みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

手足口病の巻

2007-06-30 | kid
昨日の3時半ごろ、会社に保育園から電話が。
ビビりながら出ると、
「こうちゃん、手の平と口の中に発疹ができています。
お熱は、お昼寝前は36度9分、今は37度1分です」
えっ、朝はなんともなかったのに!
……でも、呼び出されるには熱が低めのような?

「お迎えに来てくださいってことじゃないんです。
でも、口の中が痛くてお昼ご飯も半分も食べられない状態だったので、
今日の夕食は本人もつらいんじゃないかと思って。
断定はできないんですが、症状からして手足口病だと思います

て、てあしくちびょう?? (°д°;;)
ぜんぜん頭になかったオソロシゲな病名。
前日に耳鼻科検診で、待合室が小児科と同じだから
そこでもらってきちゃったのかな……と思ったのだが、
「少し前に、他のクラスでも手足口病の子が出た」とのこと。
潜伏期間が数日あるので、それを考えると感染ルートは保育園らしい。

急ぎの仕事があったのですぐには出られないし、
会社から保育園まで1時間半みなくてはいけない。
来週出社できないかもしれないことを考えると、
その場合の対処も今のうちしておく必要がある。
どちらにしても保育園に着くのは7時くらいになってしまいそうだから、
一応夕食もお願いした。(保育園の夕食は6時すぎ)

で、仕事の合間に「手足口病」をネット検索。
ネーミングにインパクトがあるわりにはあまり怖い病気ではなさそうで、
夏風邪の一種らしい。いろいろありますな。

お迎えに行ったら思いのほか元気なこうたろうの姿が。
口の中をのぞくと、上唇と舌と歯茎にそれぞれ一箇所ずつ口内炎ができている。
普通に遊んでいるんだけど、何かの加減で口内炎が痛くなると
い、いいいいいたああ~~~~~い!!(>。<)
と悶絶している。
体は基本的に元気なので食欲はあるものの、ご飯は食べられなくて、
保育園の夕食も味噌汁だけ飲んだそうだ。
家では卵豆腐やコーンポタージュなど与えてなんとかしのぐ。

そうそう、口内炎のつらさはよくわかるよ……。┐('~`;)┌
息子よ、キミも人生の痛みをまたひとつ知ってしまったか。がんばれ。

今朝はもう平熱。口が痛い以外はいたって問題なし。
小児科にも行ってきたが薬も必要ないといわれ、
保育園に確認したら手足口病は熱がなければ登園もOKなんだとか。
うーん、ありがたい話だけど、一応伝染病だしなあ……複雑。

ところで、この病気、おしりにも発疹ができるのだ。
なのに、なんで「手足口尻病」とは言わないんだろう?
まあどうでもいいけど。

夫婦の肖像

2007-06-26 | book
安野モヨコさんの「監督不行届」を読んで、その夫婦愛にいたく打たれている。

安野モヨコさんといえば、
恋愛漫画の最高傑作(私基準)「ハッピーマニア」の著者。
そしてご主人は、「新世紀エヴァンゲリオン」を監督した庵野秀明氏である。
この本はモヨコさんの漫画で構成されているんだけど、
全体的にギャグタッチ。どこも美化されていない、はずなのだが、
なんだかすごーーーく崇高なものを見せてもらったような気がした。

5日間くらい平気でお風呂に入らなかったり(当然着替えない!)
お菓子ばっかり食べてたり、ついていけないくらいオタクだったり、
夫である「カントクくん」を褒めている要素はどこにもなさそうなのに、
モヨコさんが深い愛情をもって彼を見ているのが伝わってくる。

そして巻末に掲載されていた庵野監督の寄稿文には、
モヨコさんがいかに優れた漫画家であるかが
えんえんと書かれているではないか。
しまいには「自分の持てる仕事以外の時間は全て嫁さんに費やしたい。
そのために結婚もしたし、全力で守りたいですね。この先もずっとです」

と結ばれているではないか。
すごい。わたしゃ完全にノックアウトされました。

そういえば、このあいだ、テレビでユーミンと松任谷正隆氏の仕事風景を見ていて、
なんだかこのふたりは、父親と娘みたいだな、と思った。
ユーミンにダメ出ししたり見守ったり、単独インタビューでは
「あのライブはすごくよく出来たと思う」と陰褒め。ものすごい包容力を感じた。
ユーミンも、音楽界では女王様と謳われあがめられているけれど、
本人はいたって高飛車でなく、少女みたいに可愛らしい。
あれはやっぱり、正隆氏に愛されているからなんだろうなあ。

