みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

無知の知

2006-07-29 | monologue
ちょっとした出来心でMP3プレイヤーなるものに興味を持って、
相方につきあってもらって電器屋に行ってきた。

相方はテレビのコーナーに行き、
私はひとりでMP3プレイヤーを物色した。
買うかどうかは別として、どんなもんか。
そばにイケメンの店員がいたので、いろいろ質問してみた。

私 「あのー、これは、パソコンに曲を落としてから入れるんでしょうか」
店員「はい、そうですよ」
私 「難しいですか?」
店員「うーん、まあ一番簡単なのはipodですねえ」

自分でも無知だな~という自覚があったので、低姿勢になりながら
わかってはいたがそこで確認のためコレを聞いてみた。

私 「ipodって、マックじゃないとだめなんですか?」

そしたら、イケメン店員が

┐('~`;)┌ ハッ……

という反応をした。
いやもう、ホントに人が┐('~`;)┌こういう顔したの初めてみたよ、
悪かったよ、今さらそんなアホな質問で!!

で、結局その店員、あまりにも知識のない私に売る気もなくなったのか
それ以上とくに説明もしてくれず、私はとぼとぼと相方のところに戻った。

相方に「ipodが簡単とか言われたけど、ちょっと検討する」と言ったら、
相方がむじゃきにひとこと。

「ipodって、マックじゃないとだめなの?」

┐('~`;)┌ ハッ……!

読書記録2006-18

2006-07-20 | book
40「なんくるない」よしもとばなな 充実度★★★☆☆
20代のころ、日本全国の乙女たちと同じく私もよしもとさんにはかなり影響されたクチだが、
30代に突入してからは彼女がめざすベクトルとどんどん逆方向に行っている気がする。
たとえば、文中で
「私の苦手な、エントランスに革のソファがあるような、
オートロックも管理人も宅配便あずかりボックスもある、
似たようなインテリアの高級マンション」というくだりがあるのだが、
私は彼女が苦手だというそんな生活を求める。
うらさびれた商店街より大手スーパーで買い物したいし。
「お金なんてないほうがいい」なんてとても思えないし。
田舎がいい、お金なんて必要じゃない、というのは、
都会を味わいつくしてお金も持っている人のせりふだ!!と卑屈にさえなってしまう。
もちろんこういうことは主人公の言葉で書かれているけれど、まぎれもなく
よしもとさん自身の価値観。サイトの日記を読むとよくわかる。
まっとうな目を持てばどう考えてもよしもとさんのほうが断然正しいのだが、
今の私は迷いなくこっち側の幸せを選ぶ。もっと年とったらわかんないけど。
さて、本の内容について。
どれも沖縄をテーマにした短編集。
「感動!」とか「ドラマチック!」とかいうのではなく、ゆったり流れていく小説たちでした。
読み終わったらすっごく沖縄に行きたくなってしまった、どうしよう~。
表題作の「なんくるない」は、なんだかちょっと思い入れを感じるなあと思いながら
読んでいたら、あとがきでよしもとさんが「小説としてはうまく書けなくて失敗だったが、
これを読むと涙がとまらない」と書いていて、なるほどなと納得。
この本が出たころ、よしもとさんがNHKの「トップランナー」に出ていて
新作紹介をしていたのだが、そのときに表紙の絵を描いているイラストレーター
(タム君というらしい)をベタ褒めしていた。
あとがきでもかなりの入れ込みようだったが、私は正直、
「え、この小説にこのイラスト……」と思ったんですがどうでしょう。

