みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

マスク

2006-01-30 | health
年末から咳がおさまらずマスクが手放せない私だが、昨日妹に会ったら
「レトロなのしてるね!」と驚かれた。
どういうのかというと、昔ながらの綿のやつ。
小学校のときに給食当番がしてたようなアレです。
普通に薬局で売ってるし、自分ではレトロだという自覚がなかったのだが、
そういえば世の中の皆さんは紙製のマスクをしてらっしゃる。
「息苦しくないように作られてるし、使い捨てで衛生的だよ」と妹。
きっと私、電車の中なんかで「げげ、古い……」とか思われてたのね。
こんなこと身内しか言ってくれないからわからなかったよ。

でも、あの紙製マスク、私もずっと前に一度使ってみたのだが、どうもだめだったのだ。
なんというか、たよりなくて。ぺらぺらなんだもん。
その点、あの綿のマスクはいい。
肉厚な白いコットンで顔を覆うと、ああ、守られてる!!って感じがする。
それに、あったかいし♪
だから5枚ほど買い込んで、毎日洗濯したばかりのものを使っている。
柔軟剤にレノアを愛用している私は、朝一番、いいにおいのする清潔なマスクを
あてがって外出するのが日課になってしまった。
どうせ長引いてる風邪なら、こういうことでちょっとシアワセになれればモウケもんかなぁ、と思うのだ。



かぜっぴき

2006-01-27 | people
相方が珍しく風邪をひいている。
本当に健康そのもの、たいていのことは「お茶を飲めば治る」などと
豪語している彼から(そしてホントに治っていた。ザ・静岡人)
「喉が痛い」とか「頭がぼーっとする」なんてせりふを聞くのは初めてかもしれない。

昨日は相方がお休みで、私も家で仕事があるにはあったが急ぎではなかったので、
看病の一日にした。
大人の看病って久しぶり。幼児のそれとは全然違うんだなと改めて思った。

息子のとなると、仕事も私事も全部放り投げて、とにかく一緒にいることがまず看病だ。
病院に連れていき、お腹の調子が悪ければ大好きなヨーグルトや牛乳を欲しがっても
うちにはないと騙し、薬を飲ませ、熱を何度も計り、抱っこしたり添い寝したりする。
買い物にも出られないし(ひとりで置いていけない、連れてもいけない)
台所で料理していると「かまってくれ~」とぐずぐずされる。
それをなだめながら作った食事も「いらない」とへそを曲げられたり。

でも大人となると、病院へ行くとか薬を飲むとかは本人の判断だし自分でやれる。
ヨーグルトはやめときなよ、と言えば「そうだね」と納得する。
抱っこする必要もなく(だいいち、できない)、添い寝もじゃまなだけだ。
私は合間を見て、仕事の資料を読んだり、取引先にメールしたりもできた。

私が雑炊を作っている間、相方は私がビデオに録画しておいた「西遊記」を観ていた。
そして時々、笑っていた。
ネギとキャベツと大根と鶏肉、刻んだニンニクに、すりおろした生姜をたっぷり。
そこに、卵を落として半熟にする。
「これで風邪なんか治るだろう!」という一品。相方は完食。もちろん静岡のお茶も淹れる。
食べ終わったあと、食器を洗っていたら、相方が隣に来ていろいろしゃべっていた。

息子が具合が悪くなると、私はいつも悲しい気持ちになるし、ずれてしまったスケジュールを
取り直すのに労力を費やしてしまう。
でも相方の場合、ちょっとした風邪くらいなら、
逆に穏やかな時間が流れたりするんだなと思った。
このごろお互いにばたばたしていたので、ゆっくり話していなかったのだ。
だから、ちょっといい感じだった。
もちろん、健康でいてくれることが一番だけど。

そういう私もまだ風邪っぴき。
一生懸命お茶を飲んでいるんだけどなあ……。

保育士という仕事

2006-01-26 | people
こうたろうの保育園でお世話になっているT先生。
夏前に産休に入っていたのだが、無事出産を終えて今週から戻ってきた。
人のことってホントに早い。
ついこのあいだ妊娠したと聞いたような気がするんだけど、
あっというまに産んで育てて、社会復帰である。

赤ちゃんは、他の保育園に預けているそうだ。
こうたろうの通う保育園には一才未満もたくさんいるので、
「赤ちゃんの世話していると、ちょっと複雑な気持ちになるんですよ」
なんて言っていた。

