
今日の日記は、映画『クオ・ヴァディス』(1952年製作 マーヴィン・ルロイ監督 ロバート・テイラー デボラ・カー ピーター・ユスティノフ主演)に登場した皇帝ネロの廷臣ガイウス・ペトロニウスが書いたといわれている小説『サテュリコン』(Satyricon) のことです。
私は、この映画『クオ・ヴァディス』を鑑賞して、このペトロニウスが古代ローマの皇帝ネロの堕落した世界を描いたといわれているピカレスク小説『サテュリコン』を思い出しました。
そして、驚いたことに、この小説をモチーフにして、フェデリコ・フェリーニが映画化した作品である『サテリコン』を1970年に東京・有楽町の「みゆき座」(注:今は閉館されて無し)で劇場鑑賞していたのです。
この映画は、横浜地区では上映しておらず、東京「みゆき座」での単独館上映でした。だから、当時の私は高校2年生の熱烈な洋画ファンで、巨匠フェデリコ・フェリーニのこの新作を観たくて、東京「みゆき座」まで出かけて行きました。添付した写真は、たまたま保存していた私が劇場で買った映画パンフレットの2ページ目です。
このパンフレットに、慶応大学教授の岩崎良三氏(『サテュリコン』日本語訳者)が、ペトロニウスの『サテュリコン』と題して投稿しています。その一部を抜粋して引用・掲載します。
『シェンキェヴィチの歴史小説「何処へ行く」(クオ・ヴァディス)はネロ皇帝治下の初期キリスト教徒の殉教史を描いた作品として有名であるが、そこには異教世界の教養文化を身につけた最後の代表者としてペトロニウスが活躍している。その得意な性格描写は歴史家タキトゥスの次のような記録にその根拠をおいている。「・・ペトロニウスは昼を睡眠に、夜を公務と歓楽生活とに過した人であった。・・背徳者らしくみせかけて、皇帝ネロの数少ない親友の中に加えられて<趣味の決裁者>となった。」しかしネロの寵愛は競敵の嫉妬を招き、ペトロニウスは皇帝に対する叛逆を企てたという疑いの下に軟禁されてしまう。・・『サテュリコン』は古来背徳の書として有名であるが、ひびの入った一帝国の爛熟老衰した文明の悪徳をこれほど見事に描き出した作家は他にない。』
この40年前に購入した映画パンフレットを再び読んで、時代の流れを強く感じました。みゆき座で鑑賞した当時の私はまだ未熟な青二才でした。だから、岩崎良三氏の指摘した古代ローマを深く理解できませんでした。
でも今の私は、古今の名著を読んだり名作映画を多く鑑賞した御蔭で、この岩崎良三氏の投稿に強く共感できるようになりました。
だから、もし機会があったら、劇場で観たフェデリコ・フェリーニ監督の映画『サテリコン』を再び鑑賞したいと今思っています。
私は、この映画『クオ・ヴァディス』を鑑賞して、このペトロニウスが古代ローマの皇帝ネロの堕落した世界を描いたといわれているピカレスク小説『サテュリコン』を思い出しました。
そして、驚いたことに、この小説をモチーフにして、フェデリコ・フェリーニが映画化した作品である『サテリコン』を1970年に東京・有楽町の「みゆき座」(注:今は閉館されて無し)で劇場鑑賞していたのです。
この映画は、横浜地区では上映しておらず、東京「みゆき座」での単独館上映でした。だから、当時の私は高校2年生の熱烈な洋画ファンで、巨匠フェデリコ・フェリーニのこの新作を観たくて、東京「みゆき座」まで出かけて行きました。添付した写真は、たまたま保存していた私が劇場で買った映画パンフレットの2ページ目です。
このパンフレットに、慶応大学教授の岩崎良三氏(『サテュリコン』日本語訳者)が、ペトロニウスの『サテュリコン』と題して投稿しています。その一部を抜粋して引用・掲載します。
『シェンキェヴィチの歴史小説「何処へ行く」(クオ・ヴァディス)はネロ皇帝治下の初期キリスト教徒の殉教史を描いた作品として有名であるが、そこには異教世界の教養文化を身につけた最後の代表者としてペトロニウスが活躍している。その得意な性格描写は歴史家タキトゥスの次のような記録にその根拠をおいている。「・・ペトロニウスは昼を睡眠に、夜を公務と歓楽生活とに過した人であった。・・背徳者らしくみせかけて、皇帝ネロの数少ない親友の中に加えられて<趣味の決裁者>となった。」しかしネロの寵愛は競敵の嫉妬を招き、ペトロニウスは皇帝に対する叛逆を企てたという疑いの下に軟禁されてしまう。・・『サテュリコン』は古来背徳の書として有名であるが、ひびの入った一帝国の爛熟老衰した文明の悪徳をこれほど見事に描き出した作家は他にない。』
この40年前に購入した映画パンフレットを再び読んで、時代の流れを強く感じました。みゆき座で鑑賞した当時の私はまだ未熟な青二才でした。だから、岩崎良三氏の指摘した古代ローマを深く理解できませんでした。
でも今の私は、古今の名著を読んだり名作映画を多く鑑賞した御蔭で、この岩崎良三氏の投稿に強く共感できるようになりました。
だから、もし機会があったら、劇場で観たフェデリコ・フェリーニ監督の映画『サテリコン』を再び鑑賞したいと今思っています。