みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

引越し

2006-03-27 | monologue
明日、事実上の引越しです。

入居が29日の朝イチ(8時)指定になってしまったので、
明日は荷物をトラックに積んで、私達はホテル(相方の職場)に一泊。
めんどうだな~と思ったけど、みんなでホテル泊まりなんてなかなかないから
まあこれはこれで楽しいかも。

引越しって大嫌いだけど、おかたづけが苦手な私には、モノを処分するいい機会でもある。
今回は、フリマをやっている余裕がなかったので、けっこうあっさり捨てた。
大量のベビー服は、近くの小学校で選別してアジアに送るというので喜んでお出ししたし、
しまいっぱなしになっていたメリーも保育園にもらってもらった。

そう、こうたろうがここに来たとき、まだぎりぎり「赤ちゃん」だったんだよな。
赤ちゃん会とか参加してたもんね。
今では考えられないけど、保育園の送迎も最初は抱っこホルダーだったのだ。
子供って、一年で本当に大きく変わる。
来年の今頃、こうたろうはいったいどんなやんちゃクソ坊主になっているんだろう?

あまりにもばたばたしていて、感傷にひたっている余裕もないんだけど、
センター南は本当に住みやすくてすてきなところでした。
ここに、また会いたい人たちがいることも、私にはうれしい事実。

次は新居から更新します。
では!


あなたたちのおかげです

2006-03-24 | people
最近、私にいい刺激をくれる友人たちとの接触が多い。
直接話したり一緒にご飯を食べたりすることもあるし、
会わなくても、メールでの対話でその機会がある。
私がそういう人に触れるのを求めているというのもあるだろうし、
きっと、そういう時期というか、星回りなんだと思う。

彼女たちはみんな、それぞれタイプは違っても、共通した3つの輝きを持っている。
ひとつめの要素は、願いごとがかないやすい人であること。
願いごとがかないやすい人というのは、超能力者でもなく、単に運のいい人でもなく、
ありていに言って「自分が何を欲しいのかをはっきりわかっている人」だ。
あたりまえのことに聞こえるかもしれないけど、ホントに自分がどうしたいのか
よくわかっていない人のほうが実は多いんじゃないかと思う。
たとえば、簡単な例を言うと、「何が食べたい?」と聞かれて
「あったかくておいしいもの」ではだめだ。漠然とそんな感じのものが食べたいというのは
わかるけど、それでは本当に満足のいくものは食べられないことが多い。
ここで「萬珍樓のフカヒレスープ」とか言うことができれば、
いかに高級であろうといかに遠くであろうと、かなう可能性が高くなる。
もし萬珍樓がかなわないとしても、他の店のフカヒレスープは食べられる、そういうものだし、
大きな夢や目標も、原理は同じだと思う。
それから、欲しいと思うものがあって、誰かに「これ欲しい人~」と言われたら
すかさず「はーい!」と手を挙げられる人の勝ち。もちろん、言われなくても、
自分で「これください」と言えることができれば、もう半分その人のものだ。
ただし、彼女たちは、欲しくないものにまで手は出さない。見栄とか嫉妬とかのせいで、
本当はいらないものなのに欲張って手にしてしまい、結果欲しいものがどこかへ行ってしまう、
という愚かなことにはならない。
それもとても大切なポイントだと思う。

もうひとつの要素は、タフであること。
病気をしないということではない。てきとうに病気とか怪我とかしてるんだけど、
心がくたばらない人たち。
がんがん新しいことにチャレンジしたり、もりもりと美味しいものを食べて、
いつも次のことを考えている。
今の時代、タフであることが一番カッコイイのだ。
少なくとも私はそう思う。

そして最後は、美人であること。
デザイン上の顔のつくりのことではなくて、自分で磨きをかけてちゃんと
「美人になった」人たち。
よく「美人で仕事ができて性格もいいなんてすごいねぇ」とか言われる美人さんが多いけど、
美人は仕事もできるし、いい人間関係も築ける。これは自然のなりゆき。

彼女たちは、私に説教をするわけではない。
私が勝手に影響されて、いろんなことが見えてきたり、進むべき方向がわかったりするのだ。
彼女たちのような人とつながっていられるうちは、私もまだまだがんばれる気がする。

ということで、私のまわりのすてきな友人たち。
いつもどうもありがとう。
これからもよろしくお願いします。

個人面談

2006-03-23 | kid
21日、新しい保育園の個人面談に行ってきた。
こうたろうの面談時間が午前9時半からで、相方がたまたま午後出勤だったので一緒に参加。
「園長先生にこんにちはって言おうね」と電車の中で話したら、
こうたろうは何度も「えんちょうせんせいに会う」などと言っていた。

