2050年には海を漂うプラスチックごみの量が、海に生きる魚の重量を上回る予想があると聞いて驚いた。それほど海中のプラスチック汚染が進行しているということのようだ。いったい地球はどうなってしまうのだろうか?
12月12日(月)午後、私が所属する「めだかの学校」は10月から続けている「SDGs学習会」の第3回目の学習を行った。私たちの「SDGs学習会」は札幌市が実施している「札幌市出前講座」を活用し、SDGsに関する講座を選び、6回講座として計画したものである。 今回はその3回目の学習として「私たちの生活とプラスチックごみ」と題して、札幌市環境局環境事業部循環型社会推進課の職員の方に講師を務めていただいた。
※ 「SDGs学習会」の担当であるK女史が講師である札幌市の担当者(左側)を紹介しています。
その講義の冒頭で聞いたのが、リード文で紹介したことだった。1950年以降に世界で生産されたプラスチックは累計で83億トンだそうだ。そのうちリサイクルされたのはわずか9%で、残りは地上、あるいは地中、そして海洋に流出しているという。
プラスチックはその性質上、時間の経過とともに風化し、細分化され、大きさが5mm以下の微細な破片となってしまう。こうした状態のプラスチックはマイクロプラスチックと称されている。講義では紹介されなかったが、今やマイクロプラスチックがさらに細分化され大きさが100nm(ナノメーター 註:nmとは1nmが1mmの1/1,000の単位である)以下のものをナノプラスチックとも呼ばれるようになったようである。
※ ネット上からマイクロプラスチックの画像を探して掲載しました。
海洋を漂うプラスチックごみの量が早晩海中の魚の重量を上回ると聞いて恐怖を感じたのは…。すでにその傾向が出てきているとも言われているが、マイクロプラスチック、あるにはナノプラスチックを魚たちがプランクトンなどの餌と間違え体内に取り入れることによって、そうした魚を口にする私たちの体内にもプラスチックが蓄積されるのではないか、という恐怖を感じたのだ。すでにそうした魚が出現しているとも聞いた。そのことが将来多くの魚たちに影響を及ぼすこととなったら、私たちは刺身や寿司を口にすることが恐ろしくなってしまうのではないか、と思ったのだ。
※ 同じくネット上から、魚の体内から出てきたマイクロプラスチックです。
ところで講座の方は、そうした恐怖を煽ることではなく、増え続けるプラスチックごみをいかに減らすか、あるいは増え方をどう抑えるか、について啓蒙することにあった。
札幌市では使用済みのプラスチックの再資源化に力を入れているという。そのためにもゴミの分別をより徹底してほしい、との要望があった。ただ、その分別においても電池類の分別はかなり厄介そうである。注意をしてごみとして出す必要があることを痛感した。
講座のまとめとして「暮らしにおけるプラスチックとの付き合い方」について次のようにまとめられた。
プラスチックは軽くて丈夫、そして衛生的で密閉性が高い、さらにさびや腐食に強く、大量生産が可能ということで瞬く間に世界を席巻してしまった。これだけの利点を備えたプラスチックを完全に排除した生活は考えられない。今、私たちに求められていることは、それぞれの生活に合った形で、不必要なプラスチックの使用を減らしていくことが大切であると強調された。
※ 私たちの体内にもマイクロプラスチックが蓄積する恐れが考えられる概念図です。
私自身の生活を振り返っても、今やプラスチック無しの生活は考えられない。しかし、一方で地球は危機に瀕している。(プラスチックばかりではないが…)そうした状況にあって、提言されたように一人一人が今より少しでも不必要なプラスチックの使用を減らし、プラスチックごみの出し方に留意すること。それを先進国といわれる国々から始め、そのことが世界に伝番していく世の中の創っていくことが必要ということなのだろう。それがSDGsの理念を広めていくことに繋がるのだと信じたい。