
今日の日記は、ベンジャミン・ブレック&ロイ・ドリナー共著『ミケランジェロの暗号 システィーナ礼拝堂に隠された禁断のメッセージ』(飯泉恵美子訳早川書房・2008年刊)に登場するサンドロ・ボッティチェリの名画『春(プリマヴェーラ)』(1481年)のことです。添付した写真は、その著書に挿入されたその絵画と解説文です。
この著書では、ミケランジェロより一世代前のルネサンス前期の画家、私が大好きなサンドロ・ボッティチェリにも言及しています。そして、私がイタリア・フィレンツェのウフィツィ美術館で直接鑑賞した『春(プリマヴェーラ)』に、とても興味深い人体構造に関する美的な考察をしています。以下に、その一風変わった著者の考察の一部を引用・掲載します。
『サンドロ・ボッティチェリは、自由を重んじるフィレンツェのメディチ家がひいきにする芸術家だった。それでもやはり、人体を堂々と調査することは許されていなかった。ボッティチェリの有数の絵画の中でもっとも謎に富んでいるとされる代表作、あの寓話的な”春(プリマヴェーラ)”にも秘密が隠されている。・・これまで、作品中央にある奇妙な形をした枝の隙間について誰も論じてこなかった。・・二つの空間の形、角度、並びを注意して見てほしい。非常にはっきりとした人体構造のイメージが浮かびあがってくるー肺だ。ルネサンス時代に戻って、秘密の研究所で違法な解剖をしている場面に立ちあっているようではないか。・・ちょうど中央では、ウェヌスが心臓を象徴するかのような赤いペンダントを胸元につけ、人間の左右の肺がその背景をかたどっていることから、ここでも愛と命のつながりが表現されている。つまり、この名作は依頼主だったメディチ家のもと、自由を謳歌した当時のフィレンツェで形成されつつあった新プラトン主義らしい神秘的な比喩的表現を利用して制作された初期の作品例といえるのだ。』
私は、この作品を現地ウフィツィ美術館で鑑賞していますが、当然のことながら、著者が言及した中央部の枝の隙間を、人体の”肺”とは夢にも思わなかったです。でも、今よく観てみると、筆者のこの指摘は、ユニークなとても説得力ある考察です。
私自身は、現地で直接鑑賞していても、筆者が指摘したような”何か神秘的な絵画で、女神の衣裳がとてもエロチックだなあ”ぐらいの印象しか残っていませんでした。
また、この名画をじっくりと鑑賞する時間的なゆとりもなく、慌しく観て直ぐに立ち去ってしまったような感じで、とても残念でした。だから、昨日の日記でも書いたように、もう一度、イタリアのフィレンツェ・ウフィツィ美術館を訪れて、前回よく鑑賞できなかった名画の数々を、私はじっくりと観てみたいです。
この著書では、ミケランジェロより一世代前のルネサンス前期の画家、私が大好きなサンドロ・ボッティチェリにも言及しています。そして、私がイタリア・フィレンツェのウフィツィ美術館で直接鑑賞した『春(プリマヴェーラ)』に、とても興味深い人体構造に関する美的な考察をしています。以下に、その一風変わった著者の考察の一部を引用・掲載します。
『サンドロ・ボッティチェリは、自由を重んじるフィレンツェのメディチ家がひいきにする芸術家だった。それでもやはり、人体を堂々と調査することは許されていなかった。ボッティチェリの有数の絵画の中でもっとも謎に富んでいるとされる代表作、あの寓話的な”春(プリマヴェーラ)”にも秘密が隠されている。・・これまで、作品中央にある奇妙な形をした枝の隙間について誰も論じてこなかった。・・二つの空間の形、角度、並びを注意して見てほしい。非常にはっきりとした人体構造のイメージが浮かびあがってくるー肺だ。ルネサンス時代に戻って、秘密の研究所で違法な解剖をしている場面に立ちあっているようではないか。・・ちょうど中央では、ウェヌスが心臓を象徴するかのような赤いペンダントを胸元につけ、人間の左右の肺がその背景をかたどっていることから、ここでも愛と命のつながりが表現されている。つまり、この名作は依頼主だったメディチ家のもと、自由を謳歌した当時のフィレンツェで形成されつつあった新プラトン主義らしい神秘的な比喩的表現を利用して制作された初期の作品例といえるのだ。』
私は、この作品を現地ウフィツィ美術館で鑑賞していますが、当然のことながら、著者が言及した中央部の枝の隙間を、人体の”肺”とは夢にも思わなかったです。でも、今よく観てみると、筆者のこの指摘は、ユニークなとても説得力ある考察です。
私自身は、現地で直接鑑賞していても、筆者が指摘したような”何か神秘的な絵画で、女神の衣裳がとてもエロチックだなあ”ぐらいの印象しか残っていませんでした。
また、この名画をじっくりと鑑賞する時間的なゆとりもなく、慌しく観て直ぐに立ち去ってしまったような感じで、とても残念でした。だから、昨日の日記でも書いたように、もう一度、イタリアのフィレンツェ・ウフィツィ美術館を訪れて、前回よく鑑賞できなかった名画の数々を、私はじっくりと観てみたいです。