みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

激励。

2009-04-28 | monologue
ありがたいことに元気は元気なんですが、どうも、4月に入ってから、ぼぼんとしています。人のせいにすんな。ホルモンのせいにすんな。春のせいにすんな。あまったれんな、私。


昨日、本屋で立ち読みしていたら、私の後ろの棚にいたサラリーマン(推定年齢27歳・関西なまり)の携帯が鳴りました。お友達からだった様子。

「え? なに? どうした? ちょっ、どうしたって~?? ……うん。うん。なんで? らしくないやん。……うん。そっか。……だいじょうぶやって! 俺も泣きそうなことあるよ。おまえならやれるって。今までだってがんばってきたやんか。だいじょうぶやから。がんばれ。」

その場から動けませんでした。
彼の励ましの言葉は、無関係な私のココロにも届いてしまいました。

メッセージというのは、発する側ではなく、受け取る側のモノなのだな、と実感。



これで安心……?

2009-04-27 | monologue
東京駅のエスカレーターの手すりに



「手すりにおつかまりください」という字が
延々とプリントされており。

黄色い丸の中には



抗菌!
ですよ。

これがエンドレスでぐるぐると、
上からも下からも流れてるわけですよ。

菌におびえる現代人。
いや、私もそのひとりなんですが。




きみの友より

2009-04-23 | people
子供が熱を出す。
子供が病院に通わなくてはいけなくなる。
子供が健康診断でひっかかる。

そういうことがあると、
母親の多くがこう思う。

「私のせい」

そんなことないよ、って
第三者なら心からそう思える。

でも当の母親は、やっぱり自分を責めてしまうよね。

私がもっと早くに気づいてあげられなかったから。
私がちゃんと健康管理できなかったから。
私が。私が。


母親は……
というか、少なくとも私は、
母性だけで育児しているわけじゃないと、このごろよく感じる。
子供に対する「愛情」だけではなくて、どこかに、
「義務感」が腰を下ろしている。
子供を元気に育てるのは私の役目だから、オシゴトだから、
きちんとまっとうしなくては、と、やっぱり思ってしまう。
だから、子供の不調を自分の「怠り」に感じてしまうのだ。

父親もいるんだから、ひとりで背負うことはない。
そう思う。正論だと思う。そうできたらいいと思う。
でも。
でも。……なんだよね。


だから、こうなったらもう、
「乗り越えよう」じゃなくて、「乗り切っちゃおう」。
走れ、走れ、ひたすら前を向いて走れ。


ファイト。
あなたの気持ちは、よくわかるよ。
ゴールまで、ずっと沿道で旗を振っているからね。


ヘビロテ。

2009-04-14 | monologue

この2年くらい、
ありえないくらいのヘビロテで聴いている
DEPAPEPEの「Let’Go!!!」。
大好きなアルバムです。

このCDの1曲目、
「Hi-D!!!」がかかると、一日にスイッチが入ります。
全体を通して、ギターだけのはずなのに
なんだか歌詞がついているような気持ちになるのは
なぜなんだろう?

繰り返し繰り返し聴いているのに
ぜんぜん飽きない。
明るくて優しくて楽しくて、
そんな友達がそばにいる感じがする。

こういうお気に入りって
なかなか見つけられないので、
私にとっては大切な一枚であります。


下を向いて歩こう。

2009-04-10 | kid
ちょっと前から、道を歩いているときに
「マンホールを踏んではいけない」という
こうたろうルールができた。

こうたろうが言うには、
マンホールを踏むと、海におっこちてしまうらしい。
そりゃたいへんだ。

なので、気をつけて歩く。
よくよく注意してみると、マンホールにも
いろいろな形と大きさがあっておもしろい。

こうたろうは、小さめのマンホールを「こどもホール」、
四角いマンホールを「しかホール」などと呼び、
私がちょっとでも踏もうものなら
「ああっ、お母さんっ、今しかホール踏んだ!」と
大騒ぎである。

そして、
「うわ~っ、あっぷ、あっぷ」と
私がおぼれるジェスチャーをすると、
こうたろうは「つかまって!」と助けてくれるのだ。

おかげで、ひとりで道を歩いているときも
マンホールをよけるようになってしまった。
そのたび、こうたろうのことをほろっと思い出す。
まるで恋人時代みたいで、なんだかわるくない。