園長先生は若々しくて素敵な女性。
年齢は聞いてないけど、40代前半くらいだと思う。
先月行われた入園説明会のときに初めてお会いして、
私は彼女をいっぺんで好きになってしまった。
雰囲気は落ち着いているのに動作はきびきびしているし、
お母さんたちからの答えにくいような質問にも、
穏やかだけれどはっきりと是非の判断を下す言葉選びがすばらしい。
入園説明会には私しか行かなかったので、今回、こうたろうを
会わせるのが楽しみだった。

が、こうたろう。園長先生に会うなり、なぜか
「えんちょう! えんちょう! えーんちょうっ!」
と指さして呼び捨て……。
な、なんで?? 誰も呼び捨てなんかしてないじゃんっ。

「園長先生、でしょう~っ」とたしなめると
「えんちょうせんせいーっ。こ・ん・に・ち・は!」とにっこり。
ほっ。

面談では、こうたろうの生活環境や、好きなもの、苦手なもの、
親の仕事のことなど話をした。
事前にこういう時間をとってもらえて、私も安心した部分が大きい。

こうたろうも新しい環境に慣れるまでは泣くだろうなあ~というのは
覚悟のうえなので、ぼちぼちやっていこうと思う。
大丈夫だよね、私もこうたろうも。
一緒にがんばろう!


読書記録2006-8

2006-03-22 | book
21「地下街の雨」宮部みゆき 充実度★☆☆☆☆
表題作を含む短編集。宮部みゆきさんは優れた作家だと思うけど、
この短編集はぜんぜん引き込まれなくて残念だった。
「地下街の雨」のラストでは「ええっ、そ、そんなオチ?」と逆の意味でびっくりしてしまったし、
他の作品はちょっと不気味で後味があまりよくなかった。
いたずら電話を追い払う話があるんだけど、SFというか、ホラーになるのかなあ、
ちょっとジャンルも苦手項目だったかも。
今後、違う作品も読んでみたいと思います。

22「村上ラヂオ」村上春樹 充実度★★★☆☆
好きな作家というのはたくさんいるけど、私の場合、
「小説は好きだけどエッセイはいまいち」「小説はともかくエッセイがおもしろい」という分かれ方をしていて、
「両方比較することなく好き」という作家はあまりいない。
村上春樹さんは、私にとって小説側のひと。
この本は、ananに連載された50編のエッセイをまとめたもの。
うーん、やっぱり彼はエッセイの人ではないのかもしれないなあ。
でも、ところどころ、ananの読者層(若い娘さん)をかなり意識してるな、と思う箇所があって、
長年のファンとしてはちょっとニヤリ、でした。

23「鬼平犯科帳(三)」池波正太郎 充実度☆☆☆☆☆
仕事で必要だったので読みました。
私は時代ものが嫌いなわけではないし、池波大先生にケチをつけるなんて
思い上がりもはなはだしいのはよく承知しているのだが、どうしても好きになれない小説。
(一)も(二)も仕事で読んだんだけど、どの話も、いい人がひどい境遇にいたり、
女性が性的につらい目にあったり、ばたばたと人が斬られていくのがどうしても苦しい。
もちろん、主人公の鬼平はそういう人たちを救うわけで、そのためにわざと
過酷な状況が描かれてるんだけど……。
でも鬼平も、泥棒にはなぜか甘いのだ。この(三)にも大物の泥棒が出てくるのだが、
鬼平は見逃すどころかおもしろがって加勢までしているのである。
私はスリも空き巣も本当に本当に許せないので、こんな警察も許せないです。


またまた……!

2006-03-20 | health
ふえええ~ん、また風邪をひいてしまったよー。
2週間くらい前から「あれっ、やばいかな」と思いつつ、
「いや、大丈夫!」と気合を入れてこまめに復活していたのだ。
「多少調子が悪くても、すぐ治るようになったなー、丈夫になったもんだ」と
喜んでいたのもつかのま、昨日の夜、ついに白旗。
寒いのは春の突風のせいで、腰が痛いのはこうたろうを抱っこしすぎたせいだと
思っていたら、熱のせいだったらしい。

で、こういうときにかぎって、仕事の期限がおしせまっていたりするわけですよ。
さらに、引越し業者とモメたりするわけですよ。
ついでに、明日は朝一で大事な用事(こうたろうの保育園の個人面談)があるわけですよ。
当然のことながら、ぜんぜん荷造りもはかどらないわけですよ。

