太宰治生誕100年だそうで、あっちでもこっちでも太宰フェスティバル。
「生きてたら100歳」と思うと、
私とそんなに年離れてないんだな~なんて思う。
あら、意外と最近の人じゃん! というか。
この世に生息する時代がかぶっていてもおかしくなかったんだな、と。
さて、太宰治といえば「人間失格」。
ということになっている、らしい。
高校の夏休みの課題図書だったりしましたよね。
正直、10代の私にはよくわからなかった。
で、大人になって読み返して、
「うおおお、こんなもんを高校生に読ませて感想書けとは
なんと無謀な!!」と思ったものです。
え~っ、だって、センセーに提出するんでしょ?
ホントに思ったこと書いちゃっていいの?
それに、少なくともあの小説で起きてることって
酒にタバコに、淫売婦とか左翼思想とか、人妻との心中とか、
10代の私にはバーチャルでしかなかった世界。
「つまり、自分は、女性にとって、恋の秘密を守れる男であったというわけなのでした。」
なんて一文にちょっとクラっときたりもしましたが。
太宰治の「人間失格」。
押切もえちゃんの愛読書でも知られるこの一冊、
嵐の櫻井翔君がラジオ朗読し、
今度は生田斗真君が映画主演するとか。
上の写真は、「デスノート」の作者である
小畑健氏が集英社文庫で表紙を手がけたもの。
そしたら若い層に売れまくったらしい。
角川文庫も松山ケンイチをモデル起用した特別カバーを出しているとか。
なぜ太宰が若者ウケするのか?
いや、ホントに若者ウケしているのかわからないけど、
メディアがこぞって若者ターゲットにしているのは明白。
その理由はなんなのか?
私、太宰治って、世の人々が言うほど暗い人じゃなかったと思う。
もちろん会ったことなんかないけど、案外ファンキーな人だったと思う。
「人間失格」とか「晩年」の重々しい部分ばっかりが取り上げられて、
本人もなんべんも死んだりしてるから、いつも悩んでるようなイメージあるけど、
実際の彼はきっと話したらお茶目で面白い人だ、と思う。
彼はユーモア小説もたくさん書いているけれど、
この人の書く苦悩の文章の中にでさえ、
こっそりと「笑わせたろ」というもくろみが見えるのだ。
現代の若者は、彼の持つ、
「一見奥深くてダークなんだけど、実は計算づくなかっちょよさ」
みたいなものを、感覚的にキャッチしているような気がする。
個人的には、トヨエツが演じた太宰治のドラマが
すごくおもしろくて好きでした。
寺島しのぶさんも超ハマリ役。
100歳まで生きてたら、太宰はどんな作品を産み落としたのかなあ。
それか、今の時代を若く生きてたら。
太宰治のブログとか、読んでみたかった気がします。