みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

となり町戦争・ちいさな甲羅

2007-07-24 | book
読書記録。

三崎亜記「となり町戦争」。17回すばる新人賞受賞作品。
いろんなところでこのタイトルを目にするので、久しぶりに文庫購入。
1章を読み終わったところで「この時点で入選確定だったんだろうなあ」
と思った。それくらいおもしろかったのだ。
しかし中盤になってなんだかむつかしくなってきて、そうかと思いきや
あれっ、これって恋愛小説だったの?という方向転換を見せ、
最後はどうなるのかを見とどけたくて読み終えたが、結局謎が多く残る作品だった。
「香西さん」の女性像や、主人公のちょっとした言い回しなど、
ところどころ、村上春樹を思わせる箇所もあり、
なんか「加納クレタ」とか出てきそうな感じだった。
まあでも、この年代(1970年生まれ)でこの手の小説を書く人(著者)が
村上春樹の影響を受けているのは当然のことかもしれない。
そんな具合で、特に感慨もなく本を閉じたのだが、
いや、これが、あとからじわじわくるんですな。
戦争ってなんだ? 平和って? 社会って? 会社って? 命って?
小説の中に答えがなかっただけに、ぐるぐる自問自答して
2、3日引きずりました。
そういう意味で、やっぱりものすごい作品だったと思う。
うう、戦争なんかしちゃダメだ! 絶対!
ところで、読み終わるころには忘れていたけど、お茶くみの本田さんに必ず
「本田さん」とカギカッコがついているのはなんか意図があったのかなあ……。

朝比奈あすか「ちいさな甲羅」
会社帰りに寄った本屋で「群像」8月号を立ち読みしてたら途中でやめられなくなり、
保育園のお迎えの時間に間に合わなくなりそうだったので仕方なく買いました。
わーん、920円、痛い出費だったよ~! 今月はホンゲル係数が高いよ~!
しかし読まずにいられない作品だった。電車の中で夢中でページをめくった。
5歳の息子を幼稚園に通わせている専業主婦が、
ママ友達とうまくやろうとするあまり、自分で自分を追いつめていく……。
簡単に言うと「育児ノイローゼ」みたいな鬱状態になっていくんだけれど、
その過程や心情の動きが恐ろしいくらいリアル。
作者の朝比奈さんにお子さんがいらっしゃるのか知らないけれど、
主人公が子供を叱るシーンで選ばれた言葉の数々が、
「み、見られてた??」と思うくらい自分とかぶっていて驚いた。
育児ノイローゼじゃなくても、どこのお母さんも子供叱るときはこんな言い方
するのかもな……とちょっと安心(?)しましたが。
「この調子でいくと、ラストは絶対泣かされるぞ、私」と思いながら
予想どおりの終盤を迎え、やっぱりまんまと泣かされました。
えーん。たけちゃん、がんばってー。ママも負けるなー。

うっかり本を買ってしまうのは、最近図書館に行けてないからだなあ。
先週の金曜、ずっと工事中だった区立図書館がリニューアルオープンしたので
また行って来ようっと。


ワン・ツー・パンチ

2007-07-24 | kid
最近、こうたろうが私のカラダについてあれこれ指摘してくれ、
なんだか打ちのめされております……。

第一弾。
この春に卒園したお兄ちゃんが、歯が抜けたという話をしていて
「大きくなると、歯がぬけて新しい歯が生えてくるんだよ」と教えたら、
「へー! お母さんも大きくなったら歯が抜ける?」
もう生えてこないけどね……。

第二弾。
お風呂にて。私のペタンコおっぱいをさわりながら
「おっぱい寝てるよ!」
誰か起こしてくれよ……。

第三弾。
何を思ったか、突然
「お母さんのおちんちん、お父さんより大きいよね!」
えええええ~???


シンデレラⅢ

2007-07-20 | monologue
知ってました?
ディズニーアニメ「シンデレラ」には、Ⅲまであるんです。

banaちゃんが貸してくれたビデオで観る機会を得た。
「こうなるとなんでもアリだよ」と言っていたので
軽い気持ちで観始めたんだけど、

もう、号泣!!!
映画でこんなに感動して泣いたのって久しぶり。

ⅠもⅡも観てないけど、少なくとも、一般に知られる「シンデレラ」より
うんとよかった。
以下、簡単にストーリーのご紹介を。

王子様と結婚して幸せに暮らしているシンデレラ。
魔法使いの杖を盗んだ継母の手で、舞踏会の翌日まで時間を戻されてしまう。
ガラスの靴は、これも魔法で義姉のアナスタシアにぴったり!
王子様も魔法にかけられ、アナスタシアを舞踏会で恋に堕ちた娘だと思いこんでしまう……
いてもたってもいられず城まで出向いたシンデレラの運命や、いかに!?

