「森に眠る魚」角田光代著
このところ、面白そうだと思った本がことごとくハズれていたのですが久しぶりに読み応えのあった小説。今回はネタばれなしです。
簡単に言うと、主婦5人の「お受験」をめぐる不協和音のお話です。
最初、誰がどういう環境でどの子供とセットだったか混乱してしまい、メモ用紙にそれぞれのプロフィールを書き出して、照合しながら読みました。
少し読んだだけで、「あれっ、これ、去年やってたドラマ『名前をなくした女神』にそっくりじゃ?」と思ったのですが(本のほうが先に出版されている)、ドラマとは関係がなく、1999年の文京区幼女殺人事件がベースになっているようです。
蛇足ですが、ドラマが放映されているときに、読者から「この小説のパクリじゃないか」と騒がれていたらしい。角田サイドは特にアクションは起こさなかったみたいですね。
でもまあ、「お受験」「ママ友」をテーマにしようとすると、キャラ設定がどうしても似てしまうのかも。
私は「お受験」とは今のところ無縁ですが、お受験しなくてもこういうママ友関係の亀裂はあるぞ、と思います。
こういう小説やドラマが「お受験」をワルモノにしちゃってるかな、という感が。
さておき、ストーリーはかなりドロドロです。
5人の女性のうち、自分は誰にもあてはまらないし、ここに出てくる人、誰とも友達になりたくない。
なのに!
そう思うのに!
5人全員の心の動きに「あー、わかるわかる」と共感できてしまう不思議。
このあたりが、さすが角田さん。
きっと、性格や生活レベルとは関係なく、母親なら誰もがこっそり隠し持ってる感情なんだと思う。
終盤で、突然、名前ではなく「彼女」という主語で数ページの描写があり、ここがちょっとわからなかった。
「彼女」がひとりなのか数人いるのか、それとも誰でもないのか、あの事件のことを言っているのか?
ここは読者に投げた感じ?
投げられるの得意じゃないんだよなー、受けとめるの下手だから。
ラストは、なんだかチャチャチャっとまとめられてしまって消化不良でしたが、とりあえず見ようによってはハッピーエンド……ともとれる…? うーん、どうだ?
子供たちのすこやかな成長を祈るばかりです。
このところ、面白そうだと思った本がことごとくハズれていたのですが久しぶりに読み応えのあった小説。今回はネタばれなしです。
簡単に言うと、主婦5人の「お受験」をめぐる不協和音のお話です。
最初、誰がどういう環境でどの子供とセットだったか混乱してしまい、メモ用紙にそれぞれのプロフィールを書き出して、照合しながら読みました。
少し読んだだけで、「あれっ、これ、去年やってたドラマ『名前をなくした女神』にそっくりじゃ?」と思ったのですが(本のほうが先に出版されている)、ドラマとは関係がなく、1999年の文京区幼女殺人事件がベースになっているようです。
蛇足ですが、ドラマが放映されているときに、読者から「この小説のパクリじゃないか」と騒がれていたらしい。角田サイドは特にアクションは起こさなかったみたいですね。
でもまあ、「お受験」「ママ友」をテーマにしようとすると、キャラ設定がどうしても似てしまうのかも。
私は「お受験」とは今のところ無縁ですが、お受験しなくてもこういうママ友関係の亀裂はあるぞ、と思います。
こういう小説やドラマが「お受験」をワルモノにしちゃってるかな、という感が。
さておき、ストーリーはかなりドロドロです。
5人の女性のうち、自分は誰にもあてはまらないし、ここに出てくる人、誰とも友達になりたくない。
なのに!
そう思うのに!
5人全員の心の動きに「あー、わかるわかる」と共感できてしまう不思議。
このあたりが、さすが角田さん。
きっと、性格や生活レベルとは関係なく、母親なら誰もがこっそり隠し持ってる感情なんだと思う。
終盤で、突然、名前ではなく「彼女」という主語で数ページの描写があり、ここがちょっとわからなかった。
「彼女」がひとりなのか数人いるのか、それとも誰でもないのか、あの事件のことを言っているのか?
ここは読者に投げた感じ?
投げられるの得意じゃないんだよなー、受けとめるの下手だから。
ラストは、なんだかチャチャチャっとまとめられてしまって消化不良でしたが、とりあえず見ようによってはハッピーエンド……ともとれる…? うーん、どうだ?
子供たちのすこやかな成長を祈るばかりです。