天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

劇場未公開ワイルダー監督『少佐と少女』11歳少女に扮した31歳ロジャース”子供から金をくすねるの?”

2012-08-01 22:06:36 | 日記
今日の日記は、今私がお茶の間鑑賞している日本では劇場未公開映画、ビリー・ワイルダー監督のアメリカ・ハリウッド初進出作品『少佐と少女』(1942年製作 ジンジャー・ロジャース レイ・ミランド主演)のことです。
この映画を前から是非観たいと思い、たまたまネット販売(DVD・ブルーレイ版)していたので、私は購入して今お茶の間鑑賞しています。
この映画の原題は「The Major and the Minor」というものですが、日本語版は、大いに意訳をして、「The Major」を”少佐”(レイ・ミランド扮する陸軍士官学校教官で軍隊の位が”少佐”)とし、「the Minor」を”少女”(ジンジャー・ロジャース扮するニューヨークで出張頭髪エステ・マッサージ嬢が、故郷に帰省する旅費が最近値上げになり所持金が足りなくなって、11歳の半額キップで帰れる”少女”に成りすました)として、内容がとても分かる題名にしたのです。
この映画を製作した当時、大女優ジンジャー・ロジャースは実年齢31歳で、20歳も若返ったとてもコミカルな演技を披露しています。添付した写真は、駅の化粧室で子共用キップを手に入れる為、来週12歳になる小学生の11歳”少女”に化けたジンジャー・ロジャースです。
変装した前後のジンジャー・ロジャースの代わり様もとても楽しく、私は可笑しく見えました。そして、ジンジャー・ロジャースの隠された魅力を観客に見せたビリー・ワイルダーの冴えには、往年の名画監督の片鱗が垣間見れます。
さらに、キップ購入窓口をスムーズに通過できるように、少女に成りすますジンジャー・ロジャースは、待合ロビーにいた子どもの持っていた風船を失敬したり、公衆電話で釣銭が忘れ残っていないか?漁っている中年紳士風の男に、50セントの報酬で、自分の父親役を偽装で演じて、子供用キップを1枚買ってもらうように頼みます。しかし、この父親役は、紙幣のお釣りをそのままくすねて、子供役のジンジャー・ロジャースには小銭の75セントしか渡しません。
だから、入場の改札でジンジャー・ロジャースは、”子供からお金をくすねるの?この街でも最低の悪党ね!”と咎めて、父親役の”最低の悪党”を、足で思い切り蹴飛ばします。私はこのシーンを見て、思わず笑ってしまいました。とても粋なビリー・ワイルダーらしい洒落た脚本です。
とても70年前に製作された映画とは思えない”今日的な内容を含んだラブ・コメディ”です。だから、皆さんにも、ビリー・ワイルダー監督の幻の名作『少佐と少女』を、是非鑑賞してほしいです。
コメント
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