最近私がつくづく思うのは、夫婦の関係というか相性って、
 ・2人きりでいて、ずっとしゃべっていられる 
 ・2人きりでいて、ずっと黙っていても平気
この2つのポイントを両方クリアしていれば、
多少のすったもんだがあってもだいたい大丈夫である、ということ。
「ずっとしゃべっていられる」ネタも、
マニアックなほど、くだらないほど(他人から見て)よろしい。
あとは、これはよく言われていることだけれど、
ひとつでいいからお互いにリスペクトできる要素があること。
夫婦という他人って、そういうことでつながっているんだろうなと思う。


しまじろうというプロジェクト

2007-06-19 | monologue
土曜日、banaちゃん親子としまじろうのファミリーシアターに行ってきた。
チケットとってくれたbanaちゃん、ありがとう!!

これは物語仕立てになっていて、しまじろうと仲間達(着ぐるみ)が
ステージで歌ったり踊ったりするもの。
絵本やDVDでしか見ることのなかったしまちゃんがナマで動いてる!
こうたろうもかなりコーフンしている様子。
こうなると、親は忙しい。
舞台も見なくちゃいけないし、それを見ている子供の表情も見たい。
私も、ステージ→こうたろう→ステージ→こうたろう
と自分の顔を往復させながら堪能させていただきました。

それにしても、つくづく、しまじろうってよくできたキャラクターだなあと思う。
なぜトラだったのだろう。
なぜ「とらじろう」ではなく「しまじろう」だったのだろう。
なぜ絵本のしまちゃんはだいたい上下分かれた服装なのに
ここというところ(人形とか着ぐるみとか)ではいつもオーバーオールなのだろう。
どういうリサーチにより、どういう心理研究で、このキャラは生まれたのか。
ものすごい緻密な計算で作り上げられている気がする。
しまじろうにはいろいろな仲間がいて、それぞれかわいいけれど、
私が見ていても、やっぱりしまちゃんが一番いい。
でも、自分でもその理由がわからない。
そこにもまた、キャラ作りのすごさを感じてしまう。
お金を出すのは親なので、大人も惹き付けなければだめなのだ。

しまちゃんは、決して品行方正なおりこうちゃんではない。
かといって、いつも何かをたくらんでいるいたずらっ子でもない。
ホントにいたって普通の、明るくてかわいい男の子だ。
言ってみれば特に個性的ではないけれど、
だから投影もしやすくて、そこに子供たちは自分やお友達を見るのだろうし、
作り手側はさまざまなシーンやドラマを生み出すことができるのだろう。
そしてしまちゃんは、前向きで思いやりがあるので、
いろいろなトラブルもきちんとクリアされていく。それがいい。

たとえば、今回のファミリーシアターでも、
お友達の大事な太鼓を見ていたら、自分もやってみたくなって、
「返して!」と言われているのに調子にのってやり続け、
うっかり太鼓を壊してしまうしまじろう。
「しまちゃんなんてキライ!」と言われたり、
「ごめんね」って言葉が届かなかったり……。
でもしまちゃんは、傷つけてしまった友達のために、
こわい場所へも果敢に挑んだりするんだな。
日々営んでいる子供なりの「社会生活」にすごく近くて、
その後の展開も巧妙に仕上がっている。
子供向けながら、私もシンプルに感動した。

ちなみにこのチケット、一人1500円。
banaちゃんが「これ2000円だったら高いと思うけど、1500円なら
いいなって思うよね」と、そのお手頃価格を喜んでいたのだが、
ステージが終わって会場から出たところで、絵本やグッズが売られていた。
うーん、こうなると買わずにいられないではないか。
で、今回の物語がまとめられている絵本(CDつき)2000円を購入。
本当はハッピージャムジャム(アニメのエンディングソングらしい。
アンコールですごく盛り上がって楽しかった)のDVDが欲しかったんだけど、
DVDとマイクとポンポンのセットしか売っていない。
それが3300円。ちゃっちいマイクとポンポンなんかいらなかったので
「DVDだけ別売りしてもらえませんか」と聞いてみたのだがNG。
(あたりまえです)
もしこれを買ってしまったら、
チケット(1500円×2)+2000円+3300円……きゃ~!!
でもあの場にいたら血迷って買っちゃうこともあるだろうなあ。
やっぱりよく出来てますね、ベネッセさん。





