海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「靖国参拝の後、同盟者は、小泉首相に食ってかかる」と題する『シドニー・モーニング・ヘラルド』の記事。

2006年08月16日 | アジアと日本
 中国と韓国だけでなく、日本の政治的同盟者によって非難された小泉純一郎首相は、この国の最も軋轢を生じる記念碑に歴史の重い日に参拝することによって、公的な反対をはねつけた。
 北京とソウルの日本大使館は、両国の外務省へ呼び出され、形式的に叱責された。東京では、小泉の連立政権の与党である公明党は、参拝は「遺憾であり、自分の忠告に従わなかった」と言った。
 参拝は「国際正義に挑戦し、人類の良心を踏みにじるものだ」と中国の外相は言った。
小泉首相の靖国参拝は、「日本の軍国主義者の侵略戦争の犠牲者への侮辱であり、日本との関係を損なうものである。」
 韓国外交通商省は、「深い落胆と憤激」を表明した。「われわれはこのような国粋主義的な態度は韓日関係を悪化し、東北アジアの地域協力を妨げるものだと厳重に注意する」と外交通商省は述べた。
 小泉首相の後継者の一人である安部晋三は、4月に靖国神社に参拝したが、小泉の参拝を擁護し、それは「強い感情」を反映していると言った。
 東京の中心にある靖国神社には、250万人の戦没者が祭られており、14人のA級戦犯も合祀されている。中国と韓国にとっては、この神社は軍国主義を賛美している。日本の右翼国粋主義者たちは、この神社を国民的統一とヒロイズムの松明だと見ている。
 小泉は、戦犯を追悼したのではないと言い、自分の参拝を個人的で心情的なものだと説明した。
 「私は敬意をもって参拝し、心の底から意志に反して戦場で命を捧げるように強いられた人たちに感謝したのだ」と彼は昨日述べた。
 小泉首相の六回目の参拝は、第二次世界大戦の終結から61回目の記念日に行われた。それはヒロシマとナガサキへの原爆投下の記念を含む戦時中の記念の悩ましい週の終わりを告げる日である。
 「私が8月15日を避けても批判と抗議は私に投げつけられた」と小泉は言った。「批判や抗議が投げつけられたとしても、今日は参拝するのに最適の日だ。」
 靖国神社の参拝は、小泉の首相時期の終わりを飾るジェスチャーである。彼は来月引退する予定である。
「外交的に言うと、A級戦犯が合祀されている靖国神社の参拝を説明するのは難しい」と谷垣財務大臣は言った、彼も小泉の後任首相候補の一人である。
 小泉首相の傍にいる他の指導者も彼を攻撃した。公明党党首である神崎は小泉首相に参詣しないように頼んでいた。
 加藤紘一元幹事長は小泉首相が日中・日韓関係を破壊するものだと非難した。
[訳者の感想]小泉首相は、6年目にようやく8月15日に靖国参拝をするという公約を果たして有終の美を飾ったつもりのようです。安部氏はどうするのでしょうか?オーストラリアの新聞だからかなり手厳しい批判が載っているかと思いましたが、客観的な記事だと思いました。
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