みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

つわり

2007-11-29 | kid
江原啓之さんによると、
おなかの赤ちゃんとお母さんのたましいが似ていると
つわりが少ないそうだ。
「たましい」とか言ってしまうとちょっとアレだけど、
そもそもつわりというのは体が「異物」を感じることからくるので、
人間の性格を「性質」ととらえて考えると
この説は科学的かもしれないと思う。
(もちろん、江原さんは、母親と子供が似ていることを
いいとも悪いとも言っていなくて、
「自分に似た人間と対峙することによる学びもあるし、
まったく違う人間とのそれもある」と説いている。)

私はつわりが軽かった。
まったく気持ち悪くなかったというわけではなかったけど、
典型的な食べづわり(とにかく食べていないとだめ)だったので
食べ物を受け付けないタイプのつわりより比較的ラクだった気がする。
で、生まれてきたわが子。
あのつわりに見合うくらいの程度で、私に性格が似ている。
(顔も人に笑われるくらい似てるらしいけど)

こんなことを言うとこうたろうに失礼だけど、時々、
私に似ていて育てにくいと感じてしまうのがホンネ。
個性がはっきり出てきてからは特にそうだ。

団体行動が苦手。
どうでもいいところで神経質。
なのに肝心なところはおおざっぱ。
好きなことしかしない。
夜更かしが好き。

わかるだけに、躾にくい。
たとえば、みんなが外で長縄跳びで遊んでいるのに
こうたろうだけ落ち葉を拾うのに夢中だったとか、
ブロックを入れる缶の蓋がきっちり閉まっていないと気がすまないとか、
連絡ノートにそういうことが書いてあるたび、
「あー……わかる……」なんてため息が出てしまう。
みんなで一緒に縄跳びすればいいじゃん、とか
蓋なんて閉まってればそれでいいじゃん、とか思うものの、
「でもこうたろうはやだったんだろうなあ」とも。

まあ、似てないところは、それはそれで難しいんだけど。
中でも、人前で歌ったり踊ったりするのがキライ(恥ずかしい)というところ。 
家ではめちゃめちゃ歌ってるし踊ってるし、
「そんなの関係ねえ!」もすっごく上手なのに。
芸事が根っから嫌いというのではなく、
ギャラリーが身内のみのときだけ、ひょうきんになるタイプ。
私は、お遊戯とか発表会とか大好きだったので、
この点はあんまり理解してやれず、
「あんな楽しいことがなんでイヤなんだろう?」と
首をかしげてしまう。
(この件に関しては相方が「俺の血だ!」と言っている)
このあたりが、つわりでわずかに苦しかった部分なのかしら?

いいことも言っておくと、私とこうたろうは、
好きな音楽とか、「これは○○みたいだね」というような比喩感覚が
びっくりするくらい似ている。
簡単に言うと、4歳児にして、ノリというか、ウマが合う。
親子というより、一緒に過ごす仲間として、これはかなり楽しい。

あたりまえだけど、人間が人間を生むってすごいことだなあと感じる
今日このごろです。

夢を与える

2007-11-26 | book

発売されてすぐ買ったのだが、ずっと枕元に置いていて、やっと読了。
分厚くて持ち運べず、電車で読めなかったので時間がかかった。

「綿矢りさ」という作家にどれくらいの興味と思い入れがあるかで、
大きく評価が変わってくる本だと思う。
私は彼女のデビュー作「インストール」で「なんだこれは! すごいぞ」と驚き、
芥川賞を獲った「蹴りたい背中」で「天才だな、このひと」と感嘆した。
17歳で新人賞を受賞したあと、2冊目で芥川賞。
ビジュアルも可愛くて、ファンの間で「りさたん」と呼ばれる美少女。
早稲田に入学し、誰よりも早く、無駄なく、
サクセスを勝ち取ったかのように見えた。