声。

2007-06-15 | monologue
水曜日の夕方、戸塚駅の前でミュージシャンが歌っていた。
小柄で、色白で、やさしい雰囲気の男の子。
ギターを弾きながらマイクを使っていた。
セミプロなのかな。オリジナルCDが売られていて、
スタッフっぽい女の子からライブ情報のチラシももらった。
好きな感じの声だな、と、時間のゆるすかぎり聴いてみる。

水曜夕方の路上ライブは恒例になっているようで、固定客がついているらしい。
オリジナル曲が終わったあと、
「いつものアドリブコーナーです。お題をいただければ、即興で歌を作ります」。
最前列にいた女の子が、「窓!」とリクエストした。

窓。
あなたなら、まず、どんな情景を浮かべますか?

彼は、ぽろろ~んと静かにギターを弾き下したあと、
「まーどを~ 拭いてー」
と歌い出した。

このセンス、私、ツボかも。
「窓」ときて、「開ける」でも「外を見る」でも「カーテンが揺れる」でもなく、
「拭く」がくるとは。
若い男の子が窓を拭くってあんまりイメージないけど、
彼が自分の暮らしているワンルーム(私の妄想)の窓を拭いてる姿が思われて
なかなか情緒的だった。そのとき彼はちょっと落ち込み気味なんだろう、とか。
内容としては、「窓を拭いてきれいにすると、心の曇りもとれるから、
元気にがんばろう」みたいなこと。
もちろん、もっとポエトリーな歌詞だった。忘れちゃったのが残念。

声といえば、いつも行くスーパーのレジ係に、
ものすごくいい声をしている男の子がいる。
バイトの学生なのか、だいたい入ってるのは夕方から夜。
その美声に、私より先に気がついたのはbanaちゃんで、
「すっごく声のすてきな子がいる」と言っていた。
で、翌日、私はすぐにそれが誰のことかわかった。
その男の子、T君(名札してるので覚えた)も、小柄で色白。
ちょっと声のトーンが高くて、はっきりしているんだけどやわらかい。
あの声で、電話でデイトに誘われたら、断れる女はいないと思う。
彼の声に魅了されたのは私たちだけではないようで、
最近では、T君のレジには女性客の長い列ができる。
相方もそう言っていたので本当です。

話は変わるけど、昨日、こうたろうの耳鼻科だった。
せっかく快方に向かっていたのに、このあいだ風邪を引いたせいで
左側の水がまた増えてしまったらしい……。
それでも右側の水はもうなくなっていて、良くはなってきているから、
あんまり気落ちしないように、と言われた。
うーん、本当に長丁場だな。冬が来るのこわいな。
こうたろうはイヤがりながらも、先生に向かって
「今日は泣かないよ!」と宣言していた。そして泣かなかった。
えらいぞ。
あ、こうたろうも小柄で色白だ……。将来有望かも?

期間限定

2007-06-13 | kid
保育園に行くときなど、時々、こうたろうを自転車の前かごに乗せている。
このあいだ、目の前の小さな後頭部を見ながら、
「こうたろうはずっとこうたろうとして生きていくけど、
このサイズのこうたろうは今だけなんだな……。
そう遠くない未来に、こんな狭いスペースに入れたなんて
想像もつかないくらい大きくなって、
『あんたを自転車の前かごに乗っけて保育園に行ってたんだよ』って
まるでおとぎ話をするように笑う日が来るんだな……」
と思ったら、急にさみしい気持ちになってしまった。

前かごの何がいいって、子供の様子がわかるのと、
乗りながらでも話しやすくて、引いて歩くとお互いの顔の位置が近くなること。
手をつないで歩くよりも抱っこよりもいい距離で、
歌ったりおしゃべりしたり、というのが楽しい。
でもそれも、あとわずか。
こうたろうは体重が軽いからまだ前かごだけど、
同級生はみんな、もうとっくに後ろのシートに乗っている。
このちびっちゃいこうたろうに会えるのって、
本当に本当に、期間限定なんだな。

……という話を相方にしたら、彼もしみじみ、
「出店のひよこみたいにね……」と遠い目をしていた。
なんちゅうたとえ……でも言い得て妙。
そのうちトサカが生えてきて、クチバシも爪も鋭くなって。
でかい声で叫んだり、険しい目つきになったりして。
はー。

そんなことを考えていたら、マンションのエレベーターで
小学生の男の子と乗り合わせた。
「こんにちは」と声をかけたら、てれくさそうに「こんにちは」と返してきた。
ううむ。
ひよこ時代は過ぎているけど、小学生の男の子もそれはそれでかわいいなあ。

しんみりすることはないや、と思い直した。
ひょいと持ち上げられる今の育児を、しっかり味わおう。


バンビ~ノ!