おくりびと

2009-04-01 | movie

やっと観ました。
あんまりネタバレ見ないようにしてなるべく情報ナシで視聴。
※でもこの記事はネタバレ満載です。

もっくんはすっごくよかった、ホントによかった、広末涼子もかわいかったし、余貴美子さんもいろっぽかったし、銭湯のおかみさんも常連のおじさんも、杉本哲太もみんなよかった、よかった、と思うんだけど、あの映画でピカイチにいいのって、私、やっぱり山崎努だと思うのよ!!
あのぞんざいな感じ。それでいて、ものすごく信頼できる感じ。

全体の感想を先に言うと、すごく「見やすい映画」でした。
一度も退屈しなかったし、どのシーンもいろんな角度で楽しめました。なぜ見やすいのか? それは、テーマの重さに比べて、からり、さらりとしているからかも。
そして、山形の美しい日本風景やあったかい方言で、田舎の良さを見せつつも、ディティールはかなりハイセンスで都会的。もっくんと広末が住んでいる家(元は親がお店をやっていたところ)なんて、吉祥寺とかのバーでありそうなくらい。
このオシャレ感、さらっと感が、この映画の場合すごく成功していると思います。

通してびっくりだったのが、広末涼子演じる美香。
彼女はウェブデザイナーで(フリーなのかな?)、夫である大悟が「チェロのローンがあって……」と口ごもっているのを聞いて「100万円? それくらいなら、私がウェブデザイナーの仕事でなんとかするわよ!」と明るく即答。ひええ。言ってみたい、そんなこと。しかしそのローンが100万円ではなく1800万円と知り、さすがに眉をひそめますが、リストラに遭った大悟が「あ~あ、イナカ(山形)に帰ろうかなあ」などとぼやいているのを聞いて今度は「賛成。お義母さんの遺してくれた家なら家賃もいらないし」と享受。ええええっ、東京暮らしにも仕事にも未練はないの!? そして山形暮らしがスタートするわけですが、ここでも彼女、実にいきいきとお料理したりお花に水あげたり銭湯行ったりして、なんちゅうええ嫁や!(TロT) あんた、幸せもんだよ、大悟!

もうひとつ別の意味でびっくりだったのが、東京にいるとき、ご近所さんにいただいた蛸が生きていて「きゃ~、生きてるぅ~(>.<)どうしよう、大ちゃん!」って半べそだった美香が、山形で「お隣さんにいいただいたの~。今日つぶしたばっかりだからおいしいわよ~」と、にわとりを鍋の具に用意していたこと。あれ、トサカついてましたよね……生きてる蛸よりこっちのほうが「キャー」だと思うんだけどなぁ。山形暮らしで強くなったんだろうか?

あと、本木雅弘ってホントにかっこいいんだな、男前なんだな、って思いました。まだまだ好青年って感じで。
映画内、もっくんのヌードシーンが何度か。もっくんの裸って、昔からよく披露されていた気がするけど(「シコふんじゃった」とか。紅白でもたしかお尻出してた)肉体美!っていうんじゃなくて、きちんときれいに年を重ねてきてる体だなぁって。もちろん、年齢を考えるとすごく若々しいです。
大悟の仕事(納棺師)について知ってしまった美香が、ケンカ腰に「私は今まで何も文句言わなかったわよね。東京を離れ、仕事も辞め、あなたについてきたのは、あなたを好きだからよ」という内容のセリフがあるのですが、大悟をもっくんが演じていることによりそれもすごく説得力がありました。

チェロのメロディも、本当に素敵でした。久石譲さんって、いったいどういう人なんだろう……彼がこの世に残している功績って計り知れないものがあります。もっくんが奏でるのが、子供用の小さなチェロっていうのもまたじんわりくるものがありました。やっぱり、楽器のある人生っていいな。今まで100回くらいそう思って、そのたびギターを取り出してはみるのですが(笑)

顔にいっぱいキスマークをつけて旅立つおじいちゃん。
ここが一番好きだったな。
「あはははは!」なんて笑われながら、「パパ、ありがとう」って泣かれながら。
女たちの唇の跡は、たくさん愛された証。なんて美しくて幸せな死化粧だろうと思いました。

次はたぶん、あのヒーローものを観ます。
ぽちっとな。