41「海のふた」よしもとばなな 充実度★★★☆☆
もうこの先、よしもとばななの小説から海は切り離せないのだなーと悟りました。
お父様(吉本隆明氏)が海で溺れて死にそうになったりしたのに、それでも彼女が
そんなに愛さずにいられない海って。私は海(特に水中)が苦手なので不思議。
作品については、まったくもってよしもとワールド。
つらいことがいっぱいあっても、自分が大事にしたいことが何かをちゃんと知っている、
人が生きていくために必要なのはそういうことなんだな、と思った。
あまったるさがなくてさっぱりしているのは、恋愛小説じゃないからだろう。
内容はともかく、本のつくりについてちょっと言いたい。
表紙と中のイラスト(版画)は、沖縄の有名な版画家のもので、それはいいのだが、
文の途中でいきなり、多いところでは8ページにわたってイラストが挿入されているというのが
数箇所あって、読みにくかった。
しかも、話の区切りとかじゃなくて、会話文の言葉の途中で突然なのだ。
人が話しているのにいきなり部外者が出てきてワーワー叫んで帰っていくような不快感。
タム君同様、よしもとさんはこの絵についてもかなり気に入っていたようだが、
私はちょっと辟易。こっちは小説を読んでるんだよ、ジャマしないで~!


42「浜町河岸の生き神様」佐藤雅美 充実度★☆☆☆☆
仕事で読みました。
時代小説が好きな人の間ではこういうの人気なんだろうな。
事件の謎解きがあまりにもあっさりしていて、ちょっと拍子抜けしたが
ありがちな惨殺シーンとかなかったのがよかった。
文中に「ももんじ屋」というのが何度か出てきて、
「ももんじ」が猪のことであると知りました。
時代小説というのはこういう勉強になりますね。
ところで、今まで仕事で小説を読むという幸運に恵まれていたのだが、
このレギュラーがもうすぐなくなってしまうことに……残念。
担当のTさん、お世話になりました~!

お仕事アイテム

2006-07-19 | work
先週、久しぶりにきちんとした格好で取材に行くことになった。
普段、会社に行くときはほとんどTシャツにジーンズなので、
たまにこういうことがあると、ちょっとうれしい気持ちになってしまう。
タイトスカート、ジャケット、ブラウス、ストッキング。
おお~、わくわく。私は本当は、こういうのが好きなのだ、とあらためて思う。

こうなると、バッグもビジネス調のものを持つ必要が出てくる。
私が愛用しているのは、キャサリン・ハムネットの、
かちっとしたダークブラウンのショルダータイプ。
書類や本が余裕で入るし、ポケットも多くて気がきいている。
なのに、「でっかいバッグ」という印象はなく、スマートなのがすごくいい。

このバッグを持つと、すごく仕事モードになる。
背筋が勝手にしゃんと伸びて、ものおじせず取材先に入っていける。
私にとっては、かなり心強いお仕事アイテム。

女の人は特に、こういう小物が自分をサポートしてくれたりするんだよね。
ブランド物には疎い私だけど、靴やバッグや洋服の威力を時々肌で感じる。
だけど、こんなお気に入りになかなかめぐり合えないというのも事実で、
だからこそさらにこのバッグが大事になるのだ。


親の気持ち

2006-07-17 | kid
最近、子供がらみでどうしてもゆるせないことがあって、
被害にあったはずのこうたろうのほうが悪いような状況になって、
クレームをつけたり口論になったりするのが苦手な気弱な私なのだが、
「これは絶対おかしいし、やってはいけないことだと思う。
私たちと同じ立場の人にももうこういうことはしないでほしい」
ということをその人たちとその組織にひとりで話しに行った。

いろいろな人が出てきて、しまいには先方の責任者が謝罪しながら
泣き出すという結果になった。
(っつーか、泣きたいのはこっちなんですけど)
そこまで深く話し合って理解してもらえたと思ったので、納得して帰った。
これが、子供には関係なくて、自分自身だけのことだったら、
「頭にくる~!」とか身内に言いながら悶々として終わっていたかもしれない。

子育てしてるうちは、きっとこれからこんなことが何度もあるんだろうなと思う。
そして、自分が今まで、いかにこういう揉め事を避けて通ってきたのか
思い知らされた気がする。
傷つかないように、傷つけないように、事を荒立てないように。