2007-06-08 | television
今、楽しみに観ているドラマは「バンビ〜ノ!」。
福岡から東京に出てきた料理人志望の青年が、
一流イタリアンレストランでさまざまな経験をしていく成長物語。

あれを見ていると、主人公のバンビ君は恵まれているな、とつくづく思う。
若いうちから自分のやりたいことがはっきりわかっていて、
その夢を抱きながら、尊敬できる上司や先輩に囲まれて働けるなんて
本当に幸せなことだ。
でも渦中にいるとそれがよくわかんなくて、自分の無力さに落ち込んだり、
イヤなこと言われて「コンチクショー!」とか思ったりするんだよな。
彼はジタバタしながらキラキラしたものを振りまいているんだけど、
その輝きを本人は全然気が付いてなくて、オトナたちが憧憬の目でそれを
やさしく見守っている。かつての自分を思い出しながら。
もはや私も、バンビ君に自己投影することはなく、
完全にオトナ目線で彼を見ている。
でもだからといって、お店が終わったあとにいつもバーでゆっくり
オトナの時間を愉しんでいるヘッド3人の中に自分が入れるかというと、
私はそこには到達できなかったなと実感して、
そのことをちょっと寂しく思ったりもするんだな。

私はさっぱりした顔が好きなので、濃い系の松本潤君は
どちらかというと苦手だったけど、
このバンビ君はすごくハマっていていいね。
(「君はペット」の松潤も相当よかった……あれ? 私、好きなのかな??)
バンビ君の濃さに輪をかけて濃いのが与那嶺(北村一輝)さん……。
あのウインクにはやられっぱなしですわ。すてき。
私は、彼が「バシっ☆」とウインクするたび、
クラクラきて一回ずつ倒れているだが、
前回はバンビ君もまねしてウインクしちゃったりして。ファンサービスですな。
バンビ君、与那嶺さんときて、追い打ちをかけるようにシェフ(市村正親)も濃い〜!!
これでもか! 濃厚3連発! おお、イタリアン!
それにしても、シェフって厨房で見かけないんだけど何やってるの?
いつも事務室で娘(内田有紀)としゃべってる気が……。

このドラマ、あと3回で終わっちゃうんだよね。
まだホールから厨房に戻れてないんだけど、どうなるのかな。
「○年後……」とかいう最終回だったらやだな。
んで、彼女とよりが戻って、福岡でレストラン開いてる、ってオチだったら
がっくりだな。なんなら「ナースのお仕事」みたいにどんどん続編作ってほしい。



無事の尊さ

2007-06-04 | monologue
出勤中の東海道線が新橋に着く少し手前で停止した。
「新橋で電車が止まっているため、しばらくお待ち下さい」というアナウンス。
数分停車していたけどすぐ動き出したので遅刻はしなかった。

会社に着いて、ヤフーのページを開いたら、ニュースのところに
<オーバーラン>新橋駅で260m…緊急停止 横須賀線電車
という見出しが。以下抜粋。

6月4日12時27分配信  毎日新聞

 4日午前9時半ごろ、東京都港区新橋のJR新橋駅で、
横須賀線の大船発千葉行き普通電車(15両編成)が、
約260メートルオーバーランした。電車は、車掌が非常ブレーキを
かけるなどして緊急停止。バックしてホームに戻り、乗客の乗降を行い、
約7分遅れで駅を出た。けが人はなかった。
 JR東日本によると、男性運転士(28)は「一時的にぼーっとしていた」と
話しているという。後続の上り1本も遅れ、約2500人に影響が出た。


コレだったのかー。
戸塚駅から東京駅まで、私は東海道線を使うことが多いけど、
横須賀線も同じ経路を通っているので場合によっては利用しなくもない。
タイミング次第では、この電車に乗っていてもおかしくなかった。

