田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

秋山仁教授 札幌に舞う

2011-07-12 18:40:17 | 講演・講義・フォーラム等
 “舞う”という言葉が適切かどうかは大いに議論のあるところであろう。しかし、私に映った秋山教授の言葉や振る舞い…、それは“舞う”がごとく軽やかであり華麗であった…。  

        
 長髪にバンダナ、そして奇抜な服装。人は“レゲエ教授”などとも呼ぶ異端の数学者・秋山仁氏は登場して直ぐにアコーディオンを弾き出した。(当日は珍しく頭にバンダナは無く、長髪をなびかせての登場だったが…)

        
      ※ 写真では今一つはっきりしないが、超ハデなスーツで登場
       した秋山氏だが、彼には似合っていると私は思う。

 シャンソンをいきなり2曲披露したのだ。そのアコーディオンには意味があった。彼がアコーディオンに取り組んだのは55歳のときだそうだ。いつも若々しい気持ちを保ちたい、いつも前向きでいたい、そうした思いが55歳になってアコーディオンに取り組み、今では人前でも披露できるほどの腕前になったということだ。

        
        ※ アコーディオンを弾きながらシャンソンを歌う秋山氏です。

 7月8日(水)午後5時から東海大学公開講座が紀伊国屋札幌本店のインナーガーデンで数学者の秋山仁教授が「発想の転換で、不可能を可能に」と題して熱弁をふるわれた。

 秋山氏は今でも(現在64歳)現役の数学者として数学の定理を見出すことに情熱を傾けているという。その秋山氏が《秋山流発想術七カ条》を披露した。それは…、
 ① こんなことできたらいいな
 ② びっくりさせてやろう
 ③ 別の角度から見直せ
 ④ 常識を否定せよ
 ⑤ エッセンスは何か。絞り込め(単純化)
 ⑥ 自然から学べ
 ⑦ 難点こそヒント

 そして秋山氏は自ら考案した道具を用いながら数学の定理を聴いている私たちに分かりやすく説明した。
 例えば、組み立てた正四面体(通称:三角錐)をハサミやカッターを使って自由な線で切り開き、展開した図形は平面充填できるということを目の前で実際にやってくれたり(この記述だけでは分かりづらいと思うが、これ以上の説明も私には無理なので興味ある方はウェブ上などで調べてほしい)、円の面積を求める公式を道具を使って分かりやすく説明したりと、さまざまな定理や公式を受講者が興味を抱くように説明された。

        
        ※ 正四面体を展開して平面充填することを説明する図です。

 秋山氏を私は素晴らしい数学者だと思うが、それは数学といういかにも難解な世界を一般人に分かりやすく説くところだ。
 それは秋山氏のコミュニケーション能力(伝える力)が桁外れに優れているからだと私は思っている。
 学者、研究者の類の人たちのコミュニケーション能力の酷さに日頃辟易している私からみると秋山氏はスーパースターである。他の学者や研究者が持ち得ない能力を秋山氏が持っているから異端視されるんだろう、と私なんかは思ってしまう。

 定理を一つ見出すということは呻吟するほど大変なことだと思われるのだが、そんなことはおくびにも出さず、絶えず笑いを誘いながら数学の世界を分かりやすく説く、その姿は私にはまるで“舞う”がごとく映ったのだった。



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2 コメント

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55歳からアコーディオン (ちゃんこま    )
2011-07-12 23:55:25
 すごいですよね、のみ込みが早いのですね、55歳から初めて人前で弾けるとは。アコーディオンは指を使うだけでなく閉じたり広げたりなんか難しそうの楽器だと思うし、シャンソンも口ずさみながらというから、すぐになんでもできてしまうような頭の構造になっているのですかね。写真のジグソーパズルのような馬の形が逆さになったりくっついていたりする図形もよくこんな組み立てを考えられるなあと思いましたね。
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Re:55歳からアコーディオン (田舎おじさん)
2011-07-13 18:54:05
 いつもいつもコメントありがとうございます。
 確かに秋山氏は優れた才能の持ち主であることは間違いないことだと思います。
 ただ、そのことより秋山氏は「やろうとする意志」こそが大切である、ということを言いたかったようですよ。本文では書きませんでしたが、講演の中ではサミュエル・ウルマンの「青春」という詩について語っていましたから…。
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