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田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 135 超高速!参勤交代

2015-06-09 19:06:01 | 映画観賞・感想

 題名を聞いただけで「この映画を観よう!」と思い立った。たまあには肩の凝らない映画もいいではないかと思い観賞を決めた。しかし、映画はコミカルに描きながらも、けっこうシニカルな面も併せ持っていた内容の映画だった。 

                 

 6月5日(金)午後、札幌プラザ4・5で上映された表題の映画を観た。
 実行委員会形式で上映されると新聞で知り、映画のタイトル名を目にした時、「面白そう!」と思い、即決して前売り券を購入した。

 映画は江戸時代、8代将軍吉宗の時代に、東北の磐城藩の支藩として実在した湯長谷藩をモデルにしたものだった。
 江戸時代は、各地の藩主が参勤交代を義務付けられていたが、それは各藩にとって藩主が一年交代で江戸と領地に住まなければならないこと、さらには参勤交代に伴う莫大な費用が頭痛のタネだったことはよく知られていることである。
 石高一万五千石という貧乏小藩の湯長谷藩にとって、それはさらに深刻な問題であった。

 その湯長谷藩の藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)が江戸での務めを終え、領地に還って間もなく、幕府から再び江戸へ参勤するようにとのお達しが届いた。しかも5日以内にという常識では考えられない日数で江戸へ参るようにという通達だった。
 それは幕府の老中・松平信祝(陣内孝則)が湯長谷藩内にあるとされる金山を狙い、無理難題を押し付けて湯長谷藩を取り潰そうという思惑があったのだ。

          

 ここからが、家臣一の智恵者である家老・相馬兼嗣(西村雅彦)の出番である。相馬兼嗣の奇想天外な策略の数々が展開されるのだが、それらがいずれもコミカルに描かれ観客は大いに笑わされる。
 幾多の困難を、時にはリアルに、時にはマンガチックに乗り越え、松平信祝が放った刺客たちとの抗争をかいくぐり藩主・内藤政醇たちは約束の5日ぎりぎりに江戸城に到着するのだった。
 しかも、内藤政醇の口から「老中・松平信祝が狙っていた金山は採算が取れないような不純物を含んだ鉱山である」ことが明かされ、それを聞いた信祝の上司(老中首座)は、「不確かな情報で騒ぎを起こした」として信祝を罷免した。

                                 

 映画の大きなストーリーとして、時の権力者が力のない地方の弱小者に対して無理難題を押し付けても、知恵と行動力で権力者の思惑をはねつけてしまうという痛快さをコミカルに描いたものである。

 観ていた私もおおいに楽しめたが、その要因の一つに出演陣の演技力があったように思えた。主演の佐々木蔵之介は人の好い殿様役の雰囲気が出ていたし、脇役陣の西村雅彦、陣内孝則、伊原剛志、六角精児あたりが非常に良い味を出していたように思う。

 この映画、意外に高い集客力を誇っているとも聞く。札幌で再び観られる機会があるかどうかは分からないが、お勧めである。