「夢を与える」。
芥川賞受賞後、3年のブランクを経てやっと出版された長編小説である。
正直、タイトルもぴんとこないし、綿矢りさじゃなかったらきっと私は
手にとることはなかったと思う。
文体も、それまでの勢いのある一人称ではなく、たんたんとした三人称。
「○○は○○した。○○した。」というような、
良く言えばシンプルな、悪く言えば凡庸な語り口。
一見、稚拙にさえ感じられる。

誰かに、「おすすめだよ!」とは決して言えない小説だ。
話も暗いし、主人公の夕子があまりにも考えなしで共感できないし。
セックス描写には「えっ!」と戸惑うところもあった。
「インストール」や「蹴りたい背中」と同じテイストを望むなら
むしろこれは読まないほうがいい、と思う。

でも、受賞後の綿矢りさ本人の、がらりと変わってしまった生活、人生を思うと、
「彼女もこんなふうに感じているのではないか」という気にさせられる。

チャイルドモデルから芸能界へ進み、「思いがけなく」もてはやされ、
守られ、大事にされ、「夢を与える」ことを強要され続けた夕子。
彼女が恋をおぼえ、自分自身の夢を見始めたとき、転落していく。

インターネットでの中傷、世間の好奇の目、阻害されるプライベート、
ファンのために人気商売を続けていかなくてはいけない重み。
17歳で文壇に立った成功者、綿矢りさにも同じような思いがあったのかもしれない。
少なくとも、「りさたん」なんて勝手に萌えられるのは迷惑なのかも。

そんなふうに思いながら読んでいくと、ところどころ、深い。
抑揚のない文章の中に、時折、ぽろりと作者のホンネがこぼれおちている気がする。

「夢を与えるとは、他人の夢であり続けることなのだ。
だから、夢を与える側は夢を見てはいけない。」
という、タイトルの本題ともいえる一文のあと、
ラストで「今はもう、何もいらない」と夕子が言う。

彼女も、本当に、もう、何もいらないのかもしれないな。

綿矢りさはまだ22歳。
帯に「私は他の女の子たちよりも早く老けるだろう」とあって、
若くしてすべてを手に入れてしまった作者とだぶる。

でも、人生のいろいろなことを決めたり選んだりするのに、
これからまだまだ時間があるのはやっぱり強みだ。
ゆっくりゆっくり、作家として大成していってほしいとファンの私は思う。

脇役では、お母さんの描写が秀逸だった。
もとはといえばこの人が話の発端。
「無理やり手に入れたものは、いつか離れていく。
そのことは、お母さんが一番よく知っているでしょう」
という娘の言葉、痛かったなあ。
あと、夕子の恋人がとんでもないやつだ。
夕子は見る目がないおばかなコなんだけど、でもなー、
若いときってそういうおばかな時代があるのよねえ……。

この作品は、綿矢りさの試みであり挑戦でもあると感じるし、
ひとつのターニングポイントになるんじゃないかと思う。
私は、彼女が次にどんなものを書くのか、本当に楽しみにしている。


便利ばんざい!

2007-11-21 | monologue

いいもの見つけちゃった~!

ウチはとにかく結露がすごくて、冬場、朝起きると窓にびっしり水滴がついている。
水滴の量で「ふむふむ、今日は、外はこれくらいの寒さだな」と
判定できるようになったくらい。
で、以前は大きめのタオルを何度かしぼりながら拭いて、
サンのところは安いトイレットペーパーで仕上げる、というのをやっていた。
(サンのあたりはやっぱり乾いた紙じゃないとだめ)
寒い冬の朝、これは苦痛な作業のひとつだった。

それがですね、この水滴ワイパーを入手してから、
革命が起きたんでーす!
下から上に、きゅーーーーっと上げていくと、
水滴がすっきりキレイに取れる。
ワイパーでぬぐった水が、持ち手のところにたまる仕組み。
これがすっごーくたのし~い!!

