「夢をかなえるゾウ」水野敬也
久しぶりに本の衝動買い。
新書なんてほとんど手を出さないで文庫待ちするのに、
なぜかこの本、平積みしてあったのを中身も読まずに
迷わずレジに持っていってしまった。高かったのに!
神様のお告げでしょうか。
そう思いつつ読んでみたら、このゾウが神様でした……。
お恥ずかしながらこの本、全然知らなかったんだけど、
現在40万部突破中のベストセラーらしい。
結論から言って、衝動買いしてアタリでした。おもしろかった!
電車の中とか、ツタバとかで読んじゃだめです。
笑っちゃうし、泣いちゃうし。
このゾウは、インドの神様、ガネーシャ。なぜか関西弁をしゃべる。
あるとき、うだつの上がらないサラリーマンのもとに現れ、
さまさまな教えを伝授していく、というストーリー。
ガネーシャと「僕」とのやりとりが、なんともいい。
主人公「僕」は素直なヒトだ。
なんだかんだ言いながら、ちゃんと話を聞いたり納得したり、
教えを実行していく。この姿勢がいいんだろうな。
私などは、読んでいてたまに「えー、でもさぁ」と
ガネーシャに反論したくなるところもあったんだけど、
きっと私のそういう卑屈さがダメなんだろうなあ。
もしガネーシャが私のところに来てくれても
「そんなんやからあかんのやで、自分」って去られちゃうかも。
やっぱり基本体勢として大事なことなんだよな、「素直」って。
タイトルは「夢をかなえるゾウ」だけど、
神様は夢をかなえてくれるわけじゃなくてサインをくれるだけで、
それをちゃんとキャッチして、夢をかなえるのはやっぱり自分なんだ、
とあらためて思ったりもしました。
先日、「R30」に著者の水野敬也さんが出ていたので見たら
この本が「自己啓発本」として紹介されていた。
えっ……これって……自己啓発本だったの??
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
私は「ドラえもん」みたいな感覚で読んでいたので驚いた。
自己啓発本としてとらえてみると、この本の優れている点は
「どうすれば成功するか」というよりは、
「どうして成功できないのか」という側から
レクチャーしているところだと思う。
水野氏の「温厚な上司の怒らせ方」という
DVDもすごくおもしろかった。
「どうやったら人に気に入られるか」じゃなくて
「どうやったら人を怒らせることができるか」という視点。
反対側を見せることによって全体像を映す、
三面鏡のような発想を持つ人だなあと思う。
この本、売上げの一割が慈善団体に寄付されるそう。
ガネーシャの課題に「募金する」というのがあるんだけど、
本を買ったというだけでそれをひとつこなすことになる。
「R30」ではこの件(寄付されること)については一切触れず、
水野氏がいかにユニークなヒトかが前面に出ていたけど、
こういうことはもっとアピールしていいのにな。
まあ、さりげなくやってるのがいいのか。
今年テレビドラマになることが決定しているそうで、
これを読んでいる途中で「ガネーシャにはキム兄希望」という
ブログ記事を見て「わはは、ハマリ役だ!」と思ってしまったばかりに、
以降、ガネーシャがキム兄にしか思えなかった……
マジで、キム兄にやってほしい。
でも「デスノート」みたいに、CGになっちゃうかもなあ。
顔だけ出して着ぐるみっていうのもおもしろいと思うけど。
ということで、「素直」に読んだ結果、
★★★★★です。
巻末の「ガネーシャ名言集」、私は違うところに感動したけど。