最後はお決まりのハッピーエンドなんだけど、そこにたどりつくまでに
シンデレラがいろんな障壁をクリアしなくちゃいけなくて、
なかなかコーフンしました。テンポもすごく良かった。
これくらいサバイバルしてくれないと、サクセス・ストーリーと言えないのでは。

原作のシンデレラって、単に、心と顔がきれいで、運がよかった女の子の話だけど、
Ⅲのシンデレラはすごい。
まずのっけから城に乗り込んじゃうんだから、やってくれる。
泣き寝入りなんかしないのだ。欲しいもの(王子様ね)はがんがん自分で取りに行く。
知恵を使ったり演技したり、友達(ネズミです)の協力を得たりしながら。
崖から落ちそうになって、裸馬に飛び乗るシーンは圧巻でした。
この人、こんなにたくましかったんだ……。
意外にあざといし。自分が美人だってこと知ってるし。
(城に入るとき、ちょっと怪しんでるおじさんににっこり笑いかけて
通してもらっちゃうシーンがある)
途中から「あ、あんた、舞踏会でわざと靴落としていったでしょ?」という
気がしてきた。きっとそうにちがいない。
いや、とがめてるんじゃなくて、そうこなくっちゃねってところです。
継母にいじめられて「いいの、私にはネズミさんがいるものね……」なんて
いじいじ泣きながら不幸を納得してる原作のシンデレラより、ずっと素敵だと思う。

で、王子様がまたカッコいいの!
ディズニーに出てくる王子様ってどれもイマイチ……と思っていたけど、
この人、頭もいいし勇敢だし運動神経もいいし、わりとおちゃめだったりして、
親のいいなりにならず自分の愛を信じて貫くとことがいいわ……
あと、どうでもいいとこだけど、王子様の乗ってる馬がまたいい表情してたわ。

ここからは思いっきりネタバレ。

私の泣き所は3つあって、
1つめは、王子様がシンデレラを救いに行くところ。
ぼろぼろのシンデレラを抱きしめたところでまずじわっと……
2つめは、義姉のアナスタシアの葛藤。
彼女は母親による魔法でシンデレラの姿になって王子と結婚式を挙げるんだけど、
「本当の私を愛して欲しい」と思いなおして自分が偽者であると告白するんだな。
そのまま黙ってりゃ王子もお城も手に入るけど、それじゃあ幸せになれない……
という、こういう気持ちって本当に大事だ! そうなんだよ!!
そんな当たり前のココロが麻痺してないアナスタシア、私は好きだ! がんばれ!
3つめはラストで王様がアナスタシアに言ったセリフ。
王様がくれた大切な貝殻(お妃との想い出。「本物の愛」の証)を
「これをいただく資格はないので……」と返したアナスタシアに、
「本物の愛を得る資格は誰にでもある」とあらためて彼女の手におさめる。
くぅ~~~、いいこと言うね、ニクイよ、お父ちゃん! あ、王様か! 
登場してすぐ「この国にあのガラスの靴が履ける娘が一人とは限らないじゃないか」
なんて、Ⅲまできて今さらそれ言っちゃう? ってシーンがあったけど許す!

ところで、シンデレラの声(吹き替え)、
聞いたことあるな~誰かな~と思いながら観ていて、
「あ、由美かおるだ!」と気づき、最後までずっとそのつもりで楽しみましたが、
エンディングロール見たら全然違ってました。たぶんベテランの声優さん。
でもホントそっくりなの。声もだけど、あのなまめかしいしゃべり方とか。
もしこれから観る方は、そんなところもチェックしてみてね☆




チャイナフリーのリスク

2007-07-17 | monologue
食品業界のニュースがやたらにぎやかだが、
段ボール入り肉まんの一件はさすがにひょえ〜となった。
だってただの段ボールじゃないんだよ。
使い古しのボロボロのを、苛性ソーダ(劇薬)にひたしてるんだよ。
(もちろんサラの段ボールならいいってもんじゃありませんが)
うええ。
あんなものを見せられると、「牛と偽って豚とか鶏とか入れてました」なんて
かわいいもんに思えてくる。

アメリカの食品会社が「チャイナフリー」と表示されたシールを導入するらしい。
商品に中国産の原材料は入っていませんよ、と示すのである。
シュガーフリーとかカフェインフリーと同じような表現で、
チャイナをもはや摂取しては危険な「成分」としての扱い。
このシール、「日本でもぜひ取り入れて欲しい」という要望があちこちで聞かれるけど、
これってすごく危険な思想だと思う。
だってその言葉って、

中国=悪。

ってイメージばかりが強くなるんじゃないだろうか。
もちろん、前述の段ボール入り肉まんしかり、
食品の安全性において由々しき事実はいっぱい発覚しているんだけれど、
まるで中国そのものが毒であり有害であるかのような風潮はどうかと思う。
中国に、いいものはたくさんある。学ぶべきことも。
(そもそもシールなんて、どうとでも印刷できると思うんですが……)

「チャイナフリー」って言葉、なんだかゴロが良くて簡単に浸透するだろう。
だからこそ怖い。
考えすぎかもしれないけど、日本に住む中国人の子供は
学校でいじめられたりしないだろうか、とちょっと懸念してしまう。

自分がいったい何を食べているのかを知るのは、とても大切なことだ。
だからイメージばかりに躍らされないでいたい。
中国は、行ってみたい国。食べてみたいものもたくさんある。

えっち

2007-07-11 | monologue

脳内メーカーなるものが流行っているので、
私もやってみた。
名前を入れると、その人の脳内がわかるというもの。
結果がコレ。

マジ!?

