天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

映画『荒馬と女』M・モンローはシーツが落ちてK・ゲーブルの手が私の胸に触れ全身鳥肌が立ったと心境吐露

2011-02-05 22:04:42 | 日記
今日の続々編日記も、映画『荒馬と女』(1961年製作 ジョン・ヒューストン監督 アーサー・ミラー脚本 クラーク・ゲーブル マリリン・モンロー モンゴメリー・クリフト主演)のことです。
ナイトクラブの歌手(マリリン・モンロー)は町で知り合った初老のカウボーイ(クラーク・ゲーブル)に惹かれてゆきます。添付した写真は、その二人クラーク・ゲーブル(左)とマリリン・モンロー(右)です。
映画で親しくなった二人は、彼女を送っていく車の中で、次のような会話をしています。
・ゲーブル『君は実に美しい女だ そばにいて光栄だよ 何かこう輝いてる 本当だよ 何が悲しい? 世界一悲しそうだぜ!』
・モンロー『初めて聞いたわ いつも幸せだと・・』
・ゲーブル『君が男をそうするのさ!』
・モンロー『あたたは違うわね?』
・ゲーブル『(微笑みながら)そうとも言えん!』
このゲーブルの言葉『世界一悲しそうだぜ!』は、アーサー・ミラーがマリリン・モンローに結婚前に語った「君ほど悲しそうな女に会ったことがない」をそのまま台詞にしたものです。製作当時、マリリンとアーサーの関係は離婚寸前の最悪状態でした。だから。マリリン・モンロー伝記の著書『マリリン・モンロー 最後の真実』(小沢瑞穂・真崎義博訳)の著者ドナルド・スポトは、自著で次のような記述しています。
『撮影を見に来ていたルパート・アランは、そのころのマリリンについて次のように語っている。「(マリリンは)アーサーが書いた台詞を読まなければならないことで、絶望的なほど落ち込んでいた。彼女のありのままの人生を、あからさまに記録したようなものだったからだ。彼女は助けを期待していたのに裏切られて惨めで、決してうまく行くはずがないと思っていたようだ。寂しく孤独で、みんなから価値がないと見放されたように感じ、傷ついた自分自身以外には何もないと思っていた。」』
しかし、マリリン・モンローは共演したクラーク・ゲーブルにはまったく違う感情を持っていました。だから、この二人の車中会話のあとのシーンで、寝室に入ってきたゲーブルが、シーツだけを纏ったマリリンにキスをする場面を、彼女自身は後日次のような嬉しい回想しています。
『彼にキスされるとぞくぞくしたわ。あのシーンは何度か撮り直さなくてはならなったの。そうしたらシーツが落ちてしまって、彼の手が私の胸に触ったのね。全身、鳥肌が立った。あの晩は睡眠薬は要らなかった。結ばれる夢を見たのよ。』
だから、後日この映画を『ライフ』誌は「マリリンが演じた役には、実際の彼女を思い起させるさまざまものが織り込められている」と批評しています。
この映画を鑑賞して、女優マリリン・モンローにとって、自分の人生総決算的な意味合いを持っている作品(それは遺作に相応しい)と私は得心しました。
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