読書記録。
三崎亜記「となり町戦争」。17回すばる新人賞受賞作品。
いろんなところでこのタイトルを目にするので、久しぶりに文庫購入。
1章を読み終わったところで「この時点で入選確定だったんだろうなあ」
と思った。それくらいおもしろかったのだ。
しかし中盤になってなんだかむつかしくなってきて、そうかと思いきや
あれっ、これって恋愛小説だったの?という方向転換を見せ、
最後はどうなるのかを見とどけたくて読み終えたが、結局謎が多く残る作品だった。
「香西さん」の女性像や、主人公のちょっとした言い回しなど、
ところどころ、村上春樹を思わせる箇所もあり、
なんか「加納クレタ」とか出てきそうな感じだった。
まあでも、この年代(1970年生まれ)でこの手の小説を書く人(著者)が
村上春樹の影響を受けているのは当然のことかもしれない。
そんな具合で、特に感慨もなく本を閉じたのだが、
いや、これが、あとからじわじわくるんですな。
戦争ってなんだ? 平和って? 社会って? 会社って? 命って?
小説の中に答えがなかっただけに、ぐるぐる自問自答して
2、3日引きずりました。
そういう意味で、やっぱりものすごい作品だったと思う。
うう、戦争なんかしちゃダメだ! 絶対!
ところで、読み終わるころには忘れていたけど、お茶くみの本田さんに必ず
「本田さん」とカギカッコがついているのはなんか意図があったのかなあ……。
朝比奈あすか「ちいさな甲羅」。
会社帰りに寄った本屋で「群像」8月号を立ち読みしてたら途中でやめられなくなり、
保育園のお迎えの時間に間に合わなくなりそうだったので仕方なく買いました。
わーん、920円、痛い出費だったよ~! 今月はホンゲル係数が高いよ~!
しかし読まずにいられない作品だった。電車の中で夢中でページをめくった。
5歳の息子を幼稚園に通わせている専業主婦が、
ママ友達とうまくやろうとするあまり、自分で自分を追いつめていく……。
簡単に言うと「育児ノイローゼ」みたいな鬱状態になっていくんだけれど、
その過程や心情の動きが恐ろしいくらいリアル。
作者の朝比奈さんにお子さんがいらっしゃるのか知らないけれど、
主人公が子供を叱るシーンで選ばれた言葉の数々が、
「み、見られてた??」と思うくらい自分とかぶっていて驚いた。
育児ノイローゼじゃなくても、どこのお母さんも子供叱るときはこんな言い方
するのかもな……とちょっと安心(?)しましたが。
「この調子でいくと、ラストは絶対泣かされるぞ、私」と思いながら
予想どおりの終盤を迎え、やっぱりまんまと泣かされました。
えーん。たけちゃん、がんばってー。ママも負けるなー。
うっかり本を買ってしまうのは、最近図書館に行けてないからだなあ。
先週の金曜、ずっと工事中だった区立図書館がリニューアルオープンしたので
また行って来ようっと。
三崎亜記「となり町戦争」。17回すばる新人賞受賞作品。
いろんなところでこのタイトルを目にするので、久しぶりに文庫購入。
1章を読み終わったところで「この時点で入選確定だったんだろうなあ」
と思った。それくらいおもしろかったのだ。
しかし中盤になってなんだかむつかしくなってきて、そうかと思いきや
あれっ、これって恋愛小説だったの?という方向転換を見せ、
最後はどうなるのかを見とどけたくて読み終えたが、結局謎が多く残る作品だった。
「香西さん」の女性像や、主人公のちょっとした言い回しなど、
ところどころ、村上春樹を思わせる箇所もあり、
なんか「加納クレタ」とか出てきそうな感じだった。
まあでも、この年代(1970年生まれ)でこの手の小説を書く人(著者)が
村上春樹の影響を受けているのは当然のことかもしれない。
そんな具合で、特に感慨もなく本を閉じたのだが、
いや、これが、あとからじわじわくるんですな。
戦争ってなんだ? 平和って? 社会って? 会社って? 命って?
小説の中に答えがなかっただけに、ぐるぐる自問自答して
2、3日引きずりました。
そういう意味で、やっぱりものすごい作品だったと思う。
うう、戦争なんかしちゃダメだ! 絶対!
ところで、読み終わるころには忘れていたけど、お茶くみの本田さんに必ず
「本田さん」とカギカッコがついているのはなんか意図があったのかなあ……。
朝比奈あすか「ちいさな甲羅」。
会社帰りに寄った本屋で「群像」8月号を立ち読みしてたら途中でやめられなくなり、
保育園のお迎えの時間に間に合わなくなりそうだったので仕方なく買いました。
わーん、920円、痛い出費だったよ~! 今月はホンゲル係数が高いよ~!
しかし読まずにいられない作品だった。電車の中で夢中でページをめくった。
5歳の息子を幼稚園に通わせている専業主婦が、
ママ友達とうまくやろうとするあまり、自分で自分を追いつめていく……。
簡単に言うと「育児ノイローゼ」みたいな鬱状態になっていくんだけれど、
その過程や心情の動きが恐ろしいくらいリアル。
作者の朝比奈さんにお子さんがいらっしゃるのか知らないけれど、
主人公が子供を叱るシーンで選ばれた言葉の数々が、
「み、見られてた??」と思うくらい自分とかぶっていて驚いた。
育児ノイローゼじゃなくても、どこのお母さんも子供叱るときはこんな言い方
するのかもな……とちょっと安心(?)しましたが。
「この調子でいくと、ラストは絶対泣かされるぞ、私」と思いながら
予想どおりの終盤を迎え、やっぱりまんまと泣かされました。
えーん。たけちゃん、がんばってー。ママも負けるなー。
うっかり本を買ってしまうのは、最近図書館に行けてないからだなあ。
先週の金曜、ずっと工事中だった区立図書館がリニューアルオープンしたので
また行って来ようっと。