たとえば、子供の具合がちょっと悪いかな……というときでも、
仕事を簡単には休めないのがワーキングマザーというもの。
よその子供を抱っこしながら、「うちの子、大丈夫かな」なんて
思ったりするんだろう。
そして当然のことながら、預けている赤ちゃんが熱を出せば
職場に電話がかかってきて呼び出される。

元気なときでもそうだ。
昼間たくさんの子供たちの世話をしたあと、疲れて帰宅すれば今度は
自分の子供の世話が待っている。
そのあたりが、オンとオフをはっきり分けられる私たちとは違う。

さらに、自分が保育士だからこそ、よその保育園の裏事情もいろいろ
見えてしまうだろうし、よくも悪くも理解できてしまうと思う。

それでも、T先生は「仕事はちゃんとやりたいから」ときっぱり言っていた。
いまさらだけど、保育士さんも働く女なんだなあ、なんて実感して、
T先生と一瞬目線が同じになった。

読書記録2006-2

2006-01-25 | book
7「博士の愛した数式」小川洋子 充実度★★★★★
すばらしい! 文句なしの五ッ星でございます。
テレビで映画の予告を何度も見てしまったせいで、
どうしても深津絵里ちゃんと寺尾聰様が浮かんで仕方がなかった。
途中からは、もうそのつもりで読んだ。だから、映画を観終わったような気分です。

事故が原因で、80分しか記憶が保てない博士と、家政婦である「私」、
そして「私」の息子であるルート。
「私」を通して見える、博士とルートとのやりとりがすごくいい。
博士が自分の息子を抱きしめてくれたのがうれしかった、というの、わかるなあ~。
私も、通りすがりの人がこうたろうを見て微笑んでくれるだけで幸せになるもんね。

終盤で、「お? もしかしてまた、最近よくある、愛する人が死んで
お涙ちょうだいってパターン??」と思ったのだが、ぜんぜんそうじゃなかった。
小川洋子さんって、「きれいだけど残酷な世界を描く人」というイメージが
あったんだけど、(この本もある意味そうかもしれないけど……)
各々事情を抱えながらかかわっていく、慈愛に満ちた人間関係や、
数学における発見と驚きの喜び、そして何よりも、無条件に子供を愛する博士の姿に
ところどころ胸がじんわりと熱くなった。
ラストでのルートの成長ぶりがまた、もう……

通勤電車の中で読んでいたんだけど、あんまりおもしろくて
「ああ~っ、電車降りたくないー!」と何度も思った。
最後の一文字まで感動したのは本当に久しぶり。
切れ味のいい終わり方で、読んだあとしばらく余韻にひたってしまいました。
まだ年があけて1ヶ月もたっていないけど、早くも私の中では今年のベスト5入り確定です。

あと、このお話のキーワードは「江夏」ですね。
小川さんの好みなのだろうか? 野球には疎い私だけど、興味がわきました。


耳で書かれた本

2006-01-24 | work
今やっている仕事のひとつに、全盲の男性の手記を一冊にまとめる、というものがある。
著者のKさんは83歳。40歳の時に病気を告知され、だんだん見えなくなって70歳で視力を失った。

その手記は、すべて音声ソフトを使ってパソコンで書かれた。
つまり、ブラインドタッチで打ったものを耳で聞きながらの原稿執筆である。
Kさんは、その技術を失明後の70歳を超えてから初めて学び、習得している。
原稿用紙に換算して、330枚。
書きっぱなしの原稿をこっちで勝手にまとめるというのではなく、
こちらが校正したものをKさんがまたパソコンで全部聞き直し、
さらにKさんが加筆したものが送られてくるというやり方で進行した。
紙に赤ペンで書き込むという方法が取れないので、お互いにわかりやすい記号を決めて、
データ上でいちいち確認を取りながらの細かい作業だった。

だからものすごく時間がかかったし、パソコンに不具合が生じるとお手上げだった。
Kさんのお住まいが名古屋なのでさっと逢いにも行けず、
頻繁に電話をして連絡を取り合い、添付ファイルが開けない時はフロッピーを郵送した。
それがやっと大詰め。来月半ばに出版される。