私、ここ数年、尼さんじゃないかっていうくらいご清潔な生活してるのに。

そういえば、このあいだ、ちょっと名の知れた手相観の先生に
「あなた、過去1年の間に不倫してるね」と言われたのだが、

いつ!?

ワタシの身にそんな華やかなことはまっっっっったく起こらなかったんですけど。
っていうか、そもそも、出会いがないんですけど。
過去1年どころか結婚してからこの7年、皆無なんですけど!

あ、わかった、すべて脳内で起こってたのね。
妄想の世界で。ハッ。┐('~`;)┌
まぼろしね、まぼろし。
しかも、前頭葉で悩んでいるところがイタイ……。

この「脳内メーカー」のサイト、おもしろいんだけど
つながりにくいのが難だなあ。


帰りたくない理由

2007-07-07 | monologue
本日も土曜出勤中。
会社で更新してます。すみません。

このごろ家に帰りたくない。
考えるだけでやだ。

だって……
だって……

今、部屋が……

ものすごおおおおぉく汚いんだもん!

先週末から月曜までこうたろうとずっとべったりで、
散らかし放題でそのまんまにしており、
火曜日から今日までなんだかずっと忙しくって
そのうえどうやら夏バテっぽくて帰るとぐったりしてて
とにかくご飯作って食べて食べさせて風呂入れて寝るのでせいいっぱいで、
あー、土曜日はやっとゆっくりできるーと思ってたら
ちょっとしたトラブル発生で出社することになり…

いや、いいわけはよしましょう。

床に散乱したできそこないの折り紙たちの上におもちゃ箱の中身が全部ぶちまけられ、
さらにその箱がつぶされ、その上に部屋で乗るタイプの車が積まれ、
いたるところにミニカーが放置され……

犯人はうちにいる小さい怪獣だ!と思っていたのだが、
椅子やらソファやらには大人の脱ぎ捨てた洋服が放り投げられ……
うう、親にも散らかし病が伝染してるじゃん……。

人間って、汚い部屋にいるともっと汚してしまうものなんだなあと実感。
お菓子のクズとかこぼれてても気にならなくなっちゃうし。
それから、植木に水をやるのを忘れてしまっている。
不思議だけど、部屋が雑然としていると植物の存在が薄くなってしまうみたい。

風水がどうとかってことじゃなくて、やっぱり汚い部屋に幸福が来るはずがない。
明日こそ掃除しよ……

折り紙日和

2007-07-03 | kid
昨日までこうたろうお休み。
本日復活しました。

口が痛い以外は元気だったんだけど、週末から月曜かけて雨だったので、
こうたろうと家で折り紙をして過ごした。
2、3日こもることになるんだろうな~と、
金曜日、お迎えに行く前に駅ビルに寄り、
有隣堂で折り紙の本、ダイソーで折り紙98枚セットを購入しておいたのだ。

で、ちまちま…ちまちま…
折り紙を折る折る折る…

気がついたんだけど……
私って…… 

折り紙、ヘタ!?

「●と●、★と★を合わせるように」とか「袋に指を入れて開いて」とか、
説明書きの言っている意味がわからん。いくらやっても図のとおりにならん。
おかしい。こういうの、どっちかっていうと好きな作業だと思ってたのに。

「ぴょんぴょんがえる」が全然ぴょんぴょんせず、
びよん…と力なくわずかに前進するのを見て途方にくれていたら
髪を切りに行っていた相方が帰ってきた。

本とかえるをちらっと見て、
「これ、違うよ。ここで一回折り込んで、こうやって……」と
またたくまに図のとおりのかえるが!
ほんとだ! ぴょんぴょんする! すごーーい。

そのあとも相方は、本当に飛びたちそうなツバメとか、
一枚で作ったとは思えない細かい柄の勲章とか、
ぱたぱたとはばたく鳩とか、いろいろ作っていた。
折り目の合わさりもきれい。相方にあらためてA型の血を見た。

私も簡単そうなのにチャレンジ。
ピアノとか、おうちとか、猫とか。
おもしろいね~、折り紙♪

作品ができあがるたび、こうたろうもいちいち喜んでいたのだが、
「わー、すご~い」と言いながら
うれしそうに分解しちゃうんだよなあ……
これって、男の子の性質上仕方ないことなんだろうな~と思い、
ある程度はあきらめる。どうせ全部とっておけないし。

でもこんなとき、
「きれいに折られた美しい紙を大切に愛でる娘」という図が
ちょっとうらやましくなったりするんであります。