今回のケースは、けが人もなくすんだからたいした話題にもならなかったけど、
「一時的にぼーっとしていた」という運転士のコメントにちょっとゾっとした。
福知山線の事故みたいに、運転士が「あせってしまった」というのもこわいけど、
「ぼーっとしていた」っていうのも相当こわい。

乗客は、ただ目的地に着くと信じて電車という箱の中に入る。
でもこういうことがあると、私たちを運んでいるのは車体そのものではなく
すべて人間のやってることで、間違いが絶対起こらないというわけではないのだと
実感させられる。
一日無事で生きていられるというのは、本当に、それだけで奇跡なんだなと思う。

ところで、毎日新聞は「2500人に影響が出た」と書いているけど、
時事通信は「1250人」になっていた。
こういう人数ってどうやって割り出してるのかなあ。
まあ、どうでもいいといえばいいんですが。


福の神?

2007-06-02 | kid
ちょっと不思議なことがあった。

家でこうたろうがおもちゃ箱をひっくり返して遊んでいた。
私は少し離れたところで通販カタログをめくっていた。
夕食後のそんなひととき。

「今、かわいい赤ちゃんがトコトコ歩いてたよ!」
と、こうたろうが言う。
テレビに赤ちゃんが出てたのかな、と思い、
「そう~」と受け流そうとしたのだが、なんだかちょっと違う。
どうも、「ここにいた」という口ぶり。テレビに赤ちゃん出てないし。
こうたろうのところへ行って「どんな赤ちゃんだったの?」と聞くと、
「ちいーーっちゃい赤ちゃん」と言う。
「何着てた?」
「なんにも着てないよ。はだかんぼだった」

うちは、本来縦で使うはずのカラーボックスを横にして、
そこに箱を入れておもちゃコーナーにしている。
そうするとビスをさす直径2ミリくらいの穴が下になるのだが、
こうたろうはその穴を指さしてこう言った。
「この穴に入っていっちゃったよ」
私も必死で中をのぞいたが、なんにも見えない。

「妖精を見たことがある」という人が時々いるけど、
本当にいるんだな、と、なぜか私も素直に受け入れてしまった。
映画「フェアリーテール」も美輪明宏さんが「あれは実話よ」と言っていたし。
私には見えないけど、このおもちゃ箱のあたりに住んでるのかな、と思うだけで
なんだかとってもうれしい気持ちになった。

こうたろうは、虫とかすごくイヤがるのに、こういうのは怖くないんだなあ。
小さい子どもを持つお母さんたちは経験のある人も多いと思うけど、
こうたろうは、まだちゃんと言葉を話す前から
誰もいないビルのすみっこに向かって手を振っていたり、
天井を見上げて「ちょうちょ」と言いながら目で追ったりすることがあった。
でもこの赤ちゃんの話は、今までで一番具体的でリアル。
こんなときは、あんまりしつこく聞いてはいけないと江原さんが言っていたので
「また赤ちゃんいたら教えてね」と軽くおしまいにする。

その日は、うれしいことがもうひとつあった。
こうたろうの中耳炎診察のため、耳鼻科に行ったら、
右耳を見たお医者さんが「ん?」と言う。
まさか悪化してる……?と身構えていると、
「右側はもうお水ないですね」と言うではないか!
最初に中耳炎だと診断されたとき、症例写真を見ながら
「この写真よりひどい状態。完治には時間がかかる」と言われたのに。
左はまだ少し残っているし、再発しやすいので風邪には注意、とのことだったけど、
「1年は覚悟」と言われていたので、うれしいやら拍子抜けするやら。

実はこれも、ちょっと不思議な話があって、
少し前、こうたろうが突然、
「banaちゃん(仲良しはーちゃんのママ)とトトロの森みたいなところにいたら、
でんでら龍がきて、こうくんのお耳のお水とってくれたの」と
言い出したことがあったのだ。
でんでら龍とは、NHKの子供番組に出てくる九州の民謡で、こうたろうの大好きな歌。
banaちゃんに聞いたら、
「なんのことかわからないけど、でも私、辰年なのよ」という返事。
どこか異次元の世界で、本当にでんでら龍がやってきて、お水を取ってくれたのかもね。
banaちゃんも、自分では知らないところで助けてくれていたのかも。ありがとう。

育児してると、たまにこんなファンタジーに遭遇できるんだよなあ。