この本の担当になってすぐ、目をつぶって音声ソフトを使ってみた。
慣れていないせいもあるけど、これがものすごく難解。体力もいる。
パソコンから聞こえてくる機械的な音声を頭の中で字に変換するのが容易ではないし、
耳で聞くと、書きたいこととは違っているような気がしてしまう。

それをやってのけるKさん。
さらに驚くことに、彼は本人の希望で一人暮らしをしている。

失礼な話だが、あんなにお年なのに、電話でのKさんはいつも快活だ。
私はKさんから比べればまだまだ若いのに、ぐずぐずと体調をくずしてばかりいる。
彼のあの強さはどこから来るのだろう。

私が息子の遠足の話をしたら、「リュックをしょっている姿が目に浮かぶようだ」と
言ったKさん。全盲である彼の「目に浮かぶ」という表現が、逆にものすごくリアルだった。
Kさんはいつもいつも、そんなふうにいろんなことを目に浮かばせながら生活しているのだろう。
「目が見えなくなってから頭が良くなったような気がするんですよ」なんて笑うKさんから
たくさんのことを教わった。私にとって、特別な仕事になった。

ギター少年、山岸竜之介君がシブい!

2006-01-23 | guitar
「さんまのからくりテレビ」に出ている浪速のギター少年、
山岸竜之介君をご存知でしょうか。

5歳にして、ものすごいギターテク。
どうやったらあんなふうにカッコよく弾けるんだろう。
っていうか、お父さんとお母さんはどんなふうに育てたんだろうか。

幼い関西弁も、彼が発するとまたしびれるんだわ、これが。
負けずぎらいで、友情には厚い。
一緒にバンドを組んでるこまっしゃくれた瑠璃ちゃんという女の子にはからきし弱く、
「ちょっとそんなオンナやめときなさいよ!」なんて私なんかは思ってしまうのだが、
でもまあ、男の子ってああいう生意気な女の子に魅かれる時期があるんだよね。


あのトシで、ジミヘンだのクランプトンだののよさがわかるっていうのが
まずもって才能だ。
お父さんの影響を色濃く受けているらしいけど、でもやっぱりあのスゴ腕、
ギターに対する愛情は竜之介君本人が持って生まれた天性のものであり、
「根から好き」の「根」の部分を備えているんだろう。

よく、「親の影響」という言葉を聞くけれど、本人にその素質がないかぎり
どう教育しても伸びないと思う。
簡単に言うと、好きになるか嫌いになるか(興味がもてないか)は
周囲の影響というよりも宇宙の意志というか、本人にも動かせないものだ。

これからの竜之介君の動向が気になる。
あと、ホントはギターがやりたかったのに、瑠璃ちゃんのワガママで
ベースに転向してしまった祐門君の今後も。
(皮肉にも、意外とこういう展開で成功してしまうパターンってあるんだよな~)


2006-01-21 | kid
雪!!



ホントに「降っても降ってもまだ降り止まぬ♪」って感じだ。
この冬、実家岐阜での雪遊びをかなり楽しんでいたこうたろう(息子)。
「ゆーき、こんこ、あられー、こんこ、ふってもふっても!」
と、こんな感じで歌をマスター(?)したところ。
「ふってもふっても!」のところが、昔、志村けんが
「いっちょめいっちょめ!」と歌っていたのにすごく似ていて、
私はいつも「ワーオ!」とつけずにいられない。
(これが何のことかわからない皆さん、ヤングです……)

昨日保育園で先生に「明日、雪で遊ぼうね~」と言われていたのに
夜になって突然38度を超える発熱。2、3日前から咳してたし。
でも夜中相方が帰ってくるころには37度台に落ち着いていたので安心した。
この時期の突然の高熱って、インフルエンザじゃないかとびくびくする。
朝も微熱だったので、保育園はお休み。雪遊びも断念。
早くよくなってね。

そういう私も、今週に入ってから咳に悩まされている。
昨日は、食べ物や飲み物がなんか喉にあたる感じがするなーと思って鏡を見たら
のどちんこの隣にぽちっとできものが……あ~~ん( ̄□ ̄;)
親子でゲホゲホやってる週末です。

上の雪だるまは、こうたろうが昼寝している間に私がこっそり作ったもの。
ホントは洗面器に雪を取ってきて部屋で一緒に作ろうかと思ったのだが、
そんなことをしたら外に出たがるかな~と思ってやめた。
今、こうたろうはまだ昼寝から起きないので、溶けないように外に置いてある。
目覚めたら見せてあげよう。