なんといっても、この器具自体の手入れがいらないのが抜群に良い。
もちろん電気代とかもかからないし、安全だし。
写真(楽天より引用)は400ミリリットルとれるもの(1680円)だけど、
私が買ったのは300ミリリットルサイズで1000円しなかった。
うちの場合、普通に寒い朝で、300ミリリットルぎりぎり取れる。
これが水いっぱいになったときの快感といったら……

これまで、朝起きて濡れた窓を見るたびユーウツになっていたのが、
今では「うわーーい♪ こんなにびっしょりだぁ~
と、うれしくて仕方ない。
つらかったことが喜びに変わるって、なんてすばらしいんでしょう!!

ところで、この商品名は、「シタマーデ」。
ワイパーの向きを360度自在に変えることができ、
下まで水が取れるってことからきてるみたいだけど、
パッキン部分やサンのところはやっぱり乾いた紙で拭き取らないとダメ。
あんまりぴったりはまったネーミングとは言えないと思う。
私が名付けるなら、「タオルイラーズ」だなあ。
それか、「ミズトレール」とか。
ストレス解消にもなって、おすすめです♪


アレンジ

2007-11-15 | monologue
晩御飯は、いかに安く、いかに栄養たっぷりに献立を考えるかが重要だが、
私にとっては「いかに早く作れるか」ということもかなり必須項目。
ご飯が炊けて味噌汁ができて、肉か魚のメイン一品と、副菜が一品で
所要時間40分が目安である。あとは、切るだけでいい豆腐とかトマトとか、
漬物やら佃煮やらでごまかしている。

たまに読ませていただいているセレブ・マダムのブログで、
こんなレシピがあった。
「豚肉のブロックを、ローリエ、生姜、葱、焼酎などとともに、
ル・クルーゼの鍋で茹でる」というもの。
彼女の場合、火をかけたままお風呂に入り、
お風呂からあがったころにはもう出来上がっているので、
頭にタオルを巻いたまま茹で上がった豚をスライスしてお皿に並べ、
自己流のソースをかけて完成、なのだそうだ。
(ちなみに、ソースは、オリーブオイルやバルサミコ酢、オレガノなどなどを
合わせる)

おお、これはいいではありませんか!
わーい、簡単にセレブセレブ♪
さっそく、めったに買わない豚ブロックを購入。
えーと、ル・クルーゼの鍋(参考:直径20センチで25000円)ね。
んなもんはウチにはないので、
愛用している片手鍋(参考:直径20センチで1400円)を使う。
ここですでにセレブからあっけなく脱落しているのだが、まあそこは気にせず。
で、豚肉を茹でる、と。
ローリエはないけど、生姜なら常備してるもんね。
水をはり、スライスした生姜と、料理酒とだしの素と粗塩を入れて火にかけた。

ここでマダムは風呂に入っているのだが、そういうタイミングでもなかったので
食器を洗ったり、付け合せの野菜を切ったり焼いたりして、30分ほど経過。
お風呂って、それくらいだよね?
そろそろいいかな~と肉の按配を見ると、
うぬぬ、ぜんぜん中に火が通っていない。
表面から中の赤味がうっすら見えてる。
そ、そうだよな~、ル・クルーゼは圧力鍋だからな。
仕方ないので、肉を縦に切って2片にし、再び茹でる。10分経過。

心配になってちょっと切ってみるが、まだ中が赤い……
この時点で40分が経っている。
ああ、セレブだったら頭にタオル巻いてるころなのに。
この鍋でこの調子でいったら、
完成まで私はいったい何時間風呂に入っていなければならないのか。

いかん、晩御飯が遅くなってしまう。
仕方ないので、いったん肉を引き上げて、電子レンジでチンするという荒業に。
ためしに5分だけかけてみたのだが、レンジから出てきた肉は、
悲しくなるくらい小さくなってしまっていた……。
しかも、切ってみたらまだほんのり赤い。
牛ならいいけど豚だもんなー、納得いくまで赤味をとらないと。

で、結局、「一口カツ」ぐらいのサイズにスライスして、
さっきの汁で茹でなおした。
なんか、これってブロック買った意味がぜんぜんないんですけど。
しかも、ものすっごい手間かかってるんですけど。

そして出来上がった肉は、もうめんどくさいのでポン酢で食べました。
そのまんま、「茹でたお肉をポン酢につけた味」がしました。
ああ、セレブの真似事なんかした私がいけなかった。

