みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

大切な再会

2008-01-24 | people

大切な再会があった。
かつての同僚、Cちゃんとは、かれこれ10年のおつきあいになる。
同僚といっても実際に同じ職場にいたのは1ヶ月くらいで、
私とほとんど入れ替わりに彼女は大手出版社に転職してしまった。
今や彼女は数々のヒット作を世に送り出す敏腕編集者である。

一緒に遊んだ回数だけで言えば決して多くないのに、
彼女との関係は途切れない。
これは私の個人的な思い入れだけれど、彼女とはいつも
ココという絶妙のタイミングで顔を合わせる機会があって、
不思議なことに、Cちゃんに会うとそのあと必ず
流れがいい方へ変わる。
まるで御利益のある神社にお参りしたみたいな気分。

ちゃんと大人になってからできる女友達って、
ほんとうにいいものだ。
それぞれの世界があり、配慮があり、尊重があり、
そして交換しあえる「経験」がある。
Cちゃんとは、この長い年月の中で少しずつ少しずつ、
会うたびにじわじわと仲が深まる気がする。

もともと容姿端麗な彼女だけれど、
1年ちょっとぶりに会ったらまた一段とキレイになっていてびっくりした。
Cちゃんは私のひとつ年下だが、
今の30代・40代って、本当に素敵な女の人が多いと思う。
若さだけでは太刀打ちできない魅力をちゃんと持っているし、
いろんなことに余裕があって、引き出しが多い。

20代が終わるころ、「ああ、こんなに年をとってしまった」と
焦ることがよくあったのに、
30代半ばすぎた今では「なんだ、まだまだイケるじゃん!」と
思うことがすごくたくさんある。
これは私の人生の中で、すばらしい誤算だった。
今の時代を30代で生きることは、とても楽しい。
それを再認識させてくれる逢瀬でもあった。

会えてうれしかったよ、Cちゃん。
冬晴れの明治通りで突然花束贈呈、という
すてきなシチュエーションをありがとう!


ただ泣きたくなる夜

2008-01-22 | monologue
夜中にふと目を覚ましたら、
私と同じように、こうたろうも目を覚ましていた。
顔を合わせてふふ、と笑い、ぽつぽつと小さな声で話をする。
少し間があって、こうたろうが言った。
「お母さん、こうくん、理由はないけど悲しいんだ。
夢みたわけじゃないのに、悲しい」
そして、赤ちゃんみたいに、うわあん、と泣き出してしまった。

「わかるよ。お母さんもそういうこと、あるよ。
そんな時は、いっぱい泣いたらいいんだよ」
私の布団に入ってきたこうたろうを抱きしめていたら、
ほどなくして泣き声がやみ、寝息に変わった。

小さな頭をなでながら、
こんな幼い子供でもそんなことがあるんだな、と思い、
いや、それって原始的な感情なのかも、と思い直した。
赤ちゃんが夜泣きする原因の半分くらいは、
そういうことなのかもしれない。
理由はない、夢みたわけじゃない。
わからないけど、ただ悲しいだけ。
朝がくれば、拍子抜けするくらいなんでもないのに。

太陽は、「大丈夫な気持ち」と一緒に、
日々こなさなければならないシゴトや繁雑な出来事を運んでくる。
それに紛れて、ただ悲しいだけの気持ちは隠れてしまう。
でも消えてしまうのではなくて、するりとポケットに入り込んで、
ふたたび薄暗い夜の中に解き放たれていくのだ。

翌日、相方に「こういうことって、H(相方)にもあるでしょ?」と
しみじみ話したら、
「ない」
と即答された。な、ないんだ! 
びっくりした。誰にでもあるんだと思っていた。

イヤミとかじゃなくて、こんなだんなさんで良かったなあ、
こんなお父さんで良かったなあ、と思った。
夜中に全員で泣いてたら、ちょっと救われないものね。

ハムどろぼう

2008-01-18 | totsuka
このあいだ、こうたろうのサッカー練習を見に行ったときのこと。
いつものようにつきそいは相方にまかせて、
私は自転車でスーパーへ買い出しに。

練習はいつも小学校のグラウンドでやっていて、スーパーとも近い。
終わるころをみはからって私も寄る、というのがお決まりになっている。
その日も買い物をすませて小学校へ立ち寄り、
5分くらいだからいいか、とカゴに食材を載せたまま自転車を
校門付近の自転車置き場に止めた。

私が相方を見つけて寄っていくのとほぼ同時に、
見知らぬおばさんが興奮しながら走ってきた。
「ちょっと、サッカー見てる人で、買い物したもの自転車に載っけたまんまの人います!?」
うわあああ~私ですーー!!
ごめんなさいいー!
怒られたのかと思ったので謝ろうとしたら、そうではなかった。
食料ねらわれてるわよっ!
ええええーっ、こんな白昼の小学校に泥棒が!?
戸塚の治安をナメてたか。
いったいどんな人が……
でも止めようとして逆に殴られたりしちゃったらどうしよう……
などと思いながら自転車置き場に向かって走り出したら、
おばさんが背後から「カラスよ、カラス!」と叫んでいる。

か、カラスかー
思わず笑いそうになりながら自転車置き場へたどりつく。
するとカラスが一匹、地面で何かつついていて、
私が近づくとすぐに飛び立ってしまった。
地面を見ると、食い破られたハムのパックが落ちている。
つついてつまんだ程度だったけど、真空パックに穴を開けることができるんだからすごい。

