みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

映画「DIVE!!」

2008-06-27 | movie
熊澤尚人監督の最新作、「DIVE!!」を観てきました。
原作は、直木賞作家の森絵都さん。
正直、スポ根モノってあんまり興味ないし、
出演者も見たことない男の子ばっかりだし、
原作もタイトルしか知らなかったので、
熊澤監督じゃなければ絶対映画館に行こうなんて
思わなかったと思う。
なので、なんの先入観も期待もなく、
超リラックスして鑑賞に臨んだのですが、
これが予想外(といっては失礼ですが)に良かった!!
深く腰掛けていた体勢が
観ているうちにどんどん前のめりになり、
ラスト15分は顔にハンカチ押さえっぱなし。
まさか号泣するとは思わなかった。
いや~、ものすごくシンプルに感動しました。
気持ちよく泣きましたよおお。

簡単に言うと、
飛び込み競技に賭ける少年たちのアツイ夏、
みたいな感じです。
原作はシドニーオリンピックを目指す設定のようですが、
映画では北京になっていました。
飛び込み競技には知識がなかったけど、
びっくりするくらい高くて狭いジャンプ台から
深いプールへとぼんぼん飛んでいく少年たちの姿に、
しばらく口を開けて観てしまいました。
どこまでスタントでどこまでCGなのかわからないけど、
役者さんたちも強化合宿して実際に飛んでるそうです。
すごいわ……。みんな3ヶ月の訓練でお腹が割れてたし。
もう、ただ顔がいいだけじゃジュノンボーイにはなれないのね。

メインの3人の男の子のキャラ設定がすごく良くて、
配役も本当にこれ以上ないくらいぴったりでした。
コーチの息子である、エリート少年。
天才ダイバーの孫、津軽の野生児。
優れた素質「ダイヤモンドの瞳」を持ちながら、
自分を平凡だと思っている中学生。
私がこの映画をおもしろい!と感じたのは、
ふたを開けてみたら私好みの
「下克上」モノだったからだと思う。
そして、「血のつながり」の持つ
面倒くさくていとおしい要素や、
ライバルであり仲間である少年たちのさっぱりとした友情が
嫌味なく描かれていたのが良かったです。
「男の子っていいな」とか、「あきらめちゃだめなんだよな」とか、
そういう原始的な感想をすなおに抱ける作品でした。

本筋にはまったく関係ないんだけど、個人的には、
知季君の弟が中庭ですいかの種をお兄ちゃんに飛ばすシーンが
すごく好きでした。たぶん原作にはなかったシチュエーション。
「なんだよ、アニキ、いいかげんにしろよ! 彼女泣かせるなよ!」
って気持ちを、言葉に出せず、すいかの種をプップッと
お兄ちゃんの背中や後頭部に吹き付けるところ。
なるほど~、こういう心情の描き方があるのか!
と感心しました。

そして、特記すべきは女コーチ役の瀬戸朝香ちゃん!
いい! すごくいい!
さばさばしてて、キレイで、
本当にあんなコーチだったらついていきたい。
朝香ちゃんも運動してるのかなあ。
脚の筋肉がすごくきれいについてたな。
顔のアップも多かったんだけど、ほとんどすっぴんだった気が。
それがまたいい!
パーツのひとつひとつがしっかりしてるので、
余計な色とか乗せる必要がないのかも。
本物の美人なんだな~、いい女だな~と思いました。
いいなあ、イノッチ。

映画を観たあとに原作にも手を伸ばしてみたのですが、
すごく長いお話なので、あれを2時間にまとめるのは
大変な作業だったと思います。
だいぶはしょってあるし、それぞれの人物背景が
かなり簡略化されてるし。
瀬戸朝香ちゃん演じる女コーチも、原作ではもっと
セクシー路線というか色っぽくて、
飛沫の恋人、恭子ちゃんがすごく魅力的なのに
映画では出番少なすぎる。
原作を先に好きになっていたら、
物足りなく感じてしまう映画かもしれません。
私は何も予備知識がなかったのでとても面白かったですが、
「泣けるよ!」なんて言われていたら、泣かなかったかも……。

あと、カメラワークがきれいです。
少年たちのすごくいい表情を捉えた場面がいくつもあって、
これは彼らの才能はもちろん、
演出がしっかりしているからだと思いました。
この3人、きっとこれからどんどん露出していくだろうな。
数年後には「なんて贅沢な作品!」となりそうです。

