今日の続々編日記も、映画『荒馬と女』(1961年製作 ジョン・ヒューストン監督 アーサー・ミラー脚本 クラーク・ゲーブル マリリン・モンロー モンゴメリー・クリフト主演)のことです。
ナイトクラブの歌手(マリリン・モンロー)は町で知り合った初老のカウボーイ(クラーク・ゲーブル)に惹かれてゆきます。添付した写真は、その二人クラーク・ゲーブル(左)とマリリン・モンロー(右)です。
映画で親しくなった二人は、彼女を送っていく車の中で、次のような会話をしています。
・ゲーブル『君は実に美しい女だ そばにいて光栄だよ 何かこう輝いてる 本当だよ 何が悲しい? 世界一悲しそうだぜ!』
・モンロー『初めて聞いたわ いつも幸せだと・・』
・ゲーブル『君が男をそうするのさ!』
・モンロー『あたたは違うわね?』
・ゲーブル『(微笑みながら)そうとも言えん!』
このゲーブルの言葉『世界一悲しそうだぜ!』は、アーサー・ミラーがマリリン・モンローに結婚前に語った「君ほど悲しそうな女に会ったことがない」をそのまま台詞にしたものです。製作当時、マリリンとアーサーの関係は離婚寸前の最悪状態でした。だから。マリリン・モンロー伝記の著書『マリリン・モンロー 最後の真実』(小沢瑞穂・真崎義博訳)の著者ドナルド・スポトは、自著で次のような記述しています。
『撮影を見に来ていたルパート・アランは、そのころのマリリンについて次のように語っている。「(マリリンは)アーサーが書いた台詞を読まなければならないことで、絶望的なほど落ち込んでいた。彼女のありのままの人生を、あからさまに記録したようなものだったからだ。彼女は助けを期待していたのに裏切られて惨めで、決してうまく行くはずがないと思っていたようだ。寂しく孤独で、みんなから価値がないと見放されたように感じ、傷ついた自分自身以外には何もないと思っていた。」』
しかし、マリリン・モンローは共演したクラーク・ゲーブルにはまったく違う感情を持っていました。だから、この二人の車中会話のあとのシーンで、寝室に入ってきたゲーブルが、シーツだけを纏ったマリリンにキスをする場面を、彼女自身は後日次のような嬉しい回想しています。
『彼にキスされるとぞくぞくしたわ。あのシーンは何度か撮り直さなくてはならなったの。そうしたらシーツが落ちてしまって、彼の手が私の胸に触ったのね。全身、鳥肌が立った。あの晩は睡眠薬は要らなかった。結ばれる夢を見たのよ。』
だから、後日この映画を『ライフ』誌は「マリリンが演じた役には、実際の彼女を思い起させるさまざまものが織り込められている」と批評しています。
この映画を鑑賞して、女優マリリン・モンローにとって、自分の人生総決算的な意味合いを持っている作品(それは遺作に相応しい)と私は得心しました。
ナイトクラブの歌手(マリリン・モンロー)は町で知り合った初老のカウボーイ(クラーク・ゲーブル)に惹かれてゆきます。添付した写真は、その二人クラーク・ゲーブル(左)とマリリン・モンロー(右)です。
映画で親しくなった二人は、彼女を送っていく車の中で、次のような会話をしています。
・ゲーブル『君は実に美しい女だ そばにいて光栄だよ 何かこう輝いてる 本当だよ 何が悲しい? 世界一悲しそうだぜ!』
・モンロー『初めて聞いたわ いつも幸せだと・・』
・ゲーブル『君が男をそうするのさ!』
・モンロー『あたたは違うわね?』
・ゲーブル『(微笑みながら)そうとも言えん!』
このゲーブルの言葉『世界一悲しそうだぜ!』は、アーサー・ミラーがマリリン・モンローに結婚前に語った「君ほど悲しそうな女に会ったことがない」をそのまま台詞にしたものです。製作当時、マリリンとアーサーの関係は離婚寸前の最悪状態でした。だから。マリリン・モンロー伝記の著書『マリリン・モンロー 最後の真実』(小沢瑞穂・真崎義博訳)の著者ドナルド・スポトは、自著で次のような記述しています。
『撮影を見に来ていたルパート・アランは、そのころのマリリンについて次のように語っている。「(マリリンは)アーサーが書いた台詞を読まなければならないことで、絶望的なほど落ち込んでいた。彼女のありのままの人生を、あからさまに記録したようなものだったからだ。彼女は助けを期待していたのに裏切られて惨めで、決してうまく行くはずがないと思っていたようだ。寂しく孤独で、みんなから価値がないと見放されたように感じ、傷ついた自分自身以外には何もないと思っていた。」』
しかし、マリリン・モンローは共演したクラーク・ゲーブルにはまったく違う感情を持っていました。だから、この二人の車中会話のあとのシーンで、寝室に入ってきたゲーブルが、シーツだけを纏ったマリリンにキスをする場面を、彼女自身は後日次のような嬉しい回想しています。
『彼にキスされるとぞくぞくしたわ。あのシーンは何度か撮り直さなくてはならなったの。そうしたらシーツが落ちてしまって、彼の手が私の胸に触ったのね。全身、鳥肌が立った。あの晩は睡眠薬は要らなかった。結ばれる夢を見たのよ。』
だから、後日この映画を『ライフ』誌は「マリリンが演じた役には、実際の彼女を思い起させるさまざまものが織り込められている」と批評しています。
この映画を鑑賞して、女優マリリン・モンローにとって、自分の人生総決算的な意味合いを持っている作品(それは遺作に相応しい)と私は得心しました。