多少の咳や鼻水なら無視して動くけど、熱となるとちょっと休戦せざるを得ない。
とりあえず仕事は納期に間に合わせるようがんばったので、
はちみつ大根を飲んで、今日中になんとかします……。

容量グラフ

2006-03-17 | work
最近一緒にお仕事させていただいた編集さんが、
夏過ぎに結婚して関西に引っ越すことになった。
婚約者の思いがけない転勤辞令で、やむなくそうなったらしい。
彼女は新卒からずっと出版社で働いてきて、30歳を目前にダーリンにもめぐりあえて、
ようやく今後の人生設計みたいなものができてきたころ。
これからもがんがん仕事するぞ!と思っていた矢先のことだったという。

私のようなフリーランスのライターにとって、相性の合う編集さんとのつながりは
とっても大きい。
彼女とは、今後もいいお仕事ができそうでうれしいな、と思っていたので、
正直ショックだった。でも、結婚はいい話。
「彼じゃないのかもという迷いはないけど、仕事のことを考えるとイタイです」と
言っていたけど、やりたいことを阻まれるような状況になっても「彼じゃないのかもという
迷いはない」と言えるのはすごいと思う。間違いなく彼だったんだね。

でも確かに、結婚によってこれまで積み上げてきたキャリアが一回白紙になるというのは
女性にとって本当に切実な問題だ。
もちろん、本人次第で、どこにいても輝くことはできるし、
何か新しいことをスタートさせるいい機会というとらえ方はできるけど、
実際に本人の立場になったらその悩みは深いと思う。
だからって最初から別居っていうわけにもいかないし。

結婚も仕事もなんて欲張りだ、と言う人もいるけど、そうだろうか?
私は欲しい。両方の幸せ。そう願うのが自然だと思う。

それまで自分の中で100だった仕事を50に減らして、残りの50を家庭にあてる、
というような考え方をするととてもしんどくなる。
仕事も家庭も合わせて100ととらえるんじゃなくて、仕事も100、家庭も100。
ついでに趣味も100、交友関係も100。
そう考えたほうが、全部うまくいくということに気が付いたのは最近。
つまり、自分の容量100の中に、仕事も家事も育児も押し込めて分量配分をするんじゃなくて、
それぞれの「世界」の容量100の中で量を調整するということ。
円グラフじゃなくて、帯グラフが何本も縦にある感じ。この帯は増えたり減ったりする。
そもそも、自分の容量って一定じゃない。体調とかその時の状況で、300な時も20な時も
あるんだから。
そういう自分をゆるしてあげたほうがいい、と、このごろ思う。

今の私は、仕事70、育児90、家事70、引っ越し80、交友関係70、趣味20ってところかな。
引っ越しがすむまで仕事はもう少しセーブするつもりだったけどかなわず、
でも今ここで会っておきたい人たちもたくさんいて、濃い毎日を過ごしている。
家が落ち着いたら、1週間くらい「街探索80」という帯グラフも作るつもりでいる。

なんだか話がそれちゃったけど、編集のKさん、ホントにおめでとう。
もうしばらく、東京でのお仕事おつきあいくださいね。


バナナ

2006-03-16 | television
Q.子供の好きな食べ物といえば?
さあ、あなたはなんと答えますか?

「クイズヘキサゴン」を久しぶりに見たら、
この手の質問をされたリーダーがなんと答えるかを回答者が考えるというコーナーがあって、
昨日はひろみちお兄さんがリーダーとなって上の質問をされていた。
私がまず浮かんだのが「バナナ」。
回答者は6人くらいいて、「ハンバーグ」とか「アイスクリーム」とか答えていた。

その中で、堀ちえみが「バナナ」と答えていた。
そーそー、そうだよね~と思ったのもつかのま、なぜか会場が爆笑。
司会の島田紳助なんて、
「バナナなんて、高級品だった昔とちがって、一番安い果物やで~!」
などと堀ちえみをコケにしている。
ちょっとムカ。

で、ひろみちお兄さんの答えはなんだったかというと、

バナナ

だったんである!!