次はコレが……

2008-06-24 | people
少し前から、こうたろうに「こむぎねんど」をねだられていた相方。
この間の金曜日、12色のセットとねんど板を買ってきた。
「子供にねだられたものをすぐ買ってくる父親」
と思われることに抵抗があったのか、
こうたろうに何度も
「いいか、これは、こうたろうが欲しいからといって
遊び用に買ってきたんじゃない。
こうたろうのためになると思ったから買ってきたんだ!」
などと、意味不明に言い含めていた。
別にいいじゃん、遊び用で。
おかしなところがマジメというか、なんというか……。

そして、相方が夕飯を食べているあいだ、
こうたろうはダンボールを逆さまにした
「即席デスク」に正座して、
もくもくとなにやら作っていた。
かなり集中していたので、私はそのすきに
食器を洗ったり、洗濯物たたんだり。

こうたろうの手元に目をやると、
小さなソーセージみたいな形のものが
いっぱい出来上がっている。
「何作ってるの~?」と声をかけると、
「う○こ~!」

……がっくり。

まあでも、4歳男児なんてこんなもんだ。
よかった、出産前に「まことちゃん」読んでおいて。

食事を終えた相方、おもむろにこうたろうに近づき、
無言でねんどをこねこねし始めた。

こんなの作ってるな~と思いながらほっておいたら、


コレとか(右の顔のみです)


コレとか!!


す、すごーい!!
なんていうかもう、
FREESTYLE? 個展やっちゃう?
(↑こないだ抽選当たって行ってきました)

しかも相方、
「ねんどって、いい。心が安らぐ。
何かのセラピーを受けてるみたいだ」と
目をうるませているではありませんか。

たしかに「遊びで買ってきたんじゃない」んだね、相方……。

ああ、

でもこれでまた……

捨てられもせず、あげられもしない
フィギュアが増えていくのね……。

追伸:こうたろうの名誉のために補足しておきます。
う○このあとに、見事な「ランボルギーニ」と
「エスティマ」を作っていました。

読書記録「建てて、いい?」中島たい子

2008-06-20 | book

久々に読書記録。
ずいぶん前の小説ですが。

「建てて、いい?」中島たい子

中島さんはうまい。
「上手い」のではなく、「巧い」。
こういう作家さんって、
案外いないんじゃないかと思う。
個人的な思い入れやセンチメンタリズムで
書いているのではなくて、
明らかに、エンターテイナーとしての
仕掛けに徹底しているのを感じる。
プロだなあ、と感心する。

彼女はもともと脚本家さんなので、
場面展開やセリフまわしがすごくスムーズ。
ほどよくこじゃれていて、嫌味がなくて、
なおかつ、ちょっとコメディタッチだ。
ごてごてと飾りつけない、シンプルな魅力。
お菓子にたとえるならチーズケーキのような、
上品で奥深いルックスと味わいがある。

前作「漢方小説」「そろそろくる」が
女性の身体がテーマだったので、
てっきり「この人は女のメンタルとフィジカルについて
書き続ける人なんだな」と思っていたのだが、
その次に「この人と結婚するかも」でカラダから離れ、
結婚の次は「家」ときたか!
次は出産とか育児なのかなあ。

ストーリーを簡単に言うと、
30代の独身女性が一軒屋を建てるまでの
あれこれがつづられているんだけど、
思い悩むさまや、現実の壁をどう乗り越えていくか、
読みながらまるで、仲のいい女友達の話を
聞いているような気持ちになった。
「建てて、いいよ!」と背中を押したくなるような。

まあ、現実は彼女のようにはいかないだろう。
なにかと話がウマすぎるし、
設計士さんが結局ゲイではなかったというオチには
正直興ざめした。そんな設定、必要あったのか?
だけど、それでも納得させられてしまう面白さが
この本にはあって、それは中島さんのウデなんだろうと思う。

「彼の宅急便」という短編も収録されているんだけど、
好みで言うならこっちのほうがスキ。
別れた恋人からの荷物が届くまで、待っている間の
主人公の葛藤や行動に、目が離せなかった。
そしてラスト、思わずクスリと笑いながら、
人生って、じたばたしながら(させられながら?)
日々過ぎていくけど、
でも案外こんなもんだよね、
おかしいよね、笑っちゃうね、っていう
気持ちいい脱力感が得られた。