まあそれでも、不本意ながら傷ついたり傷つけたり事が荒立ったりしてしまうことも
あったわけで、そのつど、「ああいやだなあ、めんどうくさい」と思っていた。

この一件で、何かが剥がれ落ちた感じがする。
いいよ、無責任なやつらにどう思われたって。
たとえ「うるさい母親」とか陰口たたかれて要注意人物になったって。
こうたろうを守れないことのほうが100倍つらい。
あいつらがなんて言おうと、こうたろうは間違ってない。
正しいことしたんだよ。私がちゃんとわかってるから、大丈夫。

今頃になってホントに遅いと思うんだけど、
「これが親の気持ちってやつか!」とやっと実感したような。
中学時代、担任の先生にぬれぎぬを着せられたとき、
母親が先生の言うことをまったく信じないで笑い飛ばしてくれたことを思い出して、
ちょっと涙が出たりするのでありました。


読書記録2006-17

2006-07-10 | book
38「博士の愛した数式」小川洋子(再読。初読は2006-02)
仕事でまた読むことになって、そういう時は読書記録にカウントしなかったんだけど、
今回は文庫版で「解説」がすばらしかったのでここに加えておく。
書き手は数学者の藤原正彦さん。
小説もものすごくいいのに、解説がまたいい。なんてパーフェクトな本なんだ!
この小説ができるまでの経緯が書かれていて、興味深い。
小川洋子さんが、突然、「数学者をテーマにした小説を書きたいので
取材させてほしい」と面識もない藤原さんに願い出たのだとか。
なるほど、この作品はこんなふうに作られて、作者はこんな人なのだな、というのが
わかっておもしろかった。解説はこうでなくちゃ!
それにしても藤原さん、文章めちゃくちゃうまい。
数学もできて文章も書けるなんて。
本編のほうも、やっぱりよかった。一度目に読んだときは数学の話ばかりに
目がいってしまったけど、再読したら博士の「病気」に関心が向いた。
80分しか記憶がもたない、というのは実在する病なのだろうか。
小川さんはこれもまた、医学博士とかに取材したのだろうか。
藤原さんと小川さんは、その後共著で「世にも美しい数学入門」という
本を出しています。

39「それでも小説家になりたい!」丸山あかね 充実度★★★☆☆
今、丸山あかねさんの違う本を読んでいて、どんな人なのかなと思っていたら
これを見つけた。で、併読。
性をテーマにしたよくいるタイプのライターといってしまえばそうなんだけど、
この人のバイタリティというか、アクの強さはすごい。
なにがすごいかって、内面的露出度である。
以前、かの見城さん(幻冬舎の社長)が「文章で大事なのは内臓と内臓のこすれあい」
みたいなことを言っていたんだけど、その意味がよーくわかった。
丸山さんはもろ、「内臓丸出し、ここまで見せます!」って文章を書く人なのだ。
簡単にいうと、とても正直な人。本音の人なのである。
「ひえーっ、こんなことまで書いちゃうか?」ってことが連なっているんだけど、
「こんなことを書いたら人に嫌われてしまうのではないか、
誰かを怒らせてしまうのではないか」とびくびくしながら書いてるようなライターは
一生無名のままいいように使われて終わるんだな……ということを
考えさせられたりもした。
もちろん、有名になることを望んでいるライターばかりではないし、
個性がなくてもクライアントが喜ぶ原稿をきちんと仕上げるのはじゅうぶん有能といえる。
でも丸山さんの場合、「なにがなんでも小説家になりたい!」と切望している人なので、
やっぱりそれじゃあだめなのだ。
文中で、「有名になりさえすれば、タレントでも小説が出せる時代」と
書いているが、彼女はルポやインタビュー本など何冊か出版していて、
今はそこそこ「有名」になりつつあるのに、これといった小説を出していない。
ライターの仕事がたくさんくるようになって忙しくなってしまったからなのか、
小説というジャンルでは出版社が受け入れてくれないのか。
よくわかんないけど、もしかしたら丸山さんは、小説家としてより
ライターとしての才能のほうが勝っているのかも。
でも、彼女はそのパワーでもって、いつか小説を世に出すだろう。
正直、身近にこんな人がいたら、私はかなり苦手なタイプだと思うんだけど、
なぜか嫌悪感はわかなかった。それは、彼女の努力がホンモノであるのが
よくわかったし、「書くことが好きで好きで好きなんだ」ということが
伝わってきたからだと思う。