いやー、うれしかったよ!
堀ちえみもひろみちお兄さんも、本当に子供のサイドにいる人なんだなあと実感した。
だいたい、5人も子供を産んで育てているプロフェッショナルの堀ちえみの意見を笑うとは、
島田紳助もどうかしている。
高級品か安物かなんて、子供にはぜんぜん関係ないんだから。
そういう基準でしかものを考えられない紳助のほうこそコケにされるべきだ。
値段が変わったって昔も今もバナナの本質は変わらないぞ。

ということで、この問題は堀ちえみだけ正解。
気持ちいいものを見ました。
ついでに、バナナの次に「納豆」をあげておきます。
私もびっくりしたけど、多くの子供はなぜか納豆が好きなのです。

思いがけない晩餐

2006-03-12 | people
金曜日、朝からお迎えの時間ぎりぎりまで、大忙しだった私。
体調も万全とはいえないし、雨降ってるし、あー、これからこうたろうを
抱えてスーパー寄ってゴハン作って……と考えたらげんなり。(o;TωT)o
まあ、相方もどうせ午前様だし、たまにはこうたろうと2人で外食もいいか。
センター南ライフもあと少しだし……と、そう決めたらちょっとワクワク。

そのワクワクは、さらにいいことにつながった。
久しぶりに保育園のお迎え時間が一緒になったゆうちゃんのママに
「今日はものすごく疲れちゃったから、外食することにした」と言ったら
「じゃあ、一緒に食べようかな~」とつきあってくれたのだー!
たまたまご主人が遅い日だったみたいで、ラッキー。

ゆうちゃんのママ、abeさんは、とにかくすごい人。
パワフルで、ガッツがあって、ゴージャスで、行動力がある。
何度か有名なメディアにも紹介されているくらい、時代の先端を行くような女性なのだ。
そしてなにより、(私にとってはココが重要)とってもおもしろいの。

子供たちも並んで座って、つつきあったりおもちゃを取り合ったり、
用もないのに2人してお店の人に「おねえさーん! おねえさーん!」と叫んだり、
おおはしゃぎ。こうたろうがまた、実にいい顔をするんだな。
親じゃ与えてやれないものを、ちゃんと子供同士で受け取りあっている。

その日は、同業者でもあるabeさんと、仕事のことやこれからの展望なども話せて
すごく楽しかった。彼女のバイタリティに触れて、
「そうだ、欲しいものは自分で取りにいかなくちゃ!」ってことを
はっきり思い出させてもらった感じ。ありがとう、abeさん。

今行っている保育園は、本当にママたちがみんなすてきだった。
わずか10人前後の小規模な保育室だったので、すごくアットホームで
子供同士も仲がよくて、私にまで「こうちゃんのママー!」と声をかけてくれたり、
スレてなくていい子たちばっかりだった。
こうたろうも私も、とても恵まれていたと思う。
こうたろうにとっては、長い一生のたった1年のことだけど、
今後の人生の土台を作ったともいえるくらい、濃くて大切な時間だった。

これからは同じ保育園仲間ではなくなってしまうけど、
それはすっごーくさびしいことだけど、でも会えたことがうれしい。
なにもアマゾンの僻地へ行ってしまうというわけではないので、
今後ともよろしくお願いします☆


夫婦のもんだい

2006-03-09 | people
相方はいつも帰りが遅い。
通常で、午前1時頃。当然、こうたろうは寝ている。
横浜に越してきてすぐのころは、こうたろうを寝かしつけてから私だけ起きていたので
ちょっとは話す時間もあったのだが、体調を崩し始めてからは私も一緒に寝てしまうことが
多くてまるきり会えない。
休みもなかなか合わないから、夫婦の会話といえば、朝のほんの数十分。

なので、晩ご飯は相方の分も作っておいて、勝手にあたためて食べてもらっている。
その日あったこととか、明日の予定なんかをちょっとメモした紙に、
晩ご飯の「おしながき」をつけておくのが我々の(というか私の)日課。

先日、私が仕事でくたくただったので、手抜きして鰻にした。
スーパーで売ってる、あっためればいいだけになってるやつ。
一応味噌汁はちゃんと作ることにしているので、それと、和風サラダにした。
キュウリとミョウガと大葉をそれぞれスライスして、ざっくりあえただけのもの。
私はこれに青じそドレッシングかポン酢をかけていただくのが好き。
自分では「和風サラダ」と言っているけど、サラダってほどのことでも
ないかなと思い、この日のメモにこう書いた。

  今日は忙しかったので手抜きでごめんねー。
   ・うなぎ(ラップしてあるのでレンジでチンしてください)
   ・味噌汁
   ・きゅうり、みょうが、大葉
                    以上です。おやすみー。

翌日の朝、相方に会ったらこんなことを言って笑っている。
「昨日さあ、びっくりしたよ。メモにきゅうりとかみょうがとかあったから、
スライスしてあるのかと思ったのにさあ」
「……?? スライスしてあったでしょ?」
「えっ?」
冷蔵庫を開けると、相方が買ってきたヨーグルトの徳用パックの後ろに
和風サラダの皿がかくれているではないか。
「あるじゃん!」
「えー、ホントだ」