中島さんは私のひとつ年上で、
同年代の親近感みたいのがわきます。

メッセージ。

2008-06-17 | kid
ひとりでお風呂に入っていたら、
こうたろうがドアを開けてきた。

湯船につかりながらそちらに顔を向けると、
こうたろうがドアノブに手をかけたまま、

「お母さん、無理しないでいいよ」

と言った。

「えっ、なにが?」
とちょっと笑って聞いてみたのだが、
それには答えず、まじめな顔で

「無理しないでいいからね」

とまた言って、ドアを閉めていってしまった。

なんのことなのかなあ。
「無理」って意味、わかって言ってるのかなあ。
一緒にいるときに言えばいいのに、
なんでこんなシチュエーションで言うんだろ。

苦笑しながらも、
お湯に涙が一粒だけ、ぽたんと落ちた。



紫外線対策

2008-06-13 | monologue
梅雨のなかやすみの晴天、気持ちいいですね。

私もいい加減お肌を気にしなくちゃいけないお年頃なので、
今さらですがせっせと紫外線対策しております。
これまでの人生、美容面には本当に無頓着だったので
なにかと新鮮。

今、晴れの日に必ず持ち歩いているのがサングラス。
サングラスって、おしゃれさんでないと
気恥ずかしいというか、ちょっと勇気がいったのですが、
えいっとかけてみるとコレがすごくイイ!
目だけじゃなくて、体もラクになる気が。
今まで、いかにまぶしさと戦っていたのかよくわかります。

サングラス使用に踏み切ったのは、
「目で眩しいと感じると、脳が『肌を守らなきゃ!』と
メラニンを分泌しだすので、日焼け止めを塗っていても
シミの原因になる」というような記事を読んでから。

まったくもう、
せっかく日焼け止め塗ってても帽子かぶってても
まぶしいと感じたからってメラニン出しちゃうなんて
脳みそって利口なのかバカなのかわからん。

脳みそに「大丈夫よ!サングラスがあるわ!」と
安心させる意味でも、おすすめです。

元気ですか~!

2008-06-10 | people
会社の昼休み、食事を終えて本屋に行こうとしたら
後ろから

「握手してください!」

と男の子に声をかけられた。

と、思ったら、私にじゃなかった。

ふりかえったら、そこにはなんと
アントニオ猪木が!!

あら~~と思いながらあたりを見回すと、
通行人たちが少し離れたところで立ち止まり
必死で写メールを撮っている。
どうやら猪木は、数人の関係者らしき男性たちと
一緒にロシアレストランから出てきたところらしかった。

こんなところにアントニオ猪木がいたことよりも、
あんなにインパクトのある人を
思いっきりスルーして目の前を通り過ぎてしまった
自分にびっくりした。
ほんっとに目の前だよ。猪木も私も狭い歩道にいたから、
30センチくらいしか離れてなかったはず。
おい、しっかりしろ。

猪木さんは、暑いのに黒いスーツ着込んで、
姿勢がぴっとしていてカッコよかったです。
きれいなブルーのストールみたいの巻いてました。
顎もしっかりばっちりでした。
20代前半くらいの女の子が遠くで手を振ったら、
気持ちよく片手を挙げて応えてました。ダンディ。

たとえば占い師とかに
「今日、あなたは道でアントニオ猪木に会います!」
なんて言われたらありえねぇとしか思わないけど、
そういうことが普通に起きちゃうんだね。
東京ってすごいとこだね、やっぱ。

次は何が……

2008-06-02 | monologue
風水にこだわっていた理由は、
「健康運」を上げたかったからです。
風水って、とにかく根本は「お掃除」。
科学的な根拠はともかくとして、
掃除はしないよりしたほうがいいに決まってる。

なので、掃除とかお片付けとか超~苦手なこのわたくしが、
時間を見つけては、シンク磨いたり、衣服の整理したり、
ベビーカーを粗大ゴミに出す手配をしたり、
こうたろうの赤ちゃん時代のおもちゃを保育園にあげたり、
なるべくなるべくモノを減らしていこうと、
まあ、自分なりにがんばっていたわけですよ。

なのに。

なのに。

先週の金曜日、
相方がこんなものを……



しくしく

「週末、サッカーの試合(自分の)があったんだけど
雨で中止になりそうだから、こうたろうと一緒にやろうと思って」

などと言いつつ

金曜日の夜のうちに

これが出来上がってました。



あ、あの~、土日に雨降るからっておっしゃっていたのは
どちらのどなたさん?

しかも、作ってる最中にこうたろうがちょっとでも
さわろうものなら、大人気なく阻止。
なにが「一緒にやろうと思って」なんだ~!

そして案の定。

翌日、ザクが増えてました……。

あああ、知ってるんだ。
この手の遊びって、ひとつじゃ終わらないんだ。

しくしく

またわけのわからんモノが増えていく……

そのせいだと言うわけでは決してないのですが

わたくし

月曜日からウィルス性の急性腸炎になってしまい
3日ほど寝込んでしまいました。

別にガンダムに罪はないんだけれど。

ノー・モア・フィギュア。

プリーズ、健康運。