なのだが、

鍋に残った茹で汁。
これ、絶対おいしいはず。

ニヤリ。

そして翌日の夜、これをリサイクルして、スープカレーを作ってみた。
鶏肉と玉葱と人参とキャベツを炒めて、
温めた汁にぶっこみ、市販のカレールウを普段より少なめに放り込む。
あとは10分くらい軽く煮るだけ。

これが激ウマ!!!
所要時間20分である。
(正確には、前日から1日かかってるんだけど)

それが金曜だったので、翌日土曜のお昼ごはんまでいけた♪
よかったー、なんかモトとれた気分。
もう同じ味は二度と作れないけどね。

サッカー少年になれるか?

2007-11-05 | kid
相方はサッカー好きである。
高校時代はサッカー部に所属し、
私が妊娠しておなかの赤ん坊が男の子だとわかると
すぐにサッカーボールを購入し、
こうたろうが2歳すぎたあたりから校庭や公園でボールけりを教えていた。
転職してからは会社のサッカーチームに入り、
練習だ、試合だ、と熱をいれ、教本やらDVDやら仕入れてくる。
夢中になるものがあるのはいいことですね。

近くの小学校で、毎週日曜日に少年サッカーチームが練習をしている。
相方がそれを見逃すはずがない。
小学校のすぐそばにスーパーがあるので、ここのところ、
こうたろうと相方がふたりで練習を見たり校庭のすみでボールけりを
している間、私は食料の買出しに行く、という休日が続いていた。

10月最後の日曜日、サッカーチームのコーチに声をかけられた。
基本的には小学生の集まりだが、年少から受け入れはしているので
一緒にやってみないか、というのである。
そういえば、よく見ると、小さな男の子もひとりまじっている。
コーチが小さなゴールを持ってきてくれたので、その男の子と一緒に
シュートの練習をしてみた。

見よう見まねだが、おお、いっちょまえにキックしているではないか。
コーチに対しても人見知りすることなく、返事したりしている。
お兄ちゃんたちの群れに入っていくのも、ものおじしない。

私は買い物し終わったあとで、魚とか肉とか持ったままだったので、
「ちょっと家に置いてくる」と言い、私だけいったん帰宅。
食材を冷蔵庫に入れ、急いで小学校に戻る。

道すがら、いろいろ考えた。
体が小さくて、泣き虫で、集団行動が苦手なこうたろう。
でも、どうやらサッカーは好きみたいだ。
サッカーがこうたろうを変えてくれるかもしれない……。

そんな高揚した気持ちで校庭へ。
あれっ、こうたろうがいない。
きょろきょろ見渡したら、いた。

こうたろうは、

目をきらきらさせながら、

それはそれはいっしょうけんめいに、


砂場で山を作っていた……


ホント、親ってバカだなー(^-^;
単に、目新しいことが面白かっただけだったのね。
私の妄想の中では、めきめき強い男の子になってる泥んこ姿のこうたろうが
出来上がってしまっていたよ。

コーチは「はじめは楽しいと思ってもらえればいいし、
この年齢だと30分から1時間が限界だから、みんなと一緒に
ボールで遊ぶっていうくらいの感覚でいいんですよ。また来てね」
と言ってくれた。
就学前の子に関しては、1時間程度のことなので、なんと費用もいらないそう。
(それでも、ほぼマンツーマンでしっかりやってくれる)

まあ、時間があって体が元気で天気もよければ、また来たいね~
くらいの気持ちで私はいたのだが、相方は翌日、
こうたろう用のスポーツウェアを買ってきた。
気合入りすぎだって。こんなの着てんのに砂遊びされたらイタイって。
ホントにホントに、親ってバカだねえ。

ということで、先週も行ってきた。
はーちゃんも応援にきてくれて、こうたろうもはりきっていた様子。
スポーツの秋、ですな。
これで、日曜日は相方にこうたろうを任せて私はウチでのんびり……なんて
できそうな気配である。ムフフ。