みちくさ茶屋

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読書記録2006-22

2006-08-25 | book
49「ジョナさん」片川優子 充実度★★★☆☆
現役女子高校生が書いた、等身大小説。
どの書評にもそんなふうに書いてあって、それはそうなのだが、
自分が高校生だったころのノリや考えとあまりにも近すぎて、
「ホントに女子高校生?? 私と同世代の人が振り返って書いているのでは?」なんて
思ってしまったくらい親近感がありました。
今の女子高校生も、あのころとあんまり変わってないんだなあ、と不思議な気持ちに。
ジンジャーエールが子供の飲み物でコーヒーは大人の味、とか、
お父さんの存在が不快とか、母親がホステスをやっている母子家庭の子がいじめられるとか、
「○○さんとつきあってると人生に失敗しますよ」なんて言う担任の先生とか、
(今ホントにこんな先生がいたら大問題だ)
オーソドックスの極みというか、ちょっと古い感じがしたから。

でも、主人公チャコが進路希望の用紙に「外交官」と書いたことで
前述の担任教師に無理だといわれ、
「じゃあ、お嫁さんに書き換えといてくださいよ、それなら私でもなれそうですから」
と言い返すシーンがあり、そこを読んだときは「ああ、やっぱり女子高校生!」
という手ごたえがあった。
お嫁さんなら努力も芸もなく誰でもなれると思ってるあたり、ふふふ、ひよこちゃんねぇ。

好きな人に仲間内だけのコードネームをつけるというのはリアリティがあるけど、
なんでそれが「ジョナさん」だったのかちょっと唐突なのが残念。
でも、全体を通して、会話がイキイキしているのがよかった。
女子高生がファミレスとかにたむろって話しているのを聞いてるような。
私がすごく好きだった会話は、

「でね、あの人バイク乗るんだって。超かっこいいよね。絶対似合うよ。
 似合わないわけがないもん。だって小道具なしであんなにかっこいいんだよ?
 やばいよバイクとかさー」
「バイクはもはや大道具じゃない?」

っていうところ。
「やばいよバイクとかさー」が秀逸。

速水もこみちとかギバちゃんとか「下妻物語」とかボス(缶コーヒー)とか、
今メディアを通して女子高生が感知しているディティールがわかったのも
おもしろかった。10年後にはなつかしいキーワードになっちゃうのかもね。
この小説で知ったけど、今の若いコは「~っていうか」じゃなくて「てか」って
言うんだね! これが一番のオドロキというか、発見でした。
私達の年代で「てか」って言ったら、ツルちゃんだよね。
あ、このあたり、わかる人にだけわかればいいです……。

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