夜行性

2006-07-08 | monologue
火曜日の朝、こうたろうが突然発熱……
先月から保育園で園児が順番に風邪で休んでいて、
こうたろうにはバトンがこないなあ~と思っていたのだが、
やっぱりもれずにまわってきました。

いつもなら2日も休めばけっこう回復するんだけど、
今回は長かったー!
今週は私も仕事を休み、在宅仕事は半徹……
深夜の空気を久しぶりに吸った。

でもつくづく、深夜ってホントにいろんなことがはかどる!
今はもう、早寝早起きがあたりまえになってしまって、
お肌の調子も良かったりして、コレがまっとうな人間のサイクルだ!と
思っていたのだが、やっぱり夜の世界って魅惑的。
頭が冴えるし、だるさもないし、やっぱり私は夜行性なのかなあと
思ったり。
結婚して数年、相方の仕事が完全に夜型だったので、出産するまでは
朝4時くらいに寝て11時ごろに起きるという生活をしていたのだが、
あの時代は1日でいろんなことができた気がする。
なんだか恋しいけど、またいつかそんな生活がかなう日がくるかも。
こうたろうが大きくなるまでは、おてんとう様の下で働くことにしよう。



読書記録2006-16

2006-07-03 | book
36「ニート」絲山秋子  充実度★★★☆☆
残念! ホントに残念。
ニートをテーマにした長編小説だと思い込んで、最初の1ページを立ち読みしたら
「おおっ、これはおもしろい!」と思ったので買ってしまった。
そしたら、短編集だった。
まあそれくらいのことはぜんぜん残念じゃないし、
5編あるうちの4編はじゅうぶん堪能できたのだが、
問題は、最後の5編めの「愛なんかいらねー」。
カマトトぶるわけじゃないけど、グロすぎてとても直視できなかった。
エロを通り越してもはや犯罪に近い。
きつくて途中から読んでいられなくなって、数ページ飛ばしました。
最初からそういう体勢で挑めば大丈夫だったのかもしれないけど、
表題作「ニート」の持つ透明感や、他の作品に見られる渇いた美しさ、
さびしさのあとに、なんでコレ!? 
これがブンガクだ、と言われれば否めない。文章、すごく洗練されてるし。
変態ながらも、言ってることの筋は通ってるし。
でも、この5編目のせいで持ってるのもイヤ。ブックオフ行き決定。
久しぶりに五ツ星かと思ったんだけどなあ……。

37「江原啓之のスピリチュアル子育て」江原啓之 充実度★★★☆☆
2人の子供を持つ友人が、「目次を見ただけで泣けた」というので
読んでみました。私は目次だけでは泣けませんでしたが。
私の場合、もう少し子供が大きくなってからのほうが実用的かも。
ただ、「添い寝の大切さ」というのが説かれていて、それを読んでから
こうたろうと一緒に寝るのがますます楽しくなった。
もともと添い寝好きで、産院でもベビーベッドからおろして
自分のベッドで一緒に寝たりしてたんだけど。
添い寝は、眠っている間に「愛の電池」が充電されて、親子の絆が深まるそう。
男の子なんて、あと数年もすれば母親と一緒になんて寝なくなるもんね。
これを書いていて気がついたのだが、この本には付録が2つついていて、
その後に「あとがき」がある。今それを読んで、泣いてしまいました~(;_;)
江原さんの、お母様に対する愛情がひしひし伝わってきて。
子育て本って、実は、自分が子供だった時代を思い出させてくれる本でもあるんだよね。