みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

人間失格。

2009-05-15 | book


太宰治生誕100年だそうで、あっちでもこっちでも太宰フェスティバル。

「生きてたら100歳」と思うと、
私とそんなに年離れてないんだな~なんて思う。
あら、意外と最近の人じゃん! というか。
この世に生息する時代がかぶっていてもおかしくなかったんだな、と。

さて、太宰治といえば「人間失格」。
ということになっている、らしい。

高校の夏休みの課題図書だったりしましたよね。
正直、10代の私にはよくわからなかった。
で、大人になって読み返して、
「うおおお、こんなもんを高校生に読ませて感想書けとは
なんと無謀な!!」と思ったものです。
え~っ、だって、センセーに提出するんでしょ?
ホントに思ったこと書いちゃっていいの?
それに、少なくともあの小説で起きてることって
酒にタバコに、淫売婦とか左翼思想とか、人妻との心中とか、
10代の私にはバーチャルでしかなかった世界。
「つまり、自分は、女性にとって、恋の秘密を守れる男であったというわけなのでした。」
なんて一文にちょっとクラっときたりもしましたが。


太宰治の「人間失格」。
押切もえちゃんの愛読書でも知られるこの一冊、
嵐の櫻井翔君がラジオ朗読し、
今度は生田斗真君が映画主演するとか。
上の写真は、「デスノート」の作者である
小畑健氏が集英社文庫で表紙を手がけたもの。
そしたら若い層に売れまくったらしい。
角川文庫も松山ケンイチをモデル起用した特別カバーを出しているとか。

なぜ太宰が若者ウケするのか?
いや、ホントに若者ウケしているのかわからないけど、
メディアがこぞって若者ターゲットにしているのは明白。
その理由はなんなのか?

私、太宰治って、世の人々が言うほど暗い人じゃなかったと思う。
もちろん会ったことなんかないけど、案外ファンキーな人だったと思う。
「人間失格」とか「晩年」の重々しい部分ばっかりが取り上げられて、
本人もなんべんも死んだりしてるから、いつも悩んでるようなイメージあるけど、
実際の彼はきっと話したらお茶目で面白い人だ、と思う。
彼はユーモア小説もたくさん書いているけれど、
この人の書く苦悩の文章の中にでさえ、
こっそりと「笑わせたろ」というもくろみが見えるのだ。

現代の若者は、彼の持つ、
「一見奥深くてダークなんだけど、実は計算づくなかっちょよさ」
みたいなものを、感覚的にキャッチしているような気がする。

個人的には、トヨエツが演じた太宰治のドラマが
すごくおもしろくて好きでした。
寺島しのぶさんも超ハマリ役。
100歳まで生きてたら、太宰はどんな作品を産み落としたのかなあ。
それか、今の時代を若く生きてたら。
太宰治のブログとか、読んでみたかった気がします。


親心

2009-05-12 | people
少し前の話になりますが、
相方のお父さんから突然封書が送られてきて、
「整理していたら、栄光の数々が出てきましたのでお送りします!」
という手紙が入っていました。

相方といっしょに中を見たら、
相方が小学校のときの漢字の小テストとか、
出席日数がよかったで賞、みたいな賞状とか、
小学生のころの相方の写真が一枚入っていました。

栄光の数々って!
こんなもん今さら!

相方とげらげらげらげら笑ったあと、
私はひとりで、ほろっと泣いてしまいました。

ああ、そうだ、そうなんだ。

小テストの100点、がんばったね。
学校を休まないで、えらかったね。
いい子だ、いい子だ。
ウチの子はすごい。

お父さんもお母さんも、相方のことをそんなふうに
育ててきたんだ……と思ったら、胸がいっぱいに。

親ばか、ばんざい。
私もそうありたいと思います。


今年もこの季節が……

2009-05-08 | kid
一週間前、こうたろうの左足の膝小僧下あたりに、虫刺されのあとが。
「かいちゃダメだよ~ん」とあんなにあんなに、あんなに言ったのに、
やっぱりかいてしまったらしいこうたろう。
水ぶくれができてしまいました。

こうなると、母親がまず懸念するのが「とびひ」。
冬はインフルエンザや嘔吐下痢症に、夏はとびひや手足口病にドッキドキなのが
子育ての風物詩でございます。

水ぶくれときて出番なのが、幼な子のいるうちに必ずある(と思われる)リンデロン(塗り薬)。
うちだけかしら。もう、小児科でも皮膚科でも泌尿器科でもリンデロンが処方され、
もらうたびに「いや、これはもうウチにある……」と思うのですが、
なんせ今は全部タダなんで、何も言わずにいただいてしまいます。
そう簡単に1本使い切らないので、我が家には3本くらい未開封のチューブが。
で、今回も「虫刺されによる水ぶくれ→リンデロン」という図式が当然のようにあり、
せっせと朝晩塗っていたんですが、あららら、なんだかどんどん患部が拡大されてゆく……

水ぶくれはもうなくなったんだけど、赤くただれたような状態で、
皮がめくれながら広がっていくというか。
ぐしゅぐしゅはしてないんだけど、少しだけ盛り上がった感じ。
化膿しちゃったんだな~、でも、とびひは食い止めてるしよかったなと、
ゴールデンウィーク明けの昨日、最寄の皮膚科へ。

受診の結果、先生があっさりと言ったのが「とびひ」。
えええっ、だって飛んでないじゃん!!
「いや、これは完全なるとびひ」。
先生のさらなるダメ出しにより、とびひ確定。
飛んでなくとも「飛び火」とは、これいかに。

抗生物質と、リンデロンじゃない塗り薬が出ました。
薬剤師さんの話によると、
「最近の子供は、小児科などで抗生物質を飲む機会が多く、耐性菌ができて
同じ抗生物質では効かなくなっている。この薬(飲み薬も塗り薬も)は
今よく使われているものより前に出ていたもので、強い薬というわけではないけど
子供にとってあまり馴染みのない成分のため、よく効くのです」とのこと。

「本来、とびひはリンデロンで治ります。
だからリンデロンを塗られていたお母さんの処置は正しかったけれど、
今は違う薬を試してみた方がいい」そうです。なるほど。

昨日の夜から処方していますが、おやおや、いい感じです。
でももう、これで今年はこの戦いはおしまいにしようね。
なるべく虫に刺されないように、刺されてもかかないようにしようね。
虫刺され本番の夏はこれからです……。