、みたいな空気がうまくかもし出されていて。

話を戻しますが、ブルーノにしつこく詰め寄られたガイは、だんだん精神状態がおかしくなってきており、とうとうブルーノの指示に従って父親殺害に手をかけます。ここで興味深いのは、この舞台において重要人物であるはずの、ブルーノの父親が登場しないこと。なので、どんな人物なのか、実際にどんな会話をしていたのか、観客にはわかりません。ただブルーノが「僕を認めてくれない」と憎んでいるだけで。それを考えると、もしかして、ブルーノが一方的にいじけてるだけで、実はそんなひどい父ちゃんではなかったのではないかという気にさせられます。このへんは「観客の想像に投げる」という手法をとっており、おもしろいと思いました。

殺人を犯してしまったことにより、ますます不安定になっていくガイ。仕事も手につかず、当然、誰にも打ち明けられず……。探偵や警察からの尋問をかわしていかなくてはならないストレスにもさいなまれています。ブルーノは相変らずガイに不気味ともとれる好意を表しており、ガイはもうブルーノとの関係を断ち切りたいと思いながらも、どこかで彼が自分の中に入り込んで大きな存在になっていっているのを認識している……そんな感じ。そう、いつしか、ガイもブルーノを不思議な形で愛し始めていたのかも……。

そんな中、バーで2人で飲んでいるシーンが印象的でした。ブルーノにとっては「デート」みたいな感じだったのかもしれません。お酒をこぼしてしまったブルーノに「拭いてやるよ」とやさしく口元をぬぐってあげるガイ。まるで恋する少女みたいにうれしそうなブルーノ。しかしガイは、「もう二度と会いたくない」とブルーノに背を向けます。「何万年でも、僕は待ってるから! 何万年でも……」消え入るような声で、遠ざかるガイに叫ぶブルーノ。どう考えてもイカれてますが、そこはさすが二宮君、うまい。観てるほうは「泣かないで~」って慰めてあげたくなっちゃうようないとおしさが。

その後ブルーノのアル中は悪化し、顔つきもかなりヤバくなり、手もぶるぶる震えた状態に。この演技も白熱。二宮君、どこでそういうの学ぶのかなあ。手の動き方とか、目の流し方とか……。
すっかり酒に侵食されてしまった息子に「もう私には手が負えないわ」と母親も匙を投げてしまい、それを母親の「裏切り」と受け取ったブルーノは、絶望の淵へ……
「ままーーっ、ままーーーっ」と、ぐるぐるぐるぐる、母親を捜し求めるシーンは圧巻でした。

そして舞台はクライマックスへ。
ガイとアンの家で、仕事仲間でもある旧友が「橋を作る計画」を持ちかけます。アンも「昔からの夢だったじゃないの」と喜んでいるのに、気乗りしないガイ。
そこにブルーノが登場。ガイの友人だと思っているアンは、ブルーノを招き入れてしまいます。ブルーノはもうマックスに錯乱していて、わけのわからないことを叫んだり、ロデオポーズをとったり(ガイの元妻を殺したのがメリーゴーランドに乗ったあとだったので、それを思い出させるような場面)、めちゃくちゃなテンション。しまいにはガイの部屋にあった拳銃を取り出し、自分の頭に銃口をつきつけようとするブルーノ。ガイはあわてて阻止しようとし、2人がもみあっているうち、銃弾の音が……。

「ありがとう……」
ひとこと礼を言って、倒れ込むブルーノ。引き金を引いてしまったのがどちらだったのか、それは謎です。殺す意志、自害する意志の有無も、故意なのか事故なのかも。
息絶えたブルーノを抱きしめながら、ガイは、額に、顎に、唇に、やさしく口づける……。
そこで暗転。

探偵がやってきて、撃ったのはどちらかと尋問。
「わからない。でも、ブルーノは言っていました。僕はいずれ自殺する。しかも、一番憎んでいる人に、殺されたように見立てて、と」
そう答えるガイに、探偵はこう諭します。
「でも私は、彼はあなたを愛していたと思うのですが」

それには答えず、両手を探偵に差し出すガイ。
手錠をかけてください、みたいなポーズ。
ここで舞台は終幕です……

最後、砂かけるようで悪いですが、ガイがラストで探偵に両手を差し出したのがなんか疑問でした。
探偵って、手錠かけたりしないよね? 「捕まえてください」って意思表示だったんだと思いますが。

うーん、思い出しながらざっと書いてみましたが、これでは舞台の素晴らしさがよくわからないわ。
本当にDVD化はナシなのかなあ~。角度的に見えなかった表情とかもいっぱいあるんだよなぁ。秋吉さんと二宮君のチューも、確認できたのは秋吉さんの金髪後頭部だけだったし。地道にジャニーズ事務所にリクエストメールするか……