でもカラスって、見つけた食べ物を安全な場所に持っていったりしないんだなあ。
くわえてどっか行っちゃうってことをせずに、その場で食べるのか。
で、敵が現れたらエサはあきらめて潔く去るわけですね。

前カゴ(子供用椅子)と後ろカゴ両方に買い物したビニール袋があったのだが、
中をのぞくと、どちらも他に荒らされたような形跡はない。
たぶん、差し込むようにはさんであったハムのパックが見えて
それだけ抜き取ったのだろう。
ある意味スマートなやり口で、ちょっと好感さえ覚える。

それにしても、走って教えに来てくれたおばちゃん、ありがとう!
人間もカラスも、なんだかいいなあ、なんて思ってしまった。

かあさん

2008-01-11 | monologue
ちょっとした言葉のあやだと思うのだが、
相方に「かあさん」と呼ばれた。

普段、うちではお互いをあまり「お父さん」とか「お母さん」と言うことはなく、
結婚以来の下の名前をもじった愛称で呼んでいる。
こうたろうをはさんだ時に、
「お父さんにこれ持っていって」とか「お母さんに聞いてごらん」とか
そういう使用方法はあるけど。

まあ、そのときも、こうたろうが一緒にいて、
こうたろうがらみでだったんだけど、
ちょっとショックを受けてしまった。
かあさん、って、なんか一気に老ける気がしませんか?

「フネさんになったような気分になるから、それやめて」と
相方に訴えると、相方は無邪気に
「でも、うちってそんな感じだよねえ。
(自分とこうたろうを交互に指さし)ほら、長男と次男
とのたまうではないか。

やだーーーー
わたしゃ、あんたを産んだおぼえはありませんよ。
そんなこと思ってたのか。

んじゃあ、うちって母子家庭?
相方が仕事でずっと家をあけてるときにもそう思っていたが、
せっかく家にいるようになったのに今度は息子面かよ。

お父さん、帰ってきて~


星の下

2008-01-08 | monologue
1月5日、妹と志の輔らくごへ。
今年も志の輔さんと三本締めができたので
良い年になりそうです。
妹ちゃん、今年もチケット手配してくれてありがとう♪

ところで、妹と話していておもしろかったのが、
「私(妹)は、外でトイレに行くと掃除中である率がものすごく高い
というお題。
こういうのってあるよねえ。私は、
「電車で座ることができて、本を読もうとすると、
目の前に立っているおじさんがバサバサっと新聞を広げて視界が暗くなる

という率が高い。
あたりを見渡してみてもそんな人は他にいないのに、
なぜかいつも私は当たってしまうことが多い。
もちろん、いつも違うおじさんだ。
どうしてなんだろう。
こんなの、一生経験しない人だってたくさんいるはずなのに。
あと、これはよくあるかもしれないけど、
「隣に座っている人が眠ってしまい、寄りかかってくる」
という率も人より高い気がする。右でも左でもだ。

星の下、というやつなのかしら。
悩むほどのことではないけど、解決策はあるんでしょうか。

ニッポン!

2008-01-04 | monologue

あけましておめでとうございます。

去年までサービス業だった相方が転職し、
今年は初めて一家揃ってのお正月。

家族で紅白を観て年を越し、12時半ごろに近くの神社へ。
おふだとお守りを返納して、御神酒をいただいてきました。
おふだはその場で焚いてくれたので、
燃え尽きる「厄」を見とどけられたような気がしてすっきり。
おふださん、どうもありがとう。
おかげさまで2007年は無事に過ごせました。

で、元旦の朝は家族でお雑煮とちょっとしたおせち。
この時点でもうじゅうぶん日本の正月を堪能した感じなのに、
相方が大晦日に買ってきた凧をあげに行くことに。(上の写真)
近場の柏尾川でがんばってみたんだけど、これがなかなか上がらない。
悪戦苦闘していると、通りがかりのおじさんが
「骨の部分をもっと曲げて、弓にしたほうがいいですよ。
これだと、風が逃げちゃうから」と声をかけてくれた。
ふむふむ、なるほど。
たしかにさっきよりはうまく飛んだけど、
すぐにくるくると回転して落ちてきてしまう。
しばらくすると、今度はさっきとは違うおじさんが音もなく隣に現れ、
「これ、糸の張り方なおしたほうがいいよ」
と言いながら、ちょいちょいと手を出してなおしてくれた。

が、おじさんたちのアドバイスもむなしく、
凧は結局あまりあがらないまま
こうたろうがシッポを踏んで切ってしまい、ひとまず断念。
でも、おじさんたちの人情に触れられてうれしかった。
あの年代(60歳前後)のおじさんにしてみれば、
凧ってすごく身近な遊び道具だったんだろうな。
だから、若造のなってない凧あげを見て、
黙っちゃいられなかったのかも。

そして翌日は、相方側の親戚と集った。
そこでかるたなどに興じる私たち。
すごいなあ。
年越し蕎麦食べて紅白見てその足で初詣に行き、
雑煮のあとは凧あげてかるた取りだよ。
ここまでベタな正月、初めてかも。
ああ、ベタといえば、甥っ子にお年玉をあげたら
「ヤッター! これで○○円だ」とか無邪気に言われて、
これもまた日本のお正月らしい風景だなあ、と思ったりしたのでした。

今年もどうぞよろしくお願いします。