天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

『ル・クレジオ映画を語る』著者は雨月物語の娼婦を”戦争中日本軍に連れ去られた朝鮮人女性境遇と同じ”と

2012-08-22 21:16:39 | 日記
今日の日記は、今読んでいる映画評論J・M・G・ル・クレジオ著『ル・クレジオ、映画を語る』(中地義和訳・河出書房新社2012年3月刊)で語られた日本映画『雨月物語』でのとても気になる”ある表現”のことです。添付した写真は、その著書の表紙です。
この著者J・M・G・ル・クレジオは、1940年南仏ニースに生まれた小説家で、2008年ノーベル文学賞を受賞したフランスを代表する著名な文化人です。
その彼が、自分の観た映画を鋭く評論した著書を、私は今自宅で読んでいます。その評論した映画の中で、多くのページを割いて解説しているのが、溝口健二監督の代表的な名作『雨月物語』(1953年製作 京マチ子 水戸光子 田中絹代 森雅之 小沢栄太郎主演)です。
その日本映画をとても深く理解したフランスノーベル賞作家の私がとても気になった記述を、以下にその著書から抜粋・引用します。
『溝口は、ともに戦のテーマの変奏であるふたつの併行した物語を圧縮している。源十郎(私注:森雅之)の義弟藤兵衛(私注:小沢栄太郎)もまた、その野心と虚栄心の犠牲者である。藤兵衛は、戦で栄光と富を獲得しようとして、妻阿浜(私注:水戸光子)を捨てる。・・柴田軍の兵士たちによる阿浜の凌辱シーンはきわめて粗暴で、他のいかなるシーンよりもまざまざと戦のおぞましさを語る。凌辱は、彼女の夫が冒険を探し求めている町から遠からぬところ、鳥のさえずるロマンティックな風景のなかで起こる。凌辱のあと、阿浜は彼女を犯した武士からひと握りの銀貨を受け取り、娼婦となる。”第二次世界大戦中に、日本軍によって連れ去られたという朝鮮人女性たちの境遇と同じである。”・・藤兵衛が手に入れたばかりの侍の地位を買いかぶって得意になる一方、阿浜は娼婦に身を落とすのであるが、そのとき彼女は次のような苦い言葉を吐くー人生の成功はみな、不幸を代償としているー』
私は、この名作映画を最近再鑑賞しているので、著者の鋭い指摘には大いに賛同しています。しかし、”第二次世界大戦中に、日本軍によって連れ去られたという朝鮮人女性たちの境遇と同じである。”という記述には、私は全く同意できません。
この朝鮮人女性の従軍慰安婦に関連して、昨日、大阪市の橋下徹市長は、『慰安婦という人たちが軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられたという証拠はない。もしそういうものがあったというなら、韓国の皆さんにも出してもらいたい。』と述べています。私も、橋下徹市長の意見に強く共感しています。
だから、この著書を読んでいて、このフランスの著名な文化人の記述に、強い不満を抱きました。しかし、この文化人は、何の根拠もなしに、全世界に深く蔓延している<朝鮮女性を日本軍が強制連行して従軍慰安婦にした>との間違った史実を、単に鵜呑みしているだけだと私は思っています。
だから、橋下徹大阪市長のような世界的に影響力のある人が、この間違った歴史的行為を是正するような言動を広く発信することは、全世界に対して日本の正しい姿を見せることになり、とても重大かつ重要な発言です。
そして、フランス人小説家のJ・M・G・ル・クレジオ氏も、橋下徹大阪市長の意見に耳を傾けて、この自著に書かれた間違った歴史的表現を、私は”早いうちに”是非とも修正・改訂してほしいです。
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