天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

映画『夢』自然に生きる笠智衆はよく生きてよく働いてご苦労さんと言われ年の順に死んでいく葬式はめでたい

2010-10-24 10:51:03 | 日記
今日の日記は、昨日久しぶりにお茶の間鑑賞した名作映画『夢』(1990年製作:黒澤明脚本・監督 寺尾聰 笠智衆主演)の最終第8話「水車のある村」のことです。添付した写真は、この話で103歳の村人を演じた笠智衆です。
私は、この黒澤明監督の個人的夢想世界を描いた映画『夢』の中では、最終第8話「水車のある村」が一番大好きなエピソードです。やはり、黒澤明監督が80歳になろうとした時製作した映画「水車のある村」には、彼の死生観がとても色濃く反映しているからです。
このエピソードで、古老の村人(笠智衆)が村を訪れた男(寺尾聰)に語った言葉が、私の心に響きました。以下に、全世界の人々に向けた警鐘を込めた黒澤明監督のメッセージを、引用掲載します。
『私たちはできるだけ、昔のように、自然な暮らし方をしたいと思ってるんだ。近頃の人間は、自分達も自然の一部だということを忘れている。自然あっての人間なのに。その自然を乱暴にいじくりまわし、俺たちは、もっといいものができると思っている。(中略)そして、そのために自然が失われ、自分達も滅んでいくことに気がつかない。まず、人間に一番大切なのは、いい空気や自然な水、それをつくりだす木や草なのに。それが汚され放題、失われ放題。汚された空気や水は、人間の心まで汚してしまう。』
まさに、20年前に黒澤明監督が危惧した自然を汚す愚行世界が、現在加速度的に増大しています。人間は、自然に対してもっと謙虚にならなくていけないです。そうすれば、「水車のある村」で笠智衆が語った名言『本来、葬式はめでたいものだよ。よく生きてよく働いて「ご苦労さん」と言われて、死んでめでたい。・・この村の者は、自然の暮らしをしているせいかか、幸いに年の順に死んでいく』が真実のものとなるのです。
私も、黒澤明監督の死生観に強く共鳴する年代になりました。
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