読書記録2006-1

2006-01-20 | book
私は一年でどれくらい本を読むのかなあ、とふと思いたち、
年があけてから読んだ本を一年かけてカウントしていくことにした。

前回載せた感想文に一冊加えて、こちらに移動します。

1「ブループリント」シャルロット・ケルナー 充実度★★★☆☆
私にしては珍しく翻訳モノ。不治の病に冒された天才ピアニストが、自分のクローンを出産し、育てる。コピーである娘とは、「親子」であり「姉妹」でもある関係。そして「私はあなた、あなたは私」という呪文がかったつながり。
正直、設定とか感情の行方が、別にクローンじゃなくて普通の母と娘でもありうることじゃん?みたいな感じで、ぴんとこなかった。でも「指紋が一緒なので、たとえば母親を娘が殺しても証拠が残らない」というくだりにはちょっとぞわっ……。たとえクローンだって、まったく違う人間だもんね。あんまり便利じゃないな、と思ったりしたのでした。

2「デッドエンドの思い出」よしもとばなな 充実度★★★★☆
よしもとさんの短編集。その前に読んだ「High and Dry」が最悪だったのでどうかなと思ったのだが、長年のファンとしては、よしもとさんが書きたいことってコレなんだよな~と納得しながら読んだ。本人も、自分が書いた小説の中で「デッドエンドの思い出」が一番好きだと言っているし。どれも悲しい話でつらかったけど、読んでよかった。
(「High and Dry」のほうが後に出版されています)

3「無意識過剰」阿川佐和子 充実度★★★★☆
だいぶ前のエッセイ集だけど、楽しく読めた。私は阿川佐和子さんが大好き。エッセイ読んでからテレビで拝見したら、ますますチャーミングに見えた。

4「いつか記憶からこぼれおちるとしても」江国香織 充実度★☆☆☆☆
江国さんの文庫本は迷わず買うのだが、この本は嫌いな分野だった。彼女の書く女性の透明感って好きなんだけど、このお話の少女たちは気持ちよくない。私の江国コレクションの中では最下位。でも、それでも全部読ませてしまう江国さんのきれいな文章には脱帽。

5「錆びる心」桐野夏生 充実度★★★☆☆
短編集。仕事で必要だったので読んだ。初めて読んだ作家だったけど、ものすごく人間を観察している人なんだなあと思う。狂気っぽい感じの人ばっかりで、人の嗜好というものはそれぞれだなと思った。表題作の「錆びる心」だけは普通の人々だったけど、一番よかった。


6「富士日記」上 武田百合子 充実度★★☆☆☆
会社の同僚Sさんが「これ、私が泣いた本」と言って貸してくれた本。作家である夫と娘、そして著者との3人が合作した日記。富士山麓での生活が描かれているが、Sさんいわく、上中下全部読まないと泣き所には到達しない様子。まだ上しか読んでないので、感想はまた後日。


あんなにおもしろそうなのに

2006-01-19 | people
私「有頂天ホテルがさー」
相方「なんだ、そりゃ」
私「えー、映画だよ」
相方「そのタイトルからして三谷幸喜だろ」
私「よくわかったねー」
相方「どんな話?」
私「ホテルで年越しするんだけど、いろいろ起きるんだよ」
相方「ふーん、年末年始の話か」
私「まあ、そんな感じかな」

なんか、どの言葉も間違ってないんだけど
すっごいつまらなそうな映画に聞こえるのはなぜ……。

お知らせ

2006-01-18 | Weblog
ろくに更新もせず、つたない文章を流しているみちくさ茶屋を
ご訪問くださり、どうもありがとうございます。

一応個人サイトだった「みちくさ茶屋」から
こちらのブログのみで稼動することにしました。
今後ともよろしくお願いします!

もともとの「みちくさ茶屋」は3月までそのままにしておきますが、
4月からは閉鎖となります。
今後そちらの更新はしないので、ブックマークしてくださっている方は
このブログのアドレスに変更していただけるとうれしいです。
また、今までの「新茶」と「ロビンソンへの道」は閲覧のみで
このページからリンクしています。(左のBOOKMARKからどうぞ)


以上、お知らせとお願いでした。
これからも、どうぞ、みちくさしていってくださいね。

ミチコ