みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

映画「君の名は。」感想【ネタバレ満載】

2016-09-23 | movie

息子とふたりで「君の名は。」観てきました。
すごく良かったので、久しぶりに映画の感想など。

※ネタバレ満載です。
まだ知りたくないよという方はご注意ください。




さて。


いきなり本題ですが、
この映画で何がいちばん良かったかって、
ふたりがちゃんと会えた
ってことに尽きると思います。

「片割れ時」に対面を果たしたふたりが、三葉が名前を書こうとした瞬間にまた離れてしまう…
このとき私、「やっぱり運命って変えられないってことなのかな」と悲しくなったのでした。
主題歌が「前前前世」というからには、来世でまためぐりあってお互い気づくってオチなのかなーと。
でもちゃんと会えてよかったーー(゚ーÅ)

起承転結の「転」あたりでようやく、瀧と三葉には3年の時間軸のズレがあることがわかるんだけど、「なんで入れ替わっているときにスマホ画面やカレンダーで気が付かなかったのか?」という疑問は湧きますね。
でもたぶんこれって、入れ替わってるときは「夢(夜見るやつ)」みたいな状態だからなのかなと。
夢見てるときって、辻褄が合わなくてもけっこう受け入れちゃうし、時代とか自分の年齢さえもよくわかないというか気にならないし。

そして、そういうことも含めて

人は忘れてしまう

というのがこの映画の大きなテーマだったんじゃないかと思うのです。

夢ってすごく、あいまいで、一生懸命覚えていようと思っても、朝起きて「この世界のリアルな自分」の活動が始まったとたんに、消えてしまう。
人に「こんな夢を見たよ」って話そうとしても、うまく伝わらなかったり。

現実世界でもわりとそういうところがあって、人の記憶なんて本当に危ういものです。
最後のほうで奥寺先輩が言った「瀧くんと一緒に岐阜に行ったときのことをあんまり覚えてない」というようなセリフが効いてるなと思いました。

それでも、それでも……

DNAに沁み込んだ記憶は、ふとしたときに出現する
とも、思うのです。


自分(の脳?)では忘れたと思っていることも、どこか奥底では完全に消去はされてなくて。
「初めて会うのに、なんだかずっと知ってる人みたい」とか、「初めて来たのに、なんだかなつかしい場所」とかって、それこそ「前世」の遠い記憶なのかも。
自分でもわからないけどどうしてこんなに気になるんだろう?っていうのは、きっと理屈じゃないところで求めていることなんだから、素直に従っていいんだなと……映画を観終わってあらためてそう思いました。


まあ、私がちょっと足をバタバタさせちゃったところを言えば、
手に名前書こうって言ったのに、なんで「すきだ」って書くんだよ~~! しかもひらがなで~!
それじゃあ、「スキダ君」じゃないかー、ちゃんと「好きだ 瀧より」まで書きなさいよ。
そして三葉も、なんで瀧がそれ書いてるときに見ないんだよー。あっ、黄昏時で暗かったのかしら。

あと、「スマホの日記でやりとりする」のは、アナログなおばちゃんには心配で心配で。
スマホ日記はそれはそれでいいとして、ちゃんと「交換日記」のノート作らないとさー。
スマホなんて、人間の記憶より危うくてモロいものよ。電池切れるだけで使えないんだから。
案の定、彗星が落ちたあと、三葉の日記は消えちゃうし……って、このへんは、ノートでも文字がどんどん消えていっちゃったりするのか。

でもそういう細かいところはどうでもいいんですよ、だってファンタジーだから。
「ご都合主義」って意見もいくつか目にしたけど、都合よくいくのがファンタジーだから。
ご都合主義ばんざい、ハッピーエンドでよかった!
終わってシアターを出たとき、入口で次の回を見るために並んで待ってる人たちに「良かったよ! いやほんと、良かったよ!」って言ってまわりたいくらいでした。


組紐とへその緒のリンクも素晴らしかったし、中学生だった瀧が三葉とそんなに背が変わらないところ(片割れ時に対面したときは、瀧のほうが背が高い)など、ひとつひとつがていねいに描かれていて、一秒も目が離せなかったです。
なんといっても映像が美しすぎてため息が出る。
電車やふすまなど、扉が開くときのスライドが何度もアップになって、すごい躍動感だった。
畳の目の細かさ、網戸のリアルさ、雨の日のアスファルト、目を奪われるような紅葉……数えきれないくらい「もう一回観たい!」と思う風景がたくさんあります。
テッシーが三葉(中身は瀧)と作戦会議している部室(?)も、あふれかえる小道具や壁の張り紙など、一時停止してじっくり見たい。
余談だけど、この「美しい映像(動画)を一時停止してじっくり見たい」という欲望は、ジャニヲタ癖かもしれないなぁ…


映画は基本的にひとりで見るのが好きなのですが、たまに誰かと一緒に行くと、終わってから話をするのがまた楽しいですね。
ロッテリアに寄ってお茶しながら、映画について息子と少し語りました。
息子が「三葉が3歳年上ってことだよね」と言っていたのが面白かった(笑)
そうだね、それってなんかちょっと、いいよね(*^^*)

私は奥寺先輩と司くんがくっつくのかなーと思ってたけど、そんなに安直じゃなかった。
先輩は誰と結婚したのかなあ。

それと、私が「瀧の声、神木くん合ってたね」と言ったら突然息子が
「始まってすぐに気が付いたんだけど、サヤちんの声優さん(悠木碧さん)、すっごいいっぱいアニメで声やってる人で、ポケモンとか妖怪ウォッチとかまどか☆マギガとか▽▲〇※☆□……!!!」
と止まらなくなってしまい、それも面白かった。
アニメ映画の声って声優じゃなくて俳優や女優になりがちなので、アニヲタの息子には興奮ポイントだったみたいです。

もうひとつ、瀧の友人「高木くん」が、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のポッポみたいだったと息子が言っていて、家に帰ってから調べたらキャラクターデザインが同じ方なんですね。納得。


ロッテリアを出たあとは、ふたりでカラオケに行って「前前前世」を熱唱しました。
映画を観たあとにこの歌詞をかみしめると、また味わい深いです。


それにしても、日本のアニメーションは本当に素晴らしい。
こんな作品を13歳で見ることができる息子を少しだけ、うらやましいなと思います。



これ、公式サイトのトップ画面にもなっている絵だけど、本編にこんなシーンはなくて……この階段、大人になってやっと出会えたふたりが言葉を交わす場所だったんだね(^-^)




最新の画像もっと見る

コメントを投稿