田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

寒さに震えながらの自然観察会

2021-10-18 18:31:34 | 環境 & 自然 & 観察会

 昨日(10月17日)は、札幌をはじめ道内各地は今年初の寒波に襲われた。雪こそ降らなかったものの、時折り冷たい風雨に見舞われ寒さに震えながら「前田森林公園」で行われた自然観察会に参加した。深まり行く秋の森林公園の中を探訪した。

   

※ この日最も紅葉が美しかったナナカマドの葉です。(最後に別角度からのもう一枚を掲示した)

 前田森林公園は札幌の西の端、小樽湾に近いところに位置する手稲区の総合公園である。この公園でボラティア活動を展開している「凹凸クラブ(デコボコクラブ)」主催の自然観察会が開催され参加した。

 前田森林公園は人工的に造られた長さ600mに及ぶ直線のカナール(運河)が有名で、私も何度か足を運んだことがあるが、自然観察会に参加するのは初めてだった。

   

※ 前田森林公園内の黄葉した林です。

 観察会は事前申し込みは不要というラフな観察会だったが、それでも関心のある地元の人たちを中心に24~5名の参加者があった。

   

※ 参加者たちは皆関心のある方ばかりのようで、とても熱心に参加されていた。

 午前10時、冷たい風が吹きすさぶ中、クラブのガイド役(石田さんと自己紹介された)に導かれ森の中に入った。ガイド役の石田さんはとても植物に詳しい方だった。分かり易く、噛み砕いて初心者にも丁寧に説明された。時には巧みなユーモアも交えて…。

   

※ この日の説明をしていただいた石田さんという指導員の方です。

 最初に案内されたのが紅葉の代表選手であるカエデ類の林だった。イタヤカエデ、ノルウェーカエデ、ヤマモミジ、トウカエデ、ハウチワカエデ、ネグンドカエデ、と…。途中で石田さんは、木の葉が紅葉、黄葉、褐葉する仕組みについての説明もいただいた。(文章での説明は難しいので省略)

   

※ あまりきれいな紅葉ではないがカエデ類の紅葉です。

   

※ こうしたグラデーションを呈した葉も面白いですね。

   

※ カエデ類の実はプロペラのような形をして、周りに散らばり種を増やします。

   

※ カエデの葉の一部の紅葉が始まっているところです。葉先から始まるんですね。

 石田さんの説明を聞いていて、前田森林公園が自然林を利用した公園でないことが分かった。前田森林公園は前述のカナールのことでも分かるように、何もないところからおよそ10年もかけて新たに作り出した公園だということだ。だから前述のカエデ類もそのほとんどは他から移入、移植をしたものだということだった。ただ開園してすでに34年。鳥たちによって種子が運ばれたりして、当初植えたものが思わぬところで発芽して、成長している木もあるということだった。

 カエデの林から場所を変え、木の実が結実している所へ向かった。真っ赤な赤い実が枝いっぱいに付けている木が目に入った。「アキグミ」という木である。動物たちも好んで食する果実だという。人間が食べても構わないということで口に入れてみると、小さな実ながらけっこう甘い果実で動物たちも好みそうな実だった。

   

※ アキグミの実です。   

 その傍にもう一つ、小さな赤い実を付けた木があったが、こちらは「ニシキギ」というそうだ。こちらの実は硬くて美味とは言えないようだった。ここでこの日唯一の野鳥ヒヨドリを見ることができたが、私の腕ではカメラに収めることは無理だった。

   

※ こちらはニシキギの赤い実です。

 そしてクルミの森へと場所を変えた。クルミの森には、リスたちが食べたクルミの実の殻がたくさん落ちていた。ガイド曰く「リスたちはクルミの実をきれい割って食べるが、ネズミたちは割らずに殻に穴をあけるようにして食べるので直ぐにどちらが食べたか分かる」そうだ。またクルミの葉は小葉といって葉柄のところから何枚も葉を出しているが、葉の数を数える場合はあくまで一つの葉柄から出ているは何枚小葉が出ていても一枚と数えるそうである。う~ん、難しい!

   

※ エゾリスたちがクルミの実を食べた跡です。

   

※ クルミ類の小葉について説明する石田さんです。

   

※ オオウバユリの実が結実した様子です。

        

※ オオウバユリの高さが見事です。2メートルはありそうです。

 最後に秋の味覚キノコを紹介していただいた。コースの中で一つはヒラタケのようだったが、詳しい方がいなかったために特定することはできなかった。ガイドの方が自信をもって紹介していただいたのが毒キノコとして有名なベニテングダケである。また、倒木したシラカバの木から生えたツリガネダケをも紹介してくれたが、こちらは硬くてとても食用には適さない種であることが見て分かった。

   

※ こんな大きなキノコが公園内に残っているのは食用ではない、と想像されます。

   

※ ベニテングダケの赤い色が退化してしまったものだそうです。

   

※ 釣鐘を逆さにしたような形からツリガネダケと命名されたとか…。

 キノコを探すうちにこの日最も鮮やかに紅葉していたナナカマドを見ることができた。離層した後の気温とそれによって生成されたアントシアン(赤色)の変化の割合が理想的だったことから見事な赤色を呈したものと考えられる。

   

※ 見事に赤色に染まったナナカマドの葉です。

 と説明を受けていた時に、大粒の雨というか霙(みぞれ)のようなものが降って来た。林の中で雨を避けたが、これにて観察会を終了することとした。

 私はこの日、寒さを警戒して下はズボン下に、オーバーズボンも身に付け、上は夏山装備の上に羽毛のベスト、その上にアウターを羽織るという重装備だったが、それでも寒さを感じながらの観察会となった。

 しかし、久しぶりの観察会はいろいろと新しい知識を得ることができ楽しい観察会となった。どうしてもこの種の観察会は右から聞いて左から忘れていくことが常であるが、回を重ねることによって少しは身についてくるのではと自分自身に期待している。

 夏の間、コロナ禍で軒並み中止となっていた自然観察会が今月から来月にかけて札幌市内各地で行われるようなので、できるだけ参加できたらと思っている。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。