なんでも相方、冷蔵庫の中にこの皿を見つけられず、まだ使っていない野菜に目をやり、
みょうが1本、大葉2枚をぬきとって、そのまま食べたというのだ。
みょうがをそのままぽりぽり食べながら、
「ミチコってワイルドだなあ」と思っていたとか……。

せっかく作ったサラダを無視されてしまったのも悲しかったが、
私がそんな奥さんだと思われたことのほうがショックだった。
いくら手抜きっていったって、そのまま食えなんて要求しないよ~。
(しかも、それに従う相方ってどうなのー??)

やっぱり、お互いをちゃんと理解するためにはもっと時間をとらないと。
それか、交換日記でも始めるか?


読書記録2006-7

2006-03-08 | book
20「田園のユーウツ」今野直子 充実度★★★☆☆

サンケイリビングの「田園都市リビング」に連載された同紙編集長のコラム集。
「なんてリッチでオシャレな田園都市。そこに潜むミセスの憂鬱とは!?」
という帯のキャッチコピーに、思わず手を伸ばさずにいられませんでした。
かく言う私も、今のところは田園都市リビングがポストに入るエリアのミセス。
中をちょっと読んでみると、「ミーハー心に動かされて、お金のないわが家には
身分不相応もいいところ」の物件を購入してしまい、そこで繰り広げられる
ミセスたちの姿を描く、というような感じだった。

彼女たちがいかに他力本願にリッチで(つまり夫の金で優雅な暮らしをしている)、
見栄っ張りで、これみよがしにおハイソな生活をしているか、というのを、
自称「庶民」で「貧乏」な編集長がおもしろおかしく書いている。
その斜めから見た視線は田園ミセスをちょっと小馬鹿にした感じで、
最初は面白かったのだがだんだん「ん?」と首をかしげたくなったり。

うちは彼女の言うところの田園エリアにかろうじて入るだろうけれど
コアではない、という地域なのだと思うが、彼女の描くマダムたちは
あまりにも偏っているというか、ちょっと大げさなんじゃない?という感が否めない。
同じマンションの人がいつもグッチやフェラガモの紙袋に生協の野菜を入れてくれるとか、
夕食に特上にぎりをとると翌日マンションで噂になるとか。
(しかも噂された今野さんはいい気分だったそうだ。)
少なくとも、うちの近所にこんな人たちはいないし、みんなもっとつましく暮らしている。
みなさん上品で気さくないい人たちばっかりですよ、ホント。
それは私の交友関係が特殊なグループなのかなあ?
それとも、ホントに田園都市中心部はこんなにタイヘンなことになっているのだろうか。
でも今野さん、田園都市に住みながら田園都市リビングに近所の人の暴露話を
ここまで書いてしまって大丈夫なんだろうかとそっちも心配になってしまった。
「これ、私のことじゃん!」ってすぐわかっちゃいそうなことばっかり。

まあそれは今野さんの勝手なのでどうでもいいんだけれど、
最後のほうまで読み進むにつれ、だんだん腹が立ってきたことが……。
この人、ぜんぜん「庶民」でも「貧乏」でもないのだ。
(リビング紙の編集長やってるって時点で私もそれに気がつくべきだったけど)
ファッションはVERYをお手本にし(当然、JJからのスライド)、ご主人は超お金持ちのお坊ちゃまで、
なんとなんと、家のローンまで親に援助してもらっているのだ!!
ローンを払うお金がないのも、夫婦して「お金をあるだけ使ってしまうから」らしい。
あげくのはてに、「ひととおりのものはそろっているし、それはブランドものだし……
今はほしいものがない」ですって! まあーっ!

そして彼女が決定的に「ユーウツ」なのはなんだったかというと、
夫との関係がうまくいってないことにつきるみたいだ。なんだそりゃ。
ラストのオチは、「パーフェクトな田園都市の唯一のコンプレックスは何かというと、
それはあの多摩川なのである」だそうです。
ホントは目黒とか世田谷で暮らしたかったのに、ってことらしい。
まったく、つきあいきれませんわ。┐('~`;)┌

私は、自称他称ともに庶民で、ぜんぜんお金持ちじゃないけど、田園都市が好きなのっ。
なんかホントにこういう「お金はいっぱいあるけど心が満たされていない」ミセスばっかりが
住んでるみたいな本、ほんとにやめてほしい。
そんなんじゃない人たち、いっぱいいるよ。
私